シン・エヴァンゲリオン劇場版
TVアニメシリーズ放映開始から25年ですか。
新生児が生まれて社会人になる年数ですよね。
それだけ人々を魅了してきた「エヴァ」がようやく完結、だそうです。
アニメ映画以前にアニメーションに関してはド素人な僕でして、エヴァも新劇場版の「序」がTV放映されたときにはじめて鑑賞した程度です。
「序」でなるほどエヴァってこういう話なのかと飲み込み、「破」でこういう展開好きかも?と心を開きつつ、「Q」で日本とブラジルの距離くらい置いてけぼりにされました。
旧劇も観た方がいいといわれ観てみましたが、正直「気持ち悪い」とさえ感じてしまった内容に、今回の「シンエヴァ」を見るべきかどうか、普通に悩んでしまったほどです。
まぁ、モンキー的にはお祭りと捉えてる節があり、いろんな人とああだこうだと見聞を広めるのが「エヴァ」のいいところだよなぁと軽い感覚で臨みたいと思っております。
なので前もって言っておきますが、基本このブログは感想メインなので、本作に対する考察や解説は一切ありません。
ほかの方の記事をお読みください。
エヴァ素人の戯言として読んでいただけたらと思います。。
というわけで早速最速上映に行ってまいりました!
作品情報
大災害「セカンドインパクト」後の世界を舞台に、人型兵器「エヴァンゲリオン」に搭乗することになった少年少女たちと、第3新東京市に襲来する謎の敵「使徒」との壮絶な戦いを描いたTVアニメ版を再構築した「新劇場版」。
庵野秀明監督による壮大な世界観と緻密に練られた設定、デジタル技術を駆使した映像と表現力。
未だ明かされぬ謎の連続によりファンをはじめとする人々を虜にしてきた本作は、社会現象にまで発展する作品となった。
そんな「エヴァ」が25年の月日をかけ、遂に完結。
全てのファンに別れを告げる時が来た。
人の本質とは何か?
人は何のために生きるのか?
ミクロにしてマクロな物語は、シンエヴァンゲリオン劇場版で新たな姿を見せる。
これまでの新劇場版あらすじ
エヴァンゲリヲン新劇場版:序
内向的な14歳の少年・碇シンジは、父・ゲンドウと3年ぶりの再会を果たす。彼はそこで、ゲンドウから極秘裏に開発された巨大な人型兵器“人造人間エヴァンゲリオン初号機”を見せられ、謎の敵“使徒”との戦いを強要される。最初は反発するものの、女性パイロット綾波レイの重傷を目のあたりにして、ついに自ら出撃を決意する。そして、何の訓練も受けないまま初号機に乗り込み、いきなり使徒と対峙するシンジだったが…。(allcinemaより抜粋)
エヴァンゲリヲン新劇場版:破
第3使徒がネルフの北極施設に出現、真希波・マリ・イラストリアスの搭乗したエヴァンゲリオン仮設5号機が迎え撃つ。
一方、日本では、母の墓参りを終えたシンジがミサトの車での帰途、第7使徒に遭遇、そこへエヴァンゲリオン2号機が出撃し、鮮やかに殲滅するのだった。
そして、2号機の搭乗者、式波・アスカ・ラングレーはシンジたちの中学校に転入し、シンジが暮らすミサトのマンションの新たな同居人に。やがて、ネルフ本部へ直接落下を企む第8使徒が襲来。
エヴァ零号機、初号機、2号機は連係して落下を食い止め、殲滅を成功させた。またこうした戦いと学園生活を通じ、これまで互いの関係に距離感のあったシンジ、レイ、アスカはそれぞれ次第に心境の変化をみせていく。
ところが、続く第9、第10使徒との戦闘で、彼らは自ずと過酷な運命を背負っていくこととなる…。(allcinemaより抜粋)
エヴァンゲリヲン新劇場版:Q
第10使徒に取り込まれた綾波レイを救うため、碇シンジは搭乗するエヴァンゲリオン初号機を神に近いものへと覚醒させた。
だが、その結果、“ニア・サードインパクト”が引き起こされ、世界は壊滅的な打撃を受けてしまった。
それから14年後、衛生軌道上に封印されていた初号機からシンジはサルベージされ、恐るべき現実を知る事に。(Movie Walkerより抜粋)
シンジくんには理解したい部分もあれば理解したくない部分もある、めんどくさそうで不思議な魅力を持つ少年ですが、放心状態の彼とアスカ、レイはどこへ向かうのか。
マジでいろいろわかんないことだらけなんですけど…
ここから鑑賞後の感想です!!
感想
わかんない所も多いけど、純粋に楽しめました。
寧ろラスト、ウルっときたよ…。
以下、ネタバレします。
おおまかなあらすじ
これまでの新劇の模様をダイジェストで流したのち、ニアサードインパクトによって真っ赤に染まったエッフェル塔。
リツコ率いるヴィレのオペレーターたちは、ユーロNERVの地下組織を復元させるための作戦を決行。
復元を阻止するべく押し寄せる大編隊に、マリが搭乗するエヴァ8号機が立ち向かう。
ボスキャラの登場によりピンチになるも、エヴァ8号機がエッフェル塔をぶっ刺し、無事復元成功。
アンチLシステムを投入したことで真っ赤に染まったパリが元の世界に戻る。
武器やエヴァのパーツ予備などを補給し、ヴィレはNREVとの最終決戦へ向けての準備に取り掛かる。
一方、シンジ、レイ、アスカは大気が汚染され真っ赤に染まった街を歩き彷徨っていた。
そこへ一人の防護服を着た男が車でやってくる。
シンジが目を覚ますと、そこには大人になった鈴原トウジの姿が。
診療所で医師としてシンジとレイを救護していた。
2人がやってきた場所は第三村というヴィレの支援施設によって形成された場所だった。
ニアサードインパクトで生き残った者たちがコミュニティを作り、慎ましく生活していた。
トウジの家に招かれたシンジは食事を振る舞ってもらうが、落ち込んでばかり。
トウジの義父もしびれを切らして声をあげるが、一向に手を付けようとしない。
トウジはかつての委員長のヒカリと結婚し、ツバメという子を設けていた。
そこへかつての友人ケンスケもやってきて、シンジを一時的に保護する。
ケンスケの家にはアスカがいた。
相変わらず蹲っているシンジに無理矢理食事を口に詰めたり罵声を浴びせ奮い立たせるアスカだったが、それでもシンジは微動だにしない。
湖のほとりで再び蹲るシンジの一方で、レイはトウジの奥さんや、農業を敷いている女性たちと触れ合うことで、様々な感情を解放していく。
ありがとうって何?
お休みって何?
さよならって何?
仕事って、汗水たらすって、恥ずかしいって。
元々レイのクローン初期ロットであるが故に、人間の持つ感情を持ち合わせていない彼女。
やがてシンジの元へ赴き、ずっと預かっていたカセットプレーヤーを返却しようとする。
拒むシンジにせめて食事だけでもと差し出すレイ。
生きていれば腹が減るもので、泣きながら食べるシンジ。
人間らしい感情を手に入れる反面ライフゲージが残りわずかであることを察知したレイは、トウジの家を後にし、再びシンジの元へ。
お別れの挨拶と共に励ましの言葉を送った後息絶えたレイ。
シンジは徐々に正気を取り戻し、ケンスケと共に仕事の手伝いをする。
自称何でも屋のケンスケは、ミサトに頼まれ村の記録やアンチLシステムの稼働の確認を記録していた。
外ではエヴァの残骸が徘徊を始めており、この村がいつまでもつか不安を感じながらも、今ある生活を懸命にすることこそ意味のある事だと語る。
シンジとケンスケは、居住区域外でアンチLシステムの試験活動をしながら食物を育てている場所に赴く。
そこでは加持リョウジと名乗る少年が働いていた。
彼はニアサードインパクトによって命を絶った加持とミサトの間にできた子供で、彼は二人から生まれたことを知らずに育った。
それもミサトの意向である。
ヴィレに戻るアスカと共に、シンジはも同行することを決心。
13号機の復活を阻止を目的としたヤマト作戦を開始。
ここからヴィレとNERVの最終決戦が始まる。
・・・というのが序盤のざっくりしたあらすじでございます。
大まかな感想
冒頭でも書いた通り、僕にとってエヴァはブームという名の祭り程度のものでしかなく、とりあえず盛り上がってるから参加しようというミーハーちゃんなんですよね。
固有名詞も登場人物もあいまいだし、シンジのいじけ具合にイラついたり、使途がどこからやってきて人類補完計画ってのがどういうもんかもち~っとも理解できていないおバカさんなんですが、こうやって「エヴァの終わり」を見せられると自然と感情が沸き上がる終わり方でした。
前作「Q」の中身がかなり精神世界に振っていたお話だったというのもあり、小難しい話は僕のような分際では置いてけぼりを食らうばかりで、正直こういうノリの作品になってたらどうしよう…なんて不安が大きかったですが、冒頭でのパリでの作戦描写のカッコよさとドキドキする展開に心を鷲掴みにされ、その後のほのぼのとした村での生活に癒され、いよいよ本丸突入になってからの圧倒的なバトル描写、ゲンドウと対面してからのラストバトル、というか対話、エヴァの呪いから少しづつ解放されていくキャラクターたちの姿に感情移入した後のメタネタ連発。
ついていけない会話もたくさんありましたし、その辺りはエヴァ好きの仲間に色々質問をしながら理解を深めていこうと思ってますが、何よりハッピーエンドであったことが何よりうれしい。
シンジはもちろんこと、レイも、アスカも、カヲルくんもゲンドウまでもが全て解放されていく。
さよなら全てのエヴァンゲリオンてそういうことかと。
タイトルについている譜面の反復記号から、パラレルワールドだとかシンジが平和な世界にするまで同じ世界を繰り返すだとか色々言われてきましたけど、正真正銘これが完結でいいんですよね。
結局親子の戦いって展開になるんだろうな、初号機と13号機が槍を突き合って戦う描写が予告編でチラッと映った時に予測してたんだけど、そこで決着をつけなかったのが意外でもあり、シンジもゲンドウにも救済措置をとるような決着に持っていったのは納得。
誰にでも生きていく上で希望と絶望がせめぎ合っていて、それでも生きていくって方向に持っていったのは、本作のテーマとして掲げている「人の本質は何か」とか「人はなぜ生きるのか」って所に通じてくる結末だったよなぁと。
正直シンジの人間的精神的急成長っぷりが疑問ではあったんだけど、ゲンドウの内面にフォーカスをあてていったことで、寧ろ救わなきゃいけないのはこっちかって流れになったのが面白かったですよね。
色々言われてきたように亡き妻に対する執着心がそこまであったのかと思わせる内容だったし、それを息子が肩を叩いて救うっていう。
ケンスケの親父さんの墓参りで語った会話が伏線になってて、ここで回収されるっていう。
具体的なこととか深い事全然言えないんでんすけど、にわかファンとしては非常に楽しめた美しいピリオドの物語だったと思います、はい。
細かい所がツボだった。
途中でも書きましたけど、僕としては使徒との戦いよりも、登場人物たちの日常の方が好きでして。
なので今回村のエピソードが入ってるのが非常に良かった要因だと思ってます。
特にレイ(初期ロット)が、色々な所で質問を浴びせる件は微笑ましくて。
赤ちゃんがなぜこんなにちっちゃいのとか、何か知ら手助けしてくれた時にどう答えたらいいかわからなくて「こんな時なんて言えばいい?」なんて言ってみたり、ありがとう、さようなら、おやすみなさいって初歩的な挨拶にも疑問をぶつけ、それに対しトウジの奥さんが「おまじない」って返す会話がね~、子供にやさしく諭す感じの返答ってのが僕としてはすごく好き。
その後のプラグスーツ着て田植えをするシーンはシュールでしたし、泥まみれになってお風呂になるときにスーツのまま入ろうとしてちょい待ち!っておばちゃんたちに突っ込まれるシーンもフフフってw
人はなぜ働くのか、仕事とは何かってのにおばちゃんたちは「そんなの考えたこともねえ」とか「忘れちゃったよ」なんて茶化してたけど、働いた後のああいうコミュニケーションだとか労働による対価とか報酬とかってのがサラッと映ってて、僕ら当たり前のように働いて疲弊しているけどレイを通じて働くことの楽しさ美しさみたいなものを投影していたのかなぁと考えると深みのある描写だったなぁと。
またニアサードインパクトから生きながらえた人たちがああやって普通の暮らしを過ごして、今を生きていることを楽しむという描写は、やはり震災後の被災地を意識した部分だったりするんだろうなぁと。
外側ではエヴァの残骸が放浪していて、いつアンチLシステムが稼働しなくなるかわからないってのは、いつまた大きな地震が起きるかわからないって所に繋がると思うんだけど、それでも今を生きていく市井の人たちを描いたことは庵野監督自身「シンゴジラ」でも描いたとあって、意味のあるエピソードだったよなぁと。
中盤以降は名前忘れちゃったけど深い位置にまで突入しての迫力あるバトル描写になってましたね。
アスカとマリがエヴァに乗って落下しながら小者たちを乱射したり投げ飛ばしたり切り刻んだりするシーンは圧倒的だなぁと。
もうこの辺は正直文字にすると伝わらないと思うのでご自身の目でどんだけ凄いかを見ていただければ。
13号機と初号機の戦いってのが、どういう視点で描かれてたのかよくわからないんですけど、場所を転々として戦ってましたね。第3新東京市だったりミサトの部屋だったりレイの部屋だったり教室に第3村とあらゆるところでやりあってましたね。
さすがに誰かの部屋で戦うってのは、不意を突かれて笑ってしまったんですけど、ずっとシリアスな場面が続いたので良い緩和剤になってたかなとw
最後に
基本このブログ、というか僕自身ロクな感想かいてないことがほとんどなんですけど、今回いつも以上にロクなこと書いてませんw
一応これは庵野監督自身がエヴァの呪縛から解放されたという解釈でよろしいのでしょうか。
というかキャラ含め色んな人がこれで解放されたことになるんですかね。
僕としては2021年の段階で「シン・ウルトラマン」で頭がいっぱいなので、庵野さんにはそっちに期待してるんでんすけど、その前にエヴァを終わらせることができてホント良かったねと肩を叩いてあげたい気持ちになったというか(なにさまw)。
ホント良かったなぁ。
いや~薄っぺらい事しか言えずすんません!
あ、やっぱりマリは庵野さんの奥さんて解釈でいいんですかね。
最後のシンジくん、神木隆之介くんでしたね。
公開日当日の夜、わからなかった用語や意味などをMachinakaさんからいろいろ教えて頂きました。
彼のエヴァに関する感想はこちらです。
www.machinaka-movie-review.com
というわけで以上!あざっしたっ!!
満足度☆☆☆☆☆☆☆★★★7/10