ミッション・インポッシブル/フォールアウト
ゴーストプロトコルからどんどん加速する娯楽っぷりに、期待している人も多いのではないでしょうか!
怪我のニュースを聞いた時は、撮影長引いて公開延期とかにならないかホント心配だったんですが、無事公開されて嬉しい限りです。
今作ではそれだけ無茶なアクションをしたのでしょう!
トムすげえよ!あんたホントに地球人なのか!?
てなわけで早速観賞してまいりました!!!
作品情報
当時人気TVドラマであった「スパイ大作戦」をトム・クルーズ主演で映画化するやいなや、回を重ねるごとに大ヒットを連発。
今回その6作目となる「フォールアウト」。
IMFのエージェントである主人公イーサン・ハントと彼を支えるチームが、文字通り不可能な任務を遂行し、世界の危機を未然に防ぐために奮闘する姿をアクション満載で描く。
前作から監督キャストが同じというシリーズ初の試みに、トムの絶対的信頼が垣間見え。自信作になっているに違いない。
果たしてイーサンたちは無事危機を乗り越え阻止できるのか。
あらすじ
何者かが複数のプルトニウムを強奪する事件が発生。
その標的になったのは、世界各地の三都市。イーサン・ハント(トム・クルーズ)とIMFのチームは、“同時核爆発を未然に阻止せよ”とのミッションを命じられる。
猶予は72時間。
だが、手がかりは少なく、名前しか分からない正体不明の敵を追うミッションは困難を極める。
刻一刻とタイムリミットが迫る中、IMFの前に立ちはだかるCIAの敏腕エージェント、ウォーカー(ヘンリー・カヴィル)。
ウォーカーとの対決を余儀なくされたイーサンに迫る危機の数々。
果たして彼らは、絶体絶命の危機を乗り越え、核爆発を阻止することができるのか……?(Movie Walkerより抜粋)
監督
今作を手がけるのは、最近、手かかなり前からトムとべったりのクリストファー・マッカリー。
元々は脚本家として素晴らしい才能を発揮していた彼。
なんてたってあの「ユージュアル・サスペクツ」の脚本ですからね。
そしてトムの主演作である「ワルキューレ」で脚本を担当。
徐々に親密になっていったのかトムのMIシリーズに告ぐシリーズ作、ジャック・リーチャーの1作目「アウトロー」で初めて監督。
他にも「オール・ユー・ニード・イズ・キル」や「ザ・マミー/呪われた砂漠の王女」の脚本なども手がけているほど、トムからたくさんお仕事をもらっています。
そして彼の監督業を決定付けたのが前作「ローグネイション」でしょう。
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これまで単独で動いて事件を解決するイーサンだったわけですが、今作で確実にチームとして行動し事件を未然に防ぐというコンセプトにシフト、シリーズのエンタメアクションとしての可能性を広げたと思っています。
だってもういきなりド頭クライマックスみたいな飛行機しがみつきから始まり、ヒロインとのアクション、江頭も真っ青の潜水だのバイクでの追走劇ですからね~。
飽きさせない工夫というのもがたくさん感じられる娯楽アクションでしたね。
キャラクター紹介
- イーサン・ハント(トム・クルーズ)・・・IMFのレジェンド的ベテランエージェント。さすがベテランとあって頭脳明晰、危機回避能力やとっさの判断能力はもちろんのこと、宙吊り、フリークライミング、バイク、超高層ビルの壁にぺったり、飛行機しがみつき、そして美しくダッシュ。今作ではヘリコプターの操縦に挑戦。隠密行動が基本のスパイとしては、毎度毎度派手にやらかすのでオレが長官なら激オコ。
- ベンジー・ダン(サイモン・ペッグ)・・・シリーズ3作目から登場のエージェント。当初はガジェット開発担当としてチームに加わっていたが、ゴースト・プロトコルから現場担当に昇格。前作ではIMF解体によりCIAの職員となっていたのを、見事イーサンに誘われチームに合流。しかもヒロインの座を勝ち取るというサプライズ。果たして今作ではどんな活躍が期待されるのだろうか。
- ルーサー・スティッケル(ヴィング・レイムス)・・・シリーズ1作目からイーサンを陰で支えるメカニック担当であり長年の友人。結婚したイーサンにスパイは奥さん持っちゃいかんでしょうと苦言を呈すも、なんだかんだで奥さんとも仲良し。前作ではブラントとタッグを組んでイーサンに協力、今作でも大いに活躍してほしいところ。
- イルサ・ファウスト(レベッカ・ファーガソン)・・・前作から登場した謎の美女。敵の組織の構成員でありながらイーサンを助けるその正体はMI6のエージェントだった。イーサンとイイ仲になりそうだけど、今作で奥さん出てくるんでその辺注目。ネバーイナフとかせつなくなるから歌わないでね。
- アラン・ハンリー(アレックス・ボールドウィン)・・・前作ではCIA長官として散々IMFさぁ、これだけやらかしてさぁ、いるぅ?ねぇ?と文句たらたら言いながらブラント(ジェレミー・レナー)に詰め寄り、言うこと聞かないイーサンを国際手配する。なんだかんだで協力しIMF長官として迎え入れられる。今回長官としてイーサンたちを守れるか。
- オーガスト・ウォーカー(ヘンリー・カヴィル)・・・今作登場のキャラ。プルトニウムを奪い返す任務を受けたイーサンは、CIAから彼を監視役として同行させる条件を付けられる。イーサンに疑惑の目を向けやがて対決する羽目となっていく。
- ソロモン・レーン(ショーン・ハリス)・・・前作の敵の組織シンジケートのボスにして元MI6のエージェント。前作での暗躍をイーサンに阻止され捕獲される。今作では彼が率いたシンジケートの生き残りによる事件とあって彼が深く関わってくるようだ。
- エリカ・スローン(アンジェラ・バセット)・・・IMFへ移ったアランに代わって長官の座に着いた女性。今回の事件をCIAの管轄下に置き、監視をつけるという要求をアランとイーサンに言い渡す。
- ホワイト・ウィドウ(ヴァネッサ・カービー)・・・今回のプルトニウム強奪の中心的人物とされるジョン・ラークに接触する謎の女性。イーサンは彼女に近づき事件の真相を追う。
あ、今回ブラントがいねぇ!!
もう管理職だから出る幕ないのかな、ギャラのせいかな。
ここから観賞後の感想です!!!
感想
トムよ、なぜ君はそこまで体を張ってアクションをこなすんだ!!
前作が表なら今作は裏の雰囲気を終始匂わせた、ガチガチのスパイアクション映画でした!!
以下、核心に触れずネタバレします。
もはや神の領域。
犯罪組織シンジケートの残党による大規模テロを阻止する、生死をかけたミッションに立ち向かうエージェントたちの姿を、重厚的なオーケストラにのせてシリアス且つスタイリッシュに物語を綴り、はるか上空からのダイブ、パリ市街をノンストップで逆走するバイクチェイス&カーチェイス、クライマックスでのヘリコプターバトルなど、本人がスタントをこなすことで生まれる緊張感マックスのアクションを魅せた、シリーズ史上一番ハラハラしてしまう映画でございました!
前作「ローグネイション」では、チームIMFとして舵をとった作品だとすれば、今作は再びイーサンハントの物語として生まれ変わったように思えます。
それを象徴するのが、イーサンがミッションを遂行する度、敵から逃げる度、敵を追いかける度に映し出される壮大なアクションの数々。
やはりイーサンくらい命を賭けて敵の悪事を阻止しないと世界を救うことはできないだろうと誰もが思ってしまう、本気で頭おかしいだろレベルのカラダの張りっぷりなのです。
パーティーを催しているホワイトウィドウに接触するために、パリのはるか上空を飛ぶ飛行機から酸素ボンベつけて決死のダイブ!
HALOジャンプという潜入方法の一つだそうで、約1万メートル上空から飛び降りるのに、パラシュートを開くのが地面ギリギリにもほどがある方法。
がっちり装備して飛び降りないと、減圧により体に異常をきたしてしまうとても危険なアクション。(普通に潜入することはできなかったのか・・・)
そして中盤、ホワイトウィドウとの取引のために憎き相手であるソロモン・レーンを護送車から捕らえ引き渡すミッションでは、あらかじめ用意してあったバイクのエンジンがかからず、パリ市街の道路をバイクで逆走する羽目に!
対抗車をスルスル抜けたと思ったら、そのまま赤信号無視で突っ走る!!
凱旋門前のラウンドアバウトでもひたすら逆走。
追ってくるパトカーから難なく逃げる、手に汗握るバイクチェイス!(なんでバイクのメンテナンス怠ったんだ・・・)
後半ではとにかく走る!
発信機をつけて逃走中の男を追いかけるため、ベンジーのナビゲーションで走りまくるイーサン。
とりあえず言われた通り進み言われた通り曲がる。
だけどホントにこっちであってるの?そんな疑問を抱きながらも必死で任務を遂行するイーサンは、繁華街の中、ビルの上、オフィスの部屋などとにかく走ります。
そしてケガを負ってしまったビルとビルの間をジャンプするシーンもちゃんとあります。
あぁここでトムはやってしまったんだな・・・このニュースを知っている人ならだれもが頭をよぎることでしょう。
それでもひたすら標的を追いかけるイーサンの美しいダッシュフォームに酔いしれてください。(ベンジーのナビしっかりしてください・・・)
そしてそして!
クライマックスではプルトニウム爆弾の起爆装置を持ってヘリコプターで逃げる敵を追いかけるため、もう一基のヘリコプターの積み荷に捕まりそのままお空へ行ってらっしゃいコース。
ようやくヘリコプターの足に捕まったかと思ったら、急に傾いてそのまま落下!
あぁ!終わった・・・今度ばかりはミッションインポッシブルになってしまった・・・と悪い予感が頭をよぎった瞬間、なんとか積み荷にしがみ付き九死に一生を得たイーサン!
これは運か実力か、とにかくすげーっ!(すごすぎて笑える・・・)
そして気合いと根性でヘリコプターの操縦を奪い敵を追いかけるわけですが、ここで超困難度とされるアクロバット飛行を披露してしまう超人ぶり。
実際2000時間の訓練を経て習得したそうですが、あまりに危険な操縦をいとも簡単にやってのけてしまうわけであります。
このすべてのアクションを御年56歳のオジサンがすべて一人でやってしまうわけです。
不可能な任務を遂行するというお話と同じように普通の役者ならやらない、スタントマンに任せるのが普通の危険なアクション=ミッションインポッシブルなシーンを今回も全てトム自身が演じ、さらにこれまで以上に危険なアクションをやってしまうわけですから、これを観るだけでも楽しいのであります。
今回ばかりはヤバかったんじゃない?
そもそもイーサンハントってのは、優秀なベテランエージェントではありますが、決してスマートに任務をこなすんじゃないんですよね。
敵に騙されてピンチになっても、うっかり自分のミスで窮地に陥っても、そこから臨機応変に対処して危機から逃れ無事任務を成功させるからすごいわけです。
で、今回はかなり追い込まれたんじゃないかと。
- 冒頭からプルトニウムを確保できたはずなのに、任務よりも仲間の命を優先したことで作戦は失敗。立場も危うくなってしまう。
- ホワイトウィドウに接触するジョン・ラークらしき男に変装しようとするも、そいつが強くて結果殺してしまい顔をスキャンできずマスクが作れない、急きょイーサンそのものがジョン・ラークになりすまし接触。
- プルトニウムを手に入れるにはソロモン・レーンの身柄と交換することが条件。しかし作戦途中での目撃者は全て殺せというウィドウの兄のやり方に納得できず、結果独自で行動。警察からも兄の手下からも追われる。
- レーン移送中でたまたま警備中の女性警官とばったり遭遇してしまい、そこに兄の手下が現れる。罪のない人たちを巻き込みたくないイーサンは大ピンチに。
- チームの中の誰かに裏切り者がいるという密告が長官の耳に入り、それがイーサンだと疑われる。
- 敵をもう少しで捕らえることができたが、ここでイーサンの妻であるジュリアがどうなってもいいのか、と脅され立ち止まってしまう。
とまぁこんな風に次から次へとピンチが訪れるんですね。
これをイーサンはとっさの判断で計画を変更。明らかに無理な計画だ!と慌てるベンジーに対し、ヤバくなったら考える!の一点張り。
おいおいそれ大丈夫かよ・・・と思うんですが、こういうの前にもよくあったなと過去作を思い出した瞬間でもありました。
そう、イーサンはこれまで作戦実行の際に予期せぬ事態が起きると、必ずと言っていいほど俺が何とかする、大丈夫危なくなったら考える!そして俺はできる!やってやる!と気持ちを吐き出し、どんな危険な場所でもエージェントとしてのプライドと俺がやらなきゃ誰がやる!俺が世界を救って見せる!と根性むき出しで挑むんですね。
その結果が今回の決死のアクションだったんじゃないかと思うんです。
そしてこれまでの過去作ってそれなりに役に立つ武器だったりアイテムだったりハイテク機器が存在していたと思うんです。
例えばシリーズ1作目で、ガム製の爆弾とか、ゴーストプロトコルでの高層ビルのガラスの壁にピタッと張り付く磁気がついたグローブとか、コンタクトレンズで見たものをコピーできるやつとか、前作でも使われた瞬時に顔を認証してそっくりのマスクを作るやつとか、ベンジーが使ってた雑誌型のノートPCとか、あとは水中潜るときに体内の酸素濃度計るスーツとか。
007でもこういうカッコよくて魅力あるガジェットのおかげで、これぞスパイ映画だと感じられたと思うんです。
しかし今作ではそういったガジェットだったりハイテク機器が出てくるんだけど、使う直前で壊されたり機能していない。
唯一まともだったのは、発信機とポリゴンで映し出された地図くらい。
それ以外はひたすら頭と体で任務を遂行してるんですよね。
特に冒頭のプルトニウム爆弾を作った科学者を尋問する件とか、 裏切者をあぶりだすトラップとか。
こういう仕掛けが今回目立ったのはすごくよかった。
これまでのミッションインポッシブルシリーズを壊して再び作り上げていく、という監督の意図が現れていたんじゃないでしょうか。
終始一貫してシリアス。
僕はこのミッションインポッシブルシリーズって、超娯楽映画だと思ってみてきました。
特にゴーストプロトコル以降、チームとの軽妙な掛け合いだったりちょっとマヌケな部分も見せたり、ユーモア描写とアクションの割合がちょうどいいから楽しめた映画だったのかなと。
しかし今作はベンジーの相変わらずのビビリ癖とか、敵を追いかけてたらオフィスに入っちゃったイーサンくらいしかユーモア描写がなく。
これまでがっつりエンタメ路線だったのに、急に主人公の陰の部分をずっと匂わせる作風で、ひたすら哀愁が漂うというか、総じてスタイリッシュにしちゃってるというか。
せっかくイーサン単独がメインだった3までのシリーズから4でガラリとチームで戦うことで映画の良さが引き立ったのに、それを再び元に戻したあげく、なんかカッコイイイーサンばかりが目立った映画になってしまっていて。
ミッションインポッシブルを壊そうとしているって思ったのは、まさにこの描き方なんですよね。
ローグネイションで4のあの雰囲気をちゃんと引き継いでくれたのに、それぶち壊すんだね。なんで?と思ってしまったわけです。はい。
シンジケートの残党と決着をつける筋書きになっているんですが、本当はイーサンはレーンを生かしておくべきではなかった、捕らえるのではなく殺しておくべきだった、みたいな後悔の念がずっとついて回ってるように描いてるんですね。
イーサンは再び彼と出会う羽目になり、あの時の怒りがこみ上げるわけで。
しかもレーンによってイーサンが愛すべき女性2人が危険にさらさせる状態になってしまうことで、さらに必死になるような展開になっていくんです。
それがシリアスさを助長させてるので見応えがあるんですが、個人の怨念というか私情ってのは二の次にしてもらって、任務メインで描いて欲しいなぁってのはあります。
緩急つけた楽しさをもっと入れてほしかったなぁと。
ただでさえ今回のお話、ややこしいです。
クライマックスでプルトニウムの爆弾を作動させないために中を解体するんですが、一人でやるのは不可能。
しかもカウントダウンさせないと止められない、カウントダウンを起爆装置の停止ボタンを押さないと止まらない、という二重にも三重にも複雑な構造で、尚且つ爆弾が2つもある。
これを3手に分かれて阻止する流れになってるんですが、物語の脚本がこの爆弾作動阻止と同じくらい複雑なんですよ。
どうしてこんなにややこしいんだよこの物語・・・と。
しかもこれが2時間半もあるという。
単純に言うと観るの結構しんどい。
監督は元々脚本家ですから、こねくりまわしたの好きなんでしょうね。
だから会話ばかりなのはうなづける。
最後に
今回は最低でもローグネイションを見ていないと、色々わからないことだらけです。
もっと言えば3を見てないとジュリアの存在すらもよくわからないでしょう。
まぁ最悪それをすっ飛ばしたとしてもアクションは見ごたえバッチリなのでご心配なく。
ただ物語の構造が複雑だし上映時間長いしずっとシリアスで緊張感が続く状態。
過去2作とは比べ物にならないくらいテンポも良くないので、そこを楽しめるかが評価の分かれ目かもしれません。
細かいところを言うと長官になったアランが今回カッコイイです。
そしてベンジーもエージェントとして軽くアクションもしているので、そこも見どころ。
ヘンリー・カヴィルが演じたウォーカーが、トイレでジャケット脱いでシャツの背中からうっすら汗にじませて、腹に何発もボディブロー入れるアクションも僕は好きだなw
明らかにミッションインポッシブルのアクションスタイルじゃないし。
そういうキャラが一人いると面白いよね。
というわけで以上!あざっした!!
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