モンキー的映画のススメ

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主に新作映画について個人の感想、意見を述べた文才のない男の自己満ブログ

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Netflix映画「シカゴ7裁判」感想ネタバレあり解説 世界は見ている!この理不尽な裁判を!

シカゴ7裁判

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 ベトナム戦争の反対運動のための抗議デモから暴動へと発展。

扇動した罪で裁判にかけられてしまった7人の男たちの、事実に基づく物語。

 

元々はスティーブン・スピルバーグ監督が手掛ける予定だったそうですが、全米脚本家組合がストライキを決行したことで製作が中断。

ひたすら脚本を温めていたアーロン・ソーキンが自ら監督をすることで、本作が実現したそうです。

 

きっとスピルバーグが撮れば骨太な作品になったろうとも思えますが、法廷劇でのやり取りを想定すると、「モリーズ・ゲーム」で描かれた丁々発止な会話劇のほうが、題材が際立つのかなぁと想像できます。

 

公平に裁かれるであろう裁判で、一体彼らにどんな裁判が行われたのか。

 

本作はNetflixで全世界配信されるんですが、久々に劇場での公開がされるということで、一足お先に鑑賞してまいりました!

 

 

 

 

作品情報

1968年のシカゴ民主党大会で暴動を企てたとされる7人の被告=シカゴ・セブンの、歴史に悪名を轟かせた裁判の模様を描く。

 

反戦運動をしただけなのに罪に問われてしまった彼らが目の当たりにした、あまりにも理不尽な裁判。

公平に裁かれるべき場所での不正が横行する中で、信念を曲げずに立ち向かう7人の姿と、何としてでも有罪に持ち込みたい体制側の、緊迫した攻防が続いていく。

 

ソーシャル・ネットワーク」や「スティーブ・ジョブズ」で脚本を手がけたアーロン・ソーキンが、長年温めてきた脚本を、本人自らメガホンを取り実現。

豪華キャストが集った本作は、本年度アカデミー賞有力候補として前評判の高い作品だ。

 

果たして、反戦のために立ち上がった7人の運命は。

世界中が眉唾を飲んで行方を見守った裁判の判決は。

 

 

 

 

あらすじ

 

1968 年、シカゴで開かれた⺠主党全国⼤会。

 

会場近くでは、ベトナム戦争に反対する市⺠や活動家たちが抗議デモのために集結。

当初は平和的に実施されるはずだったデモは徐々に激化していき、警察との間で激しい衝突へと発展。

 

デモの⾸謀者とされたアビー・ホフマン(サシャ・バロン・コーエン)、トム・ヘイデン(エディ・レッドメイン)ら 7 ⼈の男〈シカゴ・セブン〉は、“暴動を煽った”罪で起訴されてしまい、歴史に悪名をとどろかせた《類を⾒ないほどの衝撃的な裁判》が幕を開けることに。

 

果たして、反戦のために⽴ち上がった 7 ⼈の男たちの運命はー?

そして、世界中が固唾を飲んで⾏⽅を⾒守った裁判の⾏⽅とは?(cinamacafe.netより抜粋)

 

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監督

本作を手掛けるのは、アーロン・ソーキン。

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スピルバーグが監督をし、ソーキンに脚本を依頼したそうですが、ストにより中断。

長い年月をかけ、ようやく制作費が集まったことで、本人自ら監督として手掛けたという経緯があります。

 

元々戯曲や脚本が本業の彼なので、彼が手掛けた作品は、とにかく「セリフ」が多いです。

「ソーシャル・ネットワーク」や「スティーブ・ジョブズ」は、もろにソーキン節なセリフの量で、字幕を追うのが非常に大変でしたw

とはいえ、言葉のリズムというかテンポが心地よかったりもするので、見る側のコンディションが良いと、すらすらと入ってくるんですよね。

 

彼が監督として手掛けるのは、本作が2作目。

デビュー作「モリーズ・ゲーム」は、ケガを負ったことでオリンピックの道を絶たれてしまった主人公が、ポーカーゲームの運営にハマるも、FBIに目をつけられてしまう実話。

この話をソーキンが、破滅していく姿とその裏側をスリリングに描き、父との修復を絡めながらきれいに折りたたんでいくサスペンス映画でした。

 

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 僕がこの映画で最も印象的なのは、イドリス・エルバ演じる弁護士と、ジェシカ・チャスティン演じるモリーが事務所で口論していくシーン。

 

最初こそ緩い会話だったのが少しづつヒートアップし、まるで舞台を見ているような臨場感をうまく演出していて、あぁすごくソーキンぽい映画だなぁと感じた瞬間でした。

 

本作もいわゆる「法廷劇」であることから、この1シーンのようなヒートアップする展開が待っているように思えます。

 

アカデミー賞の有力候補として挙げられている本作。

ソーキン2作目にして初の作品賞を獲ることができるのでしょうか。

 

 こちらもどうぞ。

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キャスト

シカゴ・セブンの一人、アビー・ホフマンを演じるのは、サシャ・バロン・コーエン。

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いろいろな作品でぶっ飛んだコメディ演技を見せてくれる彼ですが、予告編を見る限り、いわゆる不真面目というかバカ演技は見えません。

もしかしたら裁判でとんでもないことをするのか?

 

という意味で、彼がこういう作品に出演するのが意外です。

バカバカしいコメディ映画が作りづらい時代になったせいか、方向転換でもしだしたのでしょうか。

 

そんな彼の代表作をサクッとご紹介。

お下劣キャラが政治の世界を舞台に大暴れするおバカコメディ「アリ・G」でブレイクした彼は、カザフスタン国営テレビの看板レポーターというキャラに扮した彼が、アメリカ市民にゲリラ取材を敢行し大騒動を起こしてしまうコメディドキュメンタリー「ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習」で、国際問題にまで発展してしまいます。

 

過激なユーモアを得意とする彼が次に挑んだのはアフリカの独裁者を主人公を描いたコメディ。

国連での演説のために渡米した彼が、街に放り出され思わず大冒険をしでかす過激なブラックコメディ「ディクテーター 身元不明でニューヨーク」などがあります。

 

もちろん普通の娯楽映画にも出演。

世界中で愛されるミュージカルを映画化した「レ・ミゼラブル」や、1930年代のパリを舞台に、駅の時計台に隠れ住む少年が機械人形の謎を追う姿を、美しい3Dで描いた「ヒューゴの不思議な発明」、大人気映画の続編で、心を閉ざしたマッドハッターを救うため、時間を遡絵う冒険に繰り出す「アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅」などに出演しています。

 

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他のキャストはこんな感じ。

シカゴ・セブンの一人、トム・ヘイデン役に、「博士と彼女のセオリー」、「ファンタスティックビーストと黒い魔法使いの誕生」のエディ・レッドメイン。

ブラックパンサー党の委員長、ボビー・シール役に、「グレイテスト・ショーマン」、「アクアマン」のヤーヤ・アヴドゥル=マティーン2世

シカゴ・セブンの一人、ジェリー・ルービン役に、「ザ・ジェントルマン」、「パークランド ケネディ暗殺、真実の四日」のジェレミー・ストロング

連邦司法検事、リチャード・H・シュルツ役に、「ザ・ウォーク」、「(500)日のサマー」のジョセフ・ゴードン=レヴィット

裁判長、ジュリアス・ホフマン役に、「ドラキュラ」、「フロスト×ニクソン」のフランク・ランジェラ

弁護士、ウィリアム・クンスラー役に、「ダンケルク」、「レディ・プレイヤー1」のマーク・ライランス

ブラックパンサー党の指導者の一人、フレッド・パンプソン役に、「ルース・エドガー」、「WAVES/ウェイブス」のケルヴィン・ハリソン・Jr.

前司法長官、ラムゼイ・クラーク役に、「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」、「スポットライト 世紀のスクープ」のマイケル・キートンなど豪華キャストが出演します。

 

 

 

 

 

 

時代を大きく動かしたとされる「シカゴ・セブン」を、監督がどのように描くのか。

また演技派で固めた豪華キャストの共演も見どころです。

ここから鑑賞後の感想です!!

 

感想

やべぇ!むちゃんこ面白れぇ!

あまりにも理不尽な裁判、立ちはだかる幾多の壁、被告たちの軋轢、原点に立ち返るラスト!

ただの法廷劇でなくポップでスピーディーな編集と構成による見易さ!

アカデミー賞獲っちゃうんじゃないこれ⁉

以下、ネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

ソーキン節が冴えわたっていた!

ベトナム戦争への徴兵制に異を唱える若者らによる平和的な抗議デモが一転し、警察とデモ団体との暴動と化し、それらを煽った罪と共謀した罪で裁かれてしまう7人の被告たちが、後ろで手を引く黒幕の影を見せながら公平性に欠ける裁判長の一方的な公判により劣勢を強いられていくも、活路を見出そうと必死に抵抗する姿を、多くのセリフや描写がありながらも、ポップな音楽とスピーディーな編集、時折挟まれるユーモアや回想シーン、過去の映像、シカゴセブンらによる仲間割れの模様など、法廷劇でありながらどこか群像劇の姿も垣間見え、ラストの爽快感に思わず腕を上げたくなる、エンタメ法廷劇でした!!

 

 

…相変わらず感想の冒頭で一気にまとめていってしまいがちの当ブログ。

鑑賞後、ここまで興奮するのも久々でございます。

 

アーロン・ソーキンの得意な手法は、戯曲的な脚本でありながら物語をハイテンポかつハイスピードで進んでいく物語だと思うんです。

正直言いますと、字幕を追うのにはついていけるんですが、小難しい単語やら説明がハイスピードで入ってくると、ついていけなくなります…。

 

なので、私、この話を半分程度しか理解できてませんw

 

しかしそれを差し引いたとしても面白かったぁ!

 

こう思わせてくれるのは、ソーキンおなじみの観衆置いてけぼりな歴史的背景をダイジェストでどうぞ!的な冒頭や、各登場人物の性格や立ち位置を手際よく見せていく序盤の流れを、テンションの上がるホーンセッションやスリリングなBGMで見る者の心を掌握させていく手法。

 

他にも出演者がキャラが立っていることや、アメリカ中がこの裁判に沸き立つほど注目を浴びいているにも関わらず、部屋の中での絶対君主に誰も逆らうことができない、圧倒的不利な状況という辛さから、どんどんドラマチックな展開へと誘ってくれるわけです。

 

もう劇中では、被告たちを幾度も幾度も壁が立ちはだかるわけです。

希望を見出すことができると、すぐさま壁が聳え立ち潰されていく。

暗闇の中で何度ももがいて、ようやくたどり着いた光なのに、独裁者にも見える権力の壁は恐ろしいほど高く険しく頑丈で、尚且つ見えないことろから出てくるという厄介さ。

 

観てるこちら側は、冒頭から序盤にかけて描かれてきた暴動の一連の流れを知っているわけですから、シカゴセブン側で見ることになると思うので、何度も希望から絶望に落とされる瞬間に立ち会いながら一喜一憂していくわけです。

 

また判事がね!まぁ~クソ野郎でクソ野郎で!

どうしようもねえジジイだなこいつ!と、はらわた煮えくりかえるほどいい味出した敵なんですよ。

 

弱い立場の人間が絶対的強者に何度も立ち向かい、勝利を収めていく物語が大好物の私にとっては非常に大好きな展開なのであります。

まさかこのような展開を含んだ法廷劇だとは思ってもなく、ソーキンにやられてしまいましたw

 

 

おそらく最初の段階通りスピルバーグが手掛けたら、「ペンタゴンペーパーズ」のような淡々と描かれていきながらも重々しいドラマになったでしょうけど、今回ソーキン本人がメガホンをとった選択はこれはこれで正しかったと、強く言いたいです。

 

 

また偶然にもアメリカの「ブラック・ライブズ・マター」や香港でのデモ、ベラルーシでの大統領選挙での不正疑惑に対しての抗議デモなど、世界各地であらゆるデモが行われていることと重なる物語でもあるということ。

 

巨大な権力に我々はどう立ち向かうべきなのか。

 

60年前から何も変わっていないこと、歴史が繰り返されていること、暴動が進化してしてしまっていることに対し警察側も容赦ない姿勢になってしまっていることなど、抗議すること自体自由なのに武力で抑えようとする体制側のやり口に疑問と怒りが沸くのですが、まず考えなくてはいけないこと、原点に帰るということを本作は教えてくれたと思います。

なぜ我々は抗議するのか、きっかけは何だったのか。

 

体制側に常に疑問を持つこと、彼らが決める方針を監視すること。

自由を訴えれば「未来」は変わる。

そんなことを感じさせる物語でした。

 

判決は調べればわかることなので伏せますが、映画の中ではある種の劇的な勝利を収めた瞬間の感動をぜひ味わっていただきたいです。

 

 

歴史的な背景

本作は登場人物が非常に多いことや、政治裁判と称されるほどとてつもなく大きな裁判のために背景が山盛りなのであります。

 

それらを少しでもインプットしておくと、さらに楽しめる内容になっていると思うので、できるだけ簡単にまとめたものを解説しようと思います。

 

 

まず当時のアメリカについてですが、1968年はジョンソン政権真っただ中。(冒頭のTV中継で出てた人)

キング牧師が凶弾され、ロバートケネディも凶弾されるという物騒な世の中に加え、国は戦争に行けムード。

 

そんなアメリカを率いてきた彼は、ベトナム戦争により拍車をかけるために徴兵制度を用いて兵士の派遣の数を一方的に増やしていきました。

国の方針に逆らえば処罰が与えられてしまうような中で生まれたのが、本作のシカゴセブンのような反対派たちでした。

 

反対派はシカゴで行われる民主党全国大会で、大規模なデモを行おうとしていました。

7人、ないし8人は3つの別々の団体のリーダー格でした。

 

サシャ・バロン・コーエン演じるアビーと、ジェレミー・ストロング演じるジェリーは、イッピーと呼ばれる青年国際党のリーダー。

見た目はラブアンドピースなヒッピー集団の風貌で、ユーモアたっぷりに演説をしながら支持者を集めます。

のらりくらりしてそうですがしっかり反戦を訴えてました。

 

エディ・レッドメイン演じるトムと、アレックス・シャープ演じるレニーは、民主社会学生同盟(SDS)の一人。

アビーたちとは逆で、どちらかというと大学生らしい真面目な装いですが、反戦を謳いながらもそれは二の次で、まずは選挙で勝つことが目標という姿勢。

 

ジョン・キャロル・リンチ演じるデヴィッドは、ベトナム戦争終結運動(MOBE)という、彼らとは違う団体に属していた模様。

性格なのか信条なのかはわかりませんが、劇中では息子から「もし警察から暴力を振るわれたら」という質問に、あくまで平和的なデモをするんだから暴力をされることはない、礼儀正しくしていれば問題ないと、一貫して平和的な抗議をすることを主張してしました。

 

そして8人目とされるのがブラックパンサー党の全国委員長、ボビーです。

他の団体とは違い白人たちとは人種が違う傍ら、黒人のために闘争や運動をしていた政治組織。

実際ボビーは、たまたまシカゴに4時間いただけということから、彼らと同じ裁判にかけられていきます。

 

 

彼らは思想は違えど、反ベトナム戦争派として共鳴し、シカゴへ集結したとされています。

 

公園でのデモ活動の許可が下りなかったものの、彼らは公園に集まって抗議デモをしているんですが、シカゴ市長のデイリーの命令によって公園の周りを警察で固められてしまい、一色触発状態に。

 

トム・ヘイデンが逮捕されると、彼の釈放を訴えるために皆で警察署まで声を上げながら街を闊歩していきますが、これも見事に警察の術中にはまり、公園に引き返すことに。

公園に戻ると、そこにも警察たちが。

そして誰かの一声によって、ついに暴動と化してしまいます。

 

3つの団体の代表である7人は、抗議デモから暴動と化した事件の首謀者として、共謀罪と扇動の罪によって起訴されてしまいます。

 

 

彼らの裁判が行われる頃にはニクソン政権へと変わっており、司法長官はジョン・ミッチェルに変わっていました。

彼は大統領の命を受け、何としてでもこの裁判を勝利したいために、当時連邦司法検事のシュルツを招聘します。

「彼らを30代になるまで刑務所に入れておけ」

政府に従わない者たちは、非国民だ。

そんな奴らに我々の決めたことを邪魔させない。 

 

とも取れる、恐ろしい言葉。

 

シュルツは今回の裁判での勝利が非常に難しいことを伝えますが、ラップ・ブラウン法(多分、暴力扇動共謀罪)を使って初の判例を作れと命じられます。

 

 

舞台と観客を用意し整った、アメリカ中が見守る裁判は、半年かけて行われます。

 

判事は保守派として知られるジュリアス・ホフマン。

裁判の判決はすべて彼の裁量に委ねられていることから、被告側は圧倒的に不利な状況。

しかもボビー・シールは代理人がおらず、シカゴ・セブンの弁護を担当する人権派のクンスラーは彼を弁護できない立場。

 

 

陪審員を味方につけるよう弁論で仕向けていきますが、勘づいた体制側は、被告側に付こうとしている6番と11番を除外するよう暗躍します。

それはブラックパンサー党から陪審員の家族あてに脅迫めいた手紙が送られてきたという内容。

本件に対してまったく調査をしないという異例の状況の中、家族が脅されているとなれば公平に裁くことができないということで、彼らは除名されてしまいます。

 

せっかく味方につけられると思っていたのに、見事に裏をかかれる事態。

 

さらには、判事の独断で陪審員を法廷に入れない措置をとったり、抗議デモの中に警察官やFBI捜査官を潜入させ暴動を引き起こそうとしていた事実。

 

さらにさらに最後の切り札とされた前司法長官クラークを証人台に立たせるところまでこぎつけたクンスラーでしたが、「今回の事件は基礎に値しなかった」事実や、「大統領からデモを暴徒化させろと言われた」などの証言自体が機密事項にあたるとされ、裁判記録にされない事態。

 

そして代理人のいないボビー・シールが自身で反論を述べたいと主張するも、判事の一方的な差別により発言を許さない命令や、反発する態度に幾度も侮辱罪を適用。

しまいには手足に手錠をはめ猿ぐつわまでさせる行為にまで及んでしまうことに、さすがの原告側のシュルツもこれはやりすぎだと主張。

 

全ての権力を握っている判事、そしてその裏で糸を引いている政府の陰謀に、なすすべのない被告側のシカゴ・セブン。

 

極めつけは、デモの最中レニーが警察官から暴力をされたことに怒りをあらわにしたトムが、暴動を煽る旨の発言をしたテープが検事から送られてきたことで、完全に勝ち目なしの展開になっていきます。

 

 

ここでは、思想の違うトムとアビーのいざこざの後、このトムの行為を擁護するアビーとの間に不思議な絆が生まれた瞬間でもありました。

 

真面目に反戦を訴えるも選挙に勝たねば意味がないと考えるトムは、汚い格好で笑い話ばかりするアビーが、反戦の象徴になっていることに腹が立ってました。

しかしアビーは、金を集めるための口実としてコメディアンのような演説を行っていたと主張。

テープの弁解をするトムに変わって、ユーモアを交えた切り返しをするアビーが、トムの代わりに証言台に立つことになります。

 

シュルツからの質問で、うまい返しをするアビー。

遠回しに答えるも、彼の言葉の中には静かな怒りが感じられる。

表層はふざけているように見えるが、会見では命を掛けて抗議をする姿勢を見せていた彼の本心が垣間見える。

 

 

クンスラーも判事の独裁的なやり口に何度も反抗的な態度を示しますが、活路を見出せず、何度も侮辱罪を適用されてしまいます。

 

果たして、彼らは裁判で無罪を勝ち取ることができるのか。

体制に打ち勝つことはできるのか。

 

…というのが本作の歴史的背景とおおまかなあらすじでした。

背景が間違ってたらすいません…。

 

最後に

感覚でしかない感想と、本作に絡めての浅はかな解説程度の内容になってしまいましたが、本作は非常に面白くできてます。

特にラストは感動的です。

 

判決を読み上げる前に、被告を代表してトムが意見を述べる機会を与えられるのですが、述べる前に判事がしっかり反省していたら判決をやさしくするかもよ~?みたいな感じで、どうするかはき・み・し・だ・い!みたいなこと言うわけですよ。

トムはわかりました、あなたの言うとおりにしますといって最後の言葉を言うんですが、これがなんとも素晴らしいわけです。

大喝采です。

 

もしかしたら良くも悪くもアメリカ的な感じで終わるかもしれない。

けれどもこの圧倒的不利な状況で、今自分たちができることをシカゴセブンがしっかり意思疎通して読み上げる言葉は、試合に負けて勝負に勝ったというべき結末。

 

思想や価値観は微妙に違えど、彼らが掲げる大義名分は同じ。

なかなか歩調の合わなかったシカゴセブンが、一つになる瞬間。

観終わった後、右腕を上げたくなります。

立ち上がって拍手したくなります。

 

僕としては「今を生きる」のラストを思いだす感じでした。

 

 

また演者の演技も非常に魅力的。

物語にユーモアを与えるサシャの余裕な表情や、根はまじめのくせに人一倍カッとなりやすいエディ、ふわふわしてそうだけどしっかり被告側の気持ちを代弁するマーク・ライランス。

JGLも個人的には後ろ向きな態度だったり疑問を持ちながらも、仕事はきっちりやる姿勢、そして自分が抱いた気持ちは間違ってないと確信する結末の態度。

ほんのちょっとの出番だけど証言台に座るや否や、画面を制圧してしまうマイケル・キートンの説得力。

ヤーヤのボビー・シールも一見怖そうな感じがすごくよく出ていたし、判事役のフランク・ランジェラがマジで憎くてしょうがない、聞き分けのないジジイを熱演しておりました。

 

彼らがしっかり間を取ったり、セリフの応酬をすることで、物語に熱が加わって面白くさせてるんですよね。

 

とにかく法廷劇だから難しいってのはしょうがないと思うんですけど、そう思わせないような工夫をしっかりソーキンが作ってるんですよ。

これがエンタメ性を際立たせてて、2時間ちょっとがあっという間です。

来年のアカデミー賞有力候補といわれるのも、テーマ性含めて理解できるかと。

非常に面白かったです!

というわけで以上!あざっしたっ!!

満足度☆☆☆☆☆☆☆☆★★8/10