パーティで女の子に話しかけるには
中々パーティに行くことってないんだけど、もしそういう場に行ってかわいい女の子がいたらどうやって話しかけるか、っていうナンパテクニック伝授!tって話ではないようです。
当たり前か。
音楽、ファッション、空気、時代性、などなどとにかく今でも憧れてしまうロンドンを舞台にしたボーイミーツガールな青春恋愛映画ということで、予告を見てから非常に楽しみにしていました。
こういうの弱いんだよねぇ、おれ。
コレ系見るなら渋谷だろwってことで早速観賞してまいりました!
作品情報
現在で傑作との呼び声高い「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」の監督と、アカデミー賞で何度も受賞した衣装デザイナーがタッグを組んで作り上げた作品は、ニール・ゲイマン原作小説を映画化したもので、内気なパンク少年と遠い惑星から来た美少女の、甘くて切ないラブストーリー。
1977年のロンドンを舞台に音楽とファッションが彼らを彩り、見た者全てが、あの日輝いていた自分に再会できる。
2017年、パンクでロックでキュートでスイートなラブストーリーを堪能しよう。
- 作者: ニール・ゲイマン,金原瑞人,野沢佳織
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2009/10/30
- メディア: 単行本
- 購入: 2人 クリック: 13回
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あらすじ
セックス・ピストルズ、ラモーンズ、ヴィヴィアン・ウエストウッド・・・
1977年、ロンドン郊外。音楽だけに夢中だった僕は、48時間後に別れなければならない相手と恋に落ちてしまった。
パンクなのに内気な少年エン(アレックス・シャープ)は、偶然もぐりこんだパーティで、反抗的な瞳が美しい少女ザン(エル・ファニング)と出会う。
大好きなセックス・ピストルズやパンクファッションの話に共感してくれるザンと、たちまち恋に落ちるエン。
だが、二人に許された自由時間は48時間。
彼女は遠い惑星へと帰らなければならないのだ。
大人達が決めたルールに反発した二人は、危険で大胆な逃避行に出るのだが・・・。(HPより抜粋)
監督はジョン・キャメロン・ミッチェル。
恥ずかしながら監督作品を一度も見たことがないモンキーではありますが、監督作品くらいはわかってます。
てかねぇ、俺が働いてたレンタル屋に「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」が無かったんだよッ!!
こういう映画ってさ、歳とって観たらダメだと思うわけですよ。
まぁ全てにおいて言えるんですけどねw
頼みますよ町のレンタルビデオ屋さん。
何でもかんでも赤字だからって中古で売っちゃあ夢がない。
今回ヒロインの設定が異星人=自分とは異なる存在ということに関して、相手が異なるからといって、理解できないからといって排除することは年寄りの考えだと言及。
今若い世代がそういう感覚でいることに不安を感じているようで、だからこそこのリアルでアナログなラブストーリーを観て欲しいとインタビューで話しています。
少年達よ、スマホばっかやってないで女の子達を理解しようぜ。
というわけで監督作品をサクッとご紹介。
オフ・ブロードウェイで評判を呼んだミュージカルを監督自身が脚本主演し、性転換手術を受けたロックシンガーとなった主人公の波乱の半生を描いた魂の叫びの物語「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」でデビューします。
その後、愛に迷える7人の男女がアンダーグラウンドのサロンで奔放な性の宴に活路を見出してく「ショートバス」、愛するわが子を失った母親の悲痛な再生への道のりを描いたヒューマンドラマ「ラビット・ホール」を手掛けています。
キャスト
遠い惑星から来た少女、ザンを演じのはエル・ファニング。
「ネオン・デーモン」で田舎からモデルになりたくて都会へ出てきた初心な美少女が、どんどん隠された本性を露にしていく姿を熱演。
「20センチュリーウーマン」では、主人公の少年を面倒見ながらも、他の男には抱かれるくせに、主人公とベッドに添い寝して触らせない、男からしたらこの野郎!な愛に不安定な少女を演じていました。
今回は異星人ということで、どこか不思議めいた雰囲気からパンクにはじけるのでしょうか。
モンキー的にはそこまでタイプではないのですがこれを機キュンキュンしてしまうのかどうか。楽しみですね。
彼女に関してはこちらをどうぞ。
内気なパンク少年・エンを演じるのはアレックス・シャープ。
ブロードウェイにデビューしたとたん、トニー賞史上最年少で主演男優賞を受賞した逸材とのこと。
今後映画にも積極的に参加するそうで、これを機に覚えたいですね。
彼が出演の日本で公開した作品が無いみたいなんですが、摂食障害を抱えた女性がグループホームでの生活や仲間に支えられながら再生していくNetflix製作の映画「心のカルテ」に出演しているとのこと。
こちらもどうぞ。
他のキャストとして、ボディシーア役に、「めぐり合う時間たち」、「LION~25年目のただいま~」、そして監督作「ラビット・ホール」に出演しているニコール・キッドマン。
PTステラ役に、「アンナ・カレーニア」、「ローンレンジャー」に出演していたルース・ウィルソン。
PTワイン役に、「アリス・イン・ワンダーランド」のトゥイードルディとトゥイードルダム役でお馴染み、マット・ルーカスが出演しています。
70年代パンクはあまり得意ではないですが、どんなパンクロックが彼らを包むのか、そしてどれだけこの二人がパンクなのか。
異性人との限られた時間がどれだけ愛しくも切ないものなのか。楽しみでございます!
ここから観賞後の感想です!!!
感想
想像していたボーイミーツガールじゃねぇ!!!
だけどドパンクでドSFで意味不明な描写ばっかりだけど飽きねえっ!!
以下、核心に触れずネタバレします。
全てをぶっ壊して自由を手に入れる。
エリザベス女王の即位25周年を祝う中、未だ童貞のパンク少年の主人公と、遠い惑星から来たという少女が、窮屈で退屈な日常を破壊しながら恋から愛へと構築し、自由を手に入れてくまでの過程を、これぞパンクロックでエモーショナルでアナーキーな描写、真逆なのか実はつながっているのか70年代SFコスチュームの集団が放つエキセントリックな描写が重なり、もはや意味不明なまでに発展してく、難解でありながらそれこそがパンクだと表現された作品でした。
一言で言えばほんと意味不明だったボーイミーツガール映画だったわけですが、一つ一つがユニークな描写で、どこか90年代のミニシアターのような映像で、懐かしいのに斬新な切り口が見事にマッチしていた映画だったように思えます。
勝手な想像ですが、歌を披露したエル・ファニングは絶対お姉ちゃんの作品「ザ・ランナウェイズ」を参考にしたに違いないと思えるロックなステージングだったし、モンキー的にはそんなにファンじゃないけど、エルファンにはどれこれもがキュートでロックな彼女にフォーリンラブになるだろうし、全ての不満をぶちまけて自由を謳歌したいと願ったあの少年少女の時代をこの映画は体現してくれている、そんな風に感じました。
それでいてめっちゃ愛を訴える映画に進化するもんだからラストカットがまぁ素敵で。
この日は朝から「鋼の錬金術師」、午後には「探偵はBARにいる3」そして本作、でもってその間にブログを書いて飯食ってと、脳が疲れたのか座ってるだけでもカロリーが消費していくのかよく分かりませんが結果的に飯を4食くらうほど、疲労困憊ながらも楽しい1日として満喫した次第であります。
そんな1日を締めくくる作品として本作を鑑賞したわけですが、はっきり言って全てを把握できるような代物ではございません。
ナンデスカー♪ナンデスカー♪西の国からぁ~♪状態です。
まぁ何が一番難解かってのは、やはりザンと共に来た惑星の面々です。
とにかく不可解な行動ばかりするせいで、純粋に少年少女のピュアなラブスト―リーだとばかり思いこんであらすじ読んできたのに、全然方向があさっての方に行くから、あれぇ~?俺映画間違ってないよなぁ?くらいのクエスチョンが浮かぶほど。
徐々に見ていくことで解消されていくんですが、当初はそんな感じで見てしまっていました。
簡単に説明すると、この異星人たちは、観光的な感じで地球のイギリスのロンドン郊外へと足を踏み入れたわけです。
だけど、個性の尊重を重んじながらも決して地球の人間と交わってはいけない、飲食もしてはいけないなどのありとあらゆる決まりが存在しており、それにストレスを感じていたザンがエンに出会うことで彼女の探求心が芽生えるわけです。
ねえ君なんかパンクだねイカすよ!
パンクって何?
こういうことさ!と服をジョキジョキ切り始めるエン。
しかし勢い余って彼女の肌まで傷つけてしまう。
そこでザンはおもむろに血の付いたエンの指を舐める。わおっ!!
まさにパンクだぜ!!
んなもん、出会っていきなりそんなことしたら童貞君は惚れるでしょう!
でもってパンクでしょう!
そんなこんなで住処から脱走し、エンの家で一夜を共にする2人。
そうだ!自由への疾走だ!
まさにパンクだぜ!!
勢いでキスをしようとしますが、ザンは吐き気をもよおし嘔吐!
なんてことだ!
ファーストキスがゲロまみれだなんて!
まさにパンクだぜ!!
それからというもの、退屈な現代にドロップキックならぬ、退屈な現代にパンクロックな時間を過ごす2人。
朝食でエンの母親と意味不明なダンス!
まさにパンクだぜ!!
昼食用のパンを壁にぶつける!
まさにパンクだぜ!!
いやパンがクラッシュだぜ!!
ザンが脇をエンにこすりつける、バターの味がするとエンの顔を舐める!
愛を確かめ合う二人は、パンクとは何かを教えるために通いなれたライブハウスへと足を運ぶ。
何もわからないままボディシーアのメイクアップでステージで歌を披露することになったザン。
思ったことを思ったように歌えばいい。
抱えていた悩みを吐き出し叫ぶことで、今までの窮屈だった生活から解放され、本当の意味でパンクとは何か、心を通わせるエンとザン。
しかしエンは、彼女がこの後食べられてしまうという残酷な真実をすることになるわけです。
こいつらやっぱりあの国のメタファー?
さてさて意味不明過ぎて物語をかき回す存在だった異星人たち。
彼らは6つの国から作られた集合体で、それぞれ赤、青、黄、紫、白、オレンジと色分けされていました。
黄色に属するザンの組織は、グループ内で個性の尊重と称し互いの顔を触りまくるような団体。
青は奇声を発しながら音楽に合わせ踊る習性を持ち、オレンジは指をアナルに入れて性行為をし、徐々に分裂をはじめ男女に分かれるという奇妙な奴ら。
白はこの異星人たちをまとめるリーダー率いる団体で、彼らもまた変な踊りをする。
赤色は組体操的なもので表現したりと、とにかくどいつもこいつもよくわからないことをしています。
彼らはどうやって繁栄してきたのかというと、親が子を食べ、親を白色のリーダーが食べて、再び生まれるというのです。
お~こっちの方がパンクな気が・・・。
何故そんなことをしていたのか。
彼らは私利私欲のためにとにかく食べ続けてきたことで星を失い、1つの集合体として暮らしてきたわけです。
食べられることに何の疑問も恐怖も抱かなかった異星人たちは、ザンがステージで歌った歌をきっかけに、徐々にその行為に対して怖さを感じていきます。
生きるということは食べられることじゃない。
生まれてきたのだから、ゴールを決められる権利なんてない。
そんな中、渦中のザンに異変が起き、彼らの中で大問題に発展します。
クライマックスで捉われたザンを助けるために、ボディシーヌたちを使って住処へ押し入れるシーンがあるのですが、ボディシーヌたちは彼らをアメリカ人!と罵るセリフがあります。
お前らどうせイギリスからの移民だろ!なことまで言うんですけど。
この時に、あれ?そういえばエンがザンをお母さんに紹介するときもアメリカ人て言ってたっけな、とふと思い出します。
別にイギリス人でいいのに、なぜアメリカ人というのだろう。
そしてこのセリフ。
ここであるひとつの仮定を考えました。この異星人たちはアメリカ人のメタファーなのではないだろうかと。
異星人たちはいろんな人種が演じていました。
白人黒人アジア系もいましたしメキシコ系も。
そうアメリカは多様民族の集まりです。
そして今まさにアメリカ社会では自分のためだけに欲を尽くし、差別ばかりを繰り返し、どこを見渡しても相手を思いやる愛が存在しないようにも見えるわけで。ま、現代のイギリスにも言えるんですけどねw
そんな奴らがユニオンジャックの布を纏いイギリスを視察しに来るというのがどういう皮肉なのかうまく分かりませんが、きっと何かを示しているに違いないと思います。
監督もインタビューで愛を必要としない人たちに向けて作ったと仰っているので、異星人たちは今の世代、それを代表して多様民族である大国アメリカ人のようなメタファーにしたのかなと勝手ながら考えてみました。うん、説得力ないなww
最後に
食べてクソして踊って恋する、それが俺たちだ!
そうそれこそが人生なんだ!
こんなこともできない世の中はポイズンだ!
とりあえずブルーハーツ聞いて寝るか!
そこはピストルズじゃねえのかよw
なんというか毎日仕事してストレスを家に持ち帰る繰り返しなんでね、こういうパンクな衝動なかなかできないんだけど、あの時のような勢いが欲しいなぁと、あの時のような恋愛がしたいなぁと思わせてくれる映画だったなぁと。
というわけで以上!あざっした!!
満足度☆☆☆☆☆☆★★★★6/10