モンキー的映画のススメ

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主に新作映画について個人の感想、意見を述べた文才のない男の自己満ブログ

映画「インクレディブルファミリー」感想ネタバレあり解説 ママは外、パパはウチでヒーローになる。

インクレディブル・ファミリー/インクレディブル2

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キャッチコピー、いいですよね。

「家事!育児!世界の危機!」って。

この物語が一体どんな内容なのか、見事にまとめてくれてます。

 

超能力を持った家族を描いたお話で、今回は子育てになれないパパの奮闘と、世界の危機を同時進行で描いていくんでしょう。

 

一応家族の物語だけどヒーローモノってことで、僕の大好きな分類てこともあって期待したいですね。

というわけで早速観賞してまいりました!!!

 

作品情報

 世界中の人々を魅了してきたディズニー・ピクサーアニメーション。

その記念すべき長編20作目の今作は、前作からおよそ14年ぶりのヒーロー家族の物語。

 

これまでモンスターだったり、オモチャだったり、魚やといったモノを擬人化し楽しませてくれたピクサーが、あえて人間や彼らが住む社会をテーマにし、そこに超能力を持つ元ヒーロー家族という設定を加えることでエンタテインメントに仕上げた前作。

 

今作では、伝説のヒーローであるボブが、任務のために出動してしまった妻のヘレンの代わりに子育てに奮闘するという話から世界の危機へと発展していく。

実写アクションなどにも挑戦し成功を納めた監督の代表作、果たして家族の運命は!?

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あらすじ

 

ヒーローたちの驚異的なパワーは人々の生活にダメージを与えてしまうことがあるため、今はその活動を禁じられ、能力を隠して生活していた。

 

かつてのヒーロー界のスター、Mr.インクレディブルこと怪力パパのボブ(声:クレイグ・T・ネルソン)もその一人で、彼の家族もスーパーパワーを持つヒーロー一家だった。妻ヘレン(ホリー・ハンター)はゴムのように伸縮自在のボディを持つイラスティガール、長女ヴァイオレット(サラ・ヴァウエル)は身体を透明にしたり鉄壁のバリアを張ることができ、長男ダッシュ(ハック・ミルナー)はハイスピードで走ることができる。そして、能力未知数の赤ちゃんジャック・ジャックもいた。

 

そんなある日、地底からアンダーマイナーが出現。

活動禁止のルールよりも人々を守ることを優先したMr.インクレディブルとイラスティガールが街を救う。

しかし、戦闘中にビルを破壊したため、感謝されるどころか警察で事情聴取されてしまう。

現実の厳しさを知ったヘレンは、仕事を見つけて家計を支えようと決意する。

 

一方ボブは、ヒーロー復活の夢を追い続けていた。

そんなとき、復活をかけたミッションが舞い込む。しかし任されたのは、建物などを破壊する恐れのないヘレンだった。

ボブはショックを隠し、ヘレンの代わりに家庭を守ることを約束するが、慣れない家事や育児に悪戦苦闘。

おまけにジャック・ジャックのスーパーパワーが覚醒し、振り回されたボブは疲労困憊に。

 

そのころ、イラスティガールは“ある事件”に遭遇していた。

リニアモーターカーが暴走したかと思えば、テレビ番組がジャックされる。

乗客たちを救った彼女は、人々を操る、スクリーンスレイヴァーと名乗る謎の存在に辿り着く。

そこには、世界を恐怖に陥れるさらなる驚愕の陰謀が待っていた。ヘレンの身にも危険が迫り、異変に気づいたMr.インクレディブルが駆けつける。

さらに、両親の危機を知ったヴァイオレットとダッシュも、ジャック・ジャックを守りながらある決意をする。(Movie Walkerより抜粋)

 

 

監督

今作を手がけるのは前作に引き続きブラッド・バード監督。

 

彼の作風を僕なりにまとめてると、大人になった僕らに子供心を思い出させてくれるような物語が多いかなぁと。

 

初めて実写に挑戦した「ミッションインポッシブル/ゴーストプロトコル」だって、テーマ曲をオリジナルに近い感じにしたのだって、これからどんな物語になるんだろう!ってワクワクするつくりになってたし、全編とおしてピンチの連続で、ほんとハラハラするし。

 

他の作品もそうだけど、こんな感じで夢中にさせる要素をいっぱい詰め込んでるから、大人でも童心に帰れるような映画を作り続けている方かなぁと。

 

そんな監督の作品をサクッとご紹介。

ニューヨーク東8番街の奇跡」の製作や、TVアニメ「ザ・シンプソンズ」に数年間携わった後、小さな少年と謎の巨大ロボットとの交流と顛末に涙無しでは見られない感動の傑作アニメ「アイアン・ジャイアント」を初監督。

 

批評家からの熱い評価に対し興行は振るわずだったデビュー作の後、かねてより交流のあったジョンラセターにより、ピクサーでのアニメーション製作へと入ります。

そして作られたのが「Mr.インクレディブル」。アカデミー賞長編アニメ賞を受賞する快挙を成し遂げます。

 続く作品もディズニーで製作。

パリを舞台に、シェフを夢見るドブネズミと料理の苦手な見習いシェフが奇跡を起こす「レミーのおいしいレストラン」を製作します。

 

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 そして「ミッション・インポッシブル/ゴースト・プロトコル」の監督に抜擢。

主演のトム・クルーズは自身の作品をプロデュースしている傍ら、毎回興味のある監督に依頼することが有名で。

アニメーション作品しか作ったことのない彼を抜擢するのは当時驚きでした。

 

その後も人類の命運を託されたヒロインが、不思議な少女と中年の男と共に大冒険を繰り広げる「トゥモローランド」などがあります。

 

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キャラクター紹介

 

  • ボブ/Mr.インクレディブル(声:クレイグ・T・ネルソン/三浦友和

怪力パパ

 妻のヘレンと子供たちを愛する、心優しいパパ。ヘレンがミッション遂行中のため、慣れない家事・育児に悪戦苦闘。 かつてヒーロー界のスターだったが、活動が禁止されている今なお、ヒーローであることに誇りを持ち、復活の夢を追い続けている。

 

パワー:車を軽々と持ち上げ、猛スピードの電車を止められるほどの怪力の持ち主。

 

  • ヘレン/イラスティ・ガール(声:ホリー・ハンター/黒木瞳

ゴム人間ママ

ボブの良き妻で子供たちの良き母親。優しくて強い、しっかり者の女性。普通の仕事を探して家計を支えようと考えていたある日、思いがけずにヒーロー復活をかけたミッションが舞い込み、ボブに留守を託して任務につくことを決意。

 

パワー:身体をゴムのように伸ばしたり縮めたり、薄くできる。パラシュート等どんな形にも自由に変えることができるイラスティガール。

 

  • ヴァイオレット(声:サラ・ヴォーウェル/綾瀬はるか

鉄壁バリアガール

一家の長女。ちょっぴりシャイだが意志の強い女の子。ヒーロー一家に生まれた運命や恋に悩むこともある。パパとママの危機を知ったとき、ジャック・ジャックを守りながら、ある大きな決意をする。

 

パワー:自分たちの周りにドーム状や球体状のバリアを張って、攻撃をはね返したり、身を守ったりすることができる。自分の身体を透明にすることもでき、敵の目から隠れたり、敵を翻弄したりもする。

 

  • ダッシュ(声:ハック・ミルナー/山崎智史

超高速ボーイ

 一家の長男でヴァイオレットの弟。元気いっぱい、好奇心旺盛でおしゃべりな10歳の少年。パパやママに反抗したり、姉・ヴァイオレットと喧嘩したりするけど、家族のことが大好き。

 

パワー:時速300㎞という超高速で走り抜けることができるスーパーランナー。その動きは、ビデオカメラでも捉えられないほど速く、水上を走り抜けることさえできる。

 

  • ジャック・ジャック

 能力未知数?!家族のアイドル
家族みんなに愛され守られている末っ子で、一家のアイドル的存在。好奇心いっぱい、怖いもの知らずの活発な赤ちゃん。その無邪気な笑顔を見れば、どんな人でも幸せな気持ちになる。

パワー:無邪気に放つ過激なパワーはボブにもコントロール不可能。おむつを叩いたら目からビーム、空中浮遊や分身の術も!

 

  • フロゾン(声:サミュエル・L・ジャクソン

 Mr.インクレディブルのヒーロー仲間
ボブ<Mr.インクレディブル>の古くからの親友。

パワー:空気中の水分から氷を発生させたり、指先から発射する冷気で、瞬時にしてすべてのものを凍らせることができる。ウィンター・スポーツの達人。

 

  • エドナ・モード(声:ブラッド・バード)

 カリスマ・デザイナー
 ヒーローのスーツを手がけるデザイナー。パリコレの常連で、そのデザインは独創的。仕事には高いプライドを持ち、いつでも自信満々で、どんなヒーローよりも態度が大きい。日本人とドイツ人のハーフ。

 

  • アンダーマイナー(声:ジョン・ラッツェンバーガー

 

 誰よりも深い地底に棲む。超巨大掘削ドリルに乗って地中から出現し、道路を破壊したり街の人々を危険な目にあわせたりとやりたい放題。その場に居合わせたボブたち家族が、ヒーローとして立ち向かう。

 

前作のおさらい

 

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 ピクサー初の人間キャラが主人公の作品。

引退したヒーローとその家族が世界の命運をかけて立ち上がる姿をユーモラス且つハートフルに描く。

 

15年前にその桁外れの破壊力が問題視されヒーロー活動禁止となり、現在普通に暮らし力を持て余しているボブたち家族。

一方その頃、巷では元ヒーローたちが次々と行方不明になる不穏な事件が続発していた。

そんな中、インクレディブル一家にも陰謀の影が迫っていた…。

 

シビルウォー」でも扱われた、単独行動の自警的ヒーローを組織の監視下におくという風潮。

悪を倒し庶民を助けることはもちろんいいこと.

だけど、その後の二次被害は誰が責任を取ってくれるのか。

破壊された建造物、事件に巻き込まれてしまった無関係の人たち。

 

その声は大きくなり、結果特別だった存在は必要とされなくなった。

その後冴えない日々を送るパパ、現実を受け入れ普通の日々を送ママ、普通になりたい娘、特別であることを披露したい息子。

 

ファミリーの思いや葛藤をキチンと伏線に置き、過去の行動が思いも寄らぬ悪を生み、ひとりではなくチームであること=家族であることの素晴らしさをものすごくいい塩梅でエンタメ映画にした快作でした。

 

これを経てミッション・インポッシブルに繋がったのかと思うようなアクションと音楽。

とにかくテンポがいいですよね。

事件がおきる前の退屈な日常といったドラマの場面ではスローペースで、ふとアクションが始まればダイナミックに、そして家族にピンチが訪れるときは緊張を最大限に煽る演出。

完全に心を持っていかれました。

 ほぼ能力が似ているファンタスティック・フォーとかこういう風に作ればよかったのにw

 

 

 

 

 

 

 さてさて前置きが長くなりましたが、前作から何年後、とかではなく、そのまま続きをやりそうな予感です。

ジャックジャックの覚醒と、地底からの新たなる敵で終わってるのでそこから始まりそう。

ここから観賞後の感想です!!!

 

感想

アニメーションだからできる軽快でアップテンポなヒーロー活劇に大興奮!

問題提起もこれは怖い。

が、どうもしっくりこない部分も。

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

純粋に楽しいよね。

ヒーロー活動禁止の法律を変えようと活動する支援者の手助けにより、新に現れた敵と戦うヒーロー家族の姿を中心に、アニメーションだからこそできた柔軟でしなやかな動きを表現し、ヒーローアクションとして楽しませる娯楽要素満載な映像である一方で、子育てに奮闘するパパ、女性が社会で活躍することの悦びといった現代社会の課題、そしてメディアが発信する報道や宣伝に、どれだけ我々が依存しているか誘導されているかという問題提起を物語に組み込んだ意欲作でございました。

 

 

率直な感想としては前作以上に純粋に楽しめる作品でした。

 

暴走するドリル戦車を必死に止める家族たちの能力全開の奮闘ぶり、強力な後ろ盾を得て単独で高速列車の暴走を食い止めるイラスティガール、敵のアジトに潜入し狭い部屋の中でアクティヴに戦う格闘シーン。

極めつけは船の暴走を止めようとするクライマックスでの家族たちの激闘を、冒頭のアクションと被せてくるあたりはお見事だしテンポの良さは抜群。

 

これ実写でやったらCGに相当お金がかかるであろう超能力アクションを、アニメーションによって実現させたことが素晴らしい

ホーン隊中心で構成されたBGMがさらに楽しさを助長させ、心をつかんで離さない。

 

 

あとはガジェットね!

イラスティガールの能力を最大限に発揮できる電動バイクは最高!

高速列車を追いかけるシーンでは、狭いところや道路を逆走せざるを得ない場所、ビルとビルの間を飛び越えていかなければいけない時に、前輪と後輪を切り離し、イラスティガールの身体を伸ばすことで回避したり柔軟に対応できる仕組みになっていて、観ていて爽快!

 

他にもMr.インクレディブルがかつて乗っていた車も今回再び登場。

前作で明かされなかった車の性能が今回フル活用されていて、これまた最高!

リモコン操作、オートドライビング機能、音声認識、潜水艇、運転席から飛び出すように脱出可能な仕組みなどなど、007で登場したボンドカーのすべての性能を全部網羅した様な車でした。

 

監督分かってるよなぁ!

 

既視感のあるようなアイテムやアクションなんだけど、あくまで「実写映画」の話。

アニメーションだとあまりこういうの見たことない。

 

しかもスパイ的要素と超能力を融合することでアクション活劇の高みを見せ、実写では描くことが難しい部分をアニメーションにって映像化することで、ハイブリッドな娯楽を提供してくれてる。

アクションに関して言えば、ザ・男の子大好きムービーでしたよ。

 

お母ちゃんの喜び、お父ちゃんの奮闘。

前作ではヘレンに隠れてこそこそ鍛えてヒーローとしての単独行動にほくそえんでいたパパ・ボブでありましたが、今回は彼ではなくヘレン=イラスティガールが活躍します。

 

ヒーロー活動禁止法を無くし、かつてヒーローが溢れた時代に戻そうと水面下で動く通信会社の社長は、ボブとヘレン、フロゾンに声をかけるところから物語は動き出します。

これまで市民たちは、ヒーローたちが街を壊し捕まる映像を見たことで、ヒーローなんかいらないと思い込み、禁止法に賛成するようにされてきた。

 

逆にヒーローがどういう経緯で敵と戦うかを映像として記録し見せることで、考えを変えてもらおうと計画するんですね。

 

ただ、これをボブにやらせると街を破壊する部分が多くなってしまうから、ということでヘレンにお願いするわけです。

 

 

今までヒーロー活動をやめるべきと現実的で堅実な考えを持っていたヘレンですが、いざヒーロー活動を再開すると、かつてヒーローとして奮闘していた時の活き活きとした自分に気付き、溢れんばかりの喜びに浸る姿が描かれています。

 

 

女性は結婚し子供が出来たら家の事だけすればいい、なんてのはもう古い!

女性だってホントは仕事がしたいんだ!やりたいことをやりたいんだ!

まさに今の女性たちの声をヘレンを通じて伝えていたわけです。

 

 

実際に家のことが心配で夜中にボブに電話するシーンでは、アタシ一人で列車の暴走を食い止めたのよ‼サイコーーーーー!!!と喜びを伝えているのが印象的でした。

 

 

そんなヘレンとは一転、これまで家の事を任せっきりにしてきたボブに試練が訪れます。

外でヒーロー活動する妻の代わりにボブは家の事をすることになるのです。

 

最初こそ「自分がやるべきだ!」と主張していましたが、ヘレンが活躍しヒーローに対する世論が変われば自分にも再びチャンスが来ると考えたボブは、「家の事は任せろ」とヘレンの背中を押してあげるんですね。

 

 

しかし、いざ家事をやると問題が山積み。

算数が苦手なダッシュにアドバイスするも、子供にはわからないやり方で問題を解いてしまい、ダッシュのためにならず。

 

ボーイフレンドとのデートをすっぽかされてふてくさ、れ八つ当たりするヴァイオレットをどう宥めていいかわからず。

 

オマケにジャック・ジャックの能力が覚醒したことに喜ぶのはいいが、あまりの能力の多さと予測不可能な能力の発動に夜も眠れずじまい。

とうとうギブアップ寸前に陥ります。

 

 

男の家事の苦悩と苦労と奮闘ぶりを面白おかしく描いてるんですね。

 

偉いのは、それを投げ出すことなく妻に押し付けることなく、ひとつひとつの問題を解決法を自分なりに見つめ考え見出し実行する姿。

そしてお家でもパパはヒーローになっていくのであります。

パパの姿に子供たちも理解し始める表情は素敵な光景でしたね。

 

 

ジャックジャックの予測不能な能力発動ってのも、生命力の塊だとエドナが言っていたように、赤ちゃんは何をやり出すかわからないってメタファー。

目からビームが出た!とか火を放った!壁をすり抜けた!異次元で移動した!みたいなのって、いわゆるハイハイから立った、歩いた!みたいなことの例えだよなぁと。

それを見たボブの喜びと慌てぶりをこのシーンでは描いていたと思います。

 

 

今作の問題提起。

前作よりもメッセージ性が強いと感じた今作。

 

男性が育児と家事を、女性が職場復帰という部分に加え、今回我々はメディアからどう影響を受け扇動されているか、超能力=便利なものに頼りすぎていないか、というのを敵であるスクリーンスレイヴァ―を通じて投げかけていたように思えます。

 

もうね、敵の名前がスゴイですよ。

スクリーンスレイヴァ―ですよ?

画面の奴隷商人ってことですかね。

 

彼は画面を通じて市民に催眠をかけて混乱させようと暗躍してくんです。

それをヒーロー家族がどう食い止めるか、というのが今作の焦点になるんです。

 

 

彼はこういいます。

お前たち市民はテレビで流れるヒーローの活躍を見れば見るほど彼らに頼り、気が付けばヒーローになったつもりでいる、と。

彼らに街の事をやらせておいて自分たちは何もしない、そのニュースを見てただ消費してるだけ、それでいいのか?と投げかけてくるんですね。

 

力のある者たちに任せ何もしない市民を皮肉ると同時に、催眠をかける=洗脳するという行為から、テレビでの報道や情報によって我々を扇動してるという警鐘を鳴らしているようにも見えます。

 

実際にヒーロー活動禁止法を無くすため、通信会社の社長はメディアを通じて、視聴者に意識的にヒーロー不要論を無くそうと誘導しています。

 

 

我々はスマホやテレビ、パソコンなど画面を通じて大きな恩恵を受けてきました。

遊ぶこともできるし、物を買うこともできる。

テレビやネットから様々な情報が溢れ感化される。

 

便利な世の中になったけれど、気が付けば人を見るのでなく画面と向き合うことが多くなってしまっている。

画面に依存している。

 

画面を通じてゲームの主人公になり切る、テレビに出ているコメンテーターになったつもりでいる。

さらには画面に目を奪われ考えることを止め、依存してしまっている、そんな時代になってしまっている。

 

ヒーローの力に任せっきりでメディアに依存する我々を、敵を通じて訴えていたように感じます。

 

現代の問題をしっかりエンタテインメントに取り入れるディズニーならではの皮肉と問題提起だったんではないでしょうか。

 

そんな問題を出しておきながら。

このように、アクションを筆頭に現代に起きる様々な問題を組み込んだ見事な作りになってます。

 

しかし、明確な答えを出さずに終わってしまった気がします。

これだけ現代の問題を取り入れておきながら、ただのヒーローアクションで片づけてしまってるんですね。

 

ヘレンが外で活躍する姿ってのも、一度はうまくいくもののあとに続かない。

クライマックスで敵と対峙するのがヘレンだからといって、女性が外で活躍することに直接つながっているかというと疑問。

 

予測不能で出てくるジャックジャックの能力を親父であるボブでなくエドナが解決してしまうし、ダッシュやヴァイオレットの面倒は、新たに生まれる算数問題を蔑ろにしてしまってるし、半ば強引な行動でボーイフレンドとの距離を縮めるって作戦は結果成功していない。

 

結果、父の頑張りを子供たちが理解しただけで、ボブが家事をできるようになった結果にはなってない。

 

 

そしてスクリーンスレイヴァ―の警告は、ヒーロー家族の奮闘を通じて答えを導くのではなく、ただ事故を未然に防いで終わり。

 

せめて私たちの行動の是非を情報を鵜呑みにするだけでなく、自身の目で判断してほしい、ヒーローの活躍を見て何か自分たちでできることはないかという考えを持ってほしい。

説教臭いけど、これくらい言い放っても良い気はします。

 

最後に

せっかく突き刺さる問題提起を入れたのだから答えはあってもいいよね。

攻めたのにもったいない思いだけど、別にこれ抜きにしたって抜群に面白い映画だってことは強く言いたい。

 

やっぱねヒーローアクションは見ていて楽しいですよ。

これをちゃんと描いてくれるれているので、そういう部分では大満足であります。

お世辞抜きで。

 

今作は前作の終わりから直後のお話なので、映画館に行く前に自宅でおさらいしておくと、より楽しめると思います。

 

まさか前作から14年も経ってるのに、直後を描くってすごいことだなと。

 

というわけで以上!あざっした!!

 

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満足度☆☆☆☆☆☆★★★★6/10