ジョン・ウィック:パラベラム
妻を亡くし、愛犬を殺され、愛車を盗まれ、家を燃やされ、何もかも失ってしまった伝説の殺し屋が、壮絶な覚悟で臨んだ復讐劇「ジョン・ウィック」シリーズ。
前作で殺し屋の掟を破ってしまったジョンが、世界中でその命を狙われてしまうという壮大な鬼ごっこを繰り広げ、果たして彼は逃げきれるのか、そして復讐にピリオドは打たれるのか、というのが見どころになってくるのだと思います。
僕がこの映画で楽しみにしているのは、もちろんアクションの凄さもあるんですが、子供心くすぐる裏社会の世界観ね。
共通のコインで取引したり、後始末をしてくれる清掃業者、殺し屋専用のホテルに武器専門のソムリエに仕立て屋、車の修理屋、貸金庫屋、独自の通信回線を担う女性たちといったサポート陣。
また血の誓印といった逆らうことのできない宿命を匂わせてくれる設定なんかもワクワクしちゃいますよね。
では、感想です。
作品情報
「スピード」、「マトリックス」などで活躍し、今作で再びアクションスターの座に帰り着いたキアヌ・リーブスの人気アクション映画の第3作。
数々の伝説で裏社会を震撼させてきた最強にして最強の殺し屋、ジョン・ウィックの壮絶な復讐を描いてきた今シリーズの最終作は、掟を破ってしまったことにより反逆の逃亡者となってしまった彼が、世界中の殺し屋たちに追われながらも、敵味方関係なしの壮大な抗争へと発展していく。
アクションのコーディネートから俳優の訓練に至るまで、作品全てのアクション製作を担う会社「87イレブン」を作り上げた監督や、製作陣による新しい近接格闘も見どころの一つ。
第1作目で披露された銃と拳法を組みあわせた「ガン・フー」、2作目で披露された車を応用した「カー・フー」に続き、馬に乗りながら格闘する「馬・フー」、犬を利用した「ドッグ・フー」や本を活用した技などで、今作もアクション映画の多様性を広げている。
果たしてジョンは世界の殺し屋たちから無事逃れることができるのか。
シリーズ最大にして最高のクライマックスを見逃すなかれ!!!
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- 発売日: 2019/08/21
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あらすじ
全面戦争開始!
反逆の逃亡者は、かつて忠誠を誓った世界の全てを敵にまわした・・・
裏社会の聖域:コンチネンタルホテルでの不殺の掟を破った伝説の殺し屋、ジョン・ウィック(キアヌ・リーブス)。
全てを奪ったマフィアへの壮絶な復讐の先に待っていたのは、裏社会の秩序を絶対とする組織の粛清だった。
1,400万ドルの賞金首となった男に襲いくる、膨大な数の刺客たち。
満身創痍となったジョンは、生き残りをかけて、かつて“血の誓印”を交わした女、ソフィア(ハル・ベリー)に協力を求めモロッコへ飛ぶ。
しかし最強の暗殺集団を従えた組織は、追及の手をコンチネンタルホテルまで伸ばして、ジョンを追い詰める。
果たしてジョンは窮地を脱出し、再び自由を手にすることができるのか!?(HPより抜粋)
監督
今作を手掛けるのは、チャド・スタエルスキ。
キアヌとは「マトリックス」でスタント担当をしてきて以来の仲で、今シリーズは正に二人の絆無くして成立しない作品であることが窺えます。
また彼の生み出すアクションテクニックや演出は、昨今のハリウッドアクション映画には欠かせないものであり、あの「シビルウォー」も「エクスペンダブルズ」も「アトミックブロンド」も「デッドプール2」も、彼とデヴィッド・リーチが設立したアクション製造会社「87イレブン・アクション・デザイン」がアクションを手掛けているのであります。
もう誰もが目にしている映画の裏側では、彼の存在が大きくあったわけですね。
そんなハリウッド製アクションの全てを今シリーズに捧げている、といっても過言ではないでしょう。
彼に関してはこちらをどうぞ。
キャラクター紹介
- ジョン・ウィック(キアヌ・リーブス)・・・裏社会を震撼させた伝説の殺し屋。亡き妻の遺した愛犬の命を奪われ元の世界に舞い戻る。
- ソフィア(ハル・ベリー)・・・かつてジョンと“血の誓印”を結んだ元殺し屋。いまはコンチネンタルホテル・モロッコの支配人。
- バワリー・キング(ローレンス・フィッシュバーン)・・・裏社会の更に地下に潜む組織を率いるニューヨークの情報王。
- ウィンストン(イアン・マクシェーン)・・・ジョンと信頼関係を築くコンチネンタルホテル・ニューヨークの支配人。
- ゼロ(マーク・ダカスコス)・・・ジョンのファンを自認するも、暗殺集団を率いて追い詰める最強の刺客。
- 裁定人(エイジア・ケイト・ディロン)・・・裏社会の秩序を破る者を冷徹に処分する主席連合の使者。
- シャロン(ランス・レディック)・・・ジョンに敬意を払うコンチネンタルホテル・ニューヨークの忠実なコンシェルジュ。
- ディレクター(アンジェリカ・ヒューストン)・・・ジョンの育ての親で、ロシア系の孤児を集め暗殺者とバレリーナを養成するルスカ・ローマの首領。(以上HPより抜粋)
さぁ!至高のアクションに酔いしれながら、ジョンの逃亡劇を堪能しようではないか!是非前作を復讐、じゃない、復習してから鑑賞しましょう!!
今回もカラフルそうだなぁ!
ここから鑑賞後の感想です!!!
感想
おいおいおい!アクション映画素人のオレでも今回のはおもしれえぞ!!
○○・フー目白押しの逃亡劇でした!!!!
以下、ネタバレします。
アクションが大渋滞。
ついに始まったジョン・ウィック狩りの幕開け。
復讐は復讐しか生まないという「アウトレイジ」よろしく、裏社会ならではの展開に複雑な心境がありつつも、アクションそのものを楽しんでほしいと言わんばかりの遊び心満載のアクション描写。
繰り広げられる激闘と銃撃戦の数々と時折挟まれるユーモア描写という緩急の付け具合が絶妙なうえに、数多のガジェットやアイテムによってアクションの可能性を最大限に発揮、そして前作以上に美術と照明と舞台にこだわった、これぞ本物にして現時点最高のアクション映画でございました!!!
妻との思い出を記憶しておきたいという願いから、生き続けることを選んだジョン。
かつての伝手を頼りに孤独に歩き渡る彼と、その彼によって裁定人から裁きを下されるジョンの仲間たち。
負の連鎖にも見える復讐への報いは、さらに激しさと規模を増し、ついには主席連合との抗争にまで発展していくというのがおおまかなあらすじになるんですが。
過去2作がずば抜けて面白いと思えなかった僕が、今作に関しては最高に楽しめました。
過度な期待をしていなかったことも理由の一つに挙がると思うんですが、それ以上に楽しいと思えたのは、百本ノックでも受けてるんじゃないかってくらい見せるアクションシーンの数々。
およそ140分に及ぶ上映時間の中で、一体アクションシーンはどれだけあったのでしょうか。
絶対半分以上はアクションだったよね!?
とにかくアクションが大渋滞で大行進だった今作。
冒頭から前作の緊迫した流れを上手く引き継いで描かれています。
ウィンストンの放ったジョンウィック殺害命令開始まであと1時間。
豪雨降りしきる中、愛犬とひたすら逃亡するジョンですが、ニューヨーク公立図書館で最初の刺客と遭遇。
まだ時間前というのに襲ってきてしまうというのが、彼の懸賞金の凄さを感じさせます。
彼が手にしていたのはロシア民話第2集。
その中に十字架のネックレスと金貨、誓印、そしてヘレンとの写真が。
その本を武器に、大男と対決開始。
右肩をナイフで刺されてしまうジョンですが、この本を上手に利用する戦い方はきっと以前も本を片手に戦った証拠だと勝手に妄想しながら見ていましたw
飛びかかってくるナイフを本で防御しながら本で頭や腕や足をひっぱたき、ついには本棚の壁に追いやり口に本をつっこみ、3発ほど掌底!
机の上に頭をもたれながら失神状態の大男の首に本を置き、頭の上に思いっきりグーパンチ!
はい、首が見事にポキッと俺最初の刺客成敗終了でございます。
これが「本・フー」でございます。
いきなり死闘だった初戦に時間と体力を割いてしまい、傷ついた右腕を手当てしてもらうためにドクという闇医者を訪ねるジョン。
残りあと5分を切った状態で肩を縫ってもらうも、時間が来てしまいサービス終了。
ジョンは自分で残りを縫い、ドクは疑われないようにジョンにわき腹と左肩を銃で撃ってもらいます。
とうとう孤独な逃亡を強いられたジョン。
速攻殺し屋たちに狙われます。
場所はあらゆる武器が陳列された武器屋。
銃弾のサイズに合わせるためにカスタマイズしながら敵を待ちわびるジョンに、アジア系の身のこなしの軽い連中がやってきます。
ナイフが陳列された通路に追い込まれたジョンは、互いがそのナイフを利用して戦うことを選択。
少々動きの重いジョンは様々な組手を駆使して応戦。
ダーツのようにナイフを敵の身体にグサグサ刺しまくる、眼を瞑りたくなるアクション描写と、ジョンも敵もいちいちガラス割ってナイフ取り出して戦う姿が妙に笑えます。
そう、今作はどこかのシーンで笑える瞬間が多々あり、激しい攻防がありながらも心地よい時間を送れる作品でもあったのです。
坊主頭の頭上に思いっきり刀剣をブシュッと刺すシーンはかなりのエグさでしたが、その後のとどめである斧放り投げは、エグさを通り越して爆笑モノです。
これが「ナイ・フー」でございます。
これで一息つくかと思いきや、今度はイタリア系の殺し屋が登場。
車ではねられたジョンは近くの建物に逃げ込むと、そこは馬小屋でした。
巧く馬の影に隠れながら気配を消すジョン。
この時銃を持っていないせいもあって、どう戦うのだろうと孤高の殺し屋観察をしていると、何と馬の尻を叩いて後ろ足を蹴り上げさせ、馬の背後にいた敵を一網打尽にしてしまうという素晴らしい発想!
これもきっと彼は過去に馬を利用した戦い方を経験しているからできる戦い方なんだろうなぁ、と妄想しながら彼を観察。
しかもこの馬を利用した戦い方、この後2回ほど使って敵を倒すので、いわゆる天丼スタイルで笑わせてくれます。
ナイ・フーに続いてのこの笑いも取ってしまう戦いぶりに、僕の期待は徐々に確信へと変わっていきました。
あれ、今回なんかおもしれえな…と。
この馬に乗って町へ繰り出すジョン。
さっきっまでの豪雨は収まり、濡れたアスファルトにネオンが反射することで、ジョンウィックシリーズ恒例の鮮やかなカラーリングが堪能できるシーンへと変わっていきます。
敵は馬に乗るジョンをバイクで追走しますが、ここもジョンの機転の利いた戦い方が素晴らしい!
西部劇でよく見る馬の横に体を傾けて身を隠し、馬の首辺りから銃口を向け発砲。
あ~きっとジョンの好きな映画は駅馬車だろう、そんな妄想に駆られながら彼を観察。
これが「馬(バ)・フー」でございます。
何とかたどり着いた場所は、彼の育ての親であるロシアのディレクター。
彼を擁護すれば主席連合に盾を突いてしまうことから、彼の願いを頑なに拒否するディレクターですが、借りを返せと詰め寄るジョンに折れ、彼の願い通りカサブランカへの船旅を用意します。
そこに行きたい理由は、ジョンとかつて誓印をかわしたことのある殺し屋ソフィアのいる場所。
彼女は現在コンチネンタルホテルの支配人をしているのですが、ジョンがやってきたことに強烈な拒否反応を示します。
しかし会えないでいる娘を思いやる気持ちとジョンの渾身の説得により、愛犬2匹と共に彼女のボスの元へ。
ジョンはそのボスを通じて主席に会いたいというのが本当の狙いでしたが、そのボスが願いを聞いてやる代わりに報いを受けろということで、ソフィアの犬をよこせと命令します。
当然ソフィアは拒みますが、ボスはその愛犬に銃を向け発砲、これに激昂したソフィアはボスを銃撃、再び死闘が始まります!
相当数いる敵を二人と愛犬2匹が戦います…がここで疑問なんですけど愛犬1匹撃たれましたよね?あれ死んでなかったってことですかね?
最初2引き連れていって、撃たれたはずなのに、その後も2匹いるんですよ・・・3匹いたの?
まぁいいや、ジョンはいつも通りのアクションで敵を一網打尽しますが、ソフィアはこの愛犬2匹を使って応戦するんですね。
ハル・ベリーが普段見せないようなアクロバティックな動きをしたことにも驚きですが、彼女が合図すると、もんのすごい速さで敵の股間めがけて走ってくるんですよ。
バウワウ言いながら敵の股間を噛んで離さない犬は、その後もコンビプレイで飛びかかったり、ソフィアが危ない時に助けたり、しまいには高所から狙ってくる敵めがけてソフィアの背中を使ってハイジャンプして飛びかかるという大技まで披露。
仕上げに、車の中から発砲してくる敵めがけて車の中に突っ込んでガブガブ!
盗んだ車にもソフィアの合図で窓からスムーズに入るのもお利口さんでした。
これが「犬(ドッグ)・フー」でございます。
このように、どんな舞台でも高みのアクションと可能性、そしてユーモアまで交えてしまう、一見アンバランスにして絶妙なバランスで調合したパフォーマンスは、これまで見たことが無いくらい唸りました。
笑いました。
感動しました。
ちなみにここまで説明してきましたけど、大体半分もいってないと思います。
この後も、もんのすごいアクションが目白押しですし、最後に対決するゼロとその手下たちの対決は、笑いもアクションも1.5倍になってるので是非堪能していただきたいですね。
最後に
いつもながらにシンプルな物語の構造かと思いましたが、実際は逃げて忠誠を誓って戻るかと思ったら結局反発と、かなり入り組んだ死闘でしたね。
疑問があるんですけど、なぜ主席に忠誠を誓ったのにゼロの一味から狙われるのかがよく理解できなくて…どっか見逃した?
せっかく会えたんだから手合わせ願いたいというジョンファンならではの想いからそうなったのかなぁと。
てかゼロを演じた方が伊武雅刀にしか見えなかったのは俺だけでしょうかw
だからなのかぎこちない日本語が他に人以上に笑えってしまってw
あと、彼表向きは寿司屋なんですけど、なぜかBGMがきゃりーぱみゅぱみゅの「にんじゃりばんばん」で、カウンターで寝そべっている猫に握り寿司与えてるのがまぁ面白いw
どうぞ!ってw
あれですかね、ブレランオマージュみたいなやつですかねw
オマージュで言うとクライマックスのゼロ一味との対決。
置いてあるガラスを片っ端から体ぶん投げて割るってのが見て楽しかったんですけど、あれ死亡遊戯みたいな敵の登場でしたよね。
1階で2人、2階で二人(あ、ひとりは「ザ・レイド」のボスやってた人ですよね)、そして最上階でゼロと対決って。
確か前作でも鏡を使ったアクションてのがありましたけど、それも「燃えよドラゴン」オマージュだったと思うので、今回もブルース・リー作品にオマージュを捧げたのかなぁと。
途中でも書きましたけど、西部劇へのオマージュも含まれてたよなぁと。
拳銃カスタマイズしている時、明らかに西部劇特有の劇伴混ぜてたし、馬・フーでの拳銃裁きもそれだし、砂漠で路頭に迷う姿もどこか「続・夕陽のガンマン」的な。
思い込み過ぎ?
こんな感じで様々なアクションを披露しているから、過去作へのオマージュは必然なんだと思います。
とにかく楽しいアクション映画を堪能できた映画でした。
これまでジョン・ウィックとは違う立場だったってのが面白さに拍車をかけたのかなぁ。
今後も製作が予定されてるとの情報もあるので、今後も追いかけたくなる最終章でした!!
ありがとう!ジョン・ウィック!!
というわけで以上!あざっしたっ!!
満足度☆☆☆☆☆☆☆★★★7/10