モンキー的映画のススメ

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主に新作映画について個人の感想、意見を述べた文才のない男の自己満ブログ

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映画「パラレルワールドラブストーリー」感想ネタバレあり解説 あなたのその記憶は本物ですか?

5月31日

パラレルワールド・ラブストーリー

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こんにちは、どんぎつねが大好きなモンキーです。

TBSで放送されたドラマ「カルテット」を見てから吉岡里帆に骨抜きにされた僕としては、今回の映画を外すわけにはいきません。

 とはいえ、去年公開された映画「音量上げろタコ!」は散々でした。

やはり彼女は男を操るような魔性の女的役柄の方が僕としてはゾクゾクします。

そしてもう一度「人生、チョロかった!!」と叫んでほしい。

そんな妄想を広げながら今回の映画、楽しもうと思うんですが、きっとそんな映画ではないんでしょう!

わかっとるわ!

 

今回の映画、どうやら2つの世界で行ったり来たりラジバンダリしてしまった主人公が、その謎を解くっていう、サスペンスラブストーリーのようです。

きっと頭ん中がこんがらがるんでしょう。

多分僕の脳みそではついていけないんだろうなw

そして主人公演じる玉森裕太目当てに女性陣が映画館に押しかけてくるのだと思いますが、僕は彼のお芝居が下手すぎてあまり俳優としては見てませんので、どうかファンの皆様、怒らずに読んでおくんなまし。

 

というわけで早速鑑賞してまいりました!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

累計発行部数150万部を超える東野圭吾のベストセラー小説。

出版から20年、映像不可能と言われ続けてきたミステリーを、「聖の青春」で映画ファンを唸らせた監督の手によって映画化。

 

自分と親友の間を行き来する一人の女性。

存在する二つの世界に迷い込んでしまった主人公が、恋に友情に翻弄されながらも本当の現実を探り当てていく恋愛ミステリーです。

彼女は一体親友と僕のどっちの恋人なのか。

果たしてこの謎を解くことはできるのか。

観る者すべてを迷宮のパラレルワールドへ誘う、新感覚の映画の誕生です。

 

パラレルワールド・ラブストーリー (講談社文庫)

パラレルワールド・ラブストーリー (講談社文庫)

 

 

 

映画「パラレルワールド・ラブストーリー」オリジナル・サウンドトラック

映画「パラレルワールド・ラブストーリー」オリジナル・サウンドトラック

 

 

 

 

 

あらすじ

 

 研究者の崇史(玉森裕太)は、親友・智彦(染谷将太)から恋人の麻由子(吉岡里帆)を紹介される。

彼女は崇史が以前、密かに想いを寄せていた女性だった。

崇史は嫉妬に苦しむ。

ところがある朝、崇史が目覚めると、麻由子は自分の恋人になっていて、智彦は消えていた。

 

2つの世界に迷い込んだ崇史は、隠された真実にたどりつく……。(HPより抜粋)

 

youtu.be

 

 

 

 

 

 

 

監督

今作を手掛けたのは、森義隆

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これまで「ひゃくはち」や「宇宙兄弟」を製作してきた彼ですが、僕としては一昨年公開した「聖の青春」が思った以上に面白く、今回も鑑賞してみよう、と。

おそらくこれまでラブストーリーもサスペンスを手掛けてきていないので、制作するにあたってかなり困難したことでしょう。

 

しかしながら主人公演じる玉森裕太と過去に仕事した時から目をつけていたこと、それからたくましく成長したことに、監督は今作への自信をもっているそう。

監督の手によって玉森君史上一番の輝きを放つ作品になってるのではないでしょうか。

 

監督に関してはこちらをどうぞ。

 

www.monkey1119.com

 

 

 

 

 

登場人物紹介

 

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左上より。

  • 敦賀崇史(玉森裕太)・・・主人公。大学院を首席で卒業する頭脳の持ち主で、スポーツも万能。学年一の人気者だった中学時代に、智彦と知り合い、親友になる。大学院を卒業後、最先端研究を行うバイテック社に入社。初年度は所属研究所のカレッジで智彦と研究に取り組む。学生時代、電車越しに出会った麻由子に秘かに思いを寄せていたが・・・。

 

  • 津野麻由子(吉岡里帆)・・・1つの世界では崇史の恋人として、もう一つの世界では智彦の恋人として存在するミステリアスな女性。崇史・智彦の後輩としてカレッジに入り、智彦と同じ班に所属。

 

  • 三輪智彦(染谷将太)・・・崇史の中学時代からの親友。足が悪く、子供のころは友達がいなかった。麻由子が初めてできた彼女。カレッジでは崇史とともにに大天才と呼ばれている。

 

  • 小山内護(筒井道隆)・・・カレッジで崇史の教官。
  • 桐山景子(美村里江)・・・崇史と同じ班に所属する先輩研究員。
  • 篠崎伍郎(清水尋也)・・・カレッジで智彦と同じ班に所属。智彦に心酔している。
  • 柳瀬礼央(水間ロン)・・・カレッジで崇史と同じ班に所属。篠崎と仲良し。
  • 岡田夏江(石田ニコル)・・・崇史の遊び仲間。智彦が崇史に麻由子に紹介する際に同席。
  • 須藤隆明(田口トモロヲ)・・・カレッジで智彦の教官。

 

 

 

 

 

 

 

 

一体誰の仕業か、その目的は。登場人物紹介からなんとなぁ~く読めてきましたが、果たして僕の予想は当たっているのか。

そんな簡単じゃないよなw

ここから鑑賞後の感想です!!!

 

感想

いったい今どっちの世界なん!?

静寂な演出によって登場人物の心理描写とミステリアスな空間をうまく引き出した佳作だったと思います!!!

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

監督うまいなぁ。

いつも決まった時間に電車に乗ると向かいの電車で見かける女性に恋をした主人公・敦賀。その電車に乗る最後の日、意を決して彼女が乗る電車に乗った敦賀だったが、彼女もまた敦賀が乗る電車に乗っていたことに気付き、結局二人は会うことなく時が過ぎていった。

2年後、親友の智彦が彼女を紹介したところ、敦賀は戸惑いを隠せないでいた。何故ならそれは2年前いつも同じ時間の電車で見かけた彼女だったからだ。

しかし彼女は顔色一つ変えず敦賀の前で智彦の彼女として振る舞っている。

一体どういうことなのか。

というのが、冒頭の流れ。

 

今作は主人公の身に起きる二つの世界の時間軸をあえて説明せずに描くことで、観ている者は今一体どっちの世界なのか、という疑問を常に与え考えさせ思考を張り巡らせる手法をとっており、この説明不足という映画にとってマイナスな要素を逆手に取ることで、主人公の敦賀の身に降りかかる混乱した記憶と同じ体験を得ることができる、非常に心地よいミステリー恋愛映画でございました。

 

もうね、冒頭からうまいですよ。

これ東野圭吾も電車に乗って思いついたんだろうなぁという映像。

山手線と京浜東北線て田端駅から品川駅まで同じ路線を走ってるんですよね。だから時々電車が走行中重なることがある。

これを二つの世界に見立てて映し出す映像はこの映画にピッタリのシーンだったなぁと。

パラレルワールドってのは並行した世界ってことなんですが、正にこの並行した世界が一時的に重なって描かれる恋愛映画だってことを示唆してるわけですよ。

で、この二つの世界はどこまで同じ時間を進みどこから別の道を進んでいくのかって、もうほぼラストのこと話しちゃってる気がしますけど、要は冒頭でラストを言っちゃってるんですよ。

てかね、なんかこういうシーン観たことあるなぁと思ったら「君の名は。」でした。これ言えば伝わるかなぁ。

これをぶっ込んで世界観を映した監督、うまいなぁと。

もちろんこれ以外にもですね、恐らく「聖の青春」で培った演出方法なんだろうなぁと思われる、無音状態と極力抑えたセリフの量、説明セリフを説明たらしめない工夫なんかが凄く効いていまして。正直僕この映画期待度低めだったんですけど、監督の冴えた演出のおかげで結構楽しめました。

特に効果的だったのは、敦賀は一体今どっちの世界にいるのかパッと見分からないという点。

冒頭では敦賀は智彦に麻由子を紹介されて戸惑う姿を映すんですけど、すぐさま敦賀は麻由子と同棲しているシーンを流すんですね。これ凄く唐突で何の説明もない。

もちろん見ているこっちは「???」だらけですよね。ぶっちゃけ分かりやすいように服の色で区別している工夫も見えるんですけどこれもあからさまにやってるわけではないので、今Aの世界だ、Bの世界だ、本当の世界だ、ウソの世界だ!ってのはわかりにくいんですね。

こういう謎をほぼ説明しないまま、智彦の彼女の世界、敦賀の彼女の世界を行ったり来たりするんです。

で、片方の世界で描かれたエピソードが、もう片方の世界で敦賀に都合のいいエピソードに書き換えられているのを少しづつあぶりだしていく小出し感が非常に面白く描かれていて、ここで変にサスペンス調の音楽とかつけないんですよ。

加えて、邦画あるあるでお馴染み登場人物の心の声で今の心境をいちいち語らないんですね。

逆に敦賀が急に核心を突くようなセリフ吐いて、すぐさま別の世界のエピソードに行っちゃうのも手伝って、常に意味深さと不可解さと答えを教えてくれない意地悪さがあって、早く先を知りたくなる、種明かしを知りたくなるように、我々の心をつかんで離さないように監督は施してるんですね。

 

そして何がうまいって、この謎の回収までをも丁寧に描いてないから、もう一度見て検証したくなる気持ちにさせてくれること。

よく謎を謎のまま終わらせて観客に議論させるパターンの映画がありますが、それとはちょっと違う感じの映画だったなぁと。

なんていうんだろう、順序良く語ってないからそういう気持ちにさせてくれる、みたいな。

 

とにかくですね、謎が全部明らかになってもスッキリはしません。

むしろ心にしこりが残るような、爽快感のないラストです。

それもこれも冒頭が全て物語っています。これ核心ついちゃってるなぁw

 

 

恋愛要素もせつねえ!

僕は映画を見る前に事前情報をある程度インプットしてから見る人で。

それやっとかないと途中でわからないことがあるとそのことばかり考えちゃって、物語に追いつけないんですよね。

だから今回の映画、なんとなくこうなるんじゃないかって予測は立ってたんです。

それが登場人物紹介の部分で語られている設定なんですけど、敦賀は中学の頃から完璧なんですよ。

 

頭脳明晰スポーツ万能、おまけに顔もいいってことで、当時はヒーローみたいな存在だと智彦は麻由子に語ってます。

逆に智彦は足が悪いせいで体育の授業も休んでばかりな、クラスの中でも地味な存在。そんな2人が量子論の事で意気投合して親友になったんですが、劇中では敦賀の本音が少しづつ見えてくるんですね。

 

それは智彦の事を見下している感情。

常に優越感を持って過ごしていた敦賀にとって、名前も知らずに気持ちを伝える女性が急に親友の彼女として現れたことで、なんで俺じゃねえんだよ!って感情が芽生えるんですよね。

だから麻由子を駅まで送るときにとっさに行ってしまう、「智彦に同情して付き合ってるの?」ってセリフとか、麻由子とバスケをしている姿を智彦に見せつけることで優越感に浸る敦賀の表情がそれを物語ってましたよね。

 

逆に智彦は劣等感を持って過ごしてきたので、親友である敦賀にここまでやられることで、その気持ちを埋めるかのように研究に没頭していくわけです。

智彦が敦賀に勝てる要素はその頭の良さ。

だから世紀の大発見をした智彦がそれを研究発表会であえて発表しなかったことで、敦賀にもったいぶらせたのは、そういうことだったんだろうなぁと。

 

途中まではどっちが麻由子にふさわしいか、みたいな親友同士の醜い争いが描かれてるんですけど、これが思いもしない流れに進んでいくことで切ないラブストーリーへと変わっていくんですね。

それが、智彦が研究している「脳の記憶の改変」なんです。

よく誰かに何かを話すときに盛ったり嘘をつくこと、あると思います。

それは真実ではなく本人がそうでありたいという願望によって脳がウソをつく、って構造だそうなんですが、この真実と願望に光で刺激することで、あたかも願望そのものが真実に改変される、という研究を智彦はしています。

この研究によって、敦賀は麻由子と恋人の世界とそうでない世界を横行しているんですが、智彦もまたこれを使って自分の想いを消そうとするんですね。

この決断がホント切ないというか、そんなことまでしないといけないのか、と複雑な気持ちにさせてくれます。

 

また全容を知っている麻由子もまた揺れに揺れていたんだろうと。

彼女もまた敦賀の前に智彦の彼女として現れた時は動揺したことでしょう。だって彼女もあの日いつも乗る電車ではなく、敦賀の乗る電車に乗って彼を探していたんですから。

その気持ちを隠していたにもかかわらず、敦賀のそばにいることで揺れていく麻由子。

敦賀と恋人の世界では、彼がキスする度に哀しい表情をするんですが、きっとそれはそういうことだったんだろうなぁと。

これも最後に種明かしされるんですが、麻由子の願望ではあったものの、それとはちょっと違う立場がまたせつないです。

最後にする選択がまたせつなくて。

でも最後には前を向くという希望への1歩を踏み出すような終わり方に加え、宇多田ヒカルの「嫉妬されるべき人生」が深い余韻を与えてくれるんですよね。

この歌きっと麻由子の心情だよなぁと。

 

とはいえ彼女の本心てのが正直中々見えなかったのが僕のこの映画の中での大きな不満でもあったんですが、それは最後にある程度解消されたのでまぁいいかなと。

 

 

 

最後に

記憶を改変したり辿っていく映画っていうと、「トータルリコール」とか「メメント」とか思い出しますが、その手のSF感だったりサスペンス感は強く出ていません。

だいぶ恋愛よりの記憶をめぐるお話になっています。

当たり前かww

 

玉森君、彼ってどちらかというと感情を表に出さないタイプの役者さんだと思うんですが、今回細かな心の揺れをちゃんと見せていたように思えます。

特に徐々に本心が現れてくる姿や、記憶の端々が微妙に違うことに気付き始めてくることで生まれる不気味さは、返ってリアルな様子が窺えて物語にマッチしていたかなと。

彼とは逆に初めての恋人で見せる浮かれ具合や研究の世界に自身をみなぎらせる姿とは対照的に、恋愛や研究での失敗に落ち込み暗い表情を浮かべ、その沈んだ時間を越えてたどり着いた答えをナチュラルな笑顔で見せる染谷将太の引き出し具合には毎回驚かされるし、満面の笑みとあざとい表情で僕を虜にさせる吉岡里帆は、今回どちらの彼女なのかわからせないように極力本心を見せないような抑えた演技で二人の間に入ってましたよね。

印象的なのは敦賀が荒らした部屋の写真たてを片づけるシーンで少しづつ固くなっていた心がほぐれて涙を流していく姿は素晴らしかったですね。

 

総じて今回は「邦画大作に良くアリがちな観客にわかりやすく伝える演出」ってのをほぼ排除したことでミステリー要素がぐんとあがり、物語に没頭させる演出が功を奏した映画だと思います。

 

僕も山手線使って出勤するんですけど、今度京浜東北線と走行が重なった時、向かいの窓を覗いてみようかな…そしたら…もしかしたら…ぐふふw

というわけで以上!あざっした!!

満足度☆☆☆☆☆☆★★★★6/10