ジェシカ・ジョーンズ
全世界同時配信となったNetflixのMARVELオリジナルドラマ第2弾をようやく見終えました。
前回のデアデビルとは違い、実写は初だし、認知度も低い。てか、誰だジェシカジョーンズって?
と、思う人もいるかと思いますが解説も含め感想を書きたいと思います。
あらすじ
ニューヨーク、ヘルズキッチンに住むジェシカ・ジョーンズ(クリステン・リッター)は浮気調査を主に行うエイリアス探偵事務所の私立探偵。
優秀で腹黒い女弁護士ホガース(キャリー=アン・モス)から仕事をもらいながらも安いバーボンを飲みながらきっちりと仕事をこなしている。
ある日、彼女を訪ねに来た夫婦から娘の行方を探して欲しいと依頼される。その娘を探していくうちに、ジェシカの人生を狂わされた過去の元凶キルグレイブ(デヴィッド・テナント)にたどり着くのであった。
ジェシカは逃げたい気持ちをなんとか抑え親友のトリシュ(レイチェル・テイラー)と共に彼を探し始める。
Marvel ジェシカ・ジョーンズ予告編 - Only on Netflix [HD] - YouTube
登場人物
ジェシカ・ジョーンズ
一人孤独に私立探偵をやっているが、その正体は元ヒーロー。少女の頃に、能力に目覚めた超人的な怪力の持ち主。
キルグレイブに操られたことがきっかけでトラウマを持ち、人を寄せ付けなくさせるほどの性格と、口の悪さ、素行の悪さに。そして大酒飲み。
幼い頃に家族を失い、親友トリシュの家に引き取られ育つ。
原作ではジュエルという名でヒーローをしてた設定になってますがドラマでは、そのような過去は見られませんでした。一応、コスチュームが出るシーンもありますが。
トリシュ・ウォーカー
人気ラジオ番組のDJをしていてジェシカの能力を知っている数少ない1人。
幼い頃にパッツィ・ウォーカーなる芸名で子役タレントとして一世を風靡するも、その裏では母親との確執があり、それを救ったのが当時孤児として引き取ったジェシカ。それをきっかけに親友としてお互いを理解している。
原作では、トリシュという人物はではなくパッツィの名でヘルキャットなるヒーローとして登場していますが、ドラマでは、彼女がヒーローとして活躍することはありませんでした。ただ立ち位置としてはジェシカのサイドキック的な立場で彼女をサポートしてます。
キルグレイブ
今作のヴィラン。自分が口にした言葉で相手を思うがままにさせることのできる能力の持ち主。
ジェシカの美しさと能力に一目惚れし、その能力で意のままに操っていたが、ある事故のせいで瀕死の重傷を負い、ジェシカを見失うも奇跡の生還を遂げ再び彼女を追い始める。
原作では、パープルマンという名でジェシカやデアデビルなどを苦しめる悪役として登場していますがドラマでは、原作を意識して紫のスーツを着た容姿が特徴の男として設定されており、ジェシカや仲間たちを苦しめています。
ルーク・ケイジ
壊れない皮膚を持つ能力の持ち主。
バーを経営、愛車はハーレー、火遊びが得意なプレイボーイ。だが、過去に妻をある事故で亡くしており、今でもその原因を探している。
浮気調査をしていたジェシカに写真を撮られたことがきっかけで深い仲に。
原作ではジェシカと結婚し子供を一人作っています。
今後、単体でこのNetflixのオリジナルドラマで描かれることが決定しています。
ホガース弁護士
ニューヨーク1の女弁護士であり、ジェシカとは仕事を依頼したりされたりのビジネスな関係。
レズビアンであり、医者の妻がいるが、秘書とガンガン浮気中。
非常に冷徹で腹黒く、金と地位とプライドが全てという強欲主義な女。
原作にはないオリジナルキャラとして今回登場してます。
シンプソン巡査部長
キルグレイブに操られトリシュに襲いかかるも未遂に終わり、自殺しようとしていたところをジェシカが防ぎ難を逃れた。それをきっかけにトリシュと恋仲になり、キルグレイブ捕獲という共通の目的の為、ジェシカに協力する。
元軍人で、何かの特殊な組織に属していた模様。
マルコム
ジェシカの部屋兼事務所の隣に住む薬物依存性の若者。ラリってるせいで人んちの冷蔵庫をあさりピーナツバターをなめるという行動をする。
昔は、社会福祉士になるべくニューヨークに出てきたが、クスリに負けた様子。
ジェシカにとっては邪魔と思いつつもほっとけない存在。
ホープ
キルグレイブに操られ行方不明になっていた大学で陸上競技をしていた女の子。
キルグレイブの能力により親を殺してしまい、刑務所に入る羽目に。
ジェシカは、彼女の無実を晴らすためにキルグレイブを捕まえるべく奔走する。
概要
NetflixとMARVELが共同制作するオリジナルドラマの第2弾として13話を全世界同時配信ということで話題になりました。
前作「デアデビル」ではデアデビルとしてヘルズキッチンを悪の手から守るヒーローのエピソード0的な物語として描かれていたのに対し、ジェシカジョーンズでは、ヒーローを引退した後という設定の下、物語が始まっています。
とはいえ、ヒーローだった頃の描写はなく、能力をうまく使いながら探偵の仕事をしてるのが中心です。もしかしたら今後過去のエピソードを描くことがあるかもしれません。
そして、次作で単体ドラマとして配信される予定のルーク・ケイジが既に今作で登場し、重要な役割を担っています。
さらに、舞台がデアデビル同様ヘルズキッチンということもあり、終盤ではデアデビルで欠かせなかったキャラがまさかの登場!今後展開されるディフェンダーズの誕生を予感させ、重要なカギを握る人物であることは間違いなさそうです。
もちろん、アベンジャーズと同じ世界というわけもあり、ニューヨーク決戦や緑の怪物、国旗の男なんてワードも出てくるのでMARVELファンにはますます楽しめるドラマになっていると思います。
感想
なるべく核心に触れずネタバレします。
探偵もの+アクションの少しダークなドラマ
全体を通して思ったのは、デアデビルでは、マシューの葛藤や価値観を中心に映し、濃度の高いアクションとダークな内容がひとつの面白い部分ではありましたが、
ジェシカジョーンズでは、少しだけダークな部分を継承した感があるものになってた気がします。やはりジェシカの過去のトラウマというか闇が話の大きなカギになっているので話が進むにつれ、その謎が徐々に明かされていくし、この謎が重いんすわ・・・。
女性ならではの闇です。やはり主役が女性だからですかね、キルグレイブを復讐するくらいのことっつったら、まぁ、そういうことですよ。
で、けっこう血が飛び散ることもあり、死体もグロく、案外スプラッタと思ってしまうのも、ちらちら。そして、ベットシーンも多数描かれています。
原作では、その過激な内容から実写化したらほとんど描かないんじゃないかというほどの内容だそうで、なんとか省いて映像にできたのも脚本家のなせる技なんでしょう。
能力者同士のベットシーンは少々笑えるかなと。
職業もデアデビルの弁護士から探偵のジェシカへと変わり、法を重んじる者から法なんてクソ食らえな仕事に変わったので、難しい法の話は少なく、理解できなくてだれるような話はあまりなかったようにも思えます。
とはいえ、よくある探偵もののノリは感じなかったです。ただ、ジェシカの性格が竹を割ったようなサバサバしたキャラなので、ごくせんのヤンクミばりのスカっとする言葉もあり、そういうとこも楽しめるかな、と。
ヒーロードラマとはいえ、コスチュームを着ることもなく武器も使わない体ひとつで怪力を駆使して戦う部分はアメコミといえど、ごく普通のアクションドラマにも見え、アメコミだから・・・みたいな、その辺りに抵抗のある人でも決して毛嫌いすることなく見ることができるんじゃないでしょうか。
敵も飛び道具出すようなヤツじゃなく、言葉で操るという能力なので視聴者は今この人は操られてるのか、そうでないのか意外とわからず、どこまで彼の魔の手が伸びているのかわからないハラハラな展開で楽しませてくれています。
そして、今作は仲間の存在が大きいです。デアデビルは孤軍奮闘な感じでしたが、こちらはジェシカと彼女を取り巻く仲間、トリシュやシンプソン、ホガース、マルコムたちが宿敵キルグレイブを捕らえるために色々と活躍したり裏切ったり操られたり、
と時間を割いて人間模様も描かれているのでそれぞれのキャラにそれなりの思いも生まれたりすると思います。
久々に腹の立つ敵キャラ
宿敵キルグレイブは、言葉で人を操る能力を身につけ、他人の家に居座ったり、中華の店でイタリアンを食べたり、気に入らなければ他人を使って始末する、
といった男で、決して自分では何もせず誰かにやらせるのが特徴です。
ジェシカと出会い、一目惚れし、ジェシカの能力を利用したりしますが、事故にあい重傷を負ってしまい、
ジェシカはキルグレイブの能力が解け、逃げることに成功し雲隠れする日陰の日々を送ることになる過去があります。
そりゃあ、こんな能力がありゃあ何だって思い通りになるんだから同じ行動とるかなとも思いますが、
両親との過去のせいで子供のまま大人になった節があり、非常にわがままで自己中な男として描かれてます。
その証拠に、ジェシカに執着し、ストーカーにまでなってる状態。
とにかく終始腹の立つ男です。変態です。キモいです。クソガキです。イカれてます。
もう抽象的ですが、非常に的を得た感想だと見た人は思うかと。
こんな男につけまわされてしまうジェシカがかわいそうで仕方ない。
増して、能力者だから逃げるしかないんだけど、彼女が過去と決別しなければ前に進めないことを感じ、戦いを挑む様を堪能してもらえればと思います。
多少の間延び感は仕方ない。
デアデビルでは、黒幕キングピンにたどり着くまでが順序よく描かれており、そこにたどり着くまでの苦悩や葛藤を越えてキングピンとラスト対決するというものでしたが、
ジェシカジョーンズは全話キルグレイブとの攻防戦になります。
序盤では、捕獲して能力の証拠映像を撮り、能力により両親を殺して逮捕されてしまったホープの無実を晴らす目的がありましたが、
ここからジェシカのキルグレイブに対する意識が二転三転していきます。しかも、各話の終盤で。
おいおい24じゃねーかよ!
とけっこう焦らされます。
途中何度もそれじゃあ逃げられるんじゃないか?とか、もっといい方法あるんじゃない?といった思いを胸に秘めながら見ていると案の定キルグレイブにまんまと逃げられる始末。
何回失敗したことか。
相手は能力者、言葉で人を操れる、そこをどうかい潜り捕獲するか、
うまくいったかと思いきや、裏をかかれたり、対策取られてたり。
おまけに彼女の仲間たちの思惑もあるので余計作戦がうまくいかない。
正に心理戦です。
そういう意味ではサスペンス感もありハラハラドキドキな部分もありますが、
ここまで来るとデスノートくらいの考えに考えた心理戦じゃないと楽しめない自分がいました。
ただ、ラスト4話くらいからはスピードが上がり、緊迫したシーンの連続でそこは楽しめた気がします。
うーん、要するに13話もいらないかな、と。もっと縮めて別の敵を登場させた方がbetterな気もしました。
まとめとして、全く知らないヒーローの話なのでなんの先入観もなく見たことに関してはすごく見ごたえもあり、デアデビルとの繋がりも出たので今後も見続けたいドラマではありましたが、
個人としてはアメコミらしくアメコミして欲しかったし、
キルグレイブにたどり着くまでもっと時間をかけて欲しかった。
でもって、コスチューム着て欲しかったw
と、若干痼の残るドラマでした。
それでも、気になる人は是非楽しんで見ていただけたらと思います。
ホント、キルグレイブムカつくんでww
満足度 ☆☆☆☆★★★★★★ 4/10