モンキー的映画のススメ

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主に新作映画について個人の感想、意見を述べた文才のない男の自己満ブログ

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映画「ゴールデンスランバー(韓国版)」感想ネタバレあり解説 生き延びれば、俺たちの勝ち。

1月12日

ゴールデンスランバー

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えっ!?あの映画が韓国でリメイク!?

はい、今回鑑賞するのは、小市民である宅配ドライバーが国家の陰謀に巻き込まれ犯人に仕立て上げられてしまうが、彼の人望と交友力、そして過去で売った恩に助けられながら見事に逃亡していく、という伊坂幸太郎原作、堺雅人主演の映画「ゴールデンスランバー」の韓国リメイク版でございます。

・・・とこれネタバレじゃない!?って思う人、ちょっと待ってください。事件の全容も逃亡の行方も言ってませんから。

てか堺雅人の見てくれ。

 

 イヤ俺ねぇ~、伊坂原作の映画大好きなんですよ。

で、もっと言うと彼の原作を中村義洋監督が撮ったヤツが好き。

グラスホッパー重力ピエロオー!ファーザー!も面白いんだけど、中村監督の場合、アレだけ登場人物が多い中、ちゃんと見せ所作って複線もうまく回収して、さらには泣かせどころも用意してある。

でもって、中村組って感じでキャストも似通っていていいんだよなぁ。

濱田岳なんか全作出てるんじゃないか?

 

あ、ちなみに伊坂×中村監督作品は4つ。

アヒルと鴨のコインロッカー

フィッシュストーリー

ポテチ

そして今作のオリジナル。

ほらぁ~濱田君全部出てるよやっぱり。

 

ちょっと待てモンキー、今回中村監督作品じゃないから、きっと嵌らないんじゃないのか?

はっはっは。

韓国映画ですぞ?どんな映画も超エンタメにしてしまう底力と、向こうは日本と違って大統領制ですからね、また陰謀の具合が変わってくるし、絶対国内の政治事情みたいなのを風刺でぶっこんで来るに違いない、そしたら日本版よりも面白くなっているかもしれない、そう睨んでるわけでございやす。

 

ただ唯一の不安要素は、伊坂作品のウリである個性的なキャラの面々が登場するのか、または活かされているのか

あの整形アイドルは?通り魔は?裏家業をやってる病院の患者は?

この辺りをちゃんと組み込んでいるか、そしていいところで彼らが活躍するのかが僕の評価の分かれ目になりそうです。

整形アイドルは出てきそうだけど、向こうじゃ当たり前だからなぁインパクトないのかなぁ。

まぁ改変も面白けりゃおっけーだ!

というわけで早速鑑賞してまいりました!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

「本屋大賞」を受賞した伊坂幸太郎のベストセラー小説「ゴールデンスランバー」。

平凡な宅配ドライバーの迷走サバイバルを描いた本作は、2010年に公開された日本版とは一味違う脚色や改変がされたことで、韓国映画特有のド迫力な爆破シーンアクションシーンが随所に散りばめられ、さらには原作とは違うラストが待ち受けている。

そしてこの映画に欠かすことのできないのが、ビートルズが解散直前に発表した楽曲「ゴールデンスランバー」。

バラバラになりかけているメンバーに、あの頃へ戻ろう、あの場所へ帰ろうとやさしく唄うポールの歌声が耳に残る隠れた名曲を、今回男性アイドルグループ「WINNER」のリードボーカルの歌声によってまた違った曲として生まれ変わっている。

 

大統領暗殺犯に仕立て上げられてしまった一般市民は、彼らの手から逃れることができるのか。

生きて自らの無実を証明するための必死の逃亡と反撃がはじまる。

 

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あらすじ

 

 

宅配ドライバーのキム・ゴヌ(カン・ドンウォン)は、配達の途中で人気女性アイドル歌手のスア(キム・ユジョン)に襲いかかってきた強盗を無我夢中で撃退し、その功績で「勇敢な市民賞」を受賞した。

報奨金を全額寄付したことがメディアで報じられると、謙虚な姿勢や甘いマスクで話題を呼び、人気がヒートアップ。

「模範市民」として、一躍国民的ヒーローとなった彼の元には、写真撮影やサインを求める人々や、政界・寄付・保険の勧誘が殺到していた。

 

次期大統領選挙に沸くソウルの光化門。

久しく会っていなかった高校時代のバンド仲間ムヨル(ユン・ゲサン)から突然会いたいと連絡がくる。

久々の再会を喜び他愛もない会話を楽しんでいたが、突如、目の前で次期大統領最有力候補者である国民自由党のユ・ヨングクが爆弾テロによって暗殺される。

衝撃的な光景を目撃し動揺するゴヌに対して、ムヨルは「国民の英雄キム・ゴヌは、大統領候補を暗殺して自爆する。それが我々の計画だ...」と語り、ある人物の携帯番号が書かれたメモを渡して「誰も信じるな。生きろ」と告げたのち、死ぬはずだったゴヌに代わって自爆した。

 

親友の突然の死を悼む間もなく、その瞬間から謎の男たちに命を狙われ、訳も分からずひたすら逃げなくてはいけなくなったゴヌ。

 

ガールフレンドの家に身を隠したものの、彼女もゴヌを陥れるための要員だったことが分かり、追っ手を振り切ってとにかく必死で隠れる場所を探す。

 

大統領直属の機関である国家情報院のファン局長(ユ・ジェミョン)は、暗殺現場周辺の監視カメラ映像や目撃情報をもとに「爆破暗殺犯はキム・ゴヌである」と断定し、公式発表。

マスメディアはこれを一斉に報道し、大規模な包囲網が敷かれる。

身に覚えのない罪を着せられたゴヌだったが、やがて事件の裏に国家権力が潜んでいることを知る。

無数の警察に追われる無実の男は、巨大な陰謀にどう立ち向かうのか――?(HPより抜粋)

 

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監督

今作を手がけたのは、ノ・ドンソク

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はい、韓国映画つったら、キム・ギドクポン・ジュノホン・サンスくらいしか知らないので、この方もまったく知りませんw

ちなみに、名前の「ノ」が「マ」になると、「新・感染」のムキムキのおじさんになります。

 

一応今回初の商業映画を手がけるそうで、今後の活動が注目されるかはこの映画にかかってるのか見極めたいところですな。(なぜに厳しめ)

一応2008年に「俺たちの明日」という青春映画が日本で公開されています。

多分自主制作かなんかなんでしょうね。

 

今作は忘れていた友達に会いたくなる、そんな映画にしたかったそうです。

 

 

 

 

キャスト

宅配ドライバー、キム・ゴヌを演じるのはカン・ドンウォン。

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はい、韓国の俳優つったら、イ・ビョンホンファン・ジョンミンくらいしかぱっと出てこないモンキーさん。

一応調べてみるとこの方結構なベテランのようで、デビューは2003年のTVドラマ「威風堂々な彼女」だそうな。

そういやレンタルビデオ屋時代、このドラマよく借りられてたな。すげ~巻数が長いイメージだった気が。あ、それ違うやつだw

 

映画としては近年で言うと、無実の罪で収監された検事とイケメン詐欺師が刑務所内から巨大な権力に立ち向かう姿を描いたバディムービー「華麗なるリベンジ」、当時起きた学生運動を描いた社会派映画「1987、ある戦いの真実」、押井守監督の代表作を朝鮮半島を舞台に置き換えて描かれた実写映画「人狼」などに出演しています。

今後はハリウッドでも映画に出演するようなので、世界での活躍を視野に入れているように思えます。

 

しかしまぁ堺雅人に寄せてきてるよね、この顔。

 

 

他のキャストはこんな感じ。

国家情報院の元要員ミン役に、「新・感染/ファイナルエクスプレス」で傲慢な男役でインパクトを残したキム・ウィソン

ゴヌの元恋人ソニョン役に、「MIRACLE デビクロくんの恋と魔法」、「ビューティー・インサイド」のハン・ヒョジュ

ゴヌの同級生ムヨル役に、「犯罪都市」のユン・ゲサン

ゴヌの同級生グムチョル役に「悪いやつら」、「サスペクト 哀しき容疑者」のキム・ソンギュン

ゴヌの同級生ドンギュ役に「 ビューティー・インサイド」、「 インサイダーズ/内部者たち」のキム・デミョンなどが出演します。

 

 

 

 

 

 

 

 

やはり日本版との比較をしてしまうと思いますが、それでも一級の作品になっていることは間違いないと思います。

予告見る限りユルさはなさそうだなぁw

ここから鑑賞後の感想です!!

 

感想

やはり韓国版は感動もアクションもスケールが違う!

しかし登場人物だいぶ端折ってる・・・。

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

面白くリメイクされてますよ。

ひょんなことから模範市民となり、頼まれたら拒否できない「いいひと」な宅配ドライバーキム・ゴヌが、大統領候補暗殺犯に仕立て上げられるも、元バンド仲間や国の裏家業を担ってきた男の協力により逃亡に逃亡を重ね、さらには一か八かの大博打で大逆転を仕掛ける姿、そしてバラバラになった仲間があの日あの時あの場所へ帰ろうというタイトルの名にふさわしい物語を、韓国ならではの涙チョチョギレ感動の嵐演出や、乗用車大回転からの乗用車大爆破、さらには下水道内大逃亡といった大掛かりなアクションとスリリングなBGMによって、ハラハラドキドキとウルウルポロポロが行ったり来たりで俺の感情大渋滞!くらい非常に楽しい映画でございました。

 

まず率直な感想としては、リメイクにしてはうまくまとめ、しかもエンディングを大胆に変えるという改変がされていることで、原作既読者、ならびに日本版鑑賞者でも全然楽しめる内容になっていたということ。

他者を疑うことで自身を守ることが当たり前の世の中に、そんな時代でも人を信じて何が悪い!とどんなピンチでも人を信じることを忘れない男が、民衆の疑心を巧みに利用する黒幕にケンカをふっかける大逆転劇が非常に痛快なエンタメサスペンスでした。

 

プロットとしてはもちろん同じなんだけど、韓国エンタメ要素をちゃんと用意することで、日本版では撮影することが困難な市街地での爆破シーンや、狭い坂道をうまく使った逃亡劇、街の人込みに紛れて隠れるといったリアルさもあり、スリルを出す演出を撮影技術と規模で生み出してましたね。

また日本版にあったユルさを排除しながらも主人公のキャラの良さがほのかなユーモアを生み、締めるところは締め、ユルイところはキャラ描写までに抑えるといった差別化を図っていてだらけないように作ってないのが巧いなと。

あとはお決まりの感動シーン。日本版でもいくつかありましたが、こっちはことあるごとにゴヌが泣くというシーンを入れることで、なんてこいついい奴なんだ!またこいつの友人なんていい奴なんだ!と思わせる場面が連発。

これにはモンキーも見事にもらい泣きです。

 

 

違いを比較するとキリがない。

大きな違いは黒幕が日本版や原作とは違い、はっきりと描かれているということでしょうか。

若手の台頭として有望な大統領候補を目の上のたん瘤と思う対立派のお偉方が仕組んだワナということをちゃんと用意していて、警察と国家情報院って聞いたこともない組織が協力してゴヌを追いかける。しかし所轄の刑事には情報がおりてこないし、SNSでの情報も全て規制するなど、現代のトレンドや警察の縦割り社会なんかも織り交ぜながら、黒幕の悪行をキチンと描いております。

 

また違いとしては伊坂原作の醍醐味でもある個性豊かな登場人物が出てこないということ。

通り魔犯のキルオと裏家業の男を無くし、かつて組織にいた男で国家に裏切られたという過去を持つ男が、ゴヌの協力者として設定されています。

スナイパーもゆっくり歩いて遠距離から狙うような人物ではなく、韓国のザ・イケメンみたいな若者が颯爽と走り追いかけるようなアクティヴなキャラに変わっていたり、ゴヌを嵌める恋人も格闘技術を持っている女に変更されていましたね。

ゴヌが助けたアイドルも劇中で活躍しますが、過去に整形していたという件やたまにゲームして遊ぶみたいなプライベートでも友人になっているという設定はなし。

ゴヌの後輩役は子持ちの恋人がいない独り身だし、先輩ドライバーもいない。大学時代にバイトをしていた花火職人とその息子も登場しない。

とこのように、日本版や原作で数多く登場する人物を改変または登場させないながらも、物語の根幹を崩さずに組み立てている上手さが出た作品だったと言えるでしょう。

 

また物語の違いとしては同級生とコンタクトを取るシーンというのが挿入されています。原作も日本版も直接のコンタクトを取るのは後輩だけで、主人公がピンチの時に友人が別の場所で助けることで信じてもらえる絆を感じるという演出が施されていたんですね。

今作は挿入されているとはいえ頻繁にではないので、そこが違うといってもって部分はありますが。

結末も日本版とは違い、うやむやな感じで終わらず、しっかり落とし前をつけるかのような流れで結末を迎えています。

原作も日本版もそれが逆に余韻を残すことで、生き延びることが相手にとって一番の不安材料=勝利ということにフォーカスをあてて終わらせているので非常に良かったですし、ちゃんと彼に陽があたるような方向へ持って行ったのも悪くないなぁと鑑賞して感じましたね。

 

演出の違いもでていたなぁと。

ゴヌのお父さんがマスコミの取材に追われている中「おい元気か?父さんは元気でやってる。だからお前も元気でやれよ!逃げろ~!」とカメラの前で言うシーン。

日本版は伊東四朗さんの持ち前のユルさが際立ってちょっと笑ってしまうような場面に感じましたが、こっちは劇伴の効果もあってもろに感動シーンへと変更されています。

でもこのシーンがカットされていなくてよかったw

 

 

 

 とはいえ比較すると。

 

入り口としては全く同じで、過去にアイドルを助けたことが報道され、国内で有名人になってしまった模範市民というイメージを利用し、大統領暗殺犯に仕立て上げられてしまう。

警告したムヨルは彼の代わりに自爆、色々と整理のつかないゴヌはとにかく言われた通り逃げる逃げる。

何がいいって、途中なんも考えずにカード払いで買い物しちゃう辺りとか、勝手にバイク乗って、自分が勝手に使いましたごめんなさいバリに、ハンドルに名刺刺して逃げる件。

逃亡犯なのにめっちゃ足残してるのがリアルだし、

途中の買い物もきっとただ隠れるだけじゃ申し訳ないと思ったのでしょう。

 彼のいいひと感が溢れております。

 

とりあえず恋人の家で匿ってもらうが、どうやら爆破方法はリモコンカーで行った模様という報道に心当たり。あれ、俺の彼女そういやリモコンカーが趣味で、しかも出会いのきっかけがそれで、ムヨルが誰も信じるな・・・おいおいウソだろ!君グル!?

はいここでいきなりアクションスタート!彼女の見事な開脚にわ~お!なゴヌと観衆!かかと落としが繰り出されるもなんとか肘クロスでブロック。その腕を掴まれきれいな腕ひしぎ十字固めをかまされるも、見事に体をそのまま持ち上げテーブルにたたきつける高度な返しで恋人を失神させます。

しかしスナイパーが部屋までやってきて再び追われる始末。

 果たしてゴヌは一体どうやって逃げ切るのか、って流れになるんですが。

 

 

残念なのはゴヌを犯人に仕立て上げる役目を担った同級生ムヨルがちゃんと「お前、オズワルドにされるぞ!」というセリフを使わずに警告すること。

オズランドじゃないですよ?オズワルドです。あのミッキーマウスに似たキャラではないです。

かつてケネディ大統領を暗殺したとされる犯人オズワルドです。彼もまた犯人に仕立て上げられた人物として有名ですし、せっかく韓国は大統領制なんですからこのセリフはうってつけかと思ったんですが、時代なんでしょうか、その名前言ってもピンとこないとおもったのかなぁ、見事にカットです。

 

後は登場人物を排除したことで、ゴヌという男がどれくらい好かれているのか、彼のために自分を犠牲にして助けることができるのか、という部分が抜けてしまっていること。

日本版では過去に携わった人物だったり、なんかほっとけないみたいなキャラが彼を助けるんですが、今作は結果同級生とムヨルと共に活動してきた組織の男、そして全部オイシイとこだけもっていったアイドルのみ。

彼らがゴヌを語ることで人となりが読み取れるんですが、やはりもうちょっと関係者を増やしてほしかったなぁと。

その分、配達先のお客さんとの関わりによってゴヌが一体どんな性格なのかを描いているので、そこは補填できていたのかなと。これは日本版にはなかったですからね。

ただそれなら一般市民が情報を鵜呑みにしてしまうだけってのは腑に落ちません。

お得意先の人たちが「彼がそんなことするはずない!」って誰も言わないのが非常にもったいないです。もっと言えば、終盤彼らが何かしら動けば人間捨てたもんじゃない!って感情も芽生えるんですが。

 

後は宅配ドライバーの利点を活かしきれていないというのが残念。

日本版では配達区域を網羅した主人公が警察の検問を見事にすり抜けてく件があります。

しかし今作は住所を見て逃走するというシーンしか出てこず、警察の検問や監視カメラから逃れるために下水道を使って移動するという部分しかクローズアップされておらず、せっかくの設定がもったいないなと感じます。

 

 

最後に

結局否定的なことばかりになってしまってますが、もうしょうがない。

だって日本版のほうが好きなんですものw

 

とはいえ韓国映画のあるある要素を全部入れることで、こんなにも別の作品として生まれ変わるのか、とリメイクだから当たり前っちゃあ当たり前なんですが、比較や違いを気にしながらもめちゃめちゃ心動かされ楽しませてもらいました。

なんか日本と韓国の良いところをとってリメイクしたらもっと面白くなるのかなぁと。

 

 

 

というわけで以上!あざっした!!

満足度☆☆☆☆☆★★★★★5/10