モンキー的映画のススメ

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主に新作映画について個人の感想、意見を述べた文才のない男の自己満ブログ

映画「ヴィンセントが教えてくれたこと」感想ネタバレあり解説 老害だなんてとんでもない!

ヴィンセントが教えてくれたこと

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9月に入り、大作は少ないもののシルバーウィークに向けて、またひと盛り上がりありそうな予感。
アメリカでも口コミで広がり、批評家たちの評判もかなりよかったそうです。
そんなことを聞きつけ観てまいりました。
 
 
 

あらすじ

アルコールやギャンブルに溺れる、いわゆるちょいワルオヤジのヴィンセント(ビル・マーレイ)は、ひょんなことから隣に越してきたいじめられっ子オリバーの面倒をみることに。すると、子供相手に毒舌連発し、、行きつけのバーに連れて行っては酒の注文の仕方、競馬場に連れて行ってはオッズの計算を、いじめっ子の鼻のへし折り方など、ちょいワルオヤジならではのろくでもないことを教え込んでいく。最初こそそんなヴィンセントが面倒をみてくれることに最悪と感じるオリバーだか、ある日ヴィンセントが立ち寄った介護施設で思いがけない光景を目にし、オリバーの中でヴィンセントの見方が変わっていく。そんなちょいワルオヤジといじめられっ子のオリバーの奇妙な友情が交わり、2人のささやかな冒険が始まる。《HPより引用》
 
 
 
 
 
監督・キャスト
監督はこの作品で長編映画デビューを果たしたセオドア・メルフィ監督。
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広告ディレクターを経て自身のレーベルを立ち上げた後、短編映画などで数々の賞を受賞し、今作で監督、脚本、製作に携わったとのこと。
 
なんでも、主演のビル・マーレイは、どこの事務所にも属してないそうで業界の人でも連絡先を知らないとか。監督は、ツテをたどってようやくアポイントするもなかなかオファーを受けてもらえずだったとか。そして、何度もアプローチして口説き落としたんだとか。
 
おそらく、ヴィンセントを演じられると思ったのは彼しか監督にはみえてなかったんでしょうね。
 
 
主演のヴィンセントを演じるのは、愛すべきオジ様、ビル・マーレイ。
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彼と言えば、やはりゴーストバスターズはハズせない!彼以外他の2人は何してんでしょ?
他にも、恋はデジャヴ、知らなすぎた男が好きです。
近年では、ウェスアンダーソン監督作品には欠かさず出演してますね。
去年話題になったグランドブタペストホテルや、ムーンライズキングダム、ダージリン急行などなど、基本ゆる〜いコメディな感じがいいですよね。で、ちょっとキザなやつ。

 

 

 

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少年オリバーの母、マギー役に、メリッサ・マッカーシー。
 
花嫁の付添人をコメディにしたブライズメイズでの役が強烈なインパクトを残し、色んな賞にノミネートされブレイクしました。
そして、何と言ってもハングオーバー!!!では、あのブッとんだアランとアメを舐め合うというオエーッ!な演技で笑わせてくれました。
どんな母親を演じてくれるのでしょうか。
 

 

 

 

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どちらも、下品で笑えるコメディです!

 
 
 
 
そして、ヴィンセントに世話になる少年オリバー役にジェイデン・リーベラーくん。
 
まだキャリアは浅いものの、
今作での出演を機に、いろんな映画から引っ張りだこだそうです。
今後の飛躍に期待ですね。
 
 
 
他にも、ナオミ・ワッツやテレンス・ハワードなどが脇を固めてます。
 
 
 
 
 
 
そんな、コメディ界の重鎮と将来のスター候補が織りなす友情物語の感想は、
 
 
 
 

ラストの発表会は目頭が熱くなります。

 
以下、核心につかないようネタバレ含みます。
 
 
 
 
 
 
 

・ビルだから成立するちょいワルジジイ

借金を抱え、金に汚い、誰ともつるまない、酒、ギャンブル、タバコ、ガサツでいい加減、まるで昭和気質なオヤジなのか、ロックなロンリーウルフなヴィンセントを演じたビル。
どちらかというとワルとは程遠く、ほんわかしたお茶目なイメージを持つ彼ですが、意外とヴィンセントにしっくりしてしまう。
それは、彼の演技力の高さはもちろんですが、時折顔を出すヴィンセントの優しい一面を観ると、やっぱり彼が適任だな、と思いました。
逆に、ワルっぽいイメージの強い俳優がやるよりも、内面を描くシーンが重要なこういう作品には彼のようなタイプが適しているんじゃないでしょうか。
 
 
 

・少年と老人ていう設定が既にずるい

一応社会的な問題は含まれていて、シングルマザー、いじめ、親権問題、売春婦、介護などなど散りばめられていますが、あくまで話の中心はこの2人。
 
ヴィンセントと出会い、最初こそ敬遠がちなオリバーでしたが、喧嘩の仕方を教わり、やがていじめっ子と和解し友情が芽生えたり、介護施設での彼の内面にある優しさを見抜いたことでヴィンセントに対する見方が変わり、やがて絆が生まれていきます。
ここから仲良くなっていく様はほんと見てて楽しそうだった!
お盆休みにおじいちゃんち遊びにいって虫採りに出かけるようなあの懐かしさに似た感じみたいな。
 
似たような作品はたくさんあると思います。特にグラントリノなんか隣人のガンコじじいとアジア系移民の少年てだけで設定丸かぶりで、社会的部分が強いのと、今までのクリント自身を否定するかのようなラストに衝撃を受けたシリアスな展開ですが、
今作は、オリバーがヴィンセントと出会うことで成長していく過程を楽しむものになってます。ここまでは、なぜかオリバー感覚でみてるんだけど、
なぜかラストの発表会でオリバーがスピーチした内容のシーンは、ヴィンセントの気持ちになり自然と涙が溢れちゃいました。ずりぃよっ!これ!
 
 
 

・そこは結局触れないのか

ネタバレになっちゃいますけど、先程書いたように、様々な問題がちらほら出てきて、実はほとんどは解決していません。ここを知ったところで話に支障はないので大丈夫だと思いますが、個人的にはやっぱり腑に落ちないところではありました。
 
あまりに上手にまとめられ、ハートフルになるんだけど、騙されねえぞ!といった感じ。
でも、ステキな話だから、まいっか。
 
 
 
 
 
ビルだから成り立つ少年と悪ジジイの絆にほっこりしちゃう作品でした。
ラストのボブディランの歌にしんみりしながら席を立ちましょう。
 
 
 

満足度 ☆☆☆★★ 2.5