モンキー的映画のススメ

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主に新作映画について個人の感想、意見を述べた文才のない男の自己満ブログ

映画「007/ノータイムトゥダイ」感想ネタバレあり解説 ありがとう、ダニエル・クレイグ。

007/ノー・タイム・トゥ・ダイ

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1年半もの延期を受け、ようやく日の目を浴びる「007」最新作。

 

カジノ・ロワイヤル」での粗削りな誕生譚から「慰めの報酬」での葛藤、「スカイフォール」での復活、そして「スペクター」のラストで007を引退。

 

007シリーズ初の続編めいた作品群によって、私たちはこれまでにないほどの人間臭さを秘めたボンドに魅了されてきました。

 

そして本作「ノー・タイム・トゥ・ダイ」をもって、ダニエル・クレイグはボンド役を退きます。

「スペクター」の際にも噂がありましたが、今回は自身の口から明言してることもあり、本当なのでしょう。

 

彼の勇姿をこの目に焼き付けたい所存です。

まだ観賞する前ですが、先に言っておきます。

ありがとう!ダニエル・クレイグ!!

お疲れ様ダニエル・クレイグ!!

 

シリーズ全作ブルーレイディスク購入するほど大好きな007。

早速鑑賞してまいりました!!

 

作品情報

イギリス諜報機関MI6の「00(ダブルオー)」セクションに所属するスパイ、007=ジェームズ・ボンドが、あらゆるテロリストの暗躍を阻止するために、世界中を股にかけながら諜報活動する姿を描くシリーズ25作目。

 

007を引退したボンドが、世界に脅威をもたらす黒幕を阻止するため、再び任務に就く姿を描く。

 

20作目の「カジノ・ロワイヤル」から6代目ボンドを演じることになったダニエル・クレイグは。本作をもって役を勇退。

記念すべき作品となった。

 

当初はロンドン五輪の開会式を務めたダニー・ボイルの手によって製作されるはずだった本作は、社会問題における生々しさと徹底したリアリズム、映像美を惜しみなく映し出すことで評価されたキャリー・フクナガにバトンタッチ。

 

クレイグ版ボンドから、アーティスティックで内省的な物語性へとシフトしたシリーズに、監督がどんな作家性を取り入れるのか注目だ。

 

本作もボンドはじめ、シリーズレギュラー組が続投のほか、アカデミー賞主演男優賞を受賞した俳優がヴィランに抜擢。

ダニエル・クレイグと別の作品でも共演した女優がボンドガールとして参戦することも話題となり、豪華布陣によって製作された。

 

ネットでも噂になってる「Dr.No」オマージュ=シリーズ原点回帰路線という予想は果たして的中するのか。

シリーズ最長の169分。

瞬きすら惜しいクレイグ=ボンド最後の勇姿を見届けよ。

 

 

 

 

あらすじ

 

ボンド(ダニエル・クレイグ)は00エージェントを退き、ジャマイカで静かに暮らしていた。

 

しかし、CIAの旧友フィリックス(ジェフリー・ライト)が助けを求めてきたことで平穏な生活は突如終わってしまう。

 

誘拐された科学者の救出という任務は、想像を遥かに超えた危険なものとなり、やがて、凶悪な最新技術を備えた謎の黒幕を追うことになる。

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監督

本作を手掛けるのは、キャリー・ジョージ・フクナガ。

 

日系アメリカ人が007を監督するのは本作が初。

最長のボンドを演じたクレイグと共に、007シリーズに新たな歴史を刻んだと言っても過言ではありません。

 

闇の列車、光の旅」や「ビースト・オブ・ノー・ネイション」では、劣悪な環境によって選択肢のない子供たちの姿を、スリリンな切り口と圧倒的映像美で心を掴まされました。

 

闇の列車、光の旅 (字幕版)

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そしてドラマシリーズ「トゥルー・ディテクティブ」では、個性派俳優のぶつかり合いと映画的な演出方法で、普通の刑事ドラマとは一線を画す出来栄えとなっており、フクナガファンのモンキー(といってもマニアックは見てません…)は大興奮したものです。

 

 

そんな彼が007をやるんだから、サム・メンデス監督が作り出した世界観を継承しながらも、独自の視点を絶対入れてくるはず。

イギリス国内の問題なのか、それともSDGs真っただ中の世界に向けた警鐘なのか。

 

さらにはトゥルー・ディテクティブで見せた生々しいゴア描写にも期待。

要するにむっちゃ楽しみなんです!

 

 

キャスト

主人公ジェームズ・ボンドを演じるのはダニエル・クレイグ。

 

6代目ボンドに抜擢された時は、これまでのボンドを演じてきた俳優より背が小さく金髪。

筋骨隆々な体つきから、これまでのボンドと違う容姿によって世間から非難を浴びました。

 

僕も従来のボンド像に憧れを抱いていることもあり、彼は相応しくないのでは?と思った時期がありました。

しかし「カジノロワイヤル」での、無骨で泥臭く人間らしい姿を見て、考えが一変。

このボンドはかっこいいぞと。

 

クレイグも抜擢当初に傷ついたものの、世間に求めてもらうためには一生懸命ボンドを演じることという思いを胸に秘め、激しいアクションもこなし、けがや手術など負傷しても役を降りることなく演じ続けてきました。

 

あれから15年。

抜擢の時のバッシングが嘘のように、クレイグ=ボンドは世界中から支持を受けたのであります。

 

本作をもってクレイグはボンドの役を退きます。

もしかしたら継続したり復活するのかもしれませんが、今は「ありがとう、お疲れ様」とねぎらいの言葉をかけてあげたいですね。

 

007 スペクター (字幕版)

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  • ダニエル・クレイグ
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他のキャストはこんな感じ。

本作のヴィラン、リューツィファー・サフィン役に、「ボヘミアン・ラプソディ」、「パピヨン」のラミ・マレック

ボンドの恋人マドレーヌ・スワン役に、「アデル、ブルーは熱い色」、「たかが世界の終わり」のレア・セドゥ

007の後を継いだエージェント、ノーミ役に、「キャプテン・マーベル」のマリア・ランボー役でおなじみ、ラシャーナ・リンチ

ボンドを支援する女性エージェント、パロマ役に、「ブレードランナー2049」、「ナイブズ・アウト」のアナ・デ・アルマス

MI6部長M役に、「キングスマン:ファースト・エージェント」、「グランド・ブダペスト・ホテル」のレイフ・ファインズ

Mの秘書マネー・ペニー役に、「ムーンライト」、「ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ」のナオミ・ハリス

CIA局員フィリックス・ライター役に、「バスキア」、「ザ・バットマン」のジェフリー・ライト。

スペクター首領ブロフェルド役に、「イングロリアス・バスターズ」、「アリータ:バトル・エンジェル」のクリストフ・ヴァルツなどが出演します。

 

 

 

 

 

 

クレイグ=ボンド最後の007。

俺は、多分、泣く!!

 

果たしてサフィンは何者なのか。ブロフェルドはどう絡むのか。

そして!マドレーヌの秘密とは!!

ここから鑑賞後の感想です!!

 

感想

ダニエル・クレイグ=ボンド有終の美!!

前作の続編を辿りながら、クラシカルなボ007へと帰結していく楽しさ!

言いたいことはあるんだけど、まずはお疲れ様でした!!

以下、ネタバレします。

 

 

 

 

 

 

クレイグボンド史上一番人間味のある作品。

マドレーヌとのバカンスから一転してボンドに襲い掛かる魔の手に始まり、国益のためのシステムが悪用される事態に陥ってく危機に、再びボンドが立ち上がるクレイグ最終作は、マドレーヌはじめお馴染みのキャラや新キャラの見せ場、スペクターを滅ぼすほどの新たな脅威、クライマックスに近づくにつれ迫力を増していくアクション、そしてボンドの行く末に至るまで楽しくて仕方ない、25作目にして新たなボンド像を作りあげた記念すべき1作でございました。

 

 

上映時間160分弱に及ぶクレイグボンドサーガの最終作。

ダニエル・クレイグが演じた007は、僕にとって初めてリアルタイムで鑑賞した作品であり、これで終わるのかと思うと感慨深いものがあります。

 

だからでしょうか、見終わった後はマドレーヌが娘に語りかけるように「こんな人がいたのよ、ボンド、ジェームズ・ボンド・・・」と次の映画好き世代に語りたくなるような衝動に駆られるほど感慨深いものがありました。

 

正直言うと僕はコネリーやムーアが演じたボンドの方がボンドに相応しいと思っていて、クレイグボンドは今の時代に合ったボンド像を体現している強みを感じるけど、僕が見たいボンドではありませんでした。

 

しかし彼にしか演じることのできないボンドを追いかけていくうちに、こういうボンドもアリだなと。

特に本作のボンド像は、その思いをさらに加速させる魅力が詰まっていたんです。

 

冒頭でのマドレーヌとの甘いひと時から一転、忍び寄るスペクターの影に脅え、再び人を信じられなくなっていく疑心感。

旧友であり兄弟ともいえる間柄のフィリックスとの再会に、沢山の笑いじわを作って笑みを浮かべる姿。

007を継いだノーミの登場に複雑な思いを抱きながらも、それを見せないようにいつものジョークで交わす軽妙な会話。

フィリックスの部下であるパロマとのやり取りは、かつての007風味をもたらし、ユーモアとシリアスが見事に同居した楽しさを見せてくれました。

 

中盤以降はブロフェルドとの遺恨が絡んだ対峙にドキドキ。

前作の時とはまた違う緊張感を生んでおり、普段のジョークの中にもボンドの暴力性や狂気のようなものが感じられた瞬間でもありました。

 

さらにとある少女の登場に戸惑うボンドが振る舞う姿やリアクションもキュート。

今までこんなボンド見たことない!の連続です。

 

そして、マドレーヌとの再会に一瞬動揺を見せながらも気丈に振る舞うボンドはさすがでしたし、黒幕の正体や真相が明かされてい度に、徐々にシリアスな展開へと進行していく物語は、ボンドを更なる危機へと追いやり、大きな決断を迫られていくわけです。

 

そして最後に見せる表情。

どう足掻いても助かる見込みのない状況下で見せるあの満面の笑み。

 

マジか…そうやって終わらせるのか・・・。

きっと誰もがそんな思いを抱くでしょう。

007史上こんな終わり方は見たことありません。

正直落胆するかもしれないし、涙を浮かべるかもしれない。

 

ただ僕は、あの表情を見て「良かった」と思ってしまった。

だって15年ボンドを演じた最後の表情が真顔だったり暗かったら嫌だもの。

笑って終わるっていいじゃないですか。

あんな状況下でも。

 

だから見終わった後はあ~良かった、楽しかった、ありがとう、そんなありきたりの言葉だけど、これが今の僕が彼に捧げる最大級の賛辞というか。

 

 

「カジノロワイヤル」や「慰めの報酬」での若さゆえの暴走や激しさ、「スカイフォール」や「スペクター」での老いへの抵抗や自身の過去との対峙と、クレイグボンドは007の中でも異質なシリーズだったと思います。

あんな粗削りなボンドは見たこともないし、あんなに感情的なボンドも見たことない。

そしてあんなに一人の女性に固執したボンドも見たことないし、M=母との奇妙で高い絆もみたことない。

 

ないない尽くしのボンドは、この「ノータイムトゥダイ」で、女王陛下のために任務に尽くしてきた一諜報員を、一人の女性を愛する普通の人間たらしめつつ、世界のために任務を遂行するカッコよさを見せつけてくれたわけです。

 

「次のボンドについてまだ手を付けたくない、今はクレイグが演じたボンドに浸りたい。」

プロデューサーのバーバラ・ブロッコリは、ダニエル・クレイグに心酔し過ぎていて、正直それでいいのか?なんて思いを抱いてましたが、本作を見ればバーバラの気持ちが十二分にわかるほど、今はクレイグボンドとの別れが惜しいです(良かったとか言っといて結局感傷に浸るモンキーw)。

 

ざっくり解説

僕のクレイグボンドへの思いがダダ漏れしたところで、いい加減話の中身について語りましょう。

 

マドレーヌの幼少期。

父であるMr.ホワイトに家族を殺された復讐をしに、能面を被った謎の男サフィンが襲来。

危機的状況の中拳銃で成敗したマドレーヌは、死体を外へ出そうとしましたが、かろうじて生きていた能面の男に危険を感じ、氷の張った湖へ逃亡。

走ったことで氷に亀裂が入り、マドレーヌは湖に落下してしまいます。

能面の男サフィンは助けを求める彼女を救い、物語は現代へ。

 

007を引退しマドレーヌとの甘い生活を謳歌していたボンドは、旅先で行われていた「過去を葬る儀式」にあやかって、ヴェスパーの墓参りに行き、過去を清算してマドレーヌとの新た一歩を踏み出そうとしていました。

 

しかし墓前に会ったスペクターの紋章が入った紙を見つけた瞬間、墓が爆破。

スペクターの追手から何とか逃れたボンドは、この一件に関してマドレーヌに疑いをかけ、別れを告げることに。

 

それから5年後、英米関係が微妙な状態の中で起きた「科学者オブルチェフ誘拐事件」。

MI6のMは、なぜかこの事件を首相に報告せず隠蔽しようと画策。

一方のボンドはジャマイカで隠居生活を送っていましたが、部屋にあった葉巻から誰かが訪問したことに勘付きます。

その正体はCIAのフィリックス・ライター。

元政務官のアッシュと共に、科学者救出の任務を依頼されます。

 

断ったボンドの前に現れたのはボンドを「先輩」と呼ぶ謎の黒人女性ノーミ。

彼女は引退したボンドの代わりに007を任命された諜報員でした。

科学者救出の手伝いをCIAに依頼されたボンドに、この件には介入するなと忠告。

Mに電話したところ、科学者オブルチェフは「ヘラクレス計画」に関与していたらしく、中止を訴えていたボンドはMに激昂。

ボンドはフィリックスに協力することを告げ、キューバへ向かいます。

 

キューバにはフィリックスが用意した諜報員パロマがボンドをエスコート。

スペクターに関わる者たちが一堂に会し、ブロフェルドの誕生パーティーを催していました。

発信器から盗聴すると、刑務所にいるはずのブロフェルドの声が。

この集まりはボンドを殺すための口実だったのです。

しかしスペクターの刺客を通じて仕組まれた会は、誘拐されたオブルチェフの罠によって思いもよらぬ展開へ。

仕掛けられた毒ガスは、スペクターにだけ死をもたらすものでした。

 

ノーミやスペクターの一味からの邪魔が入ったものの、パロマと共に科学者を確保したボンドはフィリックスに身柄を渡そうとしましたが、ここでアッシュが裏切り行為。

彼らには別のボスがいることが明かされます。

 

彼らの裏切りによってフィリックスは死亡。

友との別れに悲しむ間もなく、ボンドはロンドンへ戻り、Mに「ヘラクレス計画」についてやブロフェルドとの面会許可をお願いしに向かいます。

 

ヘラクレス計画は個人のDNAを管理し国益を守るために計画されたものでしたが、サフィンに肩入れしたオブルチェフの裏切りによって、直接手を下すことなく工作することで簡単に人を死に追いやる細菌兵器となってしまいました。

キューバでの一件は、本来ボンドだけを殺す様に細工されたガスでしたが、オブルチェフの裏切りによってスペクターに属する者たちを一掃する破壊兵器となっていました。

体内にナノボットとして侵入するウィルスを吸うと、普段は害がないものの、ある一定の者だけに危害を加えることができるため、非常に恐ろしい兵器となってしまったわけです。

 

ブロフェルドを狙う者が誰なのか直接聞きだすため、セラピストであり唯一ブロフェルドと接触できるとされるマドレーヌと共に訪れたボンド。

ブロフェルドからある秘密を聞かされたボンドは、一瞬激昂しますが、彼の首を掴んだ瞬間ブロフェルドは死んでしまいます。

原因は、サフィンに脅迫されたマドレーヌが手首に例のウィルスを塗っており、彼女と接触したボンドがブロフェルドと接触したため。

まんまと黒幕の罠に利用されたボンドは、マドレーヌを追いかけ彼女の家へ。

 

するとそこには5歳になる少女の姿が。

ボンドと同じ青い瞳をした少女は、ボンドとのほんのひと時を過ごしますが、黒幕の手下であるアッシュが彼女を殺しにやってきます。

手下どもを上手くあしらうボンドでしたが、手下の処理に時間を費やしていたために、サフィンによってマドレーヌと子供マチルドは連れ去られてしまいます。

 

ボンドはノーミの進言によって007に復帰。

Mの命令の下、元同僚であるマネー・ペニーやQに協力を経てサフィンのアジトへ向かい、細菌兵器の破壊、サフィンと科学者の処理、そしてマドレーヌとマチルドを救出するために、日本とロシアの間に浮かぶ毒草の庭なる島へ向かうのであります。

 

 

果たしてボンドは無事マドレーヌを救出し、サフィンを倒すことができるのか!

というのがクライマックスまでのあらすじです。

 

 

 

ボンドもマドレーヌも過去に秘密があり、それと決別して互いが前へと進む決心をした矢先のスペクターの襲来。

2人を引き離すための罠でもあったわけけですが、物語はこの「過去との決別」をテーマに進行していったわけです。

 

また「ノータイムトゥダイ」=まだ死ぬ時ではないというサブタイトルは、007を引退したボンドへのメッセージとも取れ、CIAの手助けを経て無事007へと復帰したボンドに課せられた使命であるとも取れるものに感じます。

 

そして今回の危機を生むヘラクレスですが、なかなか怖いものがあります。

感染予防の一環で人と会うことが容易ではないコロナ禍の今と重なる部分もあり、本作を見ると今我々が置かれている危機は誰かの仕業ではないかなんて疑り深くなってしまう人もいたりするのではないでしょうか。

 

前作でもブロフェルドが世界を制するのに今必要なのは「情報」だなんて言ってましたが、このDNAを管理するってのもいわゆる情報の一つであり、007もだいぶ進んだ設定にしたなぁなんて思ったりしました。

 

そして何より嬉しいのは、だいぶクラシカルな雰囲気になっていったということ。

スカイフォール以降ボンドカーはアストンマーチンDB5がメインになってきましたが、本作でもしっかり登場。

ヘッドライトから飛び出す機関銃や車体後部から放たれるスモーク、下部から出るまきびしなど、非常にオーソドックスな武器ばかり。

もうステルス機能とかやらないんですかねw

 

さらにQから支給されるガジェットも、電磁パルスを放つことができる腕時計と、マッピング機能搭載の筒のようなモノ、さらにはグライダーまで登場。

機能的には洗練されたものばかりですが、見た目は妙な近未来性は皆無でした。

 

もっと深いところで言えば、サフィンのアジト。

正直、能面だとか疊だとか着物だとか日本庭園じみた美術面は、物語に何らかの意図を示していたようには思えなかったんですが、そこじゃない。

これまでの007て、黒幕にアジトを招待されて、黒幕の狙いを黒幕本人から聞き、そして007大ピンチってのがお約束なんですよ。

さすがに招待されたわけではありませんが、ボンドに何を企んでいるのかや、自分と同類であることなど、とにかくベラベラしゃべる黒幕とバカでかい要塞を破壊しようと孤軍奮闘するボンドの姿を久しぶりに見られたのは非常に楽しかったですね。

 

最後に

一応大好きな作品になりましたけど、やっぱり160分かけてやるお話ではないなぁと。

スペクターって組織やブロフェルドをわざわざ引っ張り出す必要性が感じられなかったし、サフィンがスペクターを潰そうとする動機や理由も正直微妙で弱い。

ボンドの過去と決別させるための要素を用いたかったというのなら、やはりサフィンの後ろにスペクターがいたって方がシンプルだよなぁと。

 

またサフィン自体が悪役としての魅力が足らなかったなぁと。

前半スペクターに時間を費やしていて鳴りを潜めてたってのもあるんですけど、後半から登場してもブロフェルド以上の怖さってのはあまり出てなかったかなぁ・・・。

 

とはいえ、ボンドのキャラクター像は今回がベストだし、パロマちゃん次回作も出て!ってくらいキュートでセクシーでカッコイイ。

Mの威厳も出てたし、Qのプライベートも垣間見える見せ場は作品の中での良い緩和剤。

マネーペニーもマドレーヌもステキでした。

とにかくそれぞれのキャラが良かったですね。ノーミはもっと出番あって良かったかな。

 

とにかくダニエル・クレイグお疲れ様でした。

これから何度も見たいと思います。

というわけで以上!あざっしたっ!!

満足度☆☆☆☆☆☆★★★★6/10