モンキー的映画のススメ

モンキー的映画のススメ

主に新作映画について個人の感想、意見を述べた文才のない男の自己満ブログ

映画「ノイズ」感想ネタバレあり解説 小さな孤島で起きた「死体がバレたら、終わり」事件。

ノイズ

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騒音や異音を意味する言葉「ノイズ」。

日常生活においても音として「ノイズ」になることもあれば、外野からの「声」が「ノイズ」になることもあり、静かな場所で過ごしたいなぁなんて人も多いのではないでしょうか。

 

今回観賞する映画は、静かな孤島に外部からやってきた元受刑者という「ノイズ」が出現したことで、島中を揺るがす事件へと発展していくサスペンス。

 

罪を犯した島の青年3人による隠ぺい工作に、上手くいったかと思いきや次々と事態がややこしくなっていくそうです。

心理的に揺さぶってきそうな物語ですし、何より3人の駆け引きや疑心暗鬼に駆られていく姿が面白そうです。

 

早速観賞してまいりました!!

 

 

作品情報

2017年から2020年まで「グランドジャンプ」で連載された筒井哲也の同名コミックを、映画「デスノート」以来15年ぶりの共演となる俳優を主演に実写映画化。

 

絶海に浮かぶ孤島を舞台に、元受刑者を誤って殺害してしまった島民3人が隠ぺい工作をするも、県警の来島によって島全体を揺るがしていく。

 

ヴァイヴレータ」から「マーマレード・ボーイ」まで様々なジャンル映画を手掛ける監督がサスペンスに挑戦。

どこまで隠蔽できるのかという進行や、ノイズによって島民の心に潜む悪意が見えていく心理描写など、監督がどう描くかに注目だ。

 

さらには天才同士の心理戦で観衆を楽しませた「デスノート」の主演二人が、素朴な島民という等身大のキャラを演じるのも見ごたえがある。

我々は再び彼らの演技に驚かされるのか。

 

「死体がバレたら、終わり」の新感覚サスペンス。

果たして罠を仕掛けたのは、誰か。

 

 

あらすじ

 

絶海の孤島に突然現れた不気味な男。

誰も名を知らないその男に家族を狙われた泉圭太(藤原竜也)は、親友の田辺純(松山ケンイチ)、新米警察官の守屋真一郎(神木隆之介)と共に、誤ってその男を殺してしまう。

 

それは、圭太が生産した”黒イチジク”が人気となり、国からの交付金5億円が内定、過疎に苦しむ島に明るい未来が見えた矢先の事だった——

 

島の未来と大切な家族を守るため、3人は死体を隠ぺいすることを決意する。

「この男が消えたところで、誰も追ってこない」

そう思っていた矢先、予想外の事態に発展する。

 

なんと、その男は出所したばかりの凶悪犯(渡辺大知)で、足取りを追う刑事(永瀬正敏)らが島に大挙して押し寄せてきたのだ!

 

24時間体制で執拗な捜査を繰り返す県警。

その包囲網が圭太たちを追い詰める…

 

<島の生活をもまるために死体を隠す者>と<正義のために島の生活を踏みにじる者>との攻防が島民たちにも広がっていき、島の日常が崩れ落ち、少しずつ狂っていく…

 

差出人不明の不気味なメール、次々と増えていく死体、壊れていく絆…

誰が味方で敵なのかもわからない極限状態の中で、”ある人物”がとんでもない罠を仕掛けていた…

 

島中がパニック陥った先に待ち受ける、驚愕のあまり観る者も勝機を失うラストとは—!?

このエンディングを理解することができるか!?(HPより抜粋)

youtu.be

 

 

 

監督

本作を手掛けるのは、廣木隆一

 

2021年はNetflix映画「彼女」という作品を手掛けてましたが、本作はそれ以来の作品でしょうか。

残念ながら「彼女」は中々の酷さで・・・。

そもそも主演二人の掛け合いが嘘くさく見えるし、逃避行モノとしても面白みのない進行で。

濡れ場に関しても比較的キレイに撮れていたんですが、不要なシーンもあり…。

 

なので今回ほぼ初挑戦というサスペンスに、少々不安ですw

 

ここ最近の監督の特徴として、ロングショットで長回しにこだわってる印象を受けます。

今回もそんなシーンがあったりするのでしょうか。

孤島なので空撮が多そうな予感ですが。

監督についてはこちらもどうぞ。

 

www.monkey1119.com

 

 

登場人物紹介

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  • 泉圭太(藤原竜也)・・・いずみ農園を営み、新たな名産品”黒イチジク”を清算している島のヒーロー。爽やかな好青年で誰に対しても優しい。
  • 田辺純(松山ケンイチ)・・・圭太の親友。害虫駆除などで生計を立てる猟師。独身だが圭太の家族とも仲が良く、恵里奈もなつく。ややぶっきらぼう。
  • 守屋真一郎(神木隆之介)・・・圭太と純を慕う弟的存在。新米駐在員として久々に島に戻ってきた。母親を大事にし正義感も強いが、優しすぎる面も。

 

  • 泉加奈(黒木華)・・・圭太と純の幼馴染。現在は圭太の妻として農園を手伝う。恵里奈という娘にも恵まれ幸せに暮らしていたが・・・。

 

  • 畠山努(永瀬正敏)・・・事件を追って猪狩島に降り立った、愛知県警のベテラン刑事。早くから圭太と純の言動に違和感を覚え、疑惑の目を向ける。
  • 青木千尋(伊藤歩)・・・失踪した保護司の鈴木の行方を追い、上司の畠山と共に島にやってきた愛知県警本部の刑事。排他的な島民に困惑。

 

  • 小御坂睦雄(渡辺大知)・・・少女の強姦殺人で服役していた元受刑者。保護司の鈴木と共に職を求め猪狩島にやってくるが、早々に鈴木を絞殺。

 

  • 岡崎正(寺島進)・・・真一郎と入れ替わりで島を去ったベテラン駐在員。島のために「かさぶたになれ」と真一郎に告げる。
  • 庄司華江(余貴美子)・・・猪狩島を取り仕切る町長。一見朗らかで面倒見がいいが、実は金に汚く強欲。部下の野毛への対応もひどい。
  • 守屋仁美(鶴田真由)・・・真一郎の母親。駐在員として島に戻ってきた息子を誇らしく思う反面、元気のない様子を心配している。
  • 山下伸介(大石吾朗)・・・猪狩島唯一の小さな島で働く医者。病院建設を夢見て、猪狩島の復興を待ち望んでいる。
  • 野毛二郎(迫田孝也)・・・役場に勤務し町長の補佐を務める。人前では愛想が良いが、実は傍若無人な町長の酷いパワハラに苦しむ。
  • 横田洋子(菜葉菜)・・・夫の昭一、昭一の父親の庄吉と共に長らく島で暮らす。面倒見のいい優しい性格の持ち主。
  • 横田昭一(酒向芳)・・・妻の洋子、父親の庄吉と共に長らく島で暮らす。変わり者な父親の世話を洋子に任せっきりにしている。
  • 横田庄吉(柄本明)・・・昭一の父親でかなり偏屈な老人。島民には半ばボケていると思われているが、実は頭の方はしっかりしている。
  • 酒井義昭(浪岡一喜)・・・地方創生局員。国から特別交付金5億円が内定したことを町長に伝えに来るが、どこか信用できない雰囲気。

(以上HPより)

 

 

 

 

 

 

 

 

ほんの些細な「ヒビ」が大きな裂け目を生み壊れていくようなサスペンスだそうです。

過疎化した村ならではの問題も蔓延ってそうで、案外社会派の面も出てくるのでしょうか。

ここから観賞後の感想です!!

 

感想

死体がバレたら、終わり…だけじゃねえ!

狭いコミュニティの不気味さとバレるかバレないかの緊張感が絶妙に面白かったです!

以下、ネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

島民の救世主VS県警の攻防戦

元受刑者を誤って殺してしまった島の青年3人による「死体隠し」が、県警の必死の捜索や島民の思惑によって、思いもよらぬ展開へ発展していく本作は、デスノート&神木隆之介という魅力的なキャスティングとアンサンブルによって生まれた迫真の演技によって「いつバレるかわからない」ドキドキ感と、孤島という狭いコミュニティで起きがちな「妙な結束感」や「団結力」、さらには監督得意のロングショット&長回しが見事な化学反応を起こし、誰の心にも現れる「ノイズ」を絶妙な塩梅で醸し出してくれた作品でございました。

 

上映時間役2時間。

編集や構成をリズミカル且つテンポよく見せればもっと面白くできたのに、なんて不満点は感じたものの、普通に見て面白かった映画だったと思います。

 

 

そんな感想を抱いた僕がまず最初に語りたいのは、島民3人VS県警による「死体がバレたら、終わり」の攻防戦。

 

元受刑者が保護司を殺害し、島を一人のらりくらり散策する姿を見た圭太と純。

圭太が帰宅すると、彼が持っていた「いちごみるくジュース」の空きペットボトルと娘が履いていた片っ方の靴が置かれたまま、娘が行方不明。

圭太が栽培している黒イチジクのビニルハウスまで捜索を伸ばすと、娘の自転車に乗ってエロ動画を見てニタニタしている男の影。

純と配属されたばかりの警察官である真一郎を呼んだ圭太は、娘の居場所と今すぐ退去するよう命じるも、純が護身用で持ってき猟銃を出したことで元受刑者は執拗に絡み出し、もみ合いの結果元受刑者はブロックに頭を打って死亡してしまう。

 

圭太は過疎化が進むこの猪狩島を「黒イチジク」の産業で救うかもしれない男。

今回の不祥事によってこれまで築き上げてきた人生が台無しになってしまうことを悔やみつつも自首しようと吐露するが、幼馴染の純と「社会の瘡蓋になれ」という教訓を先輩警官からアドバイスされたばかりの真一郎は、彼がいなくなっては島の発展は水の泡となってしまうことへを危惧し、「死体を隠そう」という案を持ち出すのであります。

 

こうして3人は「共犯」に。

素性の分からない男が一人いなくなったところで問題はないだろうと楽観視していたのもつかの間、なぜか愛知県警がやってきて、元受刑者探しが始まってしまうことから、3人は常に警察に脅えながら日常生活を送ることになるのです。

 

といっても、圭太も純も肝が据わってるのか刑事の畠山から尋問を受けても、脅えることなく堂々とした姿勢をとり、圭太に至っては明るく振る舞って職質すらもさせない交わし様。

 

警察なんて屁でもねえぜ!な姿に、「デスノート」が頭をよぎった人も多いのではないでしょうかw

 

ところが真一郎はどうも様子が違う。

警察官としての仕事をしなくてはならないために捜査本部に出入りしたり、死体をどこに隠すか考えなくてはいけなかったりと常に忙しく動くために、徐々に表情が硬くなっていくのがわかる。

また小さいころからなりたかった「警察官」という夢を叶えた初っ端の出来事であり、あの頃自分が抱いた「正義」への思いがぐらつき始めていたのでした。

 

大きな犯罪には立ち向かうが、島のみんなが平和に暮らせるためには、臨機応変な忖度が必要だ。

そんな言葉と共に島の安全を先輩駐在に託された真一郎にとって、「死体を隠す」ことはこの島にとっての利益である気持ちは変わりない。

 

しかし、元受刑者はおろか、次々と島民の死体が積み重なったり、圭太と純を犯人だと睨む畠山からの要望、さらには母親から言われた「嘘だけはつかないでほしい」という言葉が、彼の心を揺さぶっていくわけです。

 

そもそも人を殺して平然としていられる人ってごく僅かじゃないでしょうか。

圭太や純より真一郎の方が自然です。

しかも嘘をつくということは、その嘘を隠すためにさらに嘘をつかなくてはいけない。

そうなると不安が募る一方です。

いつバレるかわからない、モノの弾みでほんとのことを言ってしまいそう、もう隠しきれない。

そんな彼の末路は非常に悲しいものです。

 

 

こんな3人の本性を暴こうとするのが県警からやってきた畠山。

3人が工作した事件の真相を暴こうと、捜査本部を方針を無視して島民全員を怪しんで捜査するロンリーウルフ(部下もいるけどね)。

はなから圭太を警戒し、職質の際に揺さぶりをかけ盲点を探ろうと躍起になりますが、圭太も負けてられない。

 

死体はもしかしたら純の家にある害獣保管用の冷蔵庫にあるのでは?と睨むも、これまたスル―されてしまう。

どうしてもあと一歩のところで3人の方が一枚上手なのであります。

 

しかも劇中では、元受刑者の行方探しだけでなく、町長を殺害した者はだれかという問題や、島全体をくまなく捜査する警察の姿に段々嫌気がさして追い払おうとする島民も出てくるので、畠山が厄介者にされてしまう流れに。

 

もはや島民全員共犯なんじゃねえの?とまで思わされる展開になっていくのであります。

 

このように、3人と畠山による攻防戦は、死体を隠すために更なる問題が出てきては隠蔽しようと画策する3人と、次々と起きる事件の首謀者の目星がついているのに決定的な証拠が出てこずにヤキモキしている畠山が非常にスリリングな物語だったと思います。

 

これだから狭いコミュニティは嫌い

本作はただの「死体隠し」がバレないように工作する3人のお話だけではありません。

彼らが住む「猪狩島」という舞台が非常にいい効果をもたらしているのです。

 

ドーナツ化現象は今に始まったことではなく、どこの地方でも「若手がいない」ことによる過疎化の一途は変わっていません。

そのために町おこしをしたり、新たな住民を募ったりと、町のために様々な復興を仕掛けているのです。

 

「猪狩島」も同じで、どんどん若い島民がいなくなり、年寄りばかりが残る。

街を活性化させるためには観光に力を入れたり、町の事業を外へ発信させることが必要不可欠なのです。

そこで白羽の矢がったのが圭太が栽培した「黒イチジク」。

TVや雑誌で取り上げられることから、町全体で彼の事業を応援し復興しようとするのであります。

 

町長はこれをきっかけに国から5億の交付金がもらえることが何よりうれしいようで、このお金があれば個まで着手できなかった医療の拡大や学校の改築など、島民が豊かに暮らせる町づくりができるので、なんとしてでも圭太には頑張ってほしいと願っているのであります。

 

この「町のために」という思いが、物語に不気味さを醸し出してくるのであります。

 

物語は死体を隠しているのが島民に徐々にバレていきます。

島民からボケていると言われてる庄吉さんは、3人が死体を運ぶのを目撃しており、それを町長に密告していました。

町長は3人の下へ行き、真一郎や純に自首するよう持ち掛けます。

実際に手を下してしまったのは圭太ですが、彼がいなくなっては黒イチジクでの町おこしは泡となって消えてしまう=5億円が入らなくなってしまうことになる。

また犯人を仕立て上げて事件が解決しなければ、町のイメージが悪くなってしまう。

 

彼女の黒い思惑が浮き彫りになった瞬間、庄吉さんがやってきて町長を殺害してしまうのです。

何故殺害したのかは、恐らく彼女のような「町のためではなく金のため」を最優先しているような人では町がさらにダメになってしまうと思ったのでしょうか。

庄吉さんは彼女を鉈で襲い掛かり殺しますが、町長が持っていたスタンガンによって彼も亡くなってしまいます。

 

死体がさらに増えてしまったことで頭を抱える3人は、庄吉さんの息子夫婦や病院の院長、さらには町長の部下に協力を経て「町のために」今回の事件を隠ぺいしようとするのであります。

 

そして庄吉さんの葬儀では、「これからも町のために圭太を応援しよう」と妙な団結力で結束を固める島民の姿が。

 

また島民全員共犯なのでは?と疑う畠山に対して、鬱陶しくなっていく島民の姿も。

未だ犯人が見つからないことへの苛立ちや、外からやってきた者扱いも加わり、「出ていけ」「迷惑だ」と罵倒し始める島民。

 

いや待て待て、元受刑者が行方不明で町長も殺されているのに、なぜ厄介者扱いするの?と。

「町のために」だったら真相はどうでもいいのか。

島民はみんないい人で、絶対裏切らないとでも思ってるのか。

こういう妙な結束がいかにも島民ぽく、事件に更なる不穏を与えてくれるのであります。

 

圭太の妻は、そんな妙な団結力に段々嫌気がさしてきます。

島のために、町のためにと圭太をガンガン持ち上げる島民たちを見て、居心地が悪いと。

夫を愛しているが故に、圭太がどんどん遠のいていく気がすると呟いてましたね。

 

外からやってくる者には冷たく接し、自分たちだけでやろうにも歳をとっているから身動きが取れない。

だから誰かを持ち上げ英雄にし、町おこしへの希望を圭太に一挙に寄せるこの体たらく。

 

いやぁ気味が悪いですね。

 

誰の心にも「ノイズ」はある

本作では「黒イチジク」を取材したTVのリポーターが試食する際「中がグロテスクですね」なんて余計な一言を言う場面や、圭太から黒イチジクをもらった畠山が「なんだこれ気味悪いな」と食べるのを拒否した場面がありました。

 

おそらく「黒イチジク」は本作の核となる部分で、誰でもふたを開ければグロテスクな部分が潜んでいるという意味が込められた作品だったのではないでしょうか。

 

妙な団結力で地元を復興を望む島民の姿は表向きで、実は登場人物の腹の中では闇が潜んでいたと。

 

本作は終盤「裏切者」が現れます。

死体の隠し場所と全ての事件の真犯人が誰なのかという情報を島民にリークする者がいるのです。

その人物は、我々が見ている最中は島のために町のためにと奔走するのですが、本人の思惑は、自分の欲望を叶えるために、また圭太を陥れるために裏でひっそりと工作していたのです。

 

町長にもその節がありましたね。

町おこしよりも5億円のためならば、誰がどうなってもいいという裏側。

町長の部下は、町長を必死でサポートしながらもパワハラに耐えられず殺め頭とすら考えていた裏側。

庄吉さんはボケていながら町長の考えに不満があり、町のために圭太に希望を託す裏側。

 

無理くりな所もありますが、外からやってきた厄介者=元受刑者という一滴のノイズを意味するタイトルは、実は人間の奥底に潜む腹黒い部分=ノイズという意味もあるダブルミーニングだったように思えます。

 

一番ノイジーだったのはその裏切り者ですが、誰しも腹黒い部分てのはあるもので、今回の事件をきっかけに島民のそうした思いが表に出てしまったというお話だったのかなと。

 

 

最後に

裏切り者に関してはぶっちゃけ途中でわかっちゃいましたねw

過去のエピソードが途中で挿入されるんですけど、この後何かあるとしたらアイツだろうなと思ったらその通りでw

その辺の回収だったりヒントの散らばせ方は、サプライズとしての演出だったら勿体ないなぁと。

 

あとは編集と構成ですね。

のどかな島を意識したのかサスペンスなのにかなりゆったりなスピードで進行していくので、あまりドキドキしたという印象が少なかったです。

とはいえ神木君の表情が段々ヤバくなってくのとか、松山ケンイチの表情が全然変わらないのが逆に怖かったり、平静を保ちながらも内心焦ってる藤原竜也など、主要3人のお芝居が緊張感を出していたと思います。

 

また監督お得意のロングショット&長回しですが、今回もここぞとばかりに使われていたのが印象的です。

「マーマレード・ボーイ」や「彼女」では特に意味のないショットばかりに感じましたが、今回はこの撮影方法によって、島の景観と内容のギャップ、それによって醸し出す不穏な空気だとかが出ていたように思えます。

 

なんだろ、古畑任三郎の「村ぐるみ」の話に、「OUT」がミックスされた映画とでも言いましょうか。

そんなのを思い出しました。

というわけで以上!あざっしたっ!!

満足度☆☆☆☆☆☆★★★★6/10