ヘイトフル・エイト
いやぁ、来ましたよ!タランティーーーーノ最新作っ!!
えっ?今回は密室ミステリーなんですか??いいじゃない!楽しそうじゃないっ!
上映時間が今回も長いから私の膀胱が持つか、それとも集中力が先に切れるか。
とにかく見に行くからには、万全の態勢で臨むことは必須ですな!
てなわけで、早速見てまいりました。
あらすじ
どこまでも続く白銀の世界を疾走する1台の駅馬車が、行く手を阻む一人の男の前で停まる。
北部の元騎兵隊で今は賞金稼ぎのマーキス・ウォーレン(サミュエル・L・ジャクソン)、椅子代わりに座っているのは、レッドロックへ運ぶお尋ね者3人の凍った死体だ。この寒さで馬がやられ、誰かが通りかかって拾ってくれるのを待っていたのだ。
馬車の客は、同じく賞金稼ぎのジョン・ルース(カート・ラッセル)。ゴツい腕にはめた手錠の先には、連行中のデイジー・ドメルグ(ジェニファー・ジェイソン・リー)がつながれている。1万ドルもの賞金をかけられた重罪犯の女で、散々殴られた顔で不敵に笑っている。
迫り来る猛吹雪から避難するため、ルースはレッドロックまでの中継地で、うまいコーヒーにシチュー、装飾品から武器まで何でも揃っているミニーの紳士洋品店へ向かうが、途中でもう一人、クリス・マニックス(ウォルトン・ゴギンズ)を乗せる。マニックスは新任保安官としてレッドロックへ向かう途中だと主張するが、彼が黒人殺しの南部の略奪団の一員だと知っているルースは信じない。
ミニーの店へ着くと、ボブ(デミアン・ビチル)と名乗る見知らぬメキシコ人が現れ、母親に会いに行ったミニーの代わりに店番をしていると言う。
凍えたルースはさっそくストーブの上のコーヒーを飲むが、ボブが作ったらしいそれは泥水のようにマズく、自分の手で淹れ直す。
店には、3人の先客が吹雪で閉じ込められていた。まずは絞首刑執行人のオズワルド・モブレー(ティム・ロス)、洗練されているが、どこか胡散臭い英国訛りの男だ。
そしてカウボーイのジョー・ゲージ(マイケル・マドセン)、無口で何を考えているのかわからない。母親とクリスマスを過ごすために帰る途中だと言うが、とてもそんなタイプには見えない。そして最後に、サンディ・スミザーズ(ブルース・ダーン)、大勢の黒人を虐殺した南部の元将軍だ。
そして、偶然集まったはずの8人の過去が繋がり始めた時、事件は起こった―――。《HPより抜粋》
監督・キャスト
監督はもちろんこの方、クエンティン・タランティーノ!
きわめて異質できわめてぶっ飛んでてきわめて面白い。そんな作品をB級テイストに仕上げ、ユーモアに、バイオレンスに、カルトにした作品を世に送り続ける、そんなお方です。
レンタルビデオの店員時代にありとあらゆる映画を見まくったことが、彼の映画製作の軸となる脚本に活かされています。そんな、映画狂の男が初めて作った作品が、
色の名前の付いたコードネームを持った男たちが強盗を計画するも失敗に終わったことで裏切り者探しを始める犯罪映画「レザボア・ドッグス」。この作品がヒットし、
次作である、時系列がバラバラなマフィアたちの話をオムニバス形式で描いた傑作「パルプ・フィクション」がカンヌ国際映画祭でパルムドール、アカデミー賞脚本賞を受賞、
その後も黒人スチュワーデスが一攫千金を狙う70年代テイスト満載のクライムサスペンス「ジャッキー・ブラウン」や、修羅雪姫や死亡遊戯などの作品をオマージュしたことで話題を呼び、ヤッチマイナァ!!の名台詞も生まれた復讐劇「キル・ビル」、ロバート・ロドリゲス監督との2本立て作品として話題を呼んだ、遊びたい盛りの女たちを付回し悲惨な目にあわせるドライバーズハイな男を描いた「デス・プルーフinグラインドハウス」、ナチス占領下のフランスで起きるユダヤ人女性と容赦なくナチ狩りをする男の壮大な復讐劇を描き、あらゆる賞レースにノミネートされた「イングロリアス・バスターズ」、
そして、奴隷から解放された男が妻を救出するため賞金稼ぎのガンマンとして復讐する前作「ジャンゴ 繋がれざる者」では、ディカプリオが悪い農場主を演じたことでも話題となり、これまたアカデミー賞脚本賞を受賞という、マニアックな作風なのにめちゃめちゃ評価の高い映画を連発するお方なのです!
結局全作紹介したなぁ。
かつて、「凍えそうな季節に君は何をどうこう言うの?」と素肌にネクタイとジャケットを風になびかせ歌っていた男が、「タランティーノくらいレンタルしとかなきゃ」なんて言うもんだから、という理由で見たわけではないです。
あらすじはというと、強盗のために集められた6人の男たち。彼らは色の付いたコードネームを持ち、そのナで呼び合う。いざ、宝石強盗を実行しようとするも、既に待ち構えていた警官たちに包囲され、Mr.ホワイトと重傷を負ったMr.オレンジはアジトへ逃げ帰る。なぜ返り討ちにあったのか。疑問に思ったMr.ピンクは警察に密告した裏切り者がいると言い始めるのであった・・・。というもの。
初めて見たタランティーノの作品であり、CMで何度もきいたことのあるオープニングテーマ、そして、5人組アイドルグループがコントでやってたのはこれだったのかっ!!
と映画の虜になり始めた頃、誰もが知っていたであろう元ネタにひとり驚きを隠せなかったのを今でも覚えています。
裏切り者は誰か?裏切り者は他の仲間にばれるのか?というサスペンス性と、お互いを名前で呼ばないという、ヒーローものを見てた当時のワクワク感といったとっつきやすさから入り込み、軽快に進むムダ話、警官を切りつけたり銃で撃たれたりといった画面上に写る大量の流血、どいつもこいつもクセのある役者たちがそれぞれ存在感を放ち、見事に調和されバイオレンスなのに重さの感じないスタイリッシュな作品です。
冒頭タランティーノ本人がMr.ブラウン役として出演し、みんなでメシを食いながらだべるシーン。マドンナの「ライク・ア・バージン」のおもいっきり偏屈な解釈をひたすら話すアレ。超大好きですね。
これから何を見せるんだこの映画は?と思いながらも気づけば彼の世界に魅せられてる自分がいました。
生涯ベスト級の作品です。
出演者は8人。全員はガッツリ書けないので知ってる方中心で。
まずは、元騎兵隊の少佐でかつて懸賞金をかけられたこともある賞金稼ぎ・マーキス・ウォーレンを演じるサミュエル・L・ジャクソン。
タランティーノ作品にはほとんど出演しているほど切っても切れないお方。
他にも、スター・ウォーズのメイス・ウィンドウ役だったり、アベンジャーズではニック・フューリー長官として、昨年はキングスマンで散々いろんな役で人を殺めてきた彼が、血を見ると吐いてしまうという真逆の役柄のヴィラン、ヴァレンタイン役として多いに笑わせてくれました。
続きまして、必ず生け捕りして絞首台に送ることから首吊り人の異名を持つジョン・ルース役にカート・ラッセル。
こちらも監督の作品「デス・プルーフinグラインドハウス」でスタントマン・マイク役で出演経験のある大御所俳優。
ジョン・カーペンター監督の名作「遊星からの物体X」「ニューヨーク1997」その続編となる「.エスケープ・フロム・L.A」に主役として出演するほどの常連でアクション俳優の地位を確立、その後も消防士が火災捜査官となって連続放火事件の犯人を追う「バックドラフト」、骨折した競走馬の再起に情熱を燃やす少女と調教師を描いた「夢駆ける馬ドリーマー」のようなアクション以外の作品にも出演する演技派としても知られています。
恥ずかしながら、どれも見て無いんですが唯一見てるデスプルーフでは、前半のおっかなさと、後半の情けなさがツボでしたね。
今作の紅一点、重罪で1万ドルという懸賞金をかけられた囚人・デイジー・ドメルグ役にジェニファー・メイソン・リー。
この方も良く知らないんですが、子供の頃からこの世界で活躍していたようで、
性に対して敏感で興味津々な年頃の青春恋愛を描いた「初体験/リッジモント・ハイ」で主演に抜擢されブレイク。その後も、ヒッチハイカーと青年の恐怖の鬼ごっこを描いた「ヒッチャー」、母が殺害容疑で逮捕されたことで真相を探る娘を演じたスティーブン・キング原作のミステリー映画「黙秘」、頭の中にあるニューヨークの世界を舞台にしようと奔走する劇作家を描いたコメディ「脳内ニューヨーク」といったサスペンスものからコメディとジャンルに捉われず幅広い活動をしている女優さんだそうです。
今作でアカデミー賞助演女優賞にノミネートされています。
他にも、保安官と名乗る男・クリス・マニックス役に、ジャンゴで監督作に出演経験があり「エージェント・ウルトラ」で洗脳されたCIAエージェントの役が記憶に新しいウォルトン・ゴギンズ、
ロッジで留守を頼まれたという男・ボブ役に「チェ 28歳の革命」「チェ 39歳 別れの手紙」でのカストロ役が好評だったデミアン・ビチル、
絞首刑執行人の小さき男・オズワルド・モブレー役に、初期のタランティーノ作品にはかかせない存在で、「海の上のピアニスト」では、船上で一生を遂げたピアニスト・1900を好演したのが印象的だったティム・ロス、
秘密を抱えたカウボーイ・ジョー・ゲージ役にこれまた監督作品の常連で、その凍った眼とニヒルな笑顔から「シン・シティ」や「フェイク」など強面のキャラや悪役に定評のあるマイケル・マドセン、
そして、元将軍・サンディ・スミザーズ役に監督作品ではジャンゴで、近年では息子と当たったかどうかもわからない宝くじを遠い街まで確かめに行くロードムービー「ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅」での父親役が数々の栄誉ある賞に輝いたブルース・ダーン、
といった超個性派で一筋縄ではいかない8人で密室劇が繰り広げられます。
というわけで、アカデミー賞3部門ノミネートのタランティーノ3年ぶりの新作はどこまでやらかしてるのか!?そして、どこまで楽しませてくれるのか!?
これより感想です!!!