ゴジラ/星を喰う者
約1年かけて公開されてきた通称「アニゴジ」がいよいよ完結。
実写では到底実現できなかった大規模なスケールと、アニメーションでしか描くことのできないダイナミックなアクション描写に心つかまされたわけですが、第1章での説明過多な展開、第2章での誰もが予想しなったメカゴジラの正体と、中々手放しで褒められるような作品ではなかったのですが、最終章こそ有終の美を飾っていただきたい気持ちでございます。
さて、第1章でのゴジラアースのデカさに慄く人間たち、第2章での要塞都市と化したメカゴジラでも太刀打ちできない敵と、中々本丸との対戦が思うようにいかない人間側ですが、いい加減あいつと決着するべく最終兵器?リーサルウェポンの投入でございます。
そう、ギドラの登場です!
過去の実写映画では全てゴジラに軍配が上がっているようですが、そのリベンジが叶う時がやってくるのか!?
きっと実写とは一線を画した作品ですから?そう簡単に決着などつかない気がしますし、このギドラ、何やら諸刃の剣的な匂いがプンプン致します。
なんてたって「星を喰う者」ですからね!
ギドラよ、地球を丸ごと飲み込んでしまうのかい?
究極のバッドエンドで締めるのかい?
いやぁ~気になります。
そしてもう一つ気がかりなのは、フツアの民、ミアナとマイナの存在。
明らかにモスラを呼び寄せる小美人を思わせる立ち位置だと思うんですが、モスラの登場はあるのか?
そうしたら大怪獣総攻撃だぜ?
熱いぜ!
そんな僕の思惑通りの展開になるのか。
様々な期待を込めて早速鑑賞してまいりました!!
作品情報
二万年後の地球で繰り広げられる人類対ゴジラの死闘を、最新鋭のアニメーションと最高峰の製作陣で作りあげたアニメーション映画版ゴジラ、通称アニゴジ。
前作ではナノメタルなる金属によって息吹を吹き込まれ進化し続ける要塞都市メカゴジラをもってしてもゴジラアースを倒すことができず、勝利を呼び込むことができなかった人類たちだったが、今作では高次元怪獣ギドラが登場。
新たな領域へと踏み込んだゴジラシリーズは、この3部作で何をどう描くのか。
また、最強対最強の戦いによって、人類は、地球はどうなってしまうのか。
究極の生命体であり破壊の王であるゴジラと、その力に対抗できる虚空の神ギドラがついに相まみえる。
GODZILLA 決戦機動増殖都市 Blu-ray スタンダード・エディション
- 出版社/メーカー: 東宝
- 発売日: 2018/11/07
- メディア: Blu-ray
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あらすじ
扉が開かれ、黄金の刻印が星を切り裂く。
21世紀初頭、ゴジラに地球を奪われた人類は、一部の人類を他恒星系への移住に送り出すも、計画は失敗に終わる。失意のまま地球へと帰還した人類を待ち受けたのは、二万年後の変わり果てた姿になった地球だった。
あらゆる動植物がゴジラ細胞を持つ<怪獣惑星>と化した地球。そこに君臨するのは体高300mを超える史上最大のゴジラ<ゴジラ・アース>だった。
ゴジラ討伐に執念を燃やす主人公ハルオ(声:宮野真守)は、人類の遠い子孫である種族フツアと出会う。ハルオたちは、フツアの双子の姉妹マイナ(声:上田麗奈)とミアナ(声:小澤亜李)の導きにより対G決戦兵器・メカゴジラの残骸が、増殖を続けていることを発見。
残骸を構成するナノメタルを使って武装要塞都市<メカゴジラシティ>を起動させ、<ゴジラ・アース>に挑む。
この作戦の中、かねてより共存してきた異星人種族の一つビルサルドと人間たちとの亀裂が表面化する。ビルサルドのリーダー・ガルグ(声:諏訪部順一)の「ゴジラを倒すならば“ヒト”を超えた存在へ」という信念に対し、ハルオは「怪獣を倒すために自らも怪獣になってはいけない、“人”として打ち勝つべき」という信念を捨てられなかった。
ついには、<ゴジラ・アース>を倒す唯一のチャンスを捨て、ハルオはガルグを葬ってしまう。
一方、ハルオの幼馴染であるユウコ(声:花澤香菜)はビルサルドによる人体の強制ナノメタル化により、脳死状態に陥ってしまった。
人間たちに広がる敗北感と虚無感。もう一方の異星人、宗教種族エクシフの大司教・メトフィエス(声:桜井孝宏)は、ハルオが戦いに生き延びたことは“奇跡”だと唱え、信者を増やしていく。
それはエクシフが秘め隠してきた“究極の目的”のためだった。そんなメトフィエスを警戒するミアナとマイナ。そして、ハルオは、自らが“人”として何を為すべきかを自問する。
やがて、<ゴジラ・アース>を打ち倒す者がいなくなった地球に、金色の閃光を纏った<ギドラ>が降臨し、天地を揺るがす超次元の戦いが始まる。
“ゴジラ”とは何か。“人”が為すべきことは何か。ハルオが目にする未来とは――――。
最終章で、そのすべてが明らかになる。(HPより抜粋)
監督、キャスト、また前作に関してはこちらをどうぞ。
前々から予想していた、地球人以外の連中の常軌を逸した行動。ビルサルドはゴジラを倒すには、人という存在を超越しなければいけないという強さを求めた結果失敗に終わりましたが、最終章はメトフィエスの暴挙または信仰による混乱が巻き起ころうとしています。
果たして人類は無事ゴジラを倒し地球に帰還することができるのか。
それとも母なる星の終焉を見届ける形となるのか。
ここから鑑賞後の感想です!!!
感想
はぁ・・・。
思っていたのと違う着地の仕方に、やっぱりゴジラは実写の方がいい。
そんな答えが見つかっただけでもよかったかもしれない。
以下、核心に触れずネタバレします。
とりあえず総括。
ゴジラによって地球という住処を奪われた人間たちが、地球奪還へ向けて行った激闘の中で、他の種族の思惑によって事態は困難を極めていき、ついには終末をも迎えてしまうかもしれない危機的状況をどう乗り越えるかまでを描いた最終章。
ハルオの、闘志と勇気、苦悩と葛藤、その他数多の感情を惜しみなく描き、人間はこの先ゴジラという自分たち生み出してしまった怪物を、どう退治するのか、それとも彼に従うしかないのか、または共存という選択を取るのかを迫られていく。
第1章では地球人の勇気と戦略によってゴジラを責め立てるもあえなく失敗。
第2章ではビルサルドたちの闘志と科学力によって生み出されたメカゴジラシティで打破しようとするも、結局は人間の人智な能力を超えた存在として立ち向かわなければならず、それで勝利を手にしたとして新たな脅威を生むだけではないかという疑問にぶつかり、葛藤の末これまた失敗。
そして最終章では、エクシフたちの祈りと宗教力によって、ゴジラを打破しようとするも、終焉こそ祝福というこれまた人間の範疇を超えた思想がハルオの行く手を阻み、彼の思うようにはさせまいと、フツワの協力の下立ち向かう姿を描いた。
総じていうのであれば今回のアニゴジは、いわゆる人間群像劇に特化した内容で構成され、ゴジラアースもメカゴジラもギドラも、彼らの道具としてのような立場でしか存在しないため、正直怪獣映画を見たかった自分としては、非常に満足度の低い結果となったのが率直な感想です。
言いたいことやりたいこと、なんとなくわかります。
人間が進化を求めるあまり脅威を生み出してしまい、結果住処を奪われてしまった。
そこへ協力してゴジラ討伐しようと介入してきた異星人たちも、本性を隠してしたわけで、彼らの思想や考えテクノロジーなんかを地球人は受け入れることができるのか否か、ってのを軸に物語は構成されていて、果たして人間はこの忌まわしき怪獣とどう向き合うのかっていうのを、ひたすら言葉で語るお話で。
で、恐らくこれをゴジラという怪獣映画として受け入れられるかどうかってのもまた見た後の人たちで評価が分かれるというか。
その結果僕はダメだった。
結局これ怪獣映画だったのか。
やっぱりもっと動き回るゴジラが見たいし、そのゴジラ相手に名だたる人気怪獣がどう立ち向かっていくのか、その姿を実写では到底描くことのできない圧倒的スケールのデカさで描いて欲しかったわけですよ。
あとは種族たちの意志で動く怪獣てのもなんかね。
過去にももちろんそういう対決があったけれども、そこは怪獣対人間でなくて、地球人対種族って構図でしかなく。
で、こうして過去の2作を振り返ってみると、いわゆるアクション描写だけに重きを置いてみてみると第1章が抜群に面白かったんだなぁと。
なんて言うか一番ゴジラとちゃんと戦ってるというか。ゴジラと向き合ってる話って第1章しかないでしょう。
もちろん第1章での感想でも書いた通り、そこまでの過程が退屈過ぎて全体的な満足度は低かったんですが、バトルアクションに関して言えば、僕が求めていたのはこの第1章だったなぁと。
第2章も、序盤で小さなバトル描写を入れることで、前半がっつり会話ってのを改善したからよかったですが、正直メカゴジラの登場の斬新さを受け入れられただけで、実際メカゴジラが動くわけではなく、結果バルチャーとゴジラという見方だけで言うところの置物と小バエの戦いでしかなく。
だから最後はもっと迫力があって動きがあって過去2作を上回る描写を見たかったわけでですが、このアクションに関しては最終章が一番ひどい。
ギドラという存在をどうやって出すのか。これがメトフィエスが信者を募ってその祈りによって呼び寄せた「神」だって出し方に異論はない。
星に人間が生まれ脅威を生み出しあたふたしてるところをエクシフはずっと前から監視し、その星を神様がおいしくいただく。この滅びこそが我々にとって最大の祝福だと。
君たちが生み出した文明によって自分の首を絞めるわけだからそれはもう滅びること以外道はないよね?みたいな。
それがメカゴジラシティという科学の能力を結集した要塞をしてもバケモノには勝てない事実を突き付けられ、立ち上がることができない人間たちの心の隙間を狙うかのように急に布教活動を活発化させるやり口。
正にカルト宗教がやる魂胆そのものです。
人間てすべてやりつくしても結果が変わらなければ神頼みするんですよね。普段神さまなんか信じてないくせに。
そこに付け込んだメトフィエスの巧妙な手口。
何故ユウコは脳死状態なのに、ハルオは元気なのか。それは奇跡だ。
神さまへの祈りが通じたのだ。そう信じ込ませる。本当のことを伏せて。
汚ねえ。汚ねえぞメトフィエス。
しかし信じちゃった奴らを正気にさせる術もなく、ゴジラと戦う武器もない。
再びハルオに試練が訪れるって流れでしたが。
で、登場してしまうギドラ。
何ですか、特異点から出てきて物理攻撃が効かないという強さ。
これもメカゴジラ同様長い首3つが別々のホールから出てきてゴジラに巻き付き噛みつく。胴体は見当たらない。
うん、まぁ斬新ですな。
斬新ですが、また動きが単調ですよ。
金色が眩しいってのは素晴らしいですが。
ゴジラも相手に打撃効かないし放射熱線も方向返られちゃうし、噛みつかれてどんどん弱っていくし。
これをですよ、ゴジラのポテンシャルで反撃してほしかったんですけど、結局人間たちの戦いになっちゃうんですよね。
そのパターンは第2章と姿形変えただけで同じだってば。
そこでゴジラが倒して、人間たちがあいつは怖い存在だけど、我々がどうやったって叶う相手じゃないから共存してい行くしかないよね、よしフツワの民よ、我々と新しい世界を築こうって流れでいいと思うんですけど。
でもまぁエクシフはボコボコにしたいですから、今回の流れでまぁ納得ではありますが。
最後に
結論からすると話はむやみにいじる必要はないのかもしれないし、人間の闘争本能だけでは到底かなわない相手に科学と宗教を武器に立ち向かうことの是非ってメッセージ性てのはこれはこれで深いのかもしれないけど、やはり格闘シーンはもっと描かないと。ガンガンドンパチやってさ。
そういう描写とアニメーションならではの画力で絶望感を最大限に発揮しないと怪獣映画にはならないんじゃない?ってのが僕の思うところであります。
あとは会話で話進めるのどうにかなりませんかね。
予算の都合上難しいのかな、画だけで話進めるの。
あともうひとつ、あの怪獣あれだけですか出番。三大怪獣集結してほしかったなぁ。
色々愚痴ってしまいましたが、あくまで私のささやかな意見感想でありますので、どうかファンの皆さま高評価の皆さま、怒りを鎮めていただいて。
お怒り様が見てますよ。
というわけで以上!あざっした!!
満足度☆☆☆★★★★★★★3/10