モンキー的映画のススメ

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主に新作映画について個人の感想、意見を述べた文才のない男の自己満ブログ

映画「あの夏のルカ」感想ネタバレあり解説 今の自分が在るのは君のおかげ。

あの夏のルカ

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 少年たちによる夏の冒険を描いた映画は数知れず。

 

名作「スタンド・バイ・ミー」や「グーニーズ」、近年で言えば「スーパー8」に「ムーンライズ・キングダム」、「IT/イット❝それ❞が見えたら、終わり」、あまり知られてない作品だと「グッバイ、サマー」や「50年後のボクたちは」なんかがあります。

 

子どもたちだけで冒険の旅に出たり、何かを成し遂げようとする姿を描くことで、大人への階段を一つ登るといった成長譚であるのが通例ですが、何が良いって「夏」を舞台にするのがいいですよね。

 

1年で一番長い休みである「夏休み」。

アメリカなどでは新年度が秋から始まるので、夏休みが終われば友達とまた会える日本とは違い、別々の進路に進むなど「別れ」の匂いが漂うんですよね。

正に「スタンド・バイ・ミー」はこれに当てはまるんですよね。

 

今回鑑賞する映画は、まだ見ぬ世界へ足を踏み入れていく少年二人組のお話。

実はこの少年たち、人間ではなくシー・モンスターだそうです。

製作するのはピクサーアニメーション。

 

色んなものを擬人化させることで有名なピクサーが、一体どんな物語を描くのか。

ディズニー・プラスで配信ということで、早速自宅で鑑賞いたしました!!

 

 

 

 

作品情報

リメンバー・ミー」、「ソウルフル・ワールド」のピクサーが北イタリアの港町を舞台に描くジュブナイル映画。

ディズニー・プラスで独占配信される。

 

海の世界の住人シー・モンスターの少年2人が、足を踏み入れてはならないと禁じられている「人間の世界」でひと夏の冒険を繰り広げていく。

 

ディズニーアニメの短編映画「月と少年」を手掛けた監督が長編映画初挑戦する本作。

世界遺産にも登録されている街を参考に、地中海に囲まれ、岩の上に街が寄り添う北イタリアの港町を美しく設計。

イタリア人である監督だからこそ表現できた景観が「海の匂い」を醸し出し、世界的パンデミックにより海外に行くことができない私たちを、別世界へ誘ってくれる。

 

また少年二人の声を、「ルーム」で世界的に名を馳せた天才子役や、「シャザム!」「IT/❝それ❞が見えたら、終わり」などヒット作で注目を浴びる子役が担当。

過去作で演じた役をイメージすればピッタリなタッグに違いない。

 

大人たちの制止を振り切り、まだ見ぬ世界へ冒険に繰り出す少年たち。

本作を見れば、きっとあの頃の自分たちを思い出し、「大人」で忙しい日々に安らぎのひと時を与えてくれることでしょう。

 

 

 

 

 

 

あらすじ

 

 平穏な<海の世界>に暮らすシー・モンスターの少年ルカ(CV:ジェイコブ・トレンブレイ/阿部カノン)は、海底に沈んでいる“人間のモノ”に興味津々で、見たことのない世界への憧れは募るばかり。

 

人間の世界を知るシー・モンスターのアルベルト(CV:ジャック・ディラン・グレイザー/池田優斗)と出会った彼は、ついに海の掟を破り、2人でポルトロッソの町に足を踏み入れる。

 

身体が乾くと人間の姿になる性質を持つ彼らは、どこからみても普通の少年だが、少しでも水に濡れると元の姿に…

この“秘密”を人間に知られる恐怖を抱きながらも、ルカは目の前に広がる新しい世界に魅了されていく。

もっと知りたい。この世界のすべてを──

 

だが、ルカとアルベルトの無邪気な冒険はやがて、海と陸とに分断されてきた2つの世界に大事件を巻き起こす。

 

果たして、ルカの禁断の憧れが生んだ<ひと夏の奇跡>とは、何か…?(HPより抜粋) 

 

 

 

 

監督

本作を手掛けるのは、エンリコ・カサローザ

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今回初の長編映画監督を務めるとのこと。

短編映画「月と少年」は、「メリダとおそろしの森」との同時上映の際に初お披露目。

父と祖父と共に船での初仕事に挑んだ少年に起こる不思議な出来事を描いた、幻想的で温かい気持ちになれる作品です。

 

今回ピクサー作品の中で「夏」が舞台なのは初めてだそうです。

 

 

本作は、監督の実体験をもとに故郷をイメージして作れられた物語。

親友と出会ったことで、友情が如何に自分を成長させるか、どれほどの影響を受け自分を変えるのか、または彼と出会わなければ今の自分はどうなっていたかなどの問いかけを物語に詰め込んだとのこと。

 

相手の全てをお受け入れるのが親友だと語る監督が、本作を通じて故郷と友情の素晴らしさを教えてくれることでしょう。

news.yahoo.co.jp

 

 

 

 

キャラクター紹介

  • ルカ・パグーロ(CV:ジェイコブ・トレンブレイ/阿部カレン)・・・13歳の少年。内向的で気の小さい性格であるが、好奇心旺盛な一面もある。海底に潜むシー・モンスターであるが人間の世界に興味を持っており、ある夏の日親友のアルベルトと共に人間の世界へと冒険に出る。

 

  • アルベルト・スコルファノ(CV:ジャック・ディラン・グレイザー/池田優斗)・・・ルカと同じ10代の少年で、彼の親友。やんちゃで恐れ知らずな性格である。島の塔に1人で暮らしている。人間の世界を知っており、ルカにこのことを教え共に冒険する。

 

  • ダニエラ・パグーロ(CV:マーヤ・ルドルフ/高野麗)・・・ルカの母親。ルカに人間の世界が危険なことを教える。

 

  • ロレンツォ・パグーロ(CV:ジム・ガフィガン/磯部勉)・・・ルカの父親。ダニエラと同様に、人間の世界が危険であることを教える。

 

  • ジュリア・マルコヴァルド(CV:エマ・バーマン/福島香々)・・・ルカ、アルベルトと仲良くなる人間の少女。2人を家に泊めてくれる。

 

  • マッシモ・マルコヴァルド・・・ジュリアの父親。生まれつき右腕が無い。ルカとアルベルトを胡散臭く思っている。

 

  • エルコレ・ヴィスコンティ…ポルトロッソの不良。ルカとアルベルトを疎んじている。また、2人をかばうジュリアのことも鬱陶しく思っている。(以上ウィキペディアより抜粋)

 

 

 

 

 

 

 

内気なルカとやんちゃなアルベルト。

正反対の性格である二人が「ひと夏」でどんな刺激を与えあい、共に成長するのか。

見終わったら親友に連絡を取ってみたくなりそうですね。

ここから鑑賞後の感想です!!

 

感想

超鬼ベタな内容だけど、親友がいたから今の僕があることを改めて教えてくれる素敵な映画です!!

以下、ネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

今の僕が在るのは君のおかげ

人間から恐れられているシーモンスターの少年二人組が、イタリアの港町で様々な人やモノに触れ、時折喧嘩しつつも一生に残る「ひと夏」の思い出をむめに刻み成長していく姿を、ピクサーならではのハイクオリティな背景や水の描写、幻想的な妄想の世界、そして友情がどれほど素晴らしいものかを伝えるベタな構成に、涙なしでは見ることのできないステキな物語でございました。

 

子どもにとってはまだ危険で危なっかしくて刺激の強すぎる世界や場所。

僕の子供時代でそんな場所や街なんてあっただろうか。

多分家族で出かけた隣町や市街地を子どもたちだけで自転車漕いで遊びに行くなんて、親からしたら結構危険と思われるんじゃないだろうか。

知らない人についていってしまわないか、小遣いを計画的に使えないんじゃないか、はたまた友達の誘惑によって遅くまで遊んだりやしないだろうか。

 

夏休みってめちゃめちゃいい休みだったけど、実際時間を持て余してたようにも思うんですよ。

そんな時に友達だけであまり行ったことのない場所や街に遊びに行ったことないですかね?

 

本作でのルカとアルベルトは、まさに自分が子供の時に子どもたちだけで知らない街に遊びに行くようなお話だなぁって思えた作品でした。

 

親からは絶対言っちゃダメと言われたゲーセンだったりデパートだったり、通い慣れてない市民プールだったり、それこそ小遣いを浪費するだけの駄菓子屋だったり、とにかく子供たちだけで行くとロクなことがない場所は親にとっては危険しかないんですよね。

 

でもガミガミ言う大人たちのいない状況で、思いっきり羽目を外して遊んだものです。

大体こういう時ってアルベルトのような危険を顧みない無鉄砲な友達が、率先してみんなを引っ張ってはムチャし過ぎて大変な目に遭ったりするもんで、例えばカツアゲだとか道に迷うだとか、実は親に言わずに遊びに来てたとかあまりいいことなかったりすることが多く、僕も一緒に叱られるなんてパターンが昔よくありましたw

 

でも友達だけで遠出することで、親からは教えてもらわないような経験ができたり、それこそお金の使い方を学んだり、学校のクラスメートに夏休みこんなことして遊んだよなんて話も出来たり、それこそ学校でしか会うことのない好きな女の子とも夏休みに遊ぶことが出来たりと、案外いいことづくめというか。

とにかく親から離れて外で遊ぶことで、思いがけない経験や学びがあったりするのがいいんですよね。

 

僕の場合、正直許容範囲内でしか行動できなかったので、ルカとアルベルトとジュリアのように、知らない土地で友達作って友好を深めるような体験はできてないんですし、基本人数多ければ楽しい精神でここまで生きてきたので、アルベルトのようにジュリアにルカを取られて嫉妬するような経験もないですし、正直本作のような楽しい思い出ってないんですけど、似たような体験てのはそれなりにしてきたこともあって、彼らの仲睦まじい姿に羨ましさを覚えたり、あの時仲良かった友達のことを思い出したりと、とにかく子供時代の事を思い出しながら見ることができたと思います。

 

きっと本作を見た方は僕以上に豊富な子供時代を過ごした方も多いでしょうから、僕以上に感動される方でいっぱいだと思います。

 

やっぱり今の僕がこうして生きているのは、あの時仲の良かった友達と過ごしたからなんだよなぁと。

僕がバンドを始めたきっかけもクラスメートでしたし、一番好きなMr.childrenを教えてくれたのも友達。

アコギを一緒に練習したり、スタジオに入ってセッションしたり。

彼らとは高校が別になってしまい疎遠になってしまったけど、彼らと音楽を通じて楽しい日々を送れたからこそバンドメンバーを見つけ、同じ専門学校に進学して東京でバンド活動したわけで。

振り返ってみると、自分の人生の道しるべを作ってくれたのはあの時遊んでくれた友達なんだよなぁと。

挫折したのは友達でなく自分のせいだけどw

 

自分語りが過ぎましたが、本作はもう当時の自分を思いだして感傷に浸れる素晴らしい映画だったわけです。

監督も本作について、自分の体験談をモチーフに作り上げたと仰っているくらいですからね。

 

ルカとアルベルト

物語は3幕構成として進行していく典型的なお話。

アルベルトとの出会いから、人間になじむための訓練、陸に上がって人間の世界が如何に素晴らしいかをアルベルトから教えてもらい、憧れのベスパ購入に向けて港町でレースに参加することを決意。

 

共に負け犬扱いのジュリアと仲良くなり、チームとしてレースに向けての訓練に励む日々。

ジュリアに多くの刺激を受けることで、置いてけぼりになったり自分だけの友達だと思っていたルカを撮られてしまったことに対する嫉妬心からぶつかり合ってしまう中盤。

 

アルベルトの内面が吐露され仲直りしたルカは、レースに単独で出場し、ライバルであるエルコレとの激闘、素性を明かしたことでルカにとって一番大切な存在は誰なのかを映し出し、物語はラストスパートしていくという物語。

 

 

最初のエピソードでとにかくルカが人間の世界に恋焦れている理由を、海の上から捨てられた蓄音機やトランプ、目覚まし時計などのアイテムに目を輝かせる描写を見せて伝えるのが印象的。

そりゃ普段海の中では見かけないし存在もしないものですから、一体人間の世界ってどれだけ楽しいんだろうとワクワクするのも当たり前。

 

でも両親は人間はシーモンスターを恐れていることや見つかったらモリでつかれて死んでしまうと言われ、興味と恐怖で板挟みになってしまうんですね。

そんなルカをリードして陸へ上がらせるのがアルベルト。

海の中の廃棄物以外にも陸には素晴らしいものがある、酸素、重力、空、太陽、そしてベスパ!と、ルカの目をさらに輝かせ、海にはない素晴らしいものがたくさん溢れてることを教えてくれます。

 

徐々に海よりも陸が恋しくなってきたルカは、家に帰る時間がどんどん遅くなり、終いには帰らない暇で出来てしむほど。

さすがの両親もこれには我慢の限界。父の兄で深海魚のウーゴおじさんに来てもらい、深海でひと夏過ごすよう命じられてしまいます。

 

この深海で過ごさせるってのがいいんですよね。

要は何もないわけですよ。酸素もたくさんなくていい。

ひたすらぼ~っとしてクジラの死骸をただ食べていればいい。

考えることもしなくていい。

もはや墓場だなw

ついさっきまで史劇で溢れていたルカにとっては地獄そのもの。

こうなったら家でして陸でやりたい放題やった方がいいと一念発起して、アルベルトと共に港町ボルトロッソへ向かうのであります。

 

ルカとアルベルトは町でどんな発見をし、どんな友人と出会い、どんな体験をするのか。

是非目に焼き付けてほしいと思います。

 

後半はやや強引か

ここまで感動的な意味合いの感想でしたが、互いに恐れている人間とシーモンスターのか分断を無くすような結末に持っていくのには、いささか強引な展開だったように思えます。

 

もちろんルカとアルベルトの友情がメイン。

でも人間と人間でない種族ですから、現代的に考えれば「移民」や「人種」にまつわる問題を避けて通れないわけです。

もちろん正体がバレてしまい、これまで仲の良かったジュリアから敬遠されたり、煙たがられるといった抵抗により、人間の世界にはいられなくなっていくわけです。

 

好奇心旺盛なルカは、ジュリアから宇宙の神秘や何でも教えてくれる学校の存在などに興味を抱き、このまま人間として生活したいと思った矢先の出来事。

でもここまでルカを導いてくれたのは紛れもなくアルベルト。

彼と当初抱いていた「ベスパに乗って自由な旅」をする夢に向かってレースに出場します。

結果的に、ルカを助けに来たアルベルト街のみんなに正体がバレてしまい、アルベルトを助けるためにルカも正体をばらして、シーモンスターのままゴールします。

ゴールで待っていた街の人たちは、一斉にシーモンスター捕獲の構えを見せますが、ジュリアのお父さんであるマッシモの寛容な態度によって、街の人たちはモリや網を降ろし、彼らの優勝者と讃え、無事和解していくんですね。

 

いや待て待て。

そもそもマッシモは町でそこまで威厳のある存在なのか?

彼が言うなら「そうだよな」みたいに、みんなが納得してしまうのはちょっと強引すぎやしないだろうか。

 

ボルトロッソという町自体、壁に貼られた張り紙や噴水のモニュメントがシーモンスターを捕らえる大男だし、実際シーモンスターをとった者には懸賞金が賭けられているほどシーモンスターという存在は人間にとって捕獲対象なんですよ。

 

男たちもモリを手放さずに海へ出かけるし、魚が獲れないのは彼らのせいだなんて言われる始末。

もはや敵とみなしてるわけですよ。

幾らレースで優勝したのがシーモンスターだからと言って、みんなそんな簡単に受け入れるのはさすがに無理があるんじゃなかろうか。

 

でもマッシモが言うから説得力があるのは物語を追っていけば納得できないことはない。

あれだけシーモンスターを捕まえたがっていた男は、ルカとアルベルトを我が子のように接し、自分が作ったパスタを手づかみで食う二人を叱らず自由に食べさせ、アルベルトには漁の才能があるからと技を仕込ませるおせっかいぶり。

アルベルトがいなくなったと分かった途端単身探しに出かけるくらい親身なっているわけだから、彼らの正体は「ルカとアルベルト」だよって言われたら泣くだろう!

なんていいオヤジだ!!

 

・・・あれ、結局擁護してるw

 

 

最後に

まぁなんだかんだでラストは泣いちゃいましたよ。

アルベルトがルカにあんな粋なことして、最後は別れを惜しんで涙を浮かべながら抱擁するんですもの。

絶対もっと一緒にいたいのに、互いのことを思ってしばしの別れを告げる2人。

バカ野郎!号泣だよ!!

 

これがあったおかげで疑問に思った部分もチャラですw

 

他にもイタリアならではの名物がたくさん登場しましたね。

ベスパはもちろんのこと、ジェラートにサッカー、名前もモナリザやジュゼッペ!

トルナトーレってことでいいのかな?

他にもあるんでしょうけど、細かく探すことができませんでしたw

 

風景も素晴らしすぎて、こりゃ旅行に行きたくなるわw

ボーイミーツサマーな物語としては「スタンドバイミー」に勝つことはできませんが、アニメーションとしては大人でも楽しめるし、子供でも分かりやすい物語。

「ソウルフル・ワールド」がだいぶ大人寄りの物語だったので、今回のピクサーはこういうテイストでも良いのかなと。

 

本作を見て、是非子供時代の自分を思い出してみてほしいです。

今の自分があるのは誰のおかげなのか。

というわけで以上!あざっしたっ!!

満足度☆☆☆☆☆☆★★★★6/10