ギャラクシー街道
2年ぶりの三谷幸喜監督作品。
おそらく清須会議よりかは面白いだろうな、と思いますが年々彼の映画の質が落ちてるだけにあくまで淡い期待で見て参りました。
あらすじ
西暦2265年、木星と土星の間に浮かぶスペースコロニー(宇宙空間に作られた人工居住区)「うず潮」と地球を結ぶスペース幹線道路・ルート246666、通称“ギャラクシー街道”。かつては活気があったが、開通して150年、老朽化が著しくそろそろ閉鎖の噂も聞こえている。今日も様々な星から宇宙人たちが“ギャラクシー街道”にやって来る。みんなそれぞれに悩みを抱えた、人間味溢れる異星人だ。街道の中央にひっそりと佇む小さなハンバーガーショップ、サンドサンドバーガー・コスモ店を舞台に、そこで働く人々と客たちが織りなす、宇宙人模様。この秋、宇宙人だらけの三谷流スペースファンタジーの幕が上がる!!!《HPより抜粋》
監督・キャスト
もちろん監督は、ご存知三谷幸喜。
この人の持ち味はやはり喜劇。
舞台で培った室内劇の魅力を映画に取り入れ、尚且つ数々の脚本を手がけたその実力と基本を忠実としたユーモアが相見え三谷コメディが確立されるわけです。
そして、日の目を見ない舞台俳優さんが全国区になるのもこの方のおかげ。
最近こそ吉田羊がその1人で、西村雅彦、八嶋智人、堺雅人、山本耕史、小日向文世、堀内敬子などなど数知れず。
もっと面白くて演技の上手い人発掘してもらいたいですね。
個人的には、ドラマではやはり新選組!が1番かなと。
大河ドラマとしてはあまり見なくてもこれだけはしっかり見ました。
史実と違う脚色やオリジナルキャラなんか入れちゃうもんだから批判もあったけど、そんなもの無視しちゃうくらい毎週楽しく見てた気がします。
青春群像劇ってあまりやらなそうな人だけど、しっかり近藤と土方の友情、そんな2人を信頼する仲間との絆が描かれてよかったです。
中には、どうでもいいくだらない回とかあったけどw
沖田総司に結核うつしたのカラテカ矢部だったなぁww
それにしても山南敬助の回はホント泣いたなぁ。あの回だけ再放送するくらい人気だったし。
と思い出はたくさん。
来年の大河ドラマもこの新選組!以来の三谷作品「真田丸」なので期待したいですね。
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映画はほぼ見ていますが、1番好きなのはTHE有頂天ホテルでしょうか。
グランドホテル方式で描かれたホテル内のドタバタ劇に日本でもこんなのできんのか!?と思ったほど。
三谷監督だからできる豪華ならキャスティングと折り重なるいくつものエピソードが大団円でのエンディングがすごく好きです。
キャスト陣は多すぎるのでHPの写真をそのまま添付。
大体が見た目とは違い宇宙人という設定なようです。ハーフやらクオーターやらもいるとか。地球人もいますが、もはや宇宙人からしたら宇宙人てことなんですって。ややこしや〜。
左上から、香取慎吾、綾瀬はるか、大竹しのぶ、西田敏行、優香、梶原善、遠藤憲一、西川貴教、段田安則、山本耕史、石丸幹二、田村梨果、小栗旬、阿南健治、秋元才加、浅野和之といつもの三谷組と新たな顔ぶれな豪華キャスト。
香取慎吾がライザップ行ってたのはこの撮影が理由みたいですね。バキバキに引き締まってるもんなあ、写真みるだけで。
ハットリくん、孫悟空、両さんといつまでたってもキャラものばかりの彼ですが、なぜか三谷作品にはほとんど呼ばれるんだよなぁ。どこが気に入ってるんだろ。
別に嫌いじゃないですよ。むしろ好きです。ほげーっ!!
気がつけば綾瀬はるかも三谷作品常連ですね。
元々コメディエンヌとしては素なのか演技なのかわからないですが定評ありますし。
ホタルノヒカリは良かった。干物女ね。
西川貴教がカエル型宇宙人てwそのままって感じで違和感ないですが。
ミュージシャン枠でもあるのかな。
ステキな金縛りの時も私の大好きなKANさんが出た時はびっくりでした。しかも、主題歌コーラスしてたし。
田村梨果って知らない方を発見。
誰だとおもったらミラクルひかるじゃねーかww
本名みたいですね。これは気づかない。
たまにこんな飛び道具的な感じでキャスティングするのも三谷作品ならでは。
小栗旬は意外にも初参加なのかな?わからんけど。
ハトヤ隊員てwまあウルトラマンのハヤタ隊員が元ネタでしょう!!
秋元才加は意外ですがミュージカルや舞台、映画でコンスタントにキャリアを重ねてるのでそんな彼女を見て三谷氏の目にとまったんでしょうね。
おそらくAKBでは目立ってないけど演技力はピカイチだと。
てな感じで、三谷作品最新作のスペースロマンティックコメディ、いつも通りの金にモノを言わせた豪華なキャストのアンサンブルやいかに!?
そして、鑑賞後の感想は、
圧倒的に笑いの量が足りない。
以下核心に触れずネタバレします。
昭和特撮なSFのつくり
見るからに現在の近未来ものやはるか未来を意識した舞台や衣装で繰り広げるお話なんかではなく、
SFとうたっておきながらどこかレトロな雰囲気を醸し出すつくりになってます。
登場人物の宇宙人特有の性質なんて、長いベロやら、気分で頭の花が枯れたり咲いたりだとか、月1で脱皮だの、手足がびしょ濡れだの、鼻が長い、パニックで放電、などなど。
よく言えば見たことある特徴で、悪く言えばひねりのない使い回し。
というか宇宙人じゃなくて虫レベル。
未来の道具も大して出てこない、加えてこれといった説明もなくさらっと出てくる。
音楽に至っては、昔の洋画っぽい、いや、ただのベーシックな音だけみたいなクラシックで統一されていました。
単音でミュートで弾いてるギターや、ティンパニだけっていったシンプルなのもありましたね。
ま、その程度のSFである。
ただ。このSFを軸にした話をスピルバーグではなく三谷幸喜が手がけているのだから、
そこつっこんでも意味がないわけで。
そんなのにこだわってたら話がぶれちゃうってことですかね。
とにかく宇宙が舞台になったロマンティックコメディとして評価するべきであります。
コメディというよりギャグ?
三谷作品て喜劇がベースだから、ベタな笑いが多く、時にシュールだったりもして。
それが、いくつものエピソードやサイドストーリーが段々積み重なって、ハプニングになりエンディングで大盛り上がり、みたいなのが定番だと思ってたんだけど、
今作はそういった定番というかお決まりの流れとは違い笑いのカタルシスみたいなのはほぼ無いに等しかったのかな、話自体が笑えるっていう部分はなかったな、と。
その分、小ネタ、顔芸、濃いキャラといった細かいところでしか笑えない感じでした。
周りのお客さんの反応も同じだったと思います。
特に笑ってしまったのは、キャプテンソックスの足元とか、リフォーム業者で両性具有のメンデス演じる遠藤憲一、なぜ彼が起用されたのかは終盤で確信します。まぁ、物語の一番の盛り上がりは出産シーンでしたし。
あれは笑うわww
他にもミラクルひかるのキャラ設定だったり、綾瀬はるかの顔芸だったり、浅野和之の道化っぷりだったりと濃ゆいキャラ押しが目立ってました。
その点、一番つまらなかったキャラは香取慎吾演じるノアでした。
まぁ、全員が濃いボケだとね、ツッコミがいないと。
でも、それが主役なのか。
よく考えてみると濃いキャラばかりやってる香取慎吾は三谷作品では普通の立場の役だったりするんだよなぁ。
さんざんキャラものやってきてるし、バラエティでもそんな立場だし、
逆にこういう普通の役もできるって素質や魅力を三谷幸喜はわかって配役してんのかなって見方もあるかな。
ただ、インパクトはなかったですw
そろそろ真逆の三谷作品が見たい。
ステキな金縛りまでは笑いが絶えず、むしろ多すぎて疲れた印象があり、清洲会議では恐らく大泉洋を使いたいだけな映画でヒドい出来だった記憶がありました。
映画としての三谷ブランドが段々衰えていく中、今作も厳しい感じでした。
宇宙に出たら自分の中の常識は通用しない
なんてセリフもありましたが、愛だけはどこにいても確かなもの、とか言いたかったんでしょうか。
男女のドタバタが全然なかった分ロマコメっていうのはいかがなものかと。
いや、俺の中のロマコメの定義が違うのか?
あと、あれですね。
三谷作品で下ネタはいらない。
似合わない。これは強く言いたい。
いっそ、振り返れば奴がいるや古畑任三郎という名ドラマを書けるほどの方なのですから、ジャンルをいっそサスペンスというか古典的なものでもいいからシリアスなものをやってみたらどうだろうか?
今作に関してまとめていうなら、
大河ドラマの執筆に追われた彼のやっつけ仕事
と思ってしまうほどの出来の悪さでした。
楽しみにしてる人には申し訳ないが、大河ドラマを期待しよう。