アイネクライネナハトムジーク
最近「伏線が回収されてない」なんて映画のレビューに、一言物申す的なツイートが、Twitter内で起こっていましたが、僕は回収されてこそ、それが伏線だったって認識なので、回収されない伏線はもはや伏線ではないのかなと。
なんで、こんな入り方するのかというと、今回鑑賞する映画の原作を書いている伊坂幸太郎は、そういう伏線と回収が絶妙に巧い方だと思っていて、その回収された時の爽快感やら感動の度合いがたまらなくてですね。
で、こんなこと言っときながら数冊しか読んでないんですけど、彼の作品の映画に関しては全て鑑賞しているくらい大好きでありまして。
それと今回監督される方、今年話題となった「愛がなんだ」のあの方でして、その作品を完全に見逃した自分としては、全作鑑賞している伊坂幸太郎原作映画、そして見逃して後悔している「愛がなんだ」の監督、もうこれは見に行かない理由はない、てか、今まで見てこなかったのはこの映画と巡り合うための「伏線」だったんじゃねえのか!?って気分であります。
そんな意味も込めて、「出会い」がテーマの映画を、「回収」してまいりました!!
作品情報
大人気ベストセラー作家・伊坂幸太郎原作、となると、必ずと言っていいほど登場するシンガーソングライター・斉藤和義。
伊坂がファンを公言してから深めた交流は、互いの表現方法を使って作品を生み出し、やがて一つのラブストーリーを完成させた。
そんな2人の「出会い」によって生まれた物語は、不器用ながらも愛すべき人々の思いがけない巡りあいの連鎖を10年に渡って描かれていく。
また不器用な愛の物語を今描かせたら右に出る者はいないであろう今泉力哉監督の手によって、複雑であろう恋愛群像劇を、誰もが抱きしめたくなるような奇跡のラブストーリー映画としてよみがえらせた。
3度目の共演となる主演二人の阿吽の呼吸も覗けるであろう今作。
星々という点が線を結ぶことで星座という形になるように、運命や奇跡とは振り返った時に感じることのように、登場人物たちの時を超えた「出会い」と「繋がり」に感動できる、ステキな物語。
小さな夜~映画「アイネクライネナハトムジーク」オリジナルサウンドトラック~
- アーティスト: 斉藤和義
- 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
- 発売日: 2019/09/18
- メディア: CD
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あらすじ
仙台駅前。
大型ビジョンを望むペデストリアンデッキでは、日本人初の世界ヘビー級王座を賭けたタイトルマッチに人々が沸いていた。
そんな中、訳あって街頭アンケートに立つ会社員・佐藤(三浦春馬)の耳に、ふとギターの弾き語りが響く。
歌に聴き入るリクルートスーツ姿の本間紗季(多部未華子)と目が合い、思いきって声をかけると、快くアンケートに応えてくれた。
紗季の手には手書きで「シャンプー」の文字。思わず「シャンプー」と声に出す佐藤に紗季は微笑む。
元々劇的な〈出会い〉を待つだけだった佐藤に、大学時代からの友人・織田一真(矢本悠馬)は上から目線で〈出会い〉の極意を説く。
彼は同級生の由美(森絵梨佳)と結婚し、2人の子供たちと幸せな家庭を築いている。
変わり者ながらも分不相応な美人妻と出会えた一真には不思議な説得力がある。
佐藤は職場の上司・藤間(原田泰造)にも〈出会い〉について相談してみるが、藤間は愛する妻と娘に出て行かれたばかりで、途方にくれていた。
一方、佐藤と同じく〈出会い〉のない毎日を送っていた由美の友人・美奈子(貫地谷しほり)は、美容室の常連客・香澄(MEGUMI)から紹介された、声しか知らない男に恋心を抱き始めていた。
10年後―。織田家の長女・美緒(恒松祐里)は高校生になり、同級生の和人(萩原利久)や亜美子(八木優希)と共にいつもの毎日を送っている。
そして佐藤は、付き合い始めて10年になる紗季に、意を決してプロポーズをするが…。
果たして佐藤と紗季の〈出会い〉は幸せな結末にたどり着けるのか。
美奈子の恋は、藤間の人生は―。
思いがけない絆で佐藤とつながっていく人々が、愛と勇気と幸福感に満ちた奇跡を呼び起こす。(HPより抜粋)
監督
今作を手掛けるのは今泉力哉。
恐らく去年だったかな?パンバス、パンバスってワードに目が行ったのをよく覚えてるんですが、それって監督の過去作のタイトルの略称だったんですよね。
今年は「愛がなんだ」が大ヒットで、しかも今作、そして来年公開の作品ももう控えてるという勢力ぶり。
売れましたね!監督!
でもごめんなさい!僕まだ一度も観たことありません…
だからこそ今回の作品絶対見なければ、見るべくして見る所存でございいます。
そんな監督の過去作をサクッとご紹介。
イカ天出身のバンド・たまに密着した音楽ドキュメンタリー「たまの映画」で長編映画デビュー後、年甲斐もなく若い女性に振り回されてしまう初老の作家と、総勢男女15人が織りなす恋愛群像劇「こっぴどい猫」がトランシルバニア映画祭最優秀監督賞を受賞、恋愛に問題を抱えた男女が「ちゃんと好き」に向かい合っていく恋愛群像劇「サッドティー」は東京国際映画祭で絶賛されるほどの注目を浴びます。
近年は福島と東京を舞台に「ひとがいなくなること」や「思い続けること」などをテーマにした群像劇「退屈な日々にさようならを」、恋愛こじらせ女子の面倒な恋の行方を描いたモヤキュンラブストーリー「パンとバスと2度目のハツコイ」、そして、相手に邪険に扱われても好きでいることを止められないヒロインの一途な恋の行方を描いた「愛がなんだ」などがあります。
来年1月には、男性同士の恋愛における周囲の理解と奮闘を描いた「his」が公開予定です。
登場人物紹介
- 佐藤(三浦春馬)・・・「劇的な出会い」を待つだけの男。マーケティングリサーチ会社勤務。
- 本間紗季(多部未華子)・・・偶然、佐藤と出会う女性。フリーター。
- 織田一真(矢本優馬)・・・佐藤の学生時代からの親友。ちょっと変わり者。居酒屋で働く。
- 織田由美(森絵梨佳)・・・一真の妻。学生時代モテモテのマドンナ。
- 織田美緒(恒松祐里)・・・高校生。一真と由美の生意気な娘。
- 久留米和人(萩原利久)・・・高校生。何かと美緒が気になる。
- 亜美子(八木優希)・・・高校生。美緒や和人のクラスメイト。
- ウィンストン小野(成田瑛基)・・・日本人初のヘビー級ボクシング世界チャンピオン。
- 斎藤さん(こだまたいち)・・・仙台駅前で、弾き語りを続ける不思議なストリートミュージシャン。
- 板橋香澄(MEGUMI)・・・美奈子の美容室の常連。何かと美奈子を気にかけている。
- 久留米邦彦(柳憂怜)・・・和人の父。サラリーマン。
- 久留米マリ子(濱田マリ)・・・和人の母。
- 少年(中川翼)・・・ウィンストン小野に憧れる中学生。
- 女子高生(祷キララ)・・・少年の姉。
- 青年(藤原季節)・・・ウィンストン小野の試合観戦客。
- セコンド(サンドウィッチマン)・・・ウィンストン小野をリングサイドで支える。
- 美奈子(貫地谷しほり)・・・織田由美の同級生。美容師。声しか知らない男に恋をする。
- 藤間(原田泰造)・・・佐藤の会社の上司。妻と娘に逃げられる。
(以上、HPより抜粋)
この映画観る前に、いや見た後でもいいかもしれない、是非斉藤和義の「ベリーベリーストロング~アイネクライネ~」を聞いてみたらいいと思います。
僕も好きな曲です。
ここから鑑賞後の感想です!!!
感想
劇的じゃないけれど、最高じゃなけれど、こんな映画に出会えてよかった!
これぞ伊坂マジックで今泉マジックだ!
最初のカタチよりも後でどう思うかなんだよなぁ。
以下、核心に触れずネタバレします。
出会いが無い、とか言ってませんか?
仙台に住む様々な人たちによる「出会い」と「奇跡」の恋愛群像劇を、伊坂原作ならではのナチュラルな日常でありながら、非日常感溢れる奇跡の掛け算が連続し、やがてその数珠つなぎによって誰もが多幸感に満たされる筋書き、そして様々なエピソードを上手くつなぎ合わせ、主題歌の謳い文句通りに「劇的でない」仕上がりにすることで、今生きている我々にもこんな出会いがあるのではないか、また自分と関わる誰かにステキなストーリーが紡がれているのではないかと思わせてくれる、非常に素敵な映画でございました。
はい、冒頭で申し上げた通り、僕は今泉監督の作品をこれまでスルーしてたのは、この映画に巡り合うためだったという答えにたどり着きました。
素晴らしかった!
いや僕の中ではやっぱり伊坂作品は中村義洋監督じゃねえと(てか出てなかった?)・・・なんて固定概念にさいなまれていたんですが、今泉監督もアリじゃんっ!て見終わった後感じました。
普段生きていて劇的なことなんてそうそうなくて、ドラマなんてのもそうそうなくて、そういうごくごく普通の毎日の積み重ねをいざ振り返ってってみると実は周りの人たちを巻き込むようなドラマになってるって、これからの毎日がなんかワクワクしちゃうような期待感を芽生えさせてくれるような、普通の風景を淡々と見せてくれたわけですよ。
またこれが敢えてのやり方にも見えてくるんですけど、特にこだわったショットとか構図とか目立った撮影をしていなくて、基本固定カメラで回しっぱなしなんですけど,走る時や自転車漕ぐときはしっかり並走して追いかけて撮影し、これが伏線になるよ!ってのはちゃんとそのアイテムやセリフを言ってる演者を抜いて後に活かしたり、意外と大事なシーン(プロポーズとかニヤリとする場面とか)には劇伴を使わないことでインパクトを残す、いやインパクトじゃねえな、まさに「日常」を描く演出をしているような気がして、具体的な説明を言語化できないんですけど、要するに監督この映画ハマってましたよ!!って。
ホント、登場人物たちの「小さな夜」が後の「大きな結び」になっていく姿を、最高じゃないけど悪くないって思わせてくれる、ほっこりさせてくれるお話でしたね。
一応主人公の佐藤君は、劇的な出会いに憧れているよくいる男で。
てかこの手の場合、白馬の王子様をいつまでも夢見ている的な女性のイメージが強いんですけどそれだとシンデレラストーリーになりかねないから男の方が妙にリアルというかw
そんな僕も実は心のどこかで「劇的な出会い」なんてのを夢見ている大バカ者でありましてw
そんな佐藤に、友人の織田が言うわけですよ、「出会いなんかどうでもよくてその後その人と出会えてよかったって思えることが大事なんじゃないの」みたいなことを。
冒頭でも書きましたけど、それってやはり伏線が回収されたって意味にもなるというか、運命って始まりで感じるものでなくて結果いい方向に転がったから運命だったって言えるわけで、出会いなんてきっかけに過ぎなくて要は結果どうであったかが大事というか。
登場人物の中にはその「出会い」によって残念ながら破談になってしまう人物もいるわけで、人と人って思うようにいかないんだけど、形はどうあれ出会ってしまった二人がどういう日々の小さな積み重ねによってきっと出るか凶と出るかはわかんないって話で。
これを説教クサく語ってないのがこの映画のいいところでサラッとふわっと語ってくれるのがたまらないと言いますか。
例えばですよ、佐藤の上司の藤間なんて片付けしないことを散々奥さんに言われても直らなくてその積み重ねによって別居する羽目になってしまうっていう残念な結果で、方や織田夫妻はどう見ても夫の織田君がクソなわけですよw子供いるのにAV片づけてないし、それを奥さんが片付けるってなかなかですよw仕事サボって早退したりダダこねてばかりなぐうたら亭主なんですけど奥さんはそれでもいい家族だいい夫婦だって感じている。最高じゃないけど悪くないと。
2人がどうなるかはホント分からないし、それは劇的な出会いが保証しているわけでも無くて。
そんなエピソード経て佐藤君は、10年付き合ったから結婚しようということでプロポーズを非常にダサくやるわけなんですが、なんというか当たり前のことだろ?とでも言ってるかのような。
この後彼女のいない日々を経たり、織田の娘から核心つかれたりすることで、ようやく「劇的な出会い」の呪縛から放たれ、どうして彼女と結婚したいかという答えにたどり着くあのバス停の屈託のない笑顔にやられてしまうわけでありまして。
すいません、もう自分が何言いたいのかわからんモードに入ってしまったんですが、あの~とにかくよかったんですよwええw。
とにかくですね、「出会いが無い」って思ってる人は必見の物語ですよ、はい。
んなもんどこにでも転がってるんですよ、拾ってないだけ。
ミスチルの桜井さんも言ってるでしょ、愛は奪うでも与えるでも無くて気が付けばそこにあるもの、とか、愛、自由、希望、夢、んなもんは足元に転がってるもんなんですよ。
いつからか勝手に作り上げた自分らしさにしがみ付いて檻囲って暮らしちまってるんですよあたしたちは。
妙なプライドは捨てて自ら飛び込んでしまえば出会いってスタートラインはいつでもあって、あとはもう相手との日々の積み重ねなんですよ。
ってね、自分に言い聞かせてこの命を燃やそうと思います。
あ~どっかに良い人いねえかなぁ(何も得てないw)
伏線と回収の妙
はい、僕の出会いにまつわるしょうもない話はこれくらいにして、今作はやはり伊坂幸太郎原作ということで、毎度のことながら丁寧に点と点を線で結ぶ伏線回収のエピソードがたくさん詰まったお話でしたね。
その辺をザックリ語っていこうかと思います。
- 「立ち仕事って大変ですよね、座って仕事するのも大変ですけどね。」
彼は劇的な出会いが無いと嘆いてましたが、街頭アンケートでたまたまであった紗季と案外劇的な出会いをします。
その時は決して劇的ではなく、至って平凡な終わり方。
しかし気が付けば彼女のことが気がかりで仕方なかった佐藤君は、半年の月日が流れ友人の結婚式に向かう途中、車を誘導していた警備員に目が留まり紗季であることを知ります。
そこで景品で購入していたシャンプーを持ち出し、彼女に話しかけるんですね。
シャンプーってのも街頭アンケートの際、紗季が安売りだから忘れないようにと左手に書いていた「シャンプー」の文字を佐藤が読み上げたことからきっかけ。
そして自分を思い出してもらうためにいった言葉が「立ち仕事って大変ですよね」というセリフ。
最初紗季が街頭アンケートしている佐藤に言ったのに対し、このシーンは佐藤が逆に警備員している紗季に言うってのがオツであります。
- 藤間とダブるエピソード
佐藤の会社の上司・藤間は奥さんと娘が家を出てしまったことで憤慨し、たまたま佐藤が持っていたコーヒーがパソコンのサーバーにかかってしまい、大変な騒ぎに。
それから有休を使って会社を休んでる日々が続きます。
これが10年後自分のプロポーズの失敗によって、同棲していた紗季も実家に帰ってしまう事態になり、佐藤自身も有休を使って会社を休む日々が続きます。
- 美奈子
美容師をしている美奈子に「格闘技って好き?」と語る常連客・香澄。
もうこれが伏線になってたんですけど、出会いのない美奈子に、じゃあ自分の弟と電話で話してほしいというお願いをされます。
最初こそチグハグなやり取りですが、徐々に仲は深まり、声だけ聴いている関係に居心地の良さを感じてますが、それ以上を求める気持ちに。
いざ覚悟を持って彼にアプローチしようとするも、相手も「今大事な仕事が控えてるから電話するのをしばらく辞めたい」と持ち掛けられます。
落胆した美奈子でしたが、香澄から「ボクシングヘビー級世界タイトルマッチ」の挑戦者が勝利したらあなたに告白したいとメッセージを受け取ります。
そんな自分で何とかしないで「他力本願」(これも伏線)みたいなことして私をバカにしてるのかと憤慨する美奈子。
実は美奈子の電話の相手であり、香澄の弟はボクシングヘビー級タイトルマッチの挑戦者であるウィンストン小野だったのであります。
- 大丈夫の手話
妻と子に逃げられた藤間に元気になってもらおうと、美奈子の彼氏であるウィンストン小野のサインをもらおうと、美奈子の友人で会った織田の妻・由美に頼んで家に招いてもらうことに。
しかしその道中、トイレに立ち寄った佐藤は裏でいじめられている少年を助けることに。
ここで木の枝を踏んでしまうのも後の伏線になるんですが、それは置いといて、いじめられていた少年は聴力が弱く補聴器を付けていた障がい者だったことが判明。
佐藤は彼を勇気づけようと小野を呼びだします。
一緒にやってきた織田は、ケンカの対処法として木の枝をもって怒り任せで枝を折ることを薦めるもなかなか折れない、少年もやってみたものの折れることはなく、小野に渡すと一発で折る力強さを見せつけ、少年は小野を英雄視し始める。
そして少年をケアするためにやってきた姉との手話でのやり取りに、それはどういう意味なのか聞く小野。
手を肩のあたりで右から左へスライドするポーズは「大丈夫」という意味を教えてもらった小野は、その後チャンプ防衛戦で見事に敗退。
10年後、再びチャンピオンにへの挑戦権を獲得した小野はリングに上がるも劣勢に。
殴られた痕で目が腫れ上がり視界がうまく広がらない中での休憩中、ふと客席を見ると木の枝を思いっきり折る少年が。
あの時の難聴の少年だったのであります。
それに気づいた小野は手話で「大丈夫」と返し、再び闘志を燃やしてチャンプに立ち向かうのでした。
- 誰に怒ってるかわかって怒ってますか?
10年後のエピソード。
織田の娘・美緒は自転車の駐輪場のシールを盗んで料金を払わずに停車している犯人を捜すためにクラスメイトの男子・和人に協力を依頼。
実際に犯人と遭遇した二人はと直接文句を言うも振り払われてしまう。
そこへ偶然通りかかった和人の父親・邦彦。
和人は常にヘコヘコして社会の歯車と化している父の姿に嫌悪感を抱いていたが、この時ばかりは違った。
邦彦は絡まれている美緒を助けるために「あの、私は早々に退散しますが、どなたに手を出しているかわかってやられてますか?命取りになりますよ?お嬢様くれぐれもお父様にはこのことはご内密に」と言い残し立ち去ってしまうのです。
するとビビり出した駐輪場の犯人は急いでその場を立ち去ります。
その後美緒はウィンストン小野が試合に勝ったら和人から告白されることを友人の亜美子によって伝えられ、他力本願なのと気まずさから和人と距離を置いてしまいます。
試合は判定負けになったことで、告白のチャンスを逃した和人は、いてもたってもいられず告白しようと試みますが美緒からそっぽを向かれチャンスを逃してしまいます。
しかし夕食に出かけた和人はファミレスで注文が間違っていることを指摘されクレームを付けられているウェイトレスに目が留まります。
それは最近バイトを始めた美緒でした。
何とか彼女を助けたい和人は、父親があの時使っていたセリフで彼女のピンチを救うという機転を利かせます。
他にもまだあるんですが長くなり過ぎたのでこの辺で。
最後に
偶然が必然だったことのように、出会いはほんのきっかけに過ぎない、そこからどういう積み重ねをしていくかで、それが必然だったが決まる。
何気ない日常から育まれた恋人たちの行く末は、非常に温かみがあり、可笑しみがあり、どうでもいいいことまで愛おしく感じてしまう、人間愛に満ち溢れた物語でした。
久々に大人の男性を演じた矢本優馬が好印象でした。あれだけのぐうたら亭主をやっておきながらひとつひとつの格言に説得力があり、尚且つ男気溢れる決断を描いた回想シーンはちょっとグッときました。
三浦春馬も芸能人オーラを消すかのような一般人の佇まいで好青年を演じていたし、何より主人公の名前が「佐藤」ってのがどこにでもいる誰にでも当てはまることを指すかのような意味合いの役名ってのもあって、自分と重ねやすい役柄を見事に演じていた気もします。
貫地谷しほりも多部未華子も伊坂作品には欠かせない女優さんで、久々にお目にかかれてよかったです。
あの~こういうこと言うのも大変失礼なんですが、決して飛び切り美人でない二人がこの手の映画で存在感を出して演じることが、この映画が決してフィクションでないということに強みを持たせるといいますか、すごく重要なキャスティングで。
マジで失礼極まりない・・・でも絶対必要なんですよ彼女たちがヒロインを演じる事って!これが有村架純とか北川景子だと嘘くさいんですよ!言いたいこと分かるかなぁw
とりあえずですね、森絵梨佳に「どうか、モンキーくんにいい出会いがありますように」って祈ってほしいなぁ…と、またもやこの映画見て何学んだの!?ってオチで終わりにします。
というわけで以上!あざっしたっ!!
満足度☆☆☆☆☆☆☆★★★7/10