孤狼の血
まだ映画を好きになりたての頃。
バイオレンスな描写を受け付けない時期がありまして。
ヤクザや任侠モノは特に。
やっぱり血とか殴り合いとかってちょっと嫌じゃないですか。
で、反社会勢力の話ってなると、もっと拒絶反応を起こしちゃうみたいな。
でも、そんな僕の壁を壊してくれたのが僕の師匠でして。
「仁義なき戦い」、「沖縄やくざ戦争」、「脱獄広島殺人囚」、「北陸代理戦争」、「仁義の墓場」、「県警対組織暴力」「日本の首領」などなど、ほとんど東映実録ものですが、名画座で一緒に見たりソフトを貸してもらったり、薦めてもらったり、熱く語ってくれたりと、こういう類の映画が如何に面白いかを教えてもらいました。
まだまだ修行中の身ではありますが、僕の偏見はとうになくなり、またひとつ映画の楽しみが増えたことは確かです。
そんなヤクザ映画の復活なるか!?といわれる作品。
もちろん配給は東映。
舞台は架空の街とはいえがっつり広島、呉。
刑事とヤクザと女が絡み、怒号と暴力が両A面の、いやエロスも入れてトリプルA面の血湧き肉躍る抗争をこれみよがしに盛り込んだガチ中のガチなヤクザ映画!
に、なっていないとやだ!!
コンプラがなんだ!興行収入がなんだ!!
みせてくれよ!21世紀のギラギラした男の映画を!!
そんな思いを抱き早速観賞してまいりました!!!
作品情報
第69回日本推理作家協会賞を受賞し、このミス3位、直木賞候補にもなった「警察小説×仁義なき戦い」と評された柚月裕子の同名小説を、「凶悪」や「日本で一番悪いやつら」など、人間が起こす悪行をジワジワあぶりだすように描くことで、高い評価を得た白石和彌が、オール広島ロケを敢行し手がけた渾身の1作。
昭和63年。
暴力団対策法成立直前の広島の架空都市・呉原を舞台に、刑事やヤクザ、そして女達がそれぞれの正義を貫き、生き残りをかけて戦う生き様を描く。
コンプライアンス重視が叫ばれる昨今に一石を投じる、映画業界と現代社会への挑戦的作品。
これを機に日本が元気になればと願う監督の力量が試される。
果たして飢えた狼たちは観衆にどんな牙を向けるのか。
極上のハードボルドエンターテインメントがついに幕をあける。
- 作者: 柚月裕子
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2017/08/25
- メディア: 文庫
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あらすじ
昭和63年。
暴力団対策法成立直前の広島・呉原―。
そこは、未だ暴力団組織が割拠し、新たに進出してきた広島の巨大組織・五十子会系の「加古村組」と地場の暴力団「尾谷組」との抗争の火種が燻り始めていた。
そんな中、「加古村組」関連企業の金融会社社員が失踪する。
失踪を殺人事件と見たマル暴のベテラン刑事・大上(役所広司)と新人刑事・日岡(松坂桃李)は事件解決の為に奔走するが、やくざの抗争が正義も愛も金も、すべてを呑み込んでいく……。
警察組織の目論み、大上自身に向けられた黒い疑惑、様々な欲望をもむき出しにして、暴力団と警察を巻き込んだ血で血を洗う報復合戦が起ころうとしていた……。 (HPより抜粋)
監督
今作を手がけるのは白石和彌。
これからの日本映画を担うであろう映画監督のなかで、このハードボイルドな作品を誰に撮らせるか。
大賛成です。この起用は文句なし。
そもそも彼はやりたかったに違いない。
そんな風に思います。
「凶悪」で人間の醜態を見せつけ、「日本で一番悪いやつら」で人間の正義心のブレ様を見せ、「彼女がその名を知らない鳥たち」でクズたちの愛憎を見せ、「サニー/32」でクズたちの信仰などを、時にバイオレンスに、時にシリアスに、時に滑稽に、時にハートウォーミングに人間の心理描写を捉えてきた監督。
そして満を持してのハードボイルド映画。
「県警対組織暴力」と「仁義なき戦い」をハイブリッドにしたようなイキフンを漂わせ、今にも血生臭さと硝煙の香りが立ち込めてきそうな映画になっているんでしょうか。
嗅いだことねえけど。
監督に関してはこちらをどうぞ。
登場人物紹介
多いなっ!!!
- 呉原東署
・大上章吾(役所広司)・・・刑事2課・暴力団係・班長(巡査部長)主任。「警察じゃけ、何をしてもええんじゃ。」と、手段を選ばない捜査方法から、やくざとの癒着など黒い噂が絶えない刑事。
・日岡秀一(松坂桃李)・・・刑事2課・暴力団係・大上班のメンバー(巡査)。大上のやり方に疑問を持ちながらも徐々に影響を受けていくエリート新人刑事。
・毛利克志(瀧川英次)・・・署長。階級は警視正。
・友竹啓二(矢島健一)・・・刑事2課・暴力団係・係長(警部補)。
・土井秀雄(田口トモロヲ)・・・刑事2課・暴力団係・主任(巡査部長)。
- 広島県警
・岩本恒夫(井上肇)・・・副本部長(警視長)
・嵯峨大輔(滝藤賢一)・・・監察官(警視)
- 安芸新聞社
・高坂隆文(中村獅童)・・・大上の過去を探る新聞記者。
- 薬局
・岡田桃子(阿部純子)・・・アルバイト薬剤師。
- クラブ「梨子」
・高木里佳子(真木よう子)・・・ママ。大上とは旧知の仲で、捜査に協力する。
- 広島仁正会(600名~)
・五十子正平(石橋連司)・・・五十子会(いらこかい)(100名~)会長。加古村組を裏で操る。
・加古村猛(嶋田久作)・・・五十子会の下部組織、加古村会(40名~)の組長。
・野崎康介(竹野内豊)・・・強い凶暴性を帯びる加古村組の若頭。
・吉田滋(音尾琢真)・・・加古村組構成員。
・苗代広行(勝矢)・・・加古村組構成員。
・瀧井銀次(ピエール瀧)・・・全日本祖国救済同盟代表。大上へ情報を提供する。
・瀧井洋子(町田マリー)・・・銀次の妻。
- 尾谷組
・尾谷憲次(伊吹吾郎)・・・尾谷組組長。現在鳥取刑務所に服役中。
・一之瀬守孝(江口洋介)・・・五十子会、加古村組から抗争を仕掛けられる老舗・尾谷組の若頭。極道に生きる昔気質の男。
・備前芳樹(野中隆光)・・・尾谷組構成員。
・永川恭二(中村倫也)・・・尾谷組構成員。
・賽本友保(さいもと ともやす)(ウダタカキ)・・・尾谷組元幹部。14年前に死亡。
- 呉原金融
・上早稲二郎(うえさわ じろう)(駿河太郎)・・・加古村組のフロント企業、呉原金融の経理。
・上早稲潤子(うえさわ じゅんこ)(MEGUMI)・・・二郎の妹。
- 養豚業
・善田新輔(九十九一)・・・父。
・善田大輝(岩永ジョーイ)・・・新輔の息子。
この面々が、「自分の正義以外は悪」と掲げ、それぞれの生き残りをかけた戦いを繰り広げる展開のようです。
「仁義なき戦い」があったからこそと語る原作者。
そのDNAを感じる激しい抗争になっているのでしょうか!?
ササラモサラにしちゃれい!!
ここから観賞後の感想です!!!
感想
ビックリドッキリクリ〇〇ス!!!!
大満足です!!はい!!
昭和の終わりに生きた男たちの生き様を、猛烈な血とバイオレンスで濃厚に描かれたヤクザ映画でした!
以下、核心に触れずネタバレします。
正義とは何ぞや。
昭和63年の架空の街を舞台に、暴力団同士の抗争や一人の刑事の疑惑の追求、キャリア警官の葛藤を軸に、この時代を生き抜こうと必死にもがきながら戦う男たちの姿を、血と暴力とエロス、そして小さなユーモアをフィルムのような質感と圧倒的熱量で描き切り、正義とは何か、人情とは何かを浮かび上がらせることで、単なるヤクザ映画としてでなくヒューマンドラマとして昇華させた作品でした!!
あと1年で終わりを告げる平成の世に、なぜ昭和の終わりの暴力団たちの映画を作る意味があるのか。
はっきり言ってヤクザでしょ、人が死ぬんでしょ、今の時代にこんなの作って何の得があるの。
確かに描かれてるものは、勢力を広げる組織と地元ヤクザのシマを争う血にまみれた抗争。
そこに警察権力をフル活用して癒着を繰り返す一人の警察官との、いわゆる談合社会の縮図を見てるかのような、正義とは程遠い内容に見える。
しかし、組のためなら何でもやらかしそうな暴力団組織に堂々とツッコむことで街の治安を守れるのなら、それだって立派な正義とは言えるのではないだろうか。
いやよく目を凝らせば彼らを使って私腹を肥やしている見せかけの正義の方が悪なのではないか。
ヤクザと警察の間にぴんと張った綱を渡りながら、自分の正義を全うする男によって、ただ法の名のもとに動くだけの警察官だった若者が少しづつ目を覚ましていく姿は、善と悪といった割り切ったことでなく、立場としてどう生きるかを見事に捉えることで、ただ流されるだけで生きている人たちに熱く訴えているように見える、
そして、それは今生きる上で必要な活力が失われつつある我々に対し、命がけで生きた男たちの躍動を見せることで、あの頃のようにパワフルな日本を取り戻したいという願いが詰まっていた、そんな映画だったのではないでしょうか。
虎穴に入らずんば虎子を得ずなんてことわざがありますが、警察官でありながらヤクザとの癒着を続ける大上は、この言葉を胸に彼の正義の名のもとに職務を全うしていたように思えます。
序盤こそ、あ~こいつはどっぷりぬるま湯に浸かってるなぁという印象で、見てるこっち側は明らかにそれは悪だ!と決めつける日岡と同じ目線で見てるんだけど、要はこの考えって今のコンプライアンス重視の、これはダメあれはダメみたいな考えと同じだと思うんです。
でも、彼と共に行動していくことによって、ヤクザ抗争の均衡を保たせているのは彼であり、街の治安を維持できている。
そして彼がこれまで築き上げた情報能力のおかげで、警察からも追放されずにいる。
実際彼が途中いなくなりますが、その方が場が荒れるわけです。
そして日岡は気づかされるのです。
彼のような存在がいなければもっと世の中が悪くなると。
もちろん大上は自分の立場を解っています。
危険な橋をひたすらわたり続けていること、どっちかに落ちれば自分は死んでしまうということ。
ギリギリを長いことうまくわたっているわけです。
今の世の中何というか善悪がはっきりしないとダメな風潮がありますが、悪い奴らに餌をやりながらお伺いを立て、それを一方的に悪と捉え切り捨てたものなら、結果これ以上事が大きくなってしまう、だったら少しくらいはみ出してもいいじゃないか、大上のような奴がいてもいいじゃないか。
もしかしたら今の世の中に必要な存在なんじゃないか。
こんな今の時代にそぐわない映画があってもいいじゃないかと、日岡の変わり様をみていると感じます。
要はですね、久々にこんな映画が見られたことがうれしくて仕方ないのです。
今ないでしょう、こういうギラギラした映画。
昔はあったんですよ。いっぱい。
昔映画見てないですけどw
やれ興行だ、やれコンプラだと、こういうテイストの映画が日本で作れなくなっている。
監督はそういう今の映画業界に対し問題提起をしてるわけです。
この映画を作ったことによって。
だから彼の思いを叶えるためにはこの映画がヒットしないといけない。
立派なエンタメ映画ですよこれは。
是非見てほしいですね。はい。
ここまでやるか!なバイオレンス描写。
いきなり熱い思いをぶちまけてしまったわけですが、今作は今ではなかなか見られないくらい生々しい殺しっぷりだったり、怒号だったりが描かれています。
もう冒頭からキツイです。
呉原金融で経理を担当している上早が、養豚所で拷問されるシーンから始まります。
加古村組に頼まれて金庫の金を勝手に持ち出したことを誰にも言うなと脅す。
いわゆる口封じってヤツです。
ブタのクソを口に詰められた後、指を草刈り用のハサミでチョッキンコ。
ぐわあああぁっ!!!
いきなりこんなシーンから始まります。
その後パチンコ屋で監視していた加古村組組員苗代と日岡のバトル。
大上にいちゃもん付けてこい、いざとなったら助けるからと言われ仕方なくコーヒーを苗代の顔面にびちゃあ!なぜか苗代はスロット撃ちながら牛乳を飲んでいる変わった奴w
それから表出ろやぁ!となり、日岡は警察官なのに手を出さずボッコボコに。
そこへ大上ようやく登場。
まさかの777がでてそれどころじゃなかったw
広大(広島大学出ということで日岡はそう呼ばれてます)、これ懲役何年じゃ?公務執行妨害、銃刀法違反、暴行罪で7年、お前今車ん中にシャブあったら合わせて10年ぞ!?
こっちの質問に答えいやっ!!
苗城に大上が怒号を浴びせます。
こんな具合にギラギラした光景がどんどん出てきます。
加古村組構成員の吉田に秘密を吐かせるため、クラブのママ理子を使ってホテルに連れこみ、すっぽんぽんになった状態で両腕に手錠で固定させ、質問に答えなければおまえのちんちんにいれた真珠を取り出すぞと脅します。
局部がモロに映るわけではありませんが、真珠を取り出す所をしっかり映すサービスっぷり。
もちろんこのとき吉田はギャン泣きですw
他にも、尾谷組構成員永川が、自分たちのシマで遊んでいる加古村組のやつらにいちゃもん付けてボコボコに殴るシーン。
永川に関しては、抗争の始まりともいえるカチコミ役も担っており、五十子の部下である幹部が飲んでいるクラブで彼に発砲する場面もあり、彼を演じた中村倫也がいい演技しておりました。
目が血走ってましたからね。これぞギラギラ。
まだまだあります。
14年前に起きた抗争事件でもしっかり殺害された死体の映像を捉えたり、五十子を襲撃するシーンでは、殺意丸出しのギラギラ一ノ瀬が刀で喉元を切り付けるんですが、ゆっくりジワジワ奥に刺すんですよね。
その後真っ赤な血しぶきが画面いっぱいに飛び散り、終いには首を切り取って小便器jに捨てる。
そして五十子の顔面ドアップ。
ぐわあああぁっ!!!
養豚所で働く一人息子が臭うと。
クスリやってるってことで警察署へ連れて帰り尋問する大上。
取調室の机をひっくり返し、折りたたみ椅子でプロレスの場外戦みたいにバンバン殴り、腹に蹴りいれたあと、ひっくり返った机の脚に口を突っ込ませてその上から椅子で頭を殴る!
わああああおおおっ!!な取り調べ。
一番最高だったのは、日岡の覚醒です。
養豚所に一人出向き、ある証拠を探した後ブチ切れます。
そこで働く一人息子をボコボコにするんですが、これがすごい。
腹に何発か入れて仰向けに倒れさせた後、頭を地面に何度も何度もたたきつけ脳震盪を起こさせた後、顔面に真顔で何発もパンチをお見舞い。
日岡の鬼の形相、いやそれを通り越して血の通っていない冷めた目つきの表情。
どんどん顔が腫れ意識が遠のきながら口から血を流す一人息子と日岡を交互に見せていくんですが、これはトラウマ級の映像でした。
これ夜中に思い出して起きちゃうやつだよw
とにかくとんでもないバイオレンスな描写ががたくさんあって、一瞬ホラーなんじゃねえの?と思いたくなるシーンの連続でした。
ホラー級といえば、呉原金融の上早の遺体があるとされる孤島での遺体捜索のシーンなんかはきつかったです。
一応胴体と首を切ってバラバラに埋めたと踏んで掘り出すんですが、日岡は腐乱の匂いで嘔吐して断念しちゃうんですけど、大上はそんなのお構いなしでハエがたかってる中腕でガンガン掘って、首を掘り出すんですね。
そういうところもちゃんと映すんですよこの映画は!
ああ気持ち悪い!!
たまらない!!
またバイオレンスとは違いますが、とにかく冷房がないということで、みんな汗だくです。
汗の光沢によって男クサさが増し、油ギッシュになり、男たちが如何に必死でしのぎを削ってるかってのが感じられると思います。
特に竹野内豊演じる野崎なんか汗とグラサンと風貌と狂犬ぶりが、僕には「仁義なき戦い」の千葉真一が演じた大友勝利に見えて仕方ありませんでした。
ちょっと言い過ぎかw
またエロスもしっかりありますw
大上が聞き込みの一環でヘルスにいく時も、ローションでマッサージ受けながら聞き込み。
今日はおっぱい揉んでいいよぉ~なんてポロリしちゃうし、冒頭の上早失踪に関する取り調べで、MEGUMI演じた妹と一発かますシーンを入れたり。
さすがに事務所NGだったんでしょう。
濡れ場はありませんが、一発後の二人の乱れた感じがまたオツでしたw
胸の谷間に汗かいてるのもエロかったですね。
他にも、苗代が行方をくらましていたと思ったら、どっかの温泉かなんかで宴をしてて、目隠しして誰のおっぱいか当てるゲームかなんかしてるし、クラブのママ理子を演じた真木よう子に至っては、男根の大きさを調べるのにがっつり握ってるし。
下ネタもバンバンです。
チ〇ポ、オ〇コなんて当たり前で、五十子の口癖はビックリドッキリクリ〇〇スですからねw
これ3回は言ってますw
吉田なんか真珠入れてるし、俺のシャンパン飲めとかバカみたいなこと言ってるしw
まああれです。
こういうの受け付けない人には不快なシーンやセリフばかりですが、昔のヤクザ映画なんてこんなもんじゃないですからねw
今の時代ならあり得ないような描写やセリフがこんなにもある映画をやれたのがホント不思議です。
そういう意味では実録路線でヒットさせた東映だからできることで、これを機にもっと増やしてほしいなと切に願うばかりです。
最後に
どの役者も素晴らしい演技。
役所広司は相変わらず饒舌に広島弁をしゃべるし、一番ギラギラしてました。
松坂桃李はある意味この映画の主役。冒頭と最後でいちばん瓦中や行けない役柄だからその変貌がすごい。
江口洋介はまぁ及第点といいますか、相変わらずの下手さですが、佇まいは見事。
カッコイイヤクザでしたね。
竹野内豊もそこまでの出番はなかったものの、いい意味で幹部らしくない小物感で、噛ませ犬的な雰囲気でしたし、真木よう子もすっかり中堅女優としての色気を持たせながらキレっぷりは見事。
ママとしてのたしなみと本性を出した時のギャップは鳥肌モノです。
モンキー的には構成員演じた中村倫也のチンピラ感が素晴らしかった。
絶対チャカ持たせちゃいけないような見境ない感じと、命いつでもはれます的な鉄砲玉な感じ、そして襲撃の時の気合の入れ具合がホントよかった!
目ですよ目!いい目してたわ。
しっかり昭和の雰囲気を漂わせながら、大上と日岡のバディムービーとしてもしっかり組み立てられていたし、何より容赦なく描かれる暴力描写はたまりません。
あえてひとつ言うのであれば、もっと荒々しく描いても良かったかもしれません。
白石監督にはまだこれが無いように思えます。
丁寧過ぎちゃうんですよね。
下品な部分も丁寧に見えちゃう。
後はテンポをもう少し速く描けば、これだけの熱を帯びた男の映画に疾走感が加わるというか。
ぶっちゃけどっちの組がどういう経緯でとか、この手の映画にはしっかり説明する必要ないんですよ。ノリですw
でもあれですよ、ただ当時の映画を模倣しただけの映画になってないからすごいです。
一応図式的には「県警対組織暴力」で、文太さんが大上で、日岡が梅宮で、一之瀬が松方みたいなんだけど、決してそのままじゃない。
しっかりメッセージ性があるしちゃんとドラマになってる。
これは帰って何かしらヤクザ映画が見たくなるなぁ。何見ようかしらw
とにかく今年絶対見てほしい1本でした。
というわけで以上!あざっした!!
満足度☆☆☆☆☆☆☆☆★★8/10