ペンギン・ハイウェイ
夏休み。
子供にとってはそれはそれは贅沢な期間。
宿題や家の手伝いなどやりたくないこともいっぱいあるんだけど、いろんな経験をすることでちょっとだけ逞しく成長を遂げる期間でもあります。
今回観賞する作品は、そんなたくさんの可能性を秘めた子供たちを主軸に、夏に起きた不思議な経験をすることで成長していく冒険譚。
大人になると、子供のときのような体験や経験て、中々できなくなってしまうわけですよ。
だから子供ながらの視点でしか感じることができない瞬間があるわけで。
本作を通じて子供の頃に経験した夏の思い出を想起させてくれたらなぁ、と思っております。
普段あまり観ないアニメーション映画ですが、アニメだからこそできる表現を期待して観賞してまいりました。
作品情報
「夜は短し歩けよ乙女」で知られる小説家・森見登美彦が2010年に発表した同名小説を、「陽なたのアオシグレ」などを手がけるスタジオ・コロリドと監督の手によってアニメーション映画として製作され、森美作品に数多く携わってきた脚本家の手によって、ひと夏の少年の成長譚を鮮やかで心弾む青春ファンタジーに描いていきます。
多感な時期である少年時代、一体彼らはどんな不思議な冒険を経験していくのだろうか。その瞳からどんな景色を観るのだろうか。
あらすじ
小学4年生のアオヤマ君(声:北香耶)は、一日一日、世界について学び、学んだ事をノートに記録している男の子。
利口な上、毎日努力を怠らず勉強するので、「きっと将来はえらい人間になるだろう」と自分でも思っている。
そんなアオヤマ君にとって、何より興味深いのは、通っている歯科医院の“お姉さん(声:蒼井優)”。
気さくで胸が大きくて、自由奔放でどこかミステリアス。
アオヤマ君は、日々、お姉さんをめぐる研究を真面目に続けていた。
夏休みを翌月に控えたある日、アオヤマ君の住む郊外の街にペンギンが出現する。
街の人たちが騒然とする中、海のない住宅地に突如現れ、そして消えたペンギンたちは、いったいどこから来てどこへ行ったのか・・・。
ペンギンへの謎を解くべく【ペンギン・ハイウェイ】の研究を始めたアオヤマ君は、お姉さんがふいに投げたコーラの缶がペンギンに変身するのを目撃する。
ポカンとするアオヤマ君に、笑顔のお姉さんが言った。
『この謎を解いてごらん。どうだ、君にはできるか?』
一方、アオヤマ君と研究員のウチダ君(声:釘宮理恵)は、暮らす異名とのハマモトさん(声:潘めぐみ)から森の奥にある草原に浮かんだ透明の大きな球体の存在を教えられる。
ガキ大将のスズキ君(声:福井美樹)たちに邪魔をされながらも、ペンギンと同時にその球体“海”の研究も薦めていくアオヤマ君たち。
やがてアオヤマ君は“海”とペンギン、そしてお姉さんには何かつながりがあるのではないかと考えはじめる。
そんな折、お姉さんの体調に異変が起こり、同時に街は異常現象に見舞われる。
街中に避難勧告が発令される中、アオヤマ君はある【一つの仮説】を持って走り出す!
果たして、お姉さんとペンギン、“海”の謎は解けるのか――!?(HPより抜粋)
監督
今作を手がけるのは石田祐康。
はい。もちろん存じ上げません。
一体これまでどんな作品を手がけてきたのか調べてみました。
高校時代からアニメーション製作に励み、京都精華大学マンガ学部アニメーション学科に進学。
(え?大学にそんな学部あるの!?すごっ!)
在学中に手がけた自主制作作品で、女子高生のフミコの恋路を描いた「フミコの告白」が文化庁メディア芸術祭アニメーション部門優秀賞を始め、数々の賞を受賞し話題になります。
その後、小学生の男の子を主人公が淡い恋心を抱えながらひた走る胸キュンラブストーリー「陽なたのアオシグレ」が劇場デビュー作として公開。
満を持して本作が初の劇場長編映画デビュー作となります。
この数年、アニメーター達による熾烈な「夏休みアニメ映画」争いが繰り広げられていますが、その中に新風を吹かすことができるでしょうか。
なんと石田監督、はてなブログで記事を書いてるではありませんか。
こちらに貼っておきます。
キャラクター紹介
左上より。
- アオヤマ君(声:北香耶)・・・郊外の街に住む小学四年生。頭がよく、探究心旺盛。少し大人びていて、生意気なところもある。毎日発見したことをノートに記録し研究しており、“お姉さん”と“ペンギン”についても調べている。
- お姉さん(声:蒼井優)・・・アオヤマ君が通う歯科医院に勤めるお姉さん。無邪気な明るい一面と、ミステリアスな雰囲気を併せ持つ女性。アオヤマ君のチェスの先生でもある。突如現れたペンギンと関係があるらしい。
- ペンギン・・・アデリーペンギン。学名:ピゴスケリス・アデリアエ。
- ウチダ君(声:釘宮理恵)・・・アオヤマ君のクラスメイト。内気な性格。アオヤマ君と一緒に探検隊を組織し、“プロジェクト・アマゾン研究”をしている。
- ハマモトさん(声:潘 めぐみ)・・・アオヤマ君のクラスメイト。頭がよく、自信家でチェスが得意。森の奥の不思議な球体について、アオヤマ君との共同研究を申し出る。
- スズキ君(声:福井美樹)・・・アオヤマ君のクラスメイト。声が大きく力が強い。ガキ大将的な存在で、絶対服従の“スズキ君帝国”を作っている。
- アオヤマ君のお父さん(声:西島秀俊)・・・アオヤマ君にノートを与え、学び方を指南した。息子の研究を程よい距離感で見守っている。
- ハマモトさんのお父さん(声:竹中直人)・・・大学の研究所で働いており、熱中すると甘いものばかり食べてしまう。街で起きた奇妙な現象について、調査隊を率いて詳しく調べている。
果たしてペンギンはなぜ現れたのか。
お姉さんとの関係は。
アオヤマ君たちのまたとない研究と冒険がここに!
ここから観賞後の感想です!!!
感想
ペンギンハイウェイを歩んでいくことが大人への近道だ!
夏休みに多くの子供たちに是非見てほしい、ファンタジーな冒険映画でした!
以下、核心に触れずネタバレします。
深く考えると難しいが。
早く大人になりたい、偉くありたいと願う好奇心盛んなマセガキ小学生を中心に、ふと町に現れたペンギンたちと、森の中に存在する謎の物体の謎を追う姿、そしてそれらについてあらゆる面から研究や考察を重ねていくうちに、壮大な冒険へと昇華していく物語を、ペンギンたちをはじめとした愛くるしく可愛らしいアニメーションや高揚させるBGM、そして何よりお父さんの言葉が胸に染みるファンタジームービーでした。
率直な感想を申し上げますと、観ているうちはなるほど!
そうかそうか!
それでそれで!
うんうん!
きっとこれはこういうことなんだろうな・・・と色々あれこれ推測して見ていたわけですが、結局のところ断言できることは一つもなく、あれってどういうことなんだろう?といった疑問や不可解なことが多く、顔をしかめてしまうような感じにはなりました。
しかし内容を深く考えずに観たら、小学生の夏休みに起きた不可思議な現象を彼らなりに考え研究していったことで、きっと今後の人生において大きな財産になるような出来事で、しかもそれが壮大な冒険へと進んで成長していくわけですから、そういう意味ではジュブナイル映画として非常に楽しく鑑賞できる作品だったし、何より見終わった後の清々しさが胸に残った映画だったのではないかと感じています。
子供たちはきっとペンギン可愛いと思えるでしょうし、アオヤマ君たちが地図を作って街を探検したり、道中で見たこともない物体に遭遇したことや新しい発見をしたことなどに夏休みの偉大さとプライスレスをを感じるでしょうし、僕ら大人たちとしては、昔自分たちが夏休みに経験した様な、今ではできないかけがえのない日々を思い出させてくれるような物語だったのではないかと。
また、実写にしたら難しいであろう描写をアニメーションにすることで実現可能にし、夢と希望とロマンと好奇心が詰まった作品に仕上がっていたのではないでしょうか。
そしてそして!この映画!
僕はお父さんの言葉そのものが、この映画のメッセージなんじゃないかと感じています。
アオヤマ君は、町内で起きている様々な出来事に行き詰るわけなんですが、そこでお父さんが、こんなことを言うんですね。
「とりあえず1枚の紙にすべて書いてみてそれをじっと眺めて見ろ、そうすれば答えに近づく。それでもだめならいったん考えることを止めろ。ご飯を一杯食べてよく寝て普通に生活しろ、そんな時にふと答えが下りてくるかもしれない。人はそうやって気づいていないうちに無意識に頭の中で整理して考えているんだ。
エウレカだよ」と。
エウレカとは、何かを発見、発明した時に喜ぶ時の言葉だそうなんですが、
要するに、なんでもかんでも研究だ考察だとあれこれ頭の中に知識やら何やら詰め込んでいるアオヤマ君に対して、それももちろん大事なんだけど、まずは普通の生活とか学校では教えてくれない外での出来事とか、今、君が体験しているこの不可思議な現象を肌で感じることが大切で、またとない経験を子供のうちに経験してほしい、そうすればいつかその答えはやってくる、解くことができる、遠回りすることも大事だぞ、みたいな、父親から息子への金言だったのかなぁと感じております。
ほんとね、アオヤマ君がまぁ~勤勉というか、ガリ勉というかクソまじめすぎて全てにおいて理論思考といいますか数学的考えといいますか。
これはこうでこうであるからこうなのである、って、お前常日頃証明問題みたいに物事考えて疲れねえか?だから乙女心も理解できないんだよ、そこはほらあれだよ感覚でわかるだろ?感覚。あのブルース・リーも言ってるだろ、「Don't think,feel」って。
.そのくせお姉さんのおっぱいばかりに興味を持った、一癖も二癖もある男の子でして。
普通大人のおっぱいに興味があるなら、何とか子供の特権で触らせてくれ!とかいえるだろ(言わねえよw)。
それを何かノートにいっぱい書いて、お椀型がどうとか、おっぱいケーキから見るおっぱいの素晴らしさとか、わけわかんないこといっぱい書き殴ってさぁw。
そのノートよく両親から怒られなかったなぁ、一体どんな言い訳言ったんだw
しかも正々堂々とお姉さんのおっぱい凝視して、怒られてるのにもかかわらず「観てるけど観てません」てなんだそれ。
観てるんじゃねえかw
いいなぁ子供は!
大人がそれやったらアウトだよ。睨まれて終わりだよ。普通に犯罪だよw
・・・おっとどうやら暴走していたようです。
とにかく小学生のくせに小学生らしくない男の子なのです。
そんなアオヤマ君が体験した出来事と、周りの大人たちから教えてもらったことなどを夏休みに経験体験することで、少しだけ成長をしていくステキな映画でありました。
謎多すぎ
さてさて肝心の中身ですが、非常に多くの謎を含んだお話になっており、大人も子供も楽しめる!とか言っておきながら、肝心の大人である私モンキーにはちんぷんかんぷんが多すぎる映画でした。
挙げればキリがありません。
- お姉さんはいったい何者だったのか
- なぜお姉さんのおっぱいばかりクローズアップされるのか
- なぜペンギンなのか
- 海の正体は?
- ジャバウォックは一体何なのか
などなど、明確な答えは物語ではきちんと説明されていません。
いや答えは出ていて俺が見逃したのか?
そんな疑問の数々を自分なりに考えてみたいと思います。
まったく不得意な考察のお時間ですww
まずはじめにお姉さんの存在ですが、お姉さんは人間ではない、と劇中で説明されています。
生まれた町の事も覚えているし、普通に人間の生活をしています。
違うことといえば、なんでもかんでもペンギンにしてしまう能力、怖い夢で見たジャバウォックを具現化してしまう能力、街を離れると体調を崩してしまうこと、何日も食べなくても平気なところ、などなどたくさん。
これは一体何のためのものなのか?って話になるんですが、きっと彼女は何らかの原因で現れた海が、街を破壊されてしまうのを防ぐためにやってきたのかと思います。
それも意識的でなく。
街で起きた出来事をを防ぐためには彼女の能力が必要であり、街から離れると体力を消耗して体調不良になってしまうことから、僕は推測してみました。
だから彼女は海が現れたことへの因果によって街を訪れたのではないかと。
所々で出てくるシロナガスクジラってのも彼女の事を指してるのかなぁと。
海の中で一番デカい動物ってことで。
あ~この時点で案外強引w
次!
なぜお姉さんのおっぱいばかりクローズアップされるのか?ですが、アオヤマ君は劇中でお母さんのおっぱいは何とも思わないのに、お姉さんのおっぱいには惹かれてしまうとあります。
これに関しては単純に思春期の始まりなのかなぁと。
小学4年生ですから色々Hなことに興味を抱いてもおかしくない年齢ですし、早けりゃ成長期に入る子もいるでしょう。
だからおっぱいに興味津々。
・・・で片づけるには芸がないので、もうちょっと考えます。
お姉さんは海と因果関係にある、という点から考えると、彼女は大きく括ると地球の母なる存在なのかなと。
だから街を守る存在であり、その母の胸に恋焦れる少年、という構図なのかなと。
ほらよく言うじゃないですか、母なる海とか、母なる地球とか。
そういうことかなぁと。
はい、これまた強引で非論理的w
はい、続きまして。
なぜペンギンなのか、ということですが、これはよく分かってませんw
多分海がない街と対照的な動物の代表ってことで出した、あとはペンギンハイウェイというのが、海から陸へ上がるペンギンたちが連なって歩く道のことを指すそうで、それを少年の成長とかけたくて、ペンギンを使ったのかなと。
・・・そろそろ疲れてきたよ~w
そして海についてですが、これもはっきり言ってよくわかりませんw
劇中では、森の奥に存在する宙に浮いた球の形をした物体のことを「海」と呼んでいて、触れるとトゲのような形で威嚇したり、中にモノを放り込めば飲み込んでしまうという特徴を持った謎の物体なんですが、ペンギンが近づくと共鳴するんですね。
で、クライマックスではペンギンを使って海を消滅させようと試みる、という流れなんですが、これも海のない街に対照的なものを出すという計らいだったりするのかなぁと。
また劇中では「世界の果て」について言及しており、お父さんの説明では外の世界を裏返すと内側の世界になる、で、我々のいる世界が内側だとしたら外側にあるものが世界の果てなんじゃないか(めっちゃ自信ないですw)みたいなことを言っていて、その外側にあった海が我々の住んでいる内側の世界に出てきてしまったってことなのかなぁと。
要は海そのものが世界の果てだと。
うぉ~~頭こんがらがってきた!!
最後にジャバウォックに関してですが、これはお姉さんの体長が悪い時に出てくる生き物で、ペンギンを喰うのが特徴のオオサンショウウオみたいな奴なんですが、これはもう単純にペンギンが世界を救う存在ならそれを防ごうとする存在なのかなと。
それがお姉さんの体調によってどっちかになることから、お姉さんの体調次第で何が具現化されるかわからないと。
で、このジャバウォック、お姉さんがチェスのお話を読んでたら出てくるキャラで、読んだ途端夢に出てくるようになったと劇中で言っています。
で、調べてみたらどうやらこのジャバウォック、「鏡の国のアリス」に登場する生き物のようで、だからチェスなのかと合点がいったんですが。
だからと言って、もっと深い意味があるのかどうかは俺にはわかりません!
はい、というわけで僕にはアオヤマ君のお父さんが言う「エウレカ」には至りせんでしたw
あ~一回でいいからまともな考察がしてみたいw
あとで物語る亀さんに聞こうw
最後に
まとめとして、少年の心を思い出させてくれる夏休みに持って来いのジュブナイル映画であり、その内容は色々考察のし甲斐がある奥深い物語でありました。
明らかにトンチンカンで浅はかな考察を挙げてみました。
この考えが正しいとは毛頭ありませんが、「意味が解らない」で終わらせてはいけない映画だったと思います。
実際に主人公のアオヤマ君は、あれだけ考えてもわからないことばかりで、仮説を立ててもそれが果たして正解かどうかもわからないと言ってるんですから、我々も彼のようにこの物語をもっと考えてみていいと思うわけです。
きっと映画の感想ブログで色々な方が考察をしていると思うので、僕も覗いてみようと思います。
でもまずは考えましょう。
それでもダメならお父さんの言うように、1枚の紙に色々書いてみましょう。
小さく細かく。
それでも答えが出なければいったん諦めて普通に生活しましょう、
そしたらそのうち答えが見つかるかもしれません。
そして僕らもあの大きなおっぱいのお姉さんに会いに行きましょうw
何じゃその締めw
というわけで以上!あざっした!!
満足度☆☆☆☆☆☆★★★★6/10