ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男
米アカデミー賞で、主演男優賞とメイクアップ&ヘアスタイリング賞の2冠を獲得した、イギリスの英雄を描いた映画が公開です。
前年に映画ファンを興奮させた「ダンケルク」の裏側を描くということもあり、男性陣はとても興味の湧く作品なんじゃないでしょうか。
めっちゃアガる映画だと思うんですよ。
このチャーチルを映画にするってこと。
嫌われ者から英雄になるんですから。
もちろんチャーチルのやってきたこと全て英雄譚かどうかってのは抜きにしてですよ、彼のこの決断がなかったら、歴史がものすごく変わっていたわけですから。
とか言っといて、チャーチルのことよくわかっていませんw
色々記事を読んでから観賞しようと決めていたので、感想の部分で彼のことについて触れられたらと思ってます。
早速観賞してまいりました!!!
作品情報
1940年、第二次世界大戦初期。ナチス・ドイツの勢力が拡大し、フランス陥落間近、その余波がイギリスにも迫っていた状況下、就任したばかりのイギリス首相ウィンストン・チャーチルに大きな決断が迫っていた。
ヒトラーに屈するのか、それとも闘うのか。
たび重なる失策と変わった性格で政界から嫌われていた男が、イギリス絶体絶命の中、首相へ就任してから史上最大の救出作戦と謳われた「ダンケルクの戦い」まで、究極の選択と決断に追い詰められた苦悩と葛藤の27日間を描く。
本作は、主演のゲイリー・オールドマンが特殊メイクアーティスト・辻一弘の確かな腕により、合計時間200時間かけて見事なまでにチャーチルに似せて作りあげ、その演技が評価され、ゲイリーが見事アカデミー賞主演男優賞を受賞、彼を完璧なチャーチルへと変身させた辻が、アカデミー賞メイクアップ&ヘアスタイリング賞を受賞した。
ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男 (角川文庫)
- 作者: アンソニー・マクカーテン,染田屋茂,井上大剛
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
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あらすじ
1940年5月、第二次世界大戦初期。
ヒトラー率いるナチス・ドイツの勢力が拡大し、フランスは陥落間近、イギリスにも侵略の脅威が迫っていた。
内閣不信任決議が出されたチェンバレン首相(ロナルド・ピックアップ)の後任として、外相のハリファックス(スティーヴン・ディレイン)が最適任者だという声があがるが、本人はこれを固辞。
そこで、国民からの人気は高いが、たび重なる失策から政党内の “嫌われ者”であったウィンストン・チャーチル(ゲイリー・オールドマン)に白羽の矢が立つ。
朝から酒をたしなむ変わり者の夫を叱咤激励する妻クレメンティーン(クリスティン・スコット・トーマス)や、気難しくもウィットとユーモアに富んだチャーチルの言葉をタイピングする秘書エリザベス(リリー・ジェームズ)のサポートを受けながら、国難に陥ったイギリスの新首相に就任したチャーチルは、ドイツとの和平交渉をすすめるチェンバレンとハリファックスらに陰口を叩かれながらも、「決して屈しない」と徹底抗戦を誓う。
そんななか、ドイツ軍に追い込まれた英国軍は、フランス・ダンケルクの海岸まで撤退し孤立状態となっていた。
30万人もの兵士が包囲され、救出するすべがない。ならば彼ら兵士を救うべく船をダンケルクへ向かわせるのだ、大型船はもちろん、ボートや小型船など民間の船もすべて召集して
。
こうしてダイナモ作戦が実行された。
日に日にナチス・ドイツの勢いは増す一方で、英国にも上陸の危機が迫る。
ヒトラーに屈するのか、それとも戦うのか。
ヨーロッパのみならず世界の運命がチャーチルの手に委ねられた。日々悩み、葛藤するチャーチル。
そんな彼の姿に、就任当初はチャーチルに対して懐疑的だった英国王ジョージ6世(ベン・メンデルゾーン)も心を開き、二人は絆を育む。
そしてついに、チャーチルは歴史的決断を下す。 (HPより抜粋)
監督
今作を手がけたのはジョー・ライト。
彼の作品からキーラ・ナイトレイが好きになったって人多いと思うんですけど、残念ながら僕それ見てなくて、逆に彼のアメリカ映画しか観てないという・・・。
でもいい映画撮るんだよこの人!!
そんな彼の作品をサクッとご紹介。
大学卒業後、MVや短編映画の製作、TVドラマを手がけるなどのキャリアを積んだ後、長編映画第1作目となった、プライドと偏見が邪魔をして素直になれない男女の行方を描いた、ジェーン・オースティンの名作「高慢と偏見」の映画化「プライドと偏見」が、アカデミー賞4部門ノミネートする快挙となり、一躍有名になります。
その後デビュー作で起用したキーラ・ナイトレイを再び主演に抜擢し、小説家を夢見る少女の過ちによって引き裂かれた男女、そしてそれを一生かけて購う決意をした少女の人生を描いた「つぐない」もアカデミー賞作品賞含む6部門ノミネート。
アメリカ映画製作しはじめ、新聞記者とホームレスの天才音楽家の交流を綴ったコラムを映画化した感動ドラマ「路上のソリスト」。
過去作にも出演したシアーシャ・ローナンを主役に抜擢し、父親によって殺人マシーンに育てられたヒロインの宿命と壮絶な戦いを描いたアクションスリラー「ハンナ」。
ピーターパンが誕生するまでの物語を描いたファンタジー「PAN~ネバーランド、夢の始まり~」などがあります。
キャスト
英国首相ウィンストン・チャートルを演じたのはゲイリー・オールドマン。
今作で念願のアカデミー賞主演男優賞を受賞したゲイリー。
「裏切りのサーカス」でノミネートしてますが、長いキャリアで一度ノミネートされなかったのがウソみたい。
ゲイリーといえば、今作のようにいろんな奇抜な格好だとか、エキセントリックというか変わった役柄を演じるのが特徴的。
最近ですよ、いい叔父さんみたいなのやってるの。
「シドアンドナンシー」のシド・ヴィシャス。
「ドラキュラ」のドラキュラ伯爵。
「トゥルー・ロマンス」のポン引き。
「レオン」のスタンフィールド捜査官。
「フィフス・エレメント」のへんな髪型のやつ。
など。
とんでもなくブチギレたり壮絶な死に方をしたりなど、超個性的な役をやってはそのどれもがカッコイイ。
でも僕はやっぱり、傷ついた少年の肩ににそっとジャケットをかけ、これが世界の終わりじゃないと語ってくれるゴードン(ダークナイト3部作)が一番好きですかね~。
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他のキャストはこんな感じ。
チャーチルの妻クレメンティーン役に、「イングリッシュ・ペイシェント」、「オンリー・ゴッド」のクリスティン・スコット・トーマス。
チャーチルの秘書エリザベス役に「シンデレラ」、「ベイビー・ドライバー」のリリー・ジェームズ。
国王ジョージ6世役に、「名もなき塀の中の王」、「ローグ・ワンスター・ウォーズ・ストーリー」のベン・メンデルゾーン。
チェンバレン首相役に、「ジャッカルの日」、「マリー・ゴールドで会いましょう」のロナルド・ピックアップ。
ハリファックス外相役に、「ゲーム・オブ・スローンズ」のスタニス・ラシオン役で有名なスティーヴン・ディレインなどが出演します。
事実に基づく物語なので答えは出ているんですが、チャーチルの演説だけでも一見の価値ある作品になっていると思います。
それをゲイリーがやるんですからきっとすごいぞ!
ここから観賞後の感想です!!!
感想
アカデミー賞主演男優賞に納得の演技!
歴史ドラマなのに軽妙でユーモアを忘れない演出が素晴らしい!
ヒトラーが恐れた男はとんでもなくパンクなおっさんでした!!
以下、核心に触れずネタバレします。
飽きさせない作り。
戦時中に起きたトップの交代。
白羽の矢が立ったのは野党を唯一抑え込むことができる政界一のの嫌われ者。
四六時中酒を食らい、葉巻を加え口を真一文字にし、猫背に青白い顔でこちらを睨みつけるように視線を送り、口を開けば何かと攻撃的に話す。
そんな男の就任からわずか1か月に起きた英国のピンチ。
彼がいかにしてこのピンチを切り抜けたか、どうやって国をまとめ前を向かせ、後のヨーロッパ、いや世界を救うきっかけを作ったのかを、美しい空撮に対比するかのように所狭い室内劇をバランスよく描き、時にユーモアを織り交ぜた軽妙な会話をベースに、ゲイリーオールドマン他主要人物の極上の演技で構成された歴史ドラマでありました。
基本歴史ドラマは、当事者の歴史を知らないとやはり楽しめないわけで、近代史に疎い自分としてはネットではありますが色々読むなどの予習をして臨みました。
実際に予習などしなくても結果的に面白くできてるのは、監督の演出だったように思えます。
原題が「ダーケストアワー」=最も暗い時間。
秘書になりたてのエリザベスがチャーチルの部屋に入ると、カーテンで閉め切っており真っ暗なんですね。
そしてカーテンを開けることで部屋に刺す一筋の光。
この場面から首相に任命される彼を暗示しているかのような演出にまず驚き。
そんな暗い部屋の中で新聞を読みながら葉巻をふかし、ブランデー片手に朝食をとるチャーチルが、一体どういう人物なのかを一気に見せ、言うとおりにタイプライターを打てないエリザベスを罵倒した後、奥さんには頭が上がらないという設定もここで理解させるのが非常にうまいなと。
それから所々挿入される上からの視点。
神様の視点なのか戦争で亡くなった人たちの視点なのか、それともお天道様なのか。
一体誰の視点なのかはわかりませんが、劇中ほとんど室内での出来事なので、こういう視野の広い映像を挟むことで、こちらも縮こまって見続けないよう配慮した画作りだったのではないでしょうか。
他にも、車の中から民衆を覗くチャーチルの視点。
戦時中にもかかわらず町の灯とはごくごく普通に暮らしているのが読み取れる風景なんですが、これが後半雨の中歩く人々に変わることで、普通に暮らしてはいるけれど心に不安を抱えているというのをメタファーで描いており、彼らの心情を悟ったチャーチルが地下鉄に走る流れもうまいなと感じました。
細かいところで言えば、朝食の用意をパパッと映すテンポのいいカット割り、スクリーンいっぱいに表示されるゴシック体の日付表記、ラジオ演説での赤ランプ、国会での演説での白いハンカチがどういう意味をもたらすのかを冒頭で説明しておいてラストシーンで伏線を回収する流れ、
中々仲良くなれないジョージ6世と、最初は正面での会話だったのに対し、チャーチルを理解し、彼に賛同の意志を伝えるときは横に座って離す構図も机を挟んでではなく、寄り添って会話をするといったことで気持ちが近づいたことを表す画だったり、
チャーチルとその取り巻きとの絶妙な掛け合いを楽しませるような明るい曲調のクラシックが流れたかと思えば、徐々に重厚音のヴァイオリンが鳴り響く曲調へと変わる音楽で物語を盛り上げていたりなど、
多岐に渡って細かい演出を随所に置くことで、ただでさえ入りづらい歴史ドラマを楽しく面白くそしてシリアスに仕立て上げ、エンタメ映画に昇華させてるのが僕は非常に楽しめた要因だったように思えます。
ゲイリーオールドマン。
そしてそれと同じように、この映画にひと際輝きを与えてくれたのが、今作でアカデミー賞主演男優賞を獲得したゲイリーオールドマンの演技でしょう。
彼のとにかくまくし立てる口調、たどたどしくなる口調、アメリカ大統領に懇願する弱々しい口調、イライラいしてる奥さんをなだめる優しい口調、などなど、喜怒哀楽をうまく調整しながら、歩き方や姿勢、クセ、仕草といった細かい所作まで終始チャーチルになり切って演じ、辻一弘さんによる特殊メイクも手伝って完璧に演技していたと思います。
元々クレイジーな役柄が多かったゲイリーですが、今作はそのクレイジーさをチャーチルで爆発させているのがいいですよね。
もういい歳なのに血圧大丈夫かよってくらい酒を食らい、葉巻を吸いまくり、夜中まで起きて考え事して部下に指令出したりとエラく活発に動いていて。
それであの高圧的な態度に攻撃的な口調。
ちょっとでも気に障ると怒っちゃうおじいちゃんじゃねえかwと思ってしまうクレイジーっぷりが最高でした。
特にハリファックスとの口論はすさまじかった。
イタリアのムッソリーニがドイツとの間に入って仲介し、和平交渉をしてくれるという案をハリファックスはチャーチルに提案するけど、決して首を縦に振らないチャーチル。
それをやってしまえば、ヒトラーの思うつぼだ!と。
戦わなくていい策があるならそっちを選ぶべきと豪語するハリファックスに対し、何もしないで敗北してしまうことが今後の国家の繁栄にどれだけの損害を生むか、と譲らないチャーチル。
平行線をたどる2人の意見は廊下でのバトルに白熱。
過去にチャーチルがやらかしたガリポリの戦いを引き合いに、君の判断が国を誤った方向に行かせてしまう!
待て待て待て!あれは俺が悪いんじゃない、上がもたもたしてたから失敗したんだ、そんな過去の話を今持ち出すんじゃない!
君が譲らないなら私は辞任する!とエスカレート。
このやり取りは劇中の中でいちばん白熱したエピソードだったと思います。
それとは逆に、奥さんとの微笑ましい掛け合いはチャーチルの違う面が垣間見える部分でもありました。
実際特殊メイクはしているものの目だけはゲイリーなんですよね。
それが強調されたのは、この奥さんとの会話だったように思えます。
すごく優しい眼差しで奥さんをなだめ、奥さんも彼をブタちゃんの愛称で語りかける。
その眼差しは地下鉄での民衆との会話でも見られます。
一人一人の名前を覚えながら対話をし、覚悟を決める重要な部分でもチャーチルと人となりを表現するために目で演技していたように思えます。
劇中に出て来た部分の解説。
- 首相前のチャーチル
なぜチャーチルが嫌われていたのか。
それは政党をコロコロ変えたのが原因ではないかと言われております。
とにかく攻めの姿勢で言いたい放題やりたい放題のチャーチルは、最初保守党に所属するものの、保守党を非難してきたことで自由党に移り、結局保守党へ戻ってきます。
そんなことをすれば周りの人間から信用されなくなるのは当たり前で、彼を激しく非難するハリファックスや前首相チェンバレンもまた、過去の因縁から彼を敵視していたわけです。
かつてチェンバレンはヒトラーに立ち向かう事に失敗したことがあり、チャーチルはそのことでひたすら彼を追い詰めたようです。
また財務相時代のチャーチルは、事業税を削減する計画を推進しようとしていましたが、当時首相だったチェンバレンはその計画のせいで保守党の地方政府の収入が減少してしまうことに悩まされていたんだそう。
ハリファックスは1930年代にインド総督という役職についており、インドが独立することで激しく反発していたチャーチルからかなりの攻撃を受けていたという過去があります。
- ダイナモ作戦
クリストファー・ノーラン監督が手掛けた「ダンケルク」。
ドイツ軍の電撃作戦によってフランスのダンケルクにまで追い込まれたフランスとイギリスの連合国軍兵士を、民間船を使って逃がすという史上最大の救出作戦を描いた映画なんですが、この作戦を命令したのがチャーチルです。
実際に今作でもチャーチルが首相に就任してすぐ起きた事件であり、「ダンケルク」では描かれてませんでしたが、ダンケルク近くのカレーという場所に4千人の兵士をいかせることでドイツ軍の侵入の時間稼ぎをし、結果30万人を救出することに成功したのですが、その代償はとても大きなものだったことが今回描かれています。
- ガリポリの戦い
ハリファックスが劇中でチャーチルの過去をほじくった会話の中に登場したガリポリの戦い。
第一次世界大戦時に行われた作戦の一つで、当時海軍大臣だったチャーチルは、かつてドイツ、オーストリアと同盟関係にあったトルコVSイギリス、オーストラリア、ニュージーランドとの戦いの中で立てた作戦の構想を主張していました。
これを遂行することで戦局を大きく変えるきっかけになるとされていたわけですが、トルコ軍の抵抗によってイギリスは思うように好戦できず、最終的には撤退を余儀なくされます。
これが原因でチャーチルは海軍大臣を辞任する羽目になってしまいます。
- ジョージ6世
ベン・メンデルゾーン演じたジョージ6世ですが、彼のしゃべり方が少したどたどしいことに気付いた方はいるでしょうか。
そう、彼はあの「英国王のスピーチ」でコリン・ファースが演じた人と同一人物です。
ジョージ6世は吃音に悩まされていたことが、この「英国王のスピーチ」でも描かれていました。
実際にチャーチルを当初気に入っておらず、友人でもあるハリファックスが首相になることを望んでいましたが、やがて「イギリス近現代史上、最も個人的な友情で結ばれた国王と首相」を言われるほどの絆を結んでおり、その後5年間チャーチルと共に国民の士気を鼓舞し続けていったそうです。
- Vサイン
チャーチルはよく写真に写る際、勝利(Victory)を意味するVサインを高く掲げてたそうなんですが、劇中ではこのVサインを逆にして写真を撮られており、これがクソくらえという意味だということを知らず、エリザベスから笑われながら指摘されたシーンが挿入されていますが、実際にチャーチルはこれを知らなかったそうで部下から教えてもらったんだとか。
最後に
クライマックスは演説の魔術師の異名を持つチャーチルならではの心に語りかけるスピーチで幕を閉じます。
このままヒトラーの配下になっていいのか。
もしこの和平交渉が成立すれば平和な暮らしが待っているかもしれないが、宮殿や城にはあの旗が立つことになる。
果たしてそれでいいのか。
ドイツに降伏することが今後のイギリスにどれだけの事態を招くことになるのか。
確かに戦い続けることで多くの犠牲者が出るかもしれないが、幸福はそれ以上に悪い結果を招くことになる。
未来をいち早く見抜いたチャーチルの英断によって今の世界があると考えると、この映画で描かれていることは、ターニングポイントとでも言うべき作品だったということが理解できるかと思います。
あくまで彼が首相に就任してからわずかの期間を切り取った作品なので、これがチャーチルのすべてではないわけですが、彼の政治家人生の中での一番の功績に特化したことで、非常にわかりやすいお話になっていたのではないでしょうか。
いやホントはチャーチルこんな奴じゃないから、とか言って作品を評価するのではなく、映画そのものを鑑賞してほしいなと願っております。
あくまで映画ですからね。
やはり監督の演出と役者の演技によって、面白く作られていることがまず素晴らしいのだと強く言いたいです。
というわけで以上!あざっした!!
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満足度☆☆☆☆☆☆☆★★★7/10