モンキー的映画のススメ

モンキー的映画のススメ

主に新作映画について個人の感想、意見を述べた文才のない男の自己満ブログ

映画「ヘルボーイ(2019)」感想ネタバレあり解説 怒涛のゴア描写に興奮しっぱなし!!

ヘルボーイ

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どんなヒーローに憧れるか、となるとどうしても見た目がカッコいいものに惹かれますよね。

キャプテンアメリカにアイアンマン、仮面ライダーにウルトラマン。

みんな男が求めるかっこいいフォルムと立ち姿。

 じゃあ見た目が良くないとヒーローになれないのか?

そんなことはねえっ!

例え真っ赤な鬼みたいな体で、おでこに角が折れたような跡が残って、耳がとんがって髭が濃くて、どうみたって人相悪くたって、心に正義の灯を持ってる奴は、それが悪魔の子だとしてもヒーローなんだ!

え~?そんなやついるぅ~?

 

はい!いましたぁ!!

どう見たってお前敵の方だろ!みたいなそのゴッツい体にデカい態度に悪人ヅラ。

そんでもって地獄で生まれた悪魔の子なる過去を持つ男ですが、人間にしっかり愛情を注がれたことで、人間界の治安を脅かす魑魅魍魎どもに正義の鉄槌を下す、それがヘルボーイなのであります!!

 

かつてメキシコが生んだ巨匠ギレルモ・デル・トロの異形愛によって、世界中で愛されるキャラクターとなった彼ですが、今回満を持してのリメイク作品として再び我々の元へと帰ってまいりました。

しかしデルトロ版とは打って変わって、可愛らしさは半減し地獄度が倍増した感のある怖さとスケール感。

僕の知ってるヘルボーイはヘルボーイじゃなかったのか!?

この映画こそ本物のヘルボーイなのか!?

 

どうやら本国アメリカでは不評の嵐となっておりますが、いやいやそんなことはないだろう!・・・と半信半疑で今回早速鑑賞してまいりました!!!

 

 

 

 

 

 

作品情報

アメリカンコミックの鬼才と称されるマイク・ミニョーラ原作の同名コミックを、ギレルモ・デル・トロの手によって日本でも親しまれるようになった「ヘルボーイ」。

地獄で生まれたごついルックスの異色ヒーローが、再び我々の前に現れる!

 

今回新たにリメイクとして生まれ変わった今作は、地上の世界を魔物だらけにしようと企むブラッドクイーンの計画を、ヘルボーイが阻止できるのかというもの。

デルトロ版のようなキャラへの愛嬌は残しながらも、街は炎に包まれ、悪魔が闊歩し鮮血が飛び散るという正しく地獄絵図。

これが本当のヘルボーイと言わんばかりのR指定ならではの迫力と描写、壮絶な世界を目の当たりにする。

 

また原作者のミニョーラが脚本に加わったことで、原作とは全く違う世界観を作り出すことに成功。

さらに過激度の増したヘルボーイがここに誕生した。

役者陣も一新した今作。

アメコミ好きは決して避けて通ることのできない、完全無欠のダークヒーロー映画をとくと見よ!!

 

ヘルボーイ [Blu-ray]

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アート オブ ヘルボーイ

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あらすじ

 

 人類への復讐心から地上を魔物の世界へ変えようと企む“ブラッドクイーン”こと最強の魔女ニムエ(ミラ・ジョヴォヴィッチ)。

 

極秘の超常現象調査防衛局(B.P.R.D.)の最強エージェント・ヘルボーイ(デヴィッド・ハーバー)は、地球を守るべく決死の戦いを挑むが、彼女の魔力により世界を滅亡させてしまうほどのパワーを手にいれてしまう。

 

世界は終焉を迎えるのか? ヘルボーイの運命は?

 

やがてバトルは天変地異へとエスカレートする−。(HPより抜粋)

 

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監督

今作を手掛けるのは、ニール・マーシャル

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高い人気がありながら、惜しまれつつ完結したTVシリーズ「ゲーム・オブ・スローンズ」で、いくつかのエピソードを手掛けた監督。

僕は彼の作品を見るのが今回初めてなんですが、ホラーモノやアクションものを得意とする方のようです。

 

そんな彼の作品をサクッとご紹介。

人狼伝説をモチーフにしたアクションホラー「ドッグ・ソルジャー」でデビューした監督は、女性だけの探検隊が抜け出すことのできない洞窟の中で、暗闇の中尋常でない恐怖にさいなまれていく姿を描いた「ディセント」がカルト的人気を誇り、後に続編も製作されるなどして注目を浴びます。

その後も、往年のディストピア映画にオマージュを捧げ、ハードなアクションとスプラッタ満載で描いた近未来アクションサスペンス「ドゥームズ・デイ」や、マイケル・ファスベンダー主演の史劇アクション「センチュリオン」などを手掛けています。

近年は、「コンスタンティン」や「ハンニバル」、Netflix作品「ロスト・イン・スペース」などのTVシリーズ製作に力を入れており、今回久々の長編映画監督となっております。

 

 

 

 

キャラクター紹介

 

左上より

  • ヘルボーイ(デヴィッド・ハーバー)・・・地獄生まれ地球育ちの赤い悪魔。B.P.R.D.(超常現象調査防衛局)のエースで、滅びの右手の武器を持つ。
  • ニムエ/ブラッドクイーン(ミラ・ジョヴォヴィッチ)・・・1500年の眠りから目覚めた最強の敵・ブラッドクイーン。武器は最強の妖術、美貌、復讐心。
  • ブルーム教授(イアン・マクシェーン)・・・B.P.R.D.の創設者であり、ヘルボーイの育ての親。武器は統率力、親心、オカルト知識。
  • ベン・ダイミョウ少佐(ダニエル・デイ・キム)・・・凶暴なジャガーに変身する元特殊部隊のエージェント。武器は鋭い牙とツメ。
  • アリス・モナハン(サッシャ・レイン)・・・妖精に誘拐され、霊媒の力を得た少女。武器は降霊術。
  • グルアガッハ・・・ヘルボーイへの復讐を誓う悪の妖精。武器は猪突猛進。
  • バーバ・ヤーガ・・・ヘルボーイを憎むロシアの魔女。武器は二刀流鎌。柔軟性。
  • 人喰い巨人・・・英国中を荒らす人喰いモンスター。武器は止まらない食欲。(以上HPより)

 

 

 

 

 

 

 

デルトロ版から15年、激しい変化をしてきたことで現代に順応した姿形へとなってきたヒーロー映画。ヘルボーイは一体リメイクしてどう生まれ変わったのか。

原作に忠実で、より過激なものを求めた、と語るプロデューサーの言葉通り、前作よりもダークで暴力的な映画になっているのでしょうか!?

ここから鑑賞後の感想です!!!

 

感想

デルトロ版と全然ちげぇ!

グロ描写ゴア描写ごちそうさま!な迫力満点のアメコミ映画でした!!!

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目を瞑りたくなるビジュアルとゴア描写

5世紀での封印から目覚めてしまった魔女の陰謀を阻止するため、任務を遂行する悪魔の子が世間の目や自身の生い立ちや父の想いにがんじがらめになりながらも、仲間たちの助けや父からの本心を聞くことによってアイデンティティを確立し、本当のダークヒーローへと確立していくまでの成長を描くと共に、ナチス、ラスプーチン、アーサー王伝説、魔女といったオカルトや伝説などの設定でワクワクさせ、とんでもないグロテスクなビジュアルの悪魔たちにより避けるチーズのようにいとも簡単に食われてしまう人間どもの阿鼻叫喚な姿に興奮してしまう、容赦ない映像の数々が楽しい作品でございました。

 

はい、原作など全く知らずデルトロ版しか見ていない私モンキーでございますが、本国の悪評の数々など全く参考にならないくらい楽しい映画でございました。

その大きな理由は何といっても描写。

冒頭から死体の目ん玉をほじるカラス、アーサー王の聖剣エクスカリバーによってばらばらに切り刻まれるニムエ、そのニムエが放つ伝染病によって硫酸を被ったかのようにサラッと溶けてしまう人間どもの醜い姿と、おいおい!なかなかきっつい映像の連続じゃねえか!と目を瞑りたくなる私。

このブログで何度も言ってますが、やはりグロい映像は苦手なわけでこれは最後までしっかり見届けることができるのかと一瞬不安になりましたが、そこはアメコミ映画なわけで、いわゆるガチのホラー映画よりかはまだポップ感があり、気持ち悪さよりもその清々しいまでの血みどろ描写が逆に病みつきになってしまったわけであります。

 

そこからプロレス会場に捜査官を探しに行ったと思いきや、ミイラ取りがミイラになってしまった状態の捜査官との対決。

まるでレッドウォーリアーのようなその姿にびくついてしまうヘルボーイですが、あくまで仲間であるからちょっとばかし手加減。

でもついつい力を発揮し過ぎてしまいリングのポールめがっけて投げてしまい、見事にグサッと串刺し状態に。

お~やっぱ容赦ねえ、そこまでやるならもっと見せてくれ!とっ徐々に前のめりになるモンキー。

 

その後もニムエのバラバラになった体探しに奔走するブタの怪物・グルアガッハが修道院の人たちの身体を片っ端から引きちぎる場面を、生き残った男の脅える表情と彼の前に飛んでくるバラバラ死体によって、さらに怖さは倍増に。

まだまだあります。

3体の巨人を倒しにオシリスクラブの面々と現地へ向かうヘルボーイでしたが、まさかのオシリスクラブの罠。

電気椅子の5倍もあるという電流を帯びた槍でぐさぐさヘルボーイの身体を突くシーンは、ヘルボーイ終わった・・・と思ってしまうほどの攻撃で、団長がとどめを刺そうとした瞬間、巨人が登場しシュパっと首チョンパ。

意識が落ちる寸前のヘルボーイは川に浸かると同時に、この団長の生首がおびただしい量の血と共に落ちてくるではありませんか…

マジで容赦ねえよ、これ。

そして巨人との戦いは、大乱闘スマッシュブラザーズばりの豪快な吹っ飛ばしや、大木を使っての再び目ん玉ブシュ!なシーン、巨人の武器である剣を使っての大回転斬りによって、サクサク切り刻まれる巨人の痛々しい姿。

 

モンキー的に一番強烈だったのはバーバ・ヤーガとの場面。

ニムエの一言によって気持ちが揺らいでしまい、父に不信感を募らせ苛立ち、本部から飛び出してしまうヘルボーイでしたが、エレベーターで上にあがろうとするとなぜか下へ直行、バーバ・ヤーガの館へと誘われてしまう、というシーン。

やってきた館の窓からエクソシスト張りに綺麗なブリッジにもかかわらず絶対体柔らかくねえよなぁ…と感じてしまう骨や関節の軋む音とともに登場するバーバ・ヤーガ。

夕食の用意が出来ました、召し上がれと食卓に着席するヘルボーイでしたが、メインディッシュは何と人間の子供の指や内臓を煮込んだスープ・・・一瞬指がソーセージに見えてしまった人はきっと多いはず!

しかもヘルボーイの後ろには人間の子供たちが数人首吊りの状態でぶら下がっており、そのスープはあなたが来る直前に切り落として仕込んだ出来立てなんですよ・・・とでも言いたそうな表現で、さすがのヘルボーイも真っ青なんじゃないか!?と思ったらやっぱり真っ赤でしたw俺が真っ青だったのか…

ここでニムエの居場所を聞き出す代わりにお前の片目をくださいな、という契約を要求するバーバ・ヤーガ。

バーバ・ヤーガは片目が無い魔女なんですが、眼に縫い目のような痕がありこれがまた気持ち悪さを助長させる部分なんですね。

そして、じゃあ紙に書くか?いいや,契りのキスでいいよ、とすかさずヘルボーイの唇めがけて舌でベロリンコ。バーバ・ヤーガの口から溢れる唾液の量は妖怪レベルであり、このシーンはきっと映画史に語られるであろう世界一醜いキスシーンに違いないでしょう。

 

またクライマックスでは、いよいよ黙示録が始まってしまうかという事態に発展し、地面の裂け目から次々と現れる悪魔たちが、ロンドンの通行人たちをどんどん食いちぎっていくのであります。

あ~人間てこんなに簡単に体が避けてしまうのね…と思ってしまうほど、無残な死に様を見せれられるクライマックス。

巨人の足に突き刺さった人間もいれば、足から引き裂かれる人間、手足を両側から引っ張られ引き裂かれる人間、頭をパックリ食べられちゃう人間などなど、多種多様な殺され方をする人間に興奮が止まりません。

 

このように明らかにデルトロ版とは違うビジュアルにゴア描写なんですよね。

もちろんデルトロ版の方も大好きですけど、ここまで振り切って描いたのはお見事としか言いようがありません。

 

 

良いよね~こういう設定。

ニムエは5世紀に存在した魔女で、悪魔と人間との共存を願っていた存在だったんですが、この状況を鎮めるためにアーサー王と魔導士マーリンは、彼女の要件を飲むかと思いきやニムエの右腕である魔女の協力によって、彼女を成敗すること成功します。

という場面を冒頭で描いてるんですが、まさかヘルボーイにアーサー王伝説が絡んでくるなんて誰が想像したでしょうか。

もしかして原作でも登場するのかな?

まぁいいや、ここでアーサー王が出てくるということは、ヘルボーイと深いかかわりがあるに違いない、総予想しながら見ていたんですが、これが見事的中w

何とヘルボーイは、アーサー王の末裔である女性が地獄で悪魔と体を交え生まれた、人間と悪魔のハーフだったことが、墓場で眠っていたマーリンの口から明かされるんですね。

おいおいとんでもない展開だなw予想していたとはいえ中々むちゃくちゃな設定に思わず笑ってしまいましたw

それもきっと「トランスフォーマー/最後の騎士王」のあの展開が頭をよぎったせいだと自分に言い聞かせてその後を見守った次第です。

 

またデルトロ版と同様に第二次世界大戦でピンチだったナチスがラスプーチンの協力によって悪魔を呼び寄せた時に現れたのがヘルボーイなんですけど、今作でもそのエピソードは使われています。

ここで知らないヒーローが登場。ロブスターと名乗るその男は連合国軍と共にナチスの陰謀を阻止するために登場し、アクロバティックなアクションで次々とナチスの兵士をやっつけるではありませんか。

しかも左手の手のひらにハサミのようなマークが。それをラスプーチンの額にジュっ!と刻印しとどめを刺すんですね。

これ以降出てこないのであいつ一体誰だろうと調べてみたら、どうやら原作コミックでも活躍する「ロブスター・ジョンソン」という名のヒーローであることを知りました。

 

1930年代に活躍したクライムファイターだそうで、あの左手についていたマークは、ロブスターのハサミであり、最後に敵にあのマークを焼き印するってのがお決まりなんだとか。

 

このように、様々な映画でも扱われる「アーサー王伝説」(ヘルボーイも言ってたね)を、大胆な解釈で引用し、悪魔の子でなく運命の子としてヒーロー爆誕に仕上げたのは、ワクワクモノでした。

また今後登場するかもしれないヒーローも登場したことでさらなるチーム・ヘルボーイを期待する部分もあって、ぜひ続編をやってほしいなぁと。

てか、最後のシーンで出てきたのってあいつだよね?デルトロ版にも出てきた。

続編やってほしいなぁ!!

 

 

最後に

と、ここまで絶賛してまいりましたが、どうしたって物語自体がややこしいし面白みに欠けるのが残念な所。

絶対倒せない雰囲気を醸し出すニムエがそこまで強くなくて、最後に魔術と腕力をどうやって交えて戦うのとか期待していたのに、えらくあっさりで・・・

また回想を挟みすぎな所も残念。要所要所で何度も挟まれると,またか・・・と集中力を欠いてしまいがちになるので、ちょっとしつこかったですかね…。

明らかにヘルボーイが知っていることを前もって説明してないから、こいつと過去に何があったのかわからない状態で物語が進み、後々説明が入るっていう回想シーンはせめて1回でお願いしたい。

最悪、最初に一気に駆け足でやっちゃえばよかったなぁと。

 

あとは結構CG描写が荒いなぁと。

特に3体の巨人のシーンは荒すぎたなぁ。

 

とはいえ、ニムエ演じたミラジョボビッチの、パックリ開いた胸元がちょっとテカっていて妖艶さ倍増なビジュアルは非常に満足ですし、肝心のヘルボーイ演じたデヴィッド・ハーバーも良かったですよね。

 

もし続編が製作されるなら是非脚本をスマートにしていただいて、映像面はもうちょっとCGをどうにかしていただいて、世界観はこのままでお願いしたいですね。

というわけで以上!あざっしたっ!!

 

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満足度☆☆☆☆☆★★★★★5/10