モンキー的映画のススメ

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主に新作映画について個人の感想、意見を述べた文才のない男の自己満ブログ

映画「累-かさね-」感想ネタバレあり解説 こんな土屋太鳳見たことねぇ!

累-かさね-

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 自分の顔が好きな人はどれくらいいるのでしょう。

あまりいないんじゃないでしょうか。

 

僕は自分の顔が嫌いです。コンプレックスの塊です。

なぜこんなかっこ悪い顔なのか。カッコイイ顔だったらいったいどんなモテ人生を送れただろうか。

もし、理想の顔と入れ替えることができたなら。

 

 

この物語は、ある不思議な口紅を使って、美しい顔を入れ替えていくことで欲望を抑えきれなくなっていく女性と、自分の顔を貸すことで名声を手に入れようとする女性の対峙を描いたお話です。

 

まずは作品情報からどうぞ!!

 

作品情報

「イブニング」で連載中の松浦だるまの原作コミックを実写映画化した作品。

舞台に立つ事を夢見ながらも、醜い容姿ゆえ似劣等感を抱いて生きてきた主人公が、大女優の母から受け継いだ口紅を使い、「キスをして顔を入れ替える」ことで、今まで味わうことのなかった優越感に浸り、抑え切れない欲望を満たそうとしていく、美醜による人間の業をテーマにしたサスペンススリラー。

 

ストロベリーナイト」の監督によって、清純派女優二人が怪しくも美しく欲望をさらけ出していく演技を披露していく。

 

 

 

累 コミック 1-12巻セット

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あらすじ

 

伝説の女優・淵透世(ふちすけよ)(檀れい)を母に持つ少女・累(かさね)(芳根京子)は、母親譲りの天才的な演技力を持って生まれながらも、容姿は母に似ず、顔の大きな傷にも強いコンプレックスを持って生きてきた。

そんな彼女に母が遺した一本の口紅。

その口紅は、キスした相手の〈顔〉を奪い取ることができる不思議な力を秘めていた――。

 

一方、美貌を持ちながらも、決して他人には言えない理由により花開かずにいる舞台女優・丹沢ニナ(土屋太鳳)。

彼女は女優として大成することに異常な執念を募らせながら日々を過ごしていた。

 

ある日、累は母・透世に世話になっていたという男・羽生田(はぶた)(浅野忠信)を通じて、ニナと出会う。

“美貌”と“才能”、自分の足りない部分を埋めるように導かれ、出会った二人。

互いの目的の為、口紅の力を借りて、入れ替わる事を決断する。

 

ニナの“美しさ”と累の“演技力“、どちらも兼ね備えた完璧な女優“丹沢ニナ”は、一躍脚光を浴び始める。

二人の欲求が満たされていく。

しかし、二人がともに恋に落ちた一人の演出家・烏合(うごう)(横山裕)をめぐり、秘密の共同作業に亀裂が生まれる。

累とニナ、二人の女優の欲望むき出しの愛憎劇が、今、幕を開ける――。(HPより抜粋)

監督

今作を手がけるのは、佐藤祐市

 

テレビ業界の方ですが、映画も結構作っているようで。

ドラマのほうも90年代から最近まで数々のヒット作を作っているお方。

 

そんな監督の映画作品を簡単にご紹介。

 若手キャストとクリエイターのプロジェクトによる作品「絶対恐怖Pray」で監督デビュー。

その後ソルトレークオリンピックのカーリング女子代表として挑んだ4人の少女の実話を基に映画化した「シムソンズ」、マイナーなグラビアアイドルの一周忌のオフ会に現れた5人のファンたちが、ある推測から彼女の死の真相を辿っていくワンシチュエーションコメディ「キサラギ」、ブラック会社と呼ばれる過酷な職場で働く元ニートが困難を乗り越え成長していく姿を描いた、2ちゃんねるの人気スレッドを映画化「ブラック会社に勤めてるんだが、もう僕は限界かもしれない」などコメディや青春映画を中心に手がけています。

 

 

 

 

その後自身が監督したTVドラマを映画化した作品で、男社会のなかで異例のスピード出世をした女性班長とその部下達が数々の難事件をを解決していくとともに、班長の過去や警察内部の抗争を描いた「ストロベリーナイト」を手がけています。

 

 

 

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キャスト

丹沢ニナを演じるのは、土屋太鳳。

 

演技に行き詰まり悪魔の契約を交わす美人女優を演じます。

 

ただいま大人気中の女優さんですね。

正直僕は好みでもないし、彼女出演の映画もドラマも見たことありません。

去年公開した映画「8年越しの花嫁」の演技がすごかった、というのは耳に届いていて見とけばよかったなぁなんて思ってました。

イメージとしてはとにかく頑張り屋で良い子、ってとこでしょうか。

そのイメージだけで今回観賞したわけですが。その辺は感想にて。

 

そんな彼女の出演作を簡単にご紹介。

黒澤清監督の「トウキョウソナタ」で映画デビュー後、釣りの才能を持つ少年を題材にした同名コミックの映画化「釣りキチ三平」、社会の常識に捉われない教育理論を武器にクラスの問題に取り組み、時に空回りしながらも解決へと導いていく中学教師の奮闘を描いた「映画 鈴木先生」では鈴木先生の妄想に出てくる生徒として注目を浴びます。

その後人気コミックの実写化で、最大の敵との戦いを描いた2部作「るろうに剣心/京都大火編」と「伝説の最期編」に操役として出演。華麗なアクションを披露しています。

 

 

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人気女優になってからは、青春恋愛モノ作品に多く出演。

10年後の自分から手紙を受け取ったヒロインの切ない恋の行方を描いた「orange-オレンジ-」、吹奏楽部に入部したヒロインと、野球部のクラスメイトが甲子園を夢に互いに成長していく「青空エール」、真面目な警察官と一途な女子高生の夫婦生活を描いた「PとJK」、結婚式目前で難病に冒されたヒロインを懸命に看病し奇跡を信じる主人公を描いたラブストーリー「8年後の花嫁 奇跡の実話」などに出演し活躍しています。

 

 

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待機作に「春待つ僕ら」が2018年冬に公開予定です。

 

 

 

他のキャストはこんな感じ。

容姿に強いコンプレックスを持ち、女優に憧れる累役に、「心が叫びたがってるんだ。」、「わさび」の芳根京子。

新進気鋭の演出家、烏合役に、「エイトレンジャー」、「破門/ふたりのヤクビョーガミ」の横山裕(関ジャニ∞)。

ニナのマネージャーで今回の一件を画策する羽生田役に、「淵に立つ」、「クソ野郎と美しき世界」、「パンク侍、斬られて候」の浅野忠信。

累の母で伝説の大女優、淵透世役に、「武士の一分」、「ラプラスの魔女」の檀れいなどが出演します。

 

 

 

 

 

 

秘密を抱えながら欲望をむき出しにしていく2人。ニセモノからホンモノへと変貌を遂げた先にあるものとは。

ここから観賞後の感想です!!!

 

感想

おおおっ!!ガンガンキスするなぁ!!

清純派女優二人が互いの役を入れ替わりながら見事に演じる素晴らしさ!

欲望を満たすために一線を越えるスリリングな展開が心地よい!

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

細かいあらすじはこうだ!!

子供の頃の回想。

大女優の母、淵透世から口紅をもらう幼少期の累。

何かあったらこの口紅を使いなさい、と母は告げ、現在へ。

 

母の十三回忌にもかかわらず、髪を垂らし無愛想にしている一人の女性。

叔母にしかられながらも、自分のせいで酒がまずくなるからと立ち去るその女性こそこの物語の主人公・累である。

彼女は顔に大きな傷があり、その醜い容姿のせいで幼い頃からいじめられきたこともあり、常に劣等感を抱えて生きてきた。

 

その法事に来ていた男、羽生田は生前の母である透世を知っており、今度舞台を見に行こうと累を誘う。

その舞台では一人の女優が、いかにも下手な芝居をしながら演じている。

羽生田は累に、自分ならもっとうまく演じられると思ってるだろ?大女優の娘ならその才能を活かすべきなんじゃないか、と問いかける。

そこへ現れたのは舞台を終え、身支度を済ませた丹沢ニナだった。

羽生田は彼女のマネージャーをしており、女優として現在伸び悩んでおりスランプに陥っているニナをどうにか売れさせたいと望んでいる。

そこに累を連れてきたのは計画であった。

 

一度舞台を見ただけでニナのセリフを完璧に覚え演じる累。

高飛車で傲慢なニナは、そんな芝居をしても累の顔を見るやいなや激しく罵る。私がこんな顔なら生きていけない、と。

今まで耐え忍んで生きてきた累は彼女に侮辱されたことで、首からぶら下げた口紅を塗り、強引に彼女にキスをする。

すると、二ナの顔と累の顔が入れ替わったのだ。

激しく動揺するニナに対し、羽生田はそう驚かない。

 

羽生田は口紅の事を既に知っており、女優としての才能がありながらも、醜い容姿のせいで一歩踏み出せない累と、美しい顔を持ちながらも中々大成できないニナとを引き合わせ、口紅を使って顔を入れ替えることで互いの望みが叶う計画を明かす。

 

土砂降りの雨が降りしきる屋外へ飛び出した累は、羽生田に説得され、互いの願いをかなえる為悪魔の契約を結ぶ決心をするのだった。

 

2人はやがて共同生活を始める。

新進気鋭の演出家烏合が、アントン・チェーホフの代表する戯曲「かもめ」を演出することを羽生田から聞く。

ニナは一度彼のワークショップに参加しており、彼から容姿を褒められた事がきっかけで女優の道を進もうと決意した事を累に話す。

だから今回はニナにとってどうしても手にしたい役だったのだ。

まずはオーディションを勝ち抜くために、ニナの指導の下基礎を磨く。

容姿は入れ替わるが、中身は本人のまま。才能はあれど、それを活かす体型や心構えができていなければ勝ち抜くことはできない。

ニナの厳しい特訓は、セリフの話し方から食事の順番、姿勢まで細かく指導していく。

 

やがてオーディション当日。

全てセリフを言う前に演技を止めてしまうほど、厳しい目で女優を見る烏合の前に、緊張をほぐすことができずにいる累だったが、呼吸を整えた瞬間、彼女の演技に烏合の目が止まる。

演じている間、ニナとしてでなくその中身である累の顔を見透かされているような感覚を味わいながらも必死に演じる累。

オーディションは合格。顔合わせと台本読みに参加した累は、今まで味わうことのできなかった女優としての立場に、感極まり涙してしまう。

 

2人が入れ替わる時間は12時間が限界。朝9時にキスをしたら夜9時までに姿を消さなければならない。

読み合わせのあと、懇親会に参加した累はみんなからチヤホヤされる。

しかし魔法が解ける時間が刻一刻と迫り、その場を去ろうとするが、車に乗る手前で烏合に呼び止められてしまう。

彼は累を期待しており、その事を伝えたかったと彼女に近づく。

既に魔法は解けていたが、何とかその場をしのいで立ち去ることに成功。

 

それから稽古のたびにニナになりかわり、出かける累。

ニナはというと、累の顔でプライベートを満喫しているようだが、雑誌での烏合と累のインタビューを読んで、自分の趣味嗜好でないことばかり答えている累に憤慨し、羽生田に電話をかけ罵声を浴びせてしまう。

その羽生田も彼女の目のクマに言及、寝不足に気をつけろと注意をする。

ニナは電話を切った後、すぐさま薬を飲み始める。

 

段々累に苛立ちを募らせてきたニナ。

自分の顔がメディアに取り上げられたとしても自身が喜びを感じられることはない。それは自分の顔を借りた累だから。

そしてその苛立ちの根源は、烏合への想いからだと気づいたニナは、私にだってできる、彼を振り向かせることもと感じ、累の稽古場に乗り込むのだった。

 

服を着替え元に戻り、演技を始めるニナだったが、烏合は騙されなかった。

自信を喪失したニナは累に説得され契約を続けることに。

 

しかし、累にも壁が立ちはだかる。

本番まで数日をきっての稽古の大詰め。見せ場であるキスシーンに躊躇してしまう累。

彼女は今まで男性とキスしたことがなく、演技とはいえどうしてもためらってしまうのだった。

どうしたらいいかわからないまま、一人稽古に励む累の下に、烏合が声を掛ける。

未経験の事を話すと、烏合は練習と称して累と何度もキスをするのだった。

烏合は累に惹かれていた。演じているときは強気なのにそれ以外は臆病な彼女に。

累もまた烏合に惹かれていった。

 

やがて恋人同士となった累は、烏合の仕事以外でも会いたいという願いを聞くため、ニナに打ち上げと嘘をついて延長を申し出る。

しかし、羽生田に事前に確認を取ったニナは、隠れて烏合と会うつもりだと確信し、累に詰め寄る。

所詮お前は仮の姿。調子に乗るのもいい加減にしなさい!と累を押し倒し、背中を踏みつける。

 

今まで感じることができなかった優越感を覚えた累。初めて好きになった男を奪われたことに失望する彼女は、欲望を抑えニナの代わりのままで生きていくのか。

それともニセモノからホンモノになろうと欲望の限りを尽くすのか。

 

 

 

ハイ、大体ここまで半分くらいです。ここから徐々に登場人物の秘密が明かされていくので、物語もヒートアップしていきます。

そのあとは是非劇場で。

 

見どころはここだ!!

僕が今作を見終えたときに最初に抱いた感想は、土屋太鳳すげえじゃん!!!でした。

イントロダクションでも書いたとおり、彼女の演技ってちゃんと見たことがなかったわけです。

正確に言えば、「るろうに剣心」見てるし、他作品の予告然り、CM然りと彼女の演技ってのはなんとなく把握してるつもりでした。

そこはやはりイメージ通りで、超良い子ちゃん。

役柄もそんなイメージ通りなのが多く感じ、それが元で見てなかったんですね~。

要するに、期待値は低かった。

そもそもこの映画見る気なかったですからねw

 

しかししかし!フタをあけてみたらどうだ!!

いきなり超下手な芝居をしているニナからの、超嫌な女!

売れてもいないのに、なぜこの女はこんなにも上から目線で高圧的なんだ!

そうです、お高くとまった傲慢女、丹沢ニナを見事に体現しているではありませんか。

あれ?この子、こういうイヤミな役できんの?様になってんじゃん!

 

ハスキーな高笑いから、ドスをついたような声で罵るその姿は、あれ太鳳ちゃんの素ってこれなんじゃ??と思わせるほどの気合度。

 

かとおもえば、二ナの姿になった累を演じるのも彼女ですから、普段のニナのような演技ではなく、あくまで累として演じなければいけません。

ニナに慣れるために外を歩くんですが常に怯えています。入れ替わる前とは全然違うオーラで二ナの顔をした累をうまく演じているのです。

 

そしていざオーディション。急に舞台役者のスイッチが入り、かもめのように高く空を舞い上がるかのような晴れ晴れとした表情で演じる二ナ改め累!ややこしい!

 

まだまだあります。

 累はまだ誰のものにもなったことがなく、いざ男性を前にするとどうしても躊躇してしまう。そんなピュアな一面を見せたあと烏合との熱烈な口づけ!!

後半では舞台「サロメ」に向けての猛特訓で得意のダンスも披露。

クライマックスでの情熱且つ優雅な舞いと、生首を持って愛を乞う演技はとにかく素晴らしいです。

 

もう土屋太鳳無双です。彼女の持っている要素、演技をこの映画で全て堪能できるのではないでしょうか。

こういうのもっと作品見てから言うもんなんですが、見てない僕でもそう思ったわけで、ファンの方ならきっとかなりのインパクトがある作品になっているのではないでしょうか。 

 

芳根京子ももちろんよかったんですね。太鳳ちゃん同様、累とニナを行ったり来たり演じてるわけですから。

ただどうしてもニナをやってるときは、仏頂面になっても派手な服を着ても太鳳ちゃんと比べると弱いんですよね。

その分累をやってるときの彼女の、弱々しい態度とか、形勢逆転したときの開き直りの表情とかよかったと思います。

 

 

かもめとサロメ

劇中では、ニナと累が演じる舞台が2人の心理描写に大きく関わっていることがわかります。

どんなお話なのか簡単に調べてみました。

 

 

 

まずは「かもめ」。

 

 

かもめ (集英社文庫)

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久々に舞台演出に復帰した烏合が手がける作品で、ここで主役を射止めるためにニナと累は猛特訓し、主役の座を手に入れます。しかし話は、同じ人を好きになってしまったことで泥沼化していくのですが。

 

このめだかというのは、ロシアの劇作家アントン・チェーホフの四大戯曲のひとつだそうで、その中では最初の作品と言われています。

大女優アルカージナが所有する田舎の別荘を舞台に、劇作家志望の息子トレープレフ、その恋人で女優志望のニーナ、別荘管理人の娘でトレープレフに思いを寄せるマーシャ、マーシャを慕う教員のメドヴェジェンコ、アルカージナと共に別荘に来た若い恋人で作家のトリゴーリンらが織り成す人間模様を描いたお話。

 

 

かもめのように惹かれて湖に来たの・・・〈イタイな・・・)といいながら、作家志望の男トレープレフに会いに田舎へやってきた女優を夢見るニーナは、やがて人気作家のトリゴーリンに惹かれます。

名声を得ることができるのならば、他のものはいらない!彼にぞっこんです。

それを知ったトリゴーリンは、トレープレフが撃ち落したかもめをみながら、「かもめのように湖が好きで自由で幸せな娘は、たまたまやってきた男に弄ばれて、そこにいる死んだかもめのようになってしまった」、と即興で作った短編をニーナに話すのですが、結局彼を追って女優を目指します。

 

やがて時が経ち、再び田舎を巡業で訪れたニーナ。

トリゴーリンに捨てられてからの絶望は計り知れず、彼に言われた死んだかもめが頭から離れない日々だった、わたしはかもめ、わたしはかもめ。ふわふわ飛んで撃たれて死ぬの・・・。しかし、彼女は気づきます。

女優という仕事をする上で必要なのは耐える力。試練に耐えることで信念を持つ。それが私を女優たらしめてくれる。

そう作家志望のトレープレフに手紙で伝えるのです。

わたしはかもめ、いいえそうじゃない、わたしは女優、と。

 

 

累も本当は母親のように女優になりたくて、この契約を結んだ。

そして好きな人もでき彼と結ばれたい欲望を持つのですが、そうじゃない、私は女優になるのだ、ふらふらと湖に惹かれて飛んでくるかもめなのではない

ニナの姿を借りることで、女優として生きる道を選んだ累の姿とぴたりと嵌る舞台だったのではないでしょうか。

 

 

 

 そして後半累が挑む舞台は「サロメ」。

オスカー・ワイルドによって作られた新約聖書を基にした内容の戯曲。

 

 

 

サロメ (岩波文庫)

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ユダヤの王様エロドは、兄を殺して兄の奥さんを奪い、王座も手にした欲深き男。

しかもその娘であるサロメにも興味津々。超クソ野郎です。エロドじゃなくてどエロですね。

 

サロメはエロドの視線に耐えられなくなり、テラスに出ると井戸から不気味な声が。

そこには王からの命令で幽閉されていた預言者ヨカナーンがいました。

 

ヨカナーンは不吉なことばかり言うので嫌われてしまい、接触を禁じられていたのですが、どうしてもひと目見たいサロメは門番を誘惑。禁を解きいざご対面。

サロメは彼を好きになります。しかしヨカナーンは、お前の母ちゃんダンナの弟と再婚とかしてっけどそれってやばくネ??それって良かなん??の一点張り。

 どうしても口づけしたい、あなたの愛を頂戴とメロメロのサロメ。

フン、呪われろ!と吐き捨て井戸の深くへ潜るヨカナーン。

 

相変わらずサロメにゾッコンの「どエロ」ことエロド王は、サロメに踊って踊ってぇ~とせがみますが、サロメはノーサンキュー。

じゃあさ、踊ってくれたら願いをかなえてあげるよ!なんでもいいよ!というと、サロメはここぞとばかりに超絶ダンスを披露。

 

 いやぁ美しいよサロメ!さすが妃の娘!で、褒美は何を?

サロメはすかさずヨカナーンの首をくださいを申し出ます。

いやいやいやいや!ちょっとまってよぉ~普通さぁ、女の子なんだから、アクセサリーとかさぁ、新しいお洋服とかさぁあんじゃん?いやお父さんあんまりこういうことしたくないけど最悪お小遣いでもいいと思うんだよね、うんうん。

でもあいつの首欲しいって、一応アイツ軟禁状態だけど一応聖人なのね?だからちょっとそれだけは勘弁してくれないかなぁ~・・・。

いくら説得してもサロメは首を縦に振りません。

 

諦めた王は、ヨカナーンの首をサロメに差し出し、念願の口づけを交わします。

そして王はサロメを殺すよう命じるのでした。

 

 

 

演出家の大物によって演出されたこの大きな演目で累はサロメを演じるのですが、クライマックスでは毎度毎度演出家に怒鳴られます。

愛を語るのだからそんな生半可気持ちで演じるんじゃないと。

 

どうしてもこの舞台を成功し女優としてのはくを付けたい累の欲望は底知れぬものとなり、とうとうニナとの駆け引きがエスカレートしていきます。

 

やはりヨカナーンの首は、累からみると二ナの顔であることが読み取れるのではないでしょうか。

そうすると如何にその首が欲しくてたまらない、ヨカナーンの愛を欲しいままにしたいと欲望にかられるサロメと累が重なってくると思います。

 

 

このように、劇中で演じる舞台が物語において重要であることが理解できるかと思います。

あらかじめ知っておいても大丈夫ですし、実際、邦画ならではの誰に説明してんのこれ?あぁ~観客ね!な説明パートもあるので全然大丈夫です。

 

 

最後に

すごくどうでもいいんですが、全く経験のない累はニナという女性と毎日毎日キスすることで性の対象としてみるってことはなかったのかなぁ、ドキドキすることはなかったのかなぁなんてどうでもいいこと考えてしまったんですが、物語には全く関係のない見方でしたねw

 

途中明らかに顔を重ねているように見せるだけのキスシーンもあるものの、結構しっかり口づけしてます。なんかドキドキ。

それ以上に横山くんとのキスはがっつりです。妙に生々しいです。

ファンの方はですね、演技ですから。太鳳ちゃん叩かないであげてくださいw

 

とにかくモンキー的には作品としての満足度はそこまで高くないですが、土屋太鳳という女優に魅せられたことに関しては。満点をあげたいくらいです。

公開前なので後半部分は伏せて書いてみましたが、なかなかの映画だったんじゃないでしょうか。

ジャンルは一応サスペンスな感じになるのかな?ホラーともまた違うし。難しいところですが、サスペンスとかオチとかを重視しちゃうとちょっと楽しめないかも。

 

そういう話ではなく、欲望って止められないよねってのがテーマだと思うので。

そりゃ自分よりも秀でた容姿と入れ替わることができたら、誰だって代わりたいですよ。まして劣等感の塊が、優越感に浸れたら・・・ねえ。

 

というわけで以上っ!あざっした!!

 

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満足度☆☆☆☆☆☆★★★★6/10