モンキー的映画のススメ

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主に新作映画について個人の感想、意見を述べた文才のない男の自己満ブログ

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映画「ビリーブ未来への大逆転」感想ネタバレあり解説 今女性が活躍できるのは彼女のおかげなのです。

3月22日

ビリーブ/未来への大逆転

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今年のアカデミー賞作品賞にノミネートされた作品のほとんどが、1960年から70年代が舞台にした物語でした。

50年前とはいえ、割と最近の時代だなって思うのは僕だけでしょうか。

まだ人種差別や女性の地位が低かった、いわゆる白人の男性が一番という時代。

 これらを題材にした映画が多々作られている、または評価されている背景に、当時のような差別が今再び過熱してきていることが窺えます。

白人警官が無抵抗の黒人に発砲したとか、同じ働きなのに女性の方が男性よりも給与が少ないとか。

同じ人間なのに肌の色が違うだけで性別が違うだけで。

 

どうしたら変われるのか。明るい未来が来るのか。

それは一人ひとりの意識を変えることも当然ですが、法を変える動きをするのも大きな手段です。

今回鑑賞する映画は、性差別がまだ色濃かった時代に、100%負けるといわれた男女平等裁判に挑んだ一人の女性弁護士の実話に基づいたお話。

ちなみにこの方、現在85歳で最高裁判事を務めてるんだとか。

とんでもねえバイタリティ。

早速鑑賞してまいりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

 

アメリカで最も尊敬される女性であり、いまやアメリカのポップアイコンとしても親しまれている、85歳で現役の最高裁判事ルース・キンズバーグ

女性がクレジットカードも持つことができず、職に就くのも難しいとされた1970年代のアメリカで、男女平等裁判に挑み、大逆転の末勝利を収めた女性が彼女だ。

今日の女性の活躍できるのは彼女のおかげと言っても過言ではない。

では、彼女がどうやって100%勝てる見込みのない裁判に勝利したのか、また挑もうと決意したのかを、彼女に共感した女性監督と、ギンズバーグの甥が入念な調査と本人からの話を元に脚本を手がけ製作された。

 

現在世界中で声が上がっているMetoo運動。

その先駆者的存在ともいえる彼女が権力に立ち向かう逆転劇が、世界に勇気を与えるだろう。

 

大統領を動かした女性 ルース・ギンズバーグ―男女差別とたたかう最高裁判事

大統領を動かした女性 ルース・ギンズバーグ―男女差別とたたかう最高裁判事

  • 作者: ジョナウィンター,ステイシーイナースト,Jonah Winter,Stacy Innerst,渋谷弘子
  • 出版社/メーカー: 汐文社
  • 発売日: 2018/03/01
  • メディア: 大型本
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あらすじ

 

 

貧しいユダヤ人家庭に生まれたルース・ギンズバーグ(フェリシティ・ジョーンズ)は、「すべてに疑問を持て」という亡き母の言葉を胸に努力を重ね、名門ハーバード法科大学院に入学する。

 

1956年当時、500人の生徒のうち女性は9人で、女子トイレすらなかった。

家事も育児も分担する夫のマーティン(アーミー・ハマー)の協力のもと首席で卒業するが、女だからというだけで雇ってくれる法律事務所はなかった。

 

やむなく大学教授になったルースは、70年代になってさらに男女平等の講義に力を入れる。

それでも弁護士の夢を捨てられないルースに、マーティンがある訴訟の記録を見せる。

ルースはその訴訟が、歴史を変える裁判になることを信じ、自ら弁護を買って出るのだが──。(HPより抜粋)

 

youtu.be

 

 

 

 

 

 

監督

今作を手がけたのはミミ・レダー監督。

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この方結構有名な作品手がけてるんですけど、いやぁ~申し訳ない、どれも見てないw

今回製作するにあたって、ギンズバーグとある種の絆のようなものを感じていたと語っています。

逆境や差別を体験した世代の一人として、また母親として、そしてユダヤ人女性として戦ったという点に感銘を受け、それを映画として伝えなければと。

 

そんな監督の思いが詰まった作品、どんな仕上がりになっているのでしょうか。

 

では監督の過去作をサクッとご紹介。

ジョージクルーニーニコールキッドマン主演のアクションスリラー「ピースメーカー」で監督デビューした彼女は、TVドラマと平行しながらいくつモノヒット作を生み出しました。

翌年、隕石落下による世界的危機に直面した人間と政府の危機管理対策ににフォーカスを当てたSFパニック映画「ディープインパクト」が大ヒット。

そして善意を相手に返すのではなく別の3人に渡すことでせかしを帰られる信じる少年の物語「ペイ・フォワード/可能の王国」などを手がけています。

 

ペイ・フォワード(字幕版)

ペイ・フォワード(字幕版)

 

 

 

 

 

キャスト

主演のルース・ギンズバーグを演じるのはフェリシティ・ジョーンズ。

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博士と彼女のセオリー」以降、主演作が多くなった彼女ですが、僕は正直あまり好きな女優さんではないかなぁ。きれいですけどね。

 

最近では「ローグ・ワン/スターウォーズストーリー」でのジン・アーソ役が記憶に新しいところ。

あとはラングドン教授シリーズ第3弾「インフェルノ」のヒロインとか。あれは騙されましたなぁ。

あまり知られてないところでいうと「アメイジング・スパイダーマン2」でハリーに気に入られて秘書になった女性役で出演していましたね。

 

やっぱりジンの印象が強いこともあって逆境にくじけない女性を演じるのはぴったりな気がします。

彼女に関してはこちらをどうぞ。

 

www.monkey1119.com

 

 

 

 

他のキャストはこんな感じ。

ルースの夫、マーティン役に「君の名前で僕を呼んで」、「コードネームU.N.C.L.E.」のアーミー・ハマー。

メル・ウルフ役に、「マルホランド・ドライブ」、「チャーリーズ・エンジェル/フルスロットル」のジャスティン・セロー

アーウィン・グリスウォルド役に、「華麗なるギャツビー」、「カプリコン・1」のサム・ウォーターストン

ドロシー・ケニオン役に、「ミザリー」、「アバウト・シュミット」のキャシー・ベイツなどが出演します。

 

 

 

 

 

 

実は彼女のドキュメンタリーもアカデミー賞長編ドキュメンタリー部門にノミネートされていて、5月に公開することが決まっています。

今回の映画が面白かったらちょっと観にいってみようかと思ってます。

ここから鑑賞後の感想です!!!

 

感想

世界は知らぬ間に変わっていく。

だから法律はそれを受け入れてほしい。

性差別が未だ残っている今こそ見るべき映画でした!!

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

法の名の下に平等?

男性優位社会の中でそれでも弁護士という自分の夢を諦めず突き進んだ一人の女性が、次の世代がより良い暮らしができる社会への一歩を踏み出すことができるか否かの裁判に挑むまでの物語を、協力し合う夫婦の関係や娘との相互理解していく姿、仲間とのエピソードを交えていく事で、いかにルース・ギンズバーグという女性が家族に支えられ理解され自分を奮い立たせたのか、また数々の先例があったからこそたどり着いた地点だったことが窺えた、まさに千里の道も一歩から映画でございました。

 

 

一応今日ですね、この映画を見る前にブラック・クランズマンを見たんですけど、こっちは人種差別で今作は性差別で、しかもどっちも70年代のお話を描いてて、それをこの2019年に観るってのは、なんなんでしょうね。時代が逆行してるんでしょうねほんと。

冒頭でも同じこと言ってますが、今人間同士が差別することでしか生きていけないのかなぁって考えちゃいますよね。

そんなことないはずなんですけどね。

 

正直人種差別と性差別どっちが身近でどっちが関心があるかってなると、今作の方です。

どうしても宣伝の仕方とか女性が主人公ってなると女性差別がテーマだと思いがちかもしれないですけど、あくまで性差別がテーマ。

確かに劇中ではルースが男性社会の中でモノ言えずへつらうことしかできない描写だったり、女は家庭に務めるために生まれてきた、それは数百年前から変わらないとかてめえどの口が言ってんだ!?って思う部分が多々あるから、女性が差別されてるって印象がどうしても残るんですけど、あくまで性差別です。

 

なぜかというと、ルースが起こす裁判てのが逆転の発想から生まれたものだったからなんですね。

だからこのダサい邦題である、未来への大逆転てサブタイトルがついてるのかなぁと。

 

男女平等。

簡単に覚えられる四文字熟語ですが、果たして今の社会実行されてるのか、自分が行動できるのかってなると全然そうでもない。

これは当時の法律も同じで法の名において平等と謳っておきながら、実際平等なのは人間で女性ではないっていう事実。

夫の名前でなきゃカードも作れない、就職すらもできない。

しかも女性が職場にいると家内が嫉妬するというくだらない理由まで。

その理由もやはり女性が仕事をさせてもらえない社会だから、女は家を守るのが務めという環境や空気、そして法律だからなんですよね。

 

どうしてもこの現状を変えたいと常日頃思っていたのがこの主人公ルースだったというわけです。

しかしルースの前には男性社会で勉学に励む以前に、問題が重なっていたんですね~。

 

 

こんな夫婦関係良いよね。

ルースは学生結婚をした上に子供も産んでおり、子育てしながらハーバード大学院に通いうというハードな毎日を送っていました。

もうこの時点で強者ですよ。男でもとても真似できない。勉強しながら子育てしてって。お給料どうしたんだろう…。

彼女は夫といい関係になるために弁護士の道を目指したと学部長に話します。

もちろん周りの男性は失笑。

またこの学部長がクソ野郎でして、10年かけて女性も法学科に入れるようにしたことを誇らしく思ってるんでしょうが、女性への扱いは結局男性優位主義でして、この新入生を招いての夕食会でも開口一番、「男性の枠を減らしてまで入学してきた君たちの理由を聞こう」って言って、言ったら言ったで下らん!とか罵る超クソ野郎なんですよ。

このクソ学部長が、実質ラスボスとして立ちはだかるお話なので、ぜひここで怒りを溜めていただければと。

 

こうしてルースは授業でも女性軽視で扱われる日々を送っていて大変だなぁと思ってたんですが、さらなる悲劇が。

何と夫のマーティンが精巣ガンで入院してしまうという事態が発生。

生存率5%という命にかかわる問題に直面したルース。

無事退院できたものの自宅での安静が必須なため、税の専門家になるべく勉強していたマーティンのために、彼が出ている授業に代理で出席しノートをとり、自宅では彼が話した言葉をタイプライターで代筆し、その間夜泣きする子供の面倒を見、それが終わったら今度は自分のレポートを作成するという、ルースさん一体あなたは一日何時間寝てるんですか、そのバイタリティはどこから出てるんですか、やる気スイッチどこにあるんですか是非教えてくださいって気持ちにさせてくれる頑張り様。

その甲斐もあってマーティンはニューヨークでの勤務が決まり、彼を体調を案じてルースも大学院を移籍し彼についていきます。

 

そしてルースも法の中心地ニューヨークで弁護士事務所での就職活動をしますが、なかなか雇ってくれるところが無く、結果大学の教授として働くことで落ち着きます。

ここでねぇマーティンが良い夫なんですよ。

要はルースは諦めてしまったんですね、12社目で重いパンチくらって。

それに対してそこで諦めたら試合終了ですよって安西先生みたいな言葉を優しくかけるわけですよ。でもね、ルースはそれどころじゃなかった。相当なダメージを食らっててとりあえず法を教える立場で妥協したわけです。

だから夫のこの諦めるなって言葉は今の彼女にとっては慰めにならないんですよ。

ここでマーティンは自分の主張を押し付けないんですね、わかった、じゃあ乾杯しようって。

このマーティンの些細な優しさがステキなんですよ。

ほとぼりが冷めた時に、自分が抱えてる案件の中で彼女が食いつきそうなのを、読んでごらんって差し出すだけであとは特に言わないとか、ルースが娘と口論して論破された時に俺が行くって言って娘をフォローする姿とか、あとは模擬裁判でのルースへのアドバイスとか、きっと女性ならこういう旦那さんいいなあと思えるであろう姿がそこにありました。

おい帰ったぞ!風呂‼メシ!寝る!なんて親父じゃないんですよ。

しかも!アーミーハマーファンならたまらないであろうエプロン姿と、ナイスな包丁さばきも拝めるという出血大サービスまで。

 

きっとこれも彼女の夢をかなえることを本気で信じてるからできることで、夫の存在がどれほどのものかを解っているからこその看病と代筆だったんですよね。

 

 

逆転劇への軌跡。

今作はいわゆる法廷モノに当てはまるんですが、普通の法廷モノでは検事と弁護士が裁判で言い合って、陪審員がそれ聞いて判断して裁判官が判決!とかだと思うんですけど、これは一人の男性に下された判決を破棄してもらうために、司法省(違ったかな?)相手に裁判を起こすわけです。

それぞれの言い分を30分ずつ話し、判事が質問やツッコミをし、反論を経て決を採るというものでした。

 

これが相当な会話劇でしたので、わかる範囲で解説をば。

まずマーティンが持ってきた案件から始まります。

それはセールスマンをしている男性が、母親の介護をするために介護士を雇おうとしたんだけど、男性が未婚ということで所得控除が認められなかったという案件。

これを読んだルースは、男性への性差別だということに気付き、ここから男女への性差別撤廃への突破口として活路を見出すことになります。

これこそ逆転の発想なんですよね。女性が差別を受けていることは周知の事実なんだけどどの訴訟も敗訴していた、でも男性が差別を受けている訴訟って?今までになかった!しかも男性なら判事も男性だから勝てるかも!?って話になるんですね。

 

しかしここからが大変。

かつて伝説の弁護士と呼ばれた女性、ドロシー・ケニオンが10年前に起こした裁判では、浮気を機に別れを切り出した夫に逆上しバットで殺してしまった女性の減刑を主張したものの、結果は敗訴。

そのことをルースは直接聞きに行くも、ケニオンは「法を変える前に、人の心を変えろ」と言い残しどこかへ行ってしまう。

これのほかにもオハイオ州で、自殺した息子の家の所有権を両親が争う裁判で、男は数字に強いからという理由で父親の方に所有権が持っていかれたという裁判もあり、どれも女性が不利な先例が。

 

これをどうやって覆すか、というのが最後の裁判の見どころになっていくわけです。

 

そもそも当時の法律は、男も女の役割も自然の摂理によって成り立っているんだから、それに沿ってできた法律を守れよってことで、世界も時代も変わってきたんだからほうも変わりなさいよってのが、ルースが訴える性差別撤廃なわけです。

能力は同じなのになぜ適していないとみなされるのか、それは女性でなく男性も同じだという点をピンポイントで突き、自身の過去も含めて語っていくのであります。

 

 

最後に

こういう映画は大方予想できてしまう気がして、ある程度の結末を予想して臨んだ映画だったんですけど、女性の地位向上させるための裁判が、実は男性が敗訴してしまった裁判の上訴だったってのがホント意外で、あ、これは後半面白くなるぞ!ってのと、ラストのルースの語りに気持ちがこみ上げてくる良い終わり方なんですよね。

 

劇中で娘と口論するきっかけが「アラバマ物語」で、娘は主人公の弁護士に肩を持つんだけど、ルースはそうじゃないんですよね。

俺あの映画完全に主人公目線で見てたから、あれってそういう映画じゃないんだっけ?と感じてもう一度見たくなりました。

 

一応野暮な不満を申し上げるとすれば、マーティンの病気とか大学での場面とか序盤で描かれたエピソード大事なのかもしれないけど、そこ削ってすぐ本題入ってそこを濃厚に描くだけで話作れたよね~って思ってしまって。

あとはまぁ会話が結構多いのと聞きなれない言葉や話がポンポン飛んでくるので、頭スッキリしておかないと入っていけないかもです

 

それにしてもアーミーハマーの包丁さばきが忘れられない・・・。

というわけで以上!あざっした!!

満足度☆☆☆☆☆☆★★★★6/10