進撃の巨人 ATTACK ON TITAN エンド・オブ・ザ・ワールド
いい意味でも悪い意味でも、この年一番騒がれた映画だと思います。
どうしても前編の公開を機にネット上でのマイナスな書き込みが蔓延したのが影響したのか、はたまた夏の洋画ラインナップに飲み込まれたのか、理由はともあれ興行的には奮ってないですね。
悪い情報ってのは広がりが速いもので、いくら良い評判を書き込んだところで掻き消されてしまうのが世の常なんでしょう。
やはり、アニメや原作との相違に納得のいかない人たちが多かったようで、私のようにこの作品に比較的好意を持った感想はあまり見かけませんでした。
あくまで見た人の感想なので、そういう意見が多かった、満足いかなかったという声が多かったのは事実だし、残念だし、仕方のないことです。
ですが今作の場合、それ以前に製作側のツイートで物議を醸したのがホントによくない。
出入り禁止と通達されてる評論家に試写状送った奴誰だ?とか、
ハリウッド大作見たらいいじゃん、とか、
なんでつぶやいちゃうかな?
なぜ我慢出来なかったのか?
これだけはやっちまったな、と。
だから、感想を語る前にこれだけは言っておきたい。
今作の興行の不振の原因は製作側にあると思います。
ま、当たり前かwww
偉そうなこと言ってすいません。正確には我慢出来ずにツイートしちゃった作り手たちって事です。
と、いきなりイヤな出だしで語ってしまいましたが、私は私なりに楽しみにしていたのは事実。
やはり、後編に関して望むことは、ただでさえ前編の上映時間が短いのにも関わらず、後編はそれより短いということ、
そして、前編で描かれた謎や伏線を短い時間でどう回収し、どんなカタルシスが待っているのか?
もしかしたらもしかするかも、と淡い期待で観てまいりました。
あらすじ
超大型巨人によって破壊された壁の穴を修復すべく、外壁修復作戦に出発したエレン(三浦春馬)達であったが、巨人の急襲で窮地に陥ってしまう。調査兵団を率いる“人類最強の男”シキシマ(長谷川博己)によってその危機を免れるが、巨人は侵攻の手を緩めない。そんな中、手負いとなったエレンは、仲間のアルミン(本郷奏多)をかばい、巨人に飲み込まれてしまう-。誰もが絶望しかけたその時、謎の黒髪の巨人が出現し、他の巨人達を駆逐し始めたのだった。《HPより引用》
前編と監督・キャストは同じなので割愛します。
今作の感想の前に、前編を完成披露試写会にて鑑賞したときの感想を公開前にアップしたことが功を奏したのか「はてなニュース」に使われていました。
非常に嬉しかったんですが、こういうのって著者(って言いかたはねぇかw)には一切連絡ないんすね。
こっちサイドに権限ないのかな。後で気付いてビックリしました。
こういうのを見ちゃうと、駄文なのに恥ずかしさ極まりないなと。
もっと見られてる意識持って書かないとダメだなと、身に染みました。
そんな駄文がこちら。
というわけで、今年話題の映画後編の出来は如何に!?
感想
細かいこたァ抜きにしてモヤモヤは晴れますっ!!
以下、ネタバレします。
一気に伏線回収していく
巨人エレンが捕獲され、クバルが処刑しようとした矢先にいきなりサプライズの登場!
これは、予想してませんでした。
で、その後シキシマはエレンになぜ巨人は生まれたのかはじめて説明=前編の伏線回収がされるわけです。
真っ白な部屋で真っ白な服を着て、なぜかシャンパンを飲みながらww←完全にBLでしたけどw
まあ、ここは大方予想していた通りの謎でした。
前編で明らかに敵と思われる部分は描かれていなかったので、恐らくそうだろうな、と。
そして、反乱分子は誰だったのかもここで解明されます。
彼らが本当に危険なのは何なのか?この意味が前編でのシキシマがエレンを家畜扱いした時のセリフに繋がってくるんだと思います。
そんな伏線回収を含めた説明合戦を終えて、いざバトル。
前編でのインパクトが大きかったせいか免疫がついていて凄いのはすごいが物足りなさもちらほら。
巨体と巨体のスピーディーな攻防にもっとスローモーションを使ったほうが動きが映えたと思ったんですが、ここはまだ中盤なんで時間巻いたんだなと勝手に思ってます。
で、穴を結局どうふさぐのか?
これも、前編のいっちばん最初に出てきたアイテムが出てくるんですが、これも予想できなかった。
アルミンいりゃあなんとかなるもんな。
で、穴を塞ぐ直前でラスボス登場、ラストバトルが始まるわけです。
あっという間の90分です。
脚本町山智浩氏の出来栄え
先日、WOWOWぶらすとにて進撃の巨人・後編を共同脚本に携わった町山智浩氏がゲスト出演していたので見ていました。
かなり話が脱線して正直後編の見所などはあまり語られず、悪く言えば言い訳がましい内容のトークでした。
とはいえ、日本映画界における予算の限度に対して、興行収入30億いけば大ヒットになるのを逆算しての予算の組み込みのせいで、ハリウッド映画のようなクオリティを出すには製作スタッフの人件費としては足らなすぎるとか、
三浦春馬の起用理由として彼が劇団新感線の舞台での演技だったってことであんな激昂した口調でのオーバーな演技だったのか、
とタメになる話やら妙に納得したりと町山さんの話に聞き入ってました。
前編の時も思いましたが、評論家としての立場もある分、彼が表に出て色々事情を説明したり半ば宣伝部長みたいなのをしてるのはなんか気持ち悪さが残ります。その分こっちは理解度が増しますが、やはり言い訳と捉えるとなんとも(ー ー;)
今回の副題エンドオブザワールドですが、世界の終わりという意味ではなく、世界の果てという意味での解釈なんだとか。
序盤、シキシマとエレンのBLの件で、流れる曲がスキーターディヴィスという方のエンドオブザワールドという曲。
おいおい、閉鎖された世界にポップス流れんのかっ!?
とお思いでしょうが、ちゃんと理由も本編で説明してくれます。
これが出てくる小説がこの脚本を組み立てたきっかけだとも町山さんは語ってました。
やはり、終わってない原作を実写でどう終わらせるかをちゃんと終わらせているなと。よく言えば、無難。悪く言えば、あっさり。
町山さんの日本映画事情を聞いてしまうと納得せざるを得ない、むしろ、これ以上どうしようもないんだろうと。総ツッコミされるよりかはマシなのか。
そんな町山さんは、ラストシーンがいちばん好きだと仰ってました。
最近の某アニメ映画で見たことあるなぁと思いつつも、私も同意見です。ラストシーンの美しさは良かった。
最後に
壁の中での社会=世界の果てだけが全てではない。壁の向こうにはまだ見ぬ世界が存在してるのに壁の中で平和だけど規制された生活を送る、そんな家畜のような日々を送るのなら、天国の奴隷よりも地獄の自由を取る、とエレンは叫びます。
我々の生活にもそんな部分があるのかも。壁をぶっ壊さなきゃいけないところがあるんだろな。
とはいえ、映画の出来に関しては、前編の方がインパクト面で考えるとよかったなあ。
後編は伏線回収の為の、無理やり終わらせる為の、という見方しかできないか。
もちろん、この作品をやろうと批判や誹謗中傷は避けて通れないと覚悟して作ったことに賞賛したいし、その価値はありました。これを、オリジナルのもので特撮映画作ったら話題になるか?予算集められるか?スポンサーつくか?
絶対無理だ。この原作があったから、お金が集まったスポンサーがついた、話題になったんだ。
そういう意味では、非常に大きなものだったんだと思います。
これを次の課題にして、反省し、次の大作を作って欲しいです、、
特に樋口監督はこの経験を来年のゴジラに活かして我々を驚かせて欲しい。
意外と気づいてないと思うんだけど観た人はソウダの最期のセリフ、
エレンと後編で活躍したキャラとの関係のことを言いかけたって解釈であってますかね?
じゃなきゃあんな面倒みねえし。
満足度 ☆☆★★★★★★★★2/10