モンキー的映画のススメ

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主に新作映画について個人の感想、意見を述べた文才のない男の自己満ブログ

映画「魂のゆくえ」感想ネタバレあり解説 鑑賞中、俺の魂が行方不明になっちゃったよ。

魂のゆくえ

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僕の中で数年に1度めちゃめちゃ面白い映画に出演しているイーサン・ホーク主演の映画です。

どうやらかなりの賞を受賞したようで、彼のキャリアでは最高傑作!なんて賞賛されてるらしく。

 

そんな事言われたら気になるじゃないですか。

映画ミーハー野郎としては。

 

しかもこれ監督したのが「タクシードライバー」の脚本を書いた方だそうで。

あ、これはもしや再び孤独な男の話なのかい?と。

ポスターの穏やかな表情の後ろには燃え盛る森。

これがイーサンの感情の行方を示唆したものなのか。

 

う~ん面白そうだ!

てなわけで早速鑑賞してまいりました!!!

 

作品情報

 「タクシードライバー」始め多くの作品を世に送り出した監督が、およそ50年の構想を経て作り出した本作は、戦争で息子を失ったことに罪悪感を抱える牧師が、自身が所属する協会が大きな問題を抱えていることに気づき、心の奥底から諦念と怒りを露ににしていく物語。

 

今作はヴェネツィア国際映画祭で公開されたのを皮切りに、ゴッサム賞、ナショナル・ボード・オブ・レビュー、インディペンデント・スピリット賞などで作品賞などを受賞したのち、監督自身初となるアカデミー賞脚本賞にノミネートされた。

 

彼の心の喪失と聖なる願い、そして秘めた怒りは浄化されるのか。

アメリカの宗教や社会といった“今”を射抜く渾身の映画がいよいよ放たれる。

 

あらすじ

 

ニューヨーク州北部の小さな教会「ファースト リフォームド」。

牧師のトラー(イーサン・ホーク)は信徒のメアリー(アマンダ・セイフライド)から相談を受ける。

 

彼女の夫が地球の環境問題を思い悩むあまり、出産に反対しているというのだ。

 

夫の説得を試みるトラーだったが、逆に教会が汚染企業から間接的に献金を受けている事実を知ってしまう。

 

悩めるトラーは、やがてある決意をする。

 

彼の聖なる願いと魂の行き着く先は…。(HPより抜粋)

 

youtu.be

 

 

監督

今作を手がけるのはポール・シュレイダー

 

 構想50年という長い年月を経てようやく完成させた今作は、これまで手がけてきたやり方とは違う形で作ったと、公式サイトに書いてありました。

 とはいっても監督の作品数本しか見てないんで、その違いを見出すことはできないでしょう!当然だ!

 

そんな監督がの脚本作品も含めた代表作をサクッとご紹介。

義理と人情で結ばれた日米の男二人がヤクザに挑むアクション映画「ザ・ヤクザ」で脚本家デビューした監督は、その後PTSDに悩まされながら都会で生きる一人の男の孤独な姿を描いた「タクシードライバー」でその名を知らしめます。

他にもジェイク・モラッタの栄光と挫折の波乱の人生を描いた「レイジング・ブル」、固い絆の市長と補佐官の友情のドラマを描いた「訣別の街」、救命士たちの姿を通じて現代の暗部を捉えていく「救命士」などがあります。

 

タクシードライバー (字幕版)

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  • ロバート・デ・ニーロ
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監督業も、高級ジゴロが殺人事件の犯人にされてしまうサスペンス映画「アメリカン・ジゴロ」、行方不明の娘が出演していたポルノ映画のスポンサーに怒りの矛先を向ける父親の執念を描いた「ハードコアの夜」、近年ではニコラス・ケイジ作品に携わっており、引退勧告されたCIA捜査官の復讐を描いた「ラスト・リベンジ」、出所した男の新たな仕事が予想外の事態に陥っていく「ドッグ・イート・ドッグ」などがあります。

 

 

キャスト

今作の主人公・トラーを演じるのはイーサン・ホーク。

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彼の主演作をそこまで見てはいないんですが、「いまを生きる」とかリンクレイター映画、あとは「トレーニングデイ」、「プリディスティネーション」なんかが強く印象に残っています。

どっちかというと脇役感があるんですけど、多分最近の作品しかイメージできてないんだろうなw

まだ50歳越えてないですし、全然主役もいける方ですもんね。

 

そんな彼の代表作をサクッとご紹介。

リバー・フェニックスと共に出演した映画「エクスプローラーズ」で映画デビューしたものの、学業を専念に俳優業を休業した彼は、名門進学校の生徒に人生の素晴らしさや美しさを教え次第に惹かれていく姿を描いた「いまを生きる」に出演し俳優復帰します。

その後1972年の旅客機墜落事故での極限のサバイバルを描いた「生きてこそ」、偶然であった一組の男女の1日をドキュメンタリータッチで描き、後に3部作となった「ビフォア・サンライズ」、遺伝子工学が発展した近未来を舞台に、遺伝子操作されず生まれた主人公が危険を顧みずエリート社員として潜り込んでいくSFサスペンス「ガタカ」、血気盛んな新米刑事が、平気で法を犯し続けるベテラン刑事の下で経験を積んでいくも、思わぬ事態へと発展していく刑事ドラマ「トレーニング・デイ」ではアカデミー賞助演男優賞にノミネートされる快挙を成し遂げます。

 

トレーニング デイ (字幕版)

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  • デンゼル・ワシントン
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近年では、少年の12年間の記録を、登場人物を変えず実際に12年間かけて撮影に取り掛かった家族のドラマ「6才のボクが、大人になるまで」で2度目のアカデミー賞助演男優賞にノミネート、爆弾魔を逮捕すべく時空を駆けめぐる男の数奇な運命を描いたSFサスペンスアクション「プリディスティネーション」、伝説のトランペット奏者チェット・ベイカーの伝記ドラマ「ブルーに生まれついて」など、様々な役柄で存在感を放っています。

 

 

 

 

 

 

 

ほかのキャストはこんな感じ。

メアリー役に、「レ・ミゼラブル」、「マンマ・ミーア」のアマンダ・セイフライド。

ジェファーズ役に、「ビッグママ・ハウス」、「フェイクシティ/ある男のルール」のセドリック・カイルズ

エスター役に、本作の共同プロデューサーとして制作に携わっているヴィクトリア・ヒル

メアリーの夫・マイケル役に、人気ドラマ「LAW&ORDER:性犯罪特捜班」に出演していたフィリップ・エッティンガーなどが出演しています。

 

 

 

 

 

 

 

 

監督の集大成と位置づけられた今作。

信仰とは、環境とは。

神父の願いがどんな未来へ向けたものなのでしょうか。ここから鑑賞後の感想です!!!

 

感想

宗教と環境問題を向き合わせた問題作なんだけど、いや~さっぱりわからんw

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どの意味にしても問題作。

息子を戦争で亡くしたことで敬虔なクリスチャンとなった主人公の牧師が、環境問題を声高に訴える男と出会うも謎の死を遂げたこと、自分がまかされている教会が環境汚染の原因を作っている企業から多額の援助を受けていることを知り、宗教こそが環境問題を救う道なのではないかと疑問を抱き、主人公は実力行使をしようと画策していく、というのがおおまかなあらすじ。

 

冒頭から自分が認めた日記を読みながら進む今作は、徹底して薄暗い映像の質感と閑散とした街並みがうまくマッチし陰湿的な空気を醸し出すと共に、定点カメラとシンメトリーを意識したかのような構図のなかでひたすら寡黙な表情と内なる怒りを少しずつ蓄積していくイーサンホークの姿に酔いしれる映画だったように思えます。

 

そして突き進んでいく道は、神は本当に存在するのか、存在するのならば我々が住む世界が環境破壊によってどんどん住みづらくなっていくこの状況、当たり前にしてんじゃねえよ、だったらオレっちの身体、病で蝕んでいるし、こんな教会存在価値ねえよ!やったるぜ!ってところに向かっていく映画です。

 

正直鑑賞中(特に序盤)何度も睡魔に襲われて、色々見落としてしまったが故の「わからん」てのが大半を占めているのと、政治以上に疎く無関心である宗教、それのさらに遠い位置に置いているキリスト教の事で、色々セリフを振り込まれてもこれっぽっちも分かりません。

しかし、生きていく上で切っても切れないとされる信仰、気温上昇海面上昇それもこれも全部環境破壊のせい、それやってるの人間です、どうやって止めたらいいのわかりません、だったらこれから生まれてくる子供によりよい未来は保障されないのだから産まない方がいい、という極論に、それは社会とか環境とかじゃなく君自身の問題だってきれいごと言ってるけど、内心はその通りかもしれないよねってトラーと同じ気持ちになっていくし、また環境破壊しながらも立派に地域に社会に貢献している企業って構図もバカにできないわけでそれで生活成り立っている人もいてお金がうまく回っているわけで、この世は矛盾だらけなんだけど合理的に物事が進んでるんだよね、破壊の一途をたどっているけど、と主人公である牧師が立場上本音を言えないながらも感化され真実に気付き行動にうつしていく姿は、割り切ってみることはできないけど理想を持つことは大事だなぁと。

 

もうさっきから何言ってるかわからないですよね、自分もわかってませんw

だってこの映画、すごく地味で面白みがどこにもなくて、トラーの心情とかをくまなく探ることでイーサンホークのお芝居を堪能しようと思ったら、やはり睡魔が・・・って感じで、色々諦めの精神で鑑賞したんですから。

 

とはいえ、イーサンホーク。

まぁ話についていけなった僕としては、こうなったらイーサンホークを拝み倒すしかないよねってことで心の方向転換をしたわけですが、やはり芸達者だよなぁと。

単純に言えば演技を抑えた芝居を延々とやっていた気がします。

牧師たるもの感情を前に出さず、迷える子羊たちにパンを一切れ与えると共に優しく寄り添うわけですから当然といえば当然なんですが、この抑えた表情とは別の顔を少しづつ出していくわけです。

やはり転換点は相談してきたメアリーの夫、マイケルが死んでしまったこと。

それと酒を過剰摂取したことによる胃の病気がどんどん進行していっていること。

この二つによってますます渋い表情を生み出し、感情を露わにしていく姿はさすがであります。

 

後半はもう牧師としての立場を度々忘れ、自分に恋焦れているエスターに「お前いちいち俺を求めてるんじゃねえ、お前のその行為や思いなんか迷惑に過ぎないんだよ、かまうなこら」みたいな拒絶反応や、夜な夜な酒を飲みながら何考えてるかわからない表情をしながら、酒の入ったグラスに合成洗剤のようなものを流してたり、かと思えば、メアリーとサイクリングしながらのほほんな表情を見せたりと、多種多様なイーサンホークを拝めることができる映画だったのではないでしょうか。

 

マグニフィセントセブンのようなニヒルなガンマンでもなければ、6歳のボクのときのような人生を謳歌しているお父さんでもなく、プリディスティネーションのように大化けするキャラでもない。

そこにはいつものしゃがれ声で白髪交じりのイーサンが、抑えに抑えた演技で真面目な牧師として努めている姿。

この真面目が故に起こしてしまう行動が、「タクシードライバー」を彷彿とさせるんですが、さすがにモヒカンにはなりません、当然です。そんなことしたら一億総ツッコミです。同じことすんじゃねえと。

 

とにかく心の葛藤を積み重ねていくイーサンホークの熱演が光った映画だったと思います。睡魔が襲ったけれど。

 

 

最後に

もうですね、この映画久々の「わからない」映画として諦めました。マジカルミステリーツアーってなんだよあれ。急にファンタジーな展開というか、宗教映画にありがちな展開というか。

あとでWOWOWで放送した時にもう一度向き合おうとは思いますが。

 

何というか、この世の全ては金でまかり通ってるわけです。寄付が無ければ教会だって運営できないってのも事実で、そのお金が仮に汚れた金だったり自然を破壊してまで作ったお金だとしても、それで救われる人や社会があるわけで、そこに神がその行為を許すのかって疑問をぶち込んでしまわれると、無宗教な僕からしたら何も答えられません。

それはあくまで僕個人の話であり、主人公は牧師さんという信仰を布教させる立場の人間だから矛盾の壁にぶつかって苦悩したり葛藤する話で、わかる人には面白いわけですもんね。

たださ、結末がまぁ予想外の結末で、結局問題提起しておいてそれって果たして解決なのかい?でもまぁこれで一人の命が救われたのだとしたらそれもアリだよなぁと。

捨てる神あれば拾う神ありってことですよ、多分。

 

 

 

ということで映画が伝えたい本質など理解できぬまま感想を認めてしまったことをお許しくださいアーメン。

所詮モンキーなので人間並みの知能など持ち合わせていないのですw

仲のいいブロガーさん、誰か観てねえかな、あとで読みに行こう。

というわけで以上!あざっした!!

満足度☆☆☆☆☆★★★★★5/10