モンキー的映画のススメ

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主に新作映画について個人の感想、意見を述べた文才のない男の自己満ブログ

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映画「空母いぶき」感想ネタバレあり解説 戦争をしないための戦闘、って何なんでしょうね。

5月24日

空母いぶき

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最近の日本の戦争ものとか、自衛隊の映画とかぶっちゃけあまり好きではないんです。

なんでかっていうと戦争を悲劇的に描きすぎたり、自衛隊の話とかだと戦うか戦わないかの決断を迫っておいて結果回避!みたいなオチが、どうも損した気持ちになって。

 それもそのはずアメリカのようにいきなり行けーーー!!!戦えーーーー!!!ってふうにはいかないのが日本であり、先に手出したらあかん!て定められた法があるわけで。

 

だからどっちかっていうと、まだ日本が勝ちまくっていたころの時代の戦争映画の方が僕は好きです。

というか守る戦いよりも攻める戦いの方が好き

とはいえこれは僕の好みの問題であり、今の映画をその視点で見るわけにはいかず、時代にリンクした設定からいろいろ読み解いていくことが楽しみ方の一つだと思います。

 

今回鑑賞する映画は、まさにどこの馬の骨かわからん奴らが日本攻めてきたらどうする?うちらず~っと平和に暮らしてきたけど、そろそろこの辺のこと気にしないと本当にやばいと思うよ~?ってメッセージをズキュンと突きつけつつも、ハイテク武器や前線で対峙する最新の戦艦のビジュアル面、そして一戦交えるのかどうなのかの緊張感、事件は現場で起きてるのに指示するのに時間のかかる官僚などなど、いろんな人を巻き込んだエンタメ映画になっていることでしょう。

そして、玉木宏、吉田栄作、佐藤浩市、中井貴一、と福井晴敏が絡んだ映画に欠かせないメンツ。これに堤真一とか加わったらもう完璧w

お前ら何回自衛隊やるんだ。まぁいいや。

 

というわけで早速鑑賞してまいりました!!!

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

沈黙の艦隊」「ジパング」などで知られる漫画家かわぐちかいじの同名コミックを、骨太なドラマを手掛け続ける監督の手と、豪華キャストによって映画化。

謎の武装集団による自国の領土占領、さらにはミサイル攻撃によって窮地に立たされる我が国がどう選択するのか立ち向かうのかを、緊張感たっぷりに描く。

空母の乗員、政府やメディア、さらには一般市民までをも巻き込んだ、戦後、日本が経験したことのない24時間。

前線で対立する二人の乗員から見る専守防衛の在り方、偶然乗り合わせたメディアの情報を開示することの是非、それに耳を傾けることなくクリスマスに浮かれる一般市民など、様々な角度や立場から、この国が保ち続けた平和への思いや戦いが繰り広げられる。

 

こんなことが起こるわけがない、そう目を逸らしてはいけない。

これは遠くない未来に起こる話、なのかもしれない。

 

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あらすじ

 

20XX年、12月23日未明。

未曾有の事態が日本を襲う。

 

沖ノ鳥島の西方450キロ、波留間群島初島に国籍不明の武装集団が上陸、わが国の領土が占領されたのだ。

 

海上自衛隊は直ちに小笠原諸島沖で訓練航海中の第5護衛隊群に出動を命じた。

その旗艦こそ、自衛隊初の航空機搭載型護衛艦《いぶき》だった。

 

計画段階から「専守防衛」論議の的となり国論を二分してきた《いぶき》。

艦長は、航空自衛隊出身の秋津竜太一佐(西島秀俊)。

そしてそれを補佐するのは海上自衛隊生え抜きの副長・新波歳也二佐(佐々木蔵之介)。

 

現場海域へと向かう彼らを待ち受けていたのは、敵潜水艦からの突然のミサイル攻撃だった。

さらに針路上には敵の空母艦隊までもが姿を現す。

 

想定を越えた戦闘状態に突入していく第5護衛隊群。政府はついに「防衛出動」を発令する。

迫り来る敵戦闘機に向け、ついに迎撃ミサイルは放たれた……。(HPより抜粋)

 

youtu.be

 

 

 

監督

今作を手掛けるのは若松節朗

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若松監督って言っちゃうと、若松孝二監督をイメージしちゃいますが、そっちではなく、TV局から監督になった方。

こう言ってしまうとダメな方って聞こえがちですが、そんなことないです。

TVドラマとか絶対みんながお世話になったはず。例えば「救命病棟24時」とか、「お金がない!」、「振り返れば奴がいる」、「やまとなでしこ」とか。結構織田裕二作品が多いw

その間で映画も制作してたんですよね。

作風としてはシリアスなのが得意なのかな?緊迫した状態が続く作品が目立つ気がします。

 

そんな監督の代表作をサクッとご紹介。

ダムを占拠したテロリストに立ち向かう一人のダム作業員の奮闘劇を描いた「ホワイトアウト」で劇場映画デビュー。いきなり大ヒットを飛ばした後は、TVドラマの制作を並行し監督業を務めていきます。

昭和中期から後期を舞台に、巨大組織の中で様々な波瀾の渦中に身を置き、不屈の信念で克服した主人公の姿を描いた巨編「沈まぬ太陽」で日本アカデミー賞監督賞にノミネートを果たします。

 ほかにも、桜田門外の変で失った師の仇を追い続ける男と、武士を捨てた元刺客の男の暗殺から13年後の行方を描いた時代劇「柘榴坂の仇討」などがあります。

 

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 2020年には、東日本大震災でメルトダウンを起こした原発の作業員たちの真実を描いた「Fukushima50」を手掛けます。

 

 

 

 

 

登場人物紹介

 

人が多いので役名と役職のみで。

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第5護衛隊群
  • 秋津竜太(西島秀俊)・・・航空機搭載型護衛艦〈いぶき〉艦長。
  • 新波歳也(佐々木蔵之介)・・・航空機搭載型護衛艦〈いぶき〉副長。
  • 涌井継治(藤竜也)・・・第5護衛隊群群司令。
  • 中根和久(村上淳)・・・航空機搭載型護衛艦〈いぶき〉船務長。
  • 葛城政直(石田法嗣)・・・航空機搭載型護衛艦〈いぶき〉砲雷長。
  • 渕上晋(戸次重幸)・・・第92飛行群群司令。
  • 迫水洋平(市原隼人)・・・アルバトロス隊隊長。
  • 柿沼正人(平埜生成)・・・アルバトロス隊パイロット。

 

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  • 瀬戸斉昭(玉木宏)・・・護衛艦「はつゆき」艦長。

 

  • 浦田鉄人(工藤俊作)・・・護衛艦「あしたか」艦長 。

 

  • 清家博史(横田栄司)・・・護衛艦「しらゆき」艦長。

 

  • 滝 隆信(髙嶋政宏)・・・潜水艦「はやしお」艦長。
  • 有澤満彦(堂珍嘉邦)・・・潜水艦「はやしお」船務長。

 

  • 浮船武彦(山内圭哉)・・・護衛艦「いそかぜ」艦長。
  • 岡部隼也(和田正人)・・・護衛艦「いそかぜ」砲雷長。

 

政府関連

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  • 垂水慶一郎(佐藤浩市)・・・内閣総理大臣。
  • 石渡俊通(益岡徹)・・・内閣官房長官。
  • 城山宗介(中村育二)・・・副総理兼外務大臣。
  • 沖忠順(佐々木勝彦)・・・防衛大臣。
  • 沢崎勇作(吉田栄作)・・・外務省アジア大洋州局局長。

 

ネットニュース社 P-Panel

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  • 本多裕子(本田翼)・・・P-Panel記者。
  • 晒谷桂子(斉藤由貴)・・・P-Panelプロデューサー。
  • 藤堂一馬(片桐仁)・・・P-Panelディレクター。
  • 吉岡真奈(土村芳)・・・P-Panel AD。

 

  • 田中俊一(小倉久寛)・・・東邦新聞記者。

 

  • 中野啓一(中井貴一)・・・コンビニエンスストア店長。
  • 森山しおり(深川麻衣)・・・コンビニエンスストア アルバイト。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何やら艦長と副長で揉めそうな前線、その前線で緊迫する中次の一手を決断できない政府、この事態に直面してしまったジャーナリストなど、人間ドラマはかなり交錯しそうな気配。

そして肝心のドンパチはどこまでやるのか。防衛出動までいくわけですからやりますよね。

ここから鑑賞後の感想です!!!

 

感想

うん、この手の映画にしては頑張った。

頑張ったけど動きが全然足りん!

果たしていぶきはこの国に必要なんでしょうか。

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しょうがないけどしょうがなくない。

東亜連邦なる民族主義共和国が監視船を襲い、我が国の領土である初島に旗を立てられてしまう事件に対し、海上警備という名目で現地へ向かう日本初の航空母艦「いぶき」率いる第5護衛隊群が出動するも、相手国からの攻撃、被弾により死者を出したことで戦後初の防衛出動=守るための武力行使をすることになった海上自衛隊、事態への決断を迫られる政府、たまたま乗り合わせたネットニュースの記者、そしてクリスマスを目前に控え商戦に浮足立つコンビニエンスストア、という4つの視点から織りなす物語。

 

戦争をしないための戦い、という矛盾の孕んだこの言葉どおり、果たして政府は護衛隊群はどう向き合い戦うべきかを、艦内にいる演者と演者の説明調のセリフでのやり取りを基盤にし、攻撃をするかしないかの決断を時間ギリギリまで追い込んでいくことで生まれる緊張感、CGのショボさが浮き彫りに見えるも迫力ある戦闘機のミサイル迎撃、魚雷の回避、それでもやまない相手の攻撃にどう対処するか艦長の手腕に委ねられた展開、現場での危機迫る状況とは裏腹に一向に決断を示さない総理とそれに業を煮やす大臣たちの切迫した空気感、そんな一刻を争う事態など知らずにクリスマスに向けてせっせとシフト調整とお菓子の詰め合わせを作り続けるコンビニの店長を時折挟むことで物語に緩急をつけていく、いいところとダメなところがギューギュー詰めの映画でございました!!

 

はい、まずこの手の映画、どうしても演者同士のやり合いを主にしないと予算の都合上うまく戦闘映画を作れないってことを念頭に置かないとただただ退屈にしか思えない映画になっていたと思います。

これはすごく仕方のないことなんですが、それでもうまく知恵を絞って張り詰めた空気感を生み出し、それだけでは退屈になるから必要に応じて戦闘シーンをうまく挟むことでそれなりのアクション描写を魅せられたのかなと思います。

また何も知らない私たちのために過剰な説明台詞が多くなってしまうことも、これ仕方のないことなのかなと。

どうして相手に攻撃を仕掛けてはいけないのか、どうして総理はすぐに決断できないのか、それらを全てセリフに詰め込まないと伝えたいことも伝わらないよね、って結果なのかなと。

 

冒頭でも書いた通りドンパチ描写が無いとつまらない、といっていた僕ですが、これはこれで面白かった部類に入る映画だったと思います。

というかある程度割り切って観たってのもあって、それなりに楽しめたってのが大きいかな。

 

しかしながらどうしたってリアリティに欠ける部分は多々あって、それこそ民間人が同乗しちゃってそこで見たものを情報として流すってのは、やっぱりアウトなわけで懲罰モノじゃないですかねあれ。

せめて情報を流すかどうするかって葛藤をもっと色濃く描かないといけなかったのでは、と。

他にも政府と現場に比重を置きすぎているせいで国民の声は全く描かれていないのもおかしいし、今回の騒動が24時間で決着つくってのも外交のおかげって着地になるけどもっと長期戦になってもおかしくない事例であって、いぶきにゃもう戦力わずかって状態なのにどうするんだろう、とご都合的なものも見えたし、結局東亜連邦ってなんやねんてのも気になるし、まぁあれこれ上げてもキリがないといえばキリがないです。

せっかく遠くない未来起きうるかもしれない事態、というのをシミュレートして作られたであろう映画なのに、一番肝心な部分を蔑ろにしてしまうのはすごくもったいないといいますか。

 

 

仕方ないけど仕方なくない。

また撮り方ももっと工夫してできなかったモノかと観ていて思いましたし、例えばみんな基本的には着席して芝居するわけですから画は一向に動かないわけで、そういう時こそカメラの寄りや引き、多角的に映すことで退屈にさせない画を作れるわけけじゃないですか。

それこそ船が被弾した時の「衝撃に備えよ!」のあとの嘘くさいコケっぷりもカメラひとつでリアルに見せることができるわけだし、あそこで艦内の様子をもっとたくさん見せることができればもっとリアルに被害状況とか伝わるわけですよ。

民間人の2人も艦内で全然驚かないし、もっとビビると思うんですけどね。いくら間近で見ていないとはいえ戦闘の最前線にいるわけで、体感的にもっとビビると思うんですけどね。

 

とはいえですよ、西島秀俊と佐々木蔵之介のやり取りは見ていて面白かったですね。

艦内での今後の対応に関して、艦長と副長がまぁぶつかるわけです。

でも二人の意見を聞いて判断する軍司令がいるから、いぶきは何とか進路を保てたり危機を回避できていたんですけど、軍司令がケガしていなくなっちゃうことで、ほぼ艦長の思惑通り進んでっちゃうんですよ。

艦長はざっくりいえば攻撃したい人で、副長は守りたい人。

空を飛んでいた一匹狼と仲間とともに船に乗っていたって過去がそのまま考えに反映されているんですね。

全く正反対の考えをもってる2人なんだけど根っこの部分は同じで、二人とも国の平和を望んでいるんですよ。そのための攻撃なのか守備なのか、戦闘なのか戦争なのかって部分でぶつかっていくのが、この映画の一番のドラマ的部分になっていたと思います。

なんて言うんですかね、アクセルとブレーキどっちもないと車は成り立たないとでもいいますか、どっちかが強くでちゃうとやっぱり変な方向へ行っちゃうわけですよ。それは車だけでなく国の事とか様々な問題にも言えることで、議論し合って落としどころを見つけて舵をとっていかないと大変なことになるってのを訴えてるのかなぁと。

それがよく出ていたのが、相手の戦艦を打ち落とすか否かってところで、打ち落としちゃえば進路を変更することなく進める、でもそれやっちゃうと300人も乗っているであろう相手国の船員の命までも奪ってしまう、それこそ一番やっちゃいけないことだと主張する副長ってシーン。

結果相手の船を無力化する攻撃をするってことで落ち着くのが、ようやく二人が理解が深まった瞬間で、それを思いっきり目見開いて汗だくで低い声で部下に近づく佐々木蔵之介と、ひたすらニタニタしながら思い通りのプランで船を動かすんだけど、急に真顔になって、いやどっちの顔も怖いわwってなってる西島秀俊の顔芝居が最高です。

 

あとはそうだなぁ、アルバトロス隊の中でひとりめちゃんこイキった表情で今にも一発ぶちかまそうとか考えてそうでめちゃめちゃ従順で仲間の事を第一に考えている市原隼人がステキだったし、いつもの元気はつらつさを封印して、何か神妙な面持ちで控えめな表情を常にしている本田翼も別に悪くないし、気合が入るとついつい関西弁が出てしまう山内圭哉のいてまえ~!!って掛け声が張り詰めた空気を和ませたし、お前この手の映画なら絶対船の中にいるべき存在なのに何のんきにクリスマス用のお菓子の詰め合わせ作ったり何バイトに無理矢理イブの夜のシフト押し付けてんだよwwな中井貴一にもほっこりしました。

 

他にも戦闘シーンは頑張っていた方だったし、コンビニ店長がクリスマス用のお菓子の詰め合わせに手書きで書いた言葉が発端で国連はおろか世界中に平和への祈りが通じたって流れが良かったですね。

あれも例えば情報を拡散するか葛藤している本田翼が、そのメッセージを見て秋津に訴えて情報を流させてほしいって説得してってプロセスがあったら全員が繋がった、ってなるんですけどね。

 

 

最後に

これを観ることで、果たしてこの国に航空母艦という脅威は必要なのかという是非だったり、戦争と戦闘はどう違うのか、とか、戦争をしないための戦いは果たして憲法違反なのかとか、ではこういった避けられない事態になったらどうするべきなのか、などなどこの国の平和を保つために考えるいいきっかけになる作品だったのではないでしょうか。

劇中では、アルバトロス隊の隊員が相手国の男によって殺されてしまったことに対し、別の船員が復讐しようとするんですが、それを相手は武器を持っていないから撃ってはいけない、と制止する秋津艦長が全てを物語っていたように思えます。

これがこの国のやり方であり、いぶきのような武器を持つことで抑止力になるのならば保持してもいいのでは、と。

しかしこれもまた正解ではないと思いますし、答えの出ない問題だとも思います。

何はともあれ考えることが大事だよなぁと。

 

とはいえ、映画的にはもっと工夫して描いて欲しいという部分もあるわけで、描いていることの意義は大いに買うんだけど、じゃあもっと面白く作ってよって注文もでちゃうんだよなぁ。

 

はい、いつにも増してグダグダな感想でしたが、とりあえず例のインタビューで物議をかもした佐藤浩市の役どころは全然悪くないです。そして例の設定を盛り込んだシーンも入れる必要もなかった、とも思います。

普通に国の平和を考えて決断するリーダーだったと思います。

余談としてこれ気に入ったらクリムゾンタイドも観てほしいですね。

というわけで以上!あざっした!!

 

満足度☆☆☆☆☆★★★★★5/10