バーニング・オーシャン
やばい状況下でひたすら人命救助に専念する男のドラマとかアツイぢゃん!!!
おいらのハートもバーニングしてくれるような燃え盛る展開なんだろうと期待しております!
だって、マークとピーターバーグって「ローン・サバイバー」コンビだぜ!
あの緊張感MAXのやばい状況がまた拝めるんだぜ!
バーーーニングッッッッッ!!!
・・・と少々興奮気味の中、早速鑑賞してまいりました。
作品情報
2010年4月20日、アメリカ・ルイジアナ州に程近いメキシコ湾沖の石油掘削施設「ディープウォーターホライゾン」で流出した原油が爆発。
すさまじい大火災から3ヶ月間で海に大量の原油が流れ、自然破壊や近隣住民や作業員などに甚大な被害を与えた。
施設内部で一体何が起こったのか、生き残った作業員はどう行動したのかといった真実を、克明なインタビューに基づき映画化され、アカデミー賞視覚効果賞と音響効果賞にノミネートされた。
大災害、そして人災でもあったこの大事故を圧倒的なスケールで描き、その極限状況下で仲間の救出を諮った男の人間ドラマも描かれた、究極のディザスター映画です。
あらすじ
2010年4月20日の早朝。トランスオーシャン社のエンジニア、マイク・ウィリアムズ(マーク・ウォールバーグ)は、愛する妻フェリシア(ケイト・ハドソン)と幼い娘とのしばしの別れを惜しんでいた。これからメキシコ湾沖の石油掘削施設ディープウォーターホライゾンへと赴き、電気技師として3週間の勤めを果たさなければならないのだ。
126人の作業員が働く最先端テクノロジーを備えたこの巨大施設は問題が山積みだった。中でも厄介なのは、雇い主であるBP社の管理職社員ヴィドリン(ジョン・マルコビッチ)が掘削作業終了前に必要なテスト担当者を帰してしまったことだ。安全管理を何よりも重んじるマイクの上司ジミー(カート・ラッセル)は大幅な工期の遅れを取り戻そうとしているのを見抜き、厳しい口調で問い詰める。
結果耳を貸さないヴィドリンはテストで異常値を示したものの、そのまま終了。その後掘削泥水の除去作業が開始され、作業員たちはこれで家に帰れると胸をなでおろしていた。この後未曾有の大事故へとなってしまう事も知らずに。(HPより引用)
監督
この事故に興味を示し映画化した監督はピーター・バーグ。
監督業よりも先に俳優業に精を出していたことも有名なお方。俳優としての彼は全然知らないのですが、医療ドラマ「シカゴホープ」に出演してたというから驚き。
その傍らで脚本や監督もこなしていき、結婚間近に奇怪な事件が多発するも挙式を強行突破しようともくろむ「ベリーバッド・ウェディング」で監督デビューします。
その後も着々と作品を手掛けていきます。
サウジで起きた自爆テロによって仲間を失ったFBIの職員がテロ組織を追い詰めていく様を描いた「キングダム/見えざる敵」、
人々に尊敬されるはずのヒーローが、そのスタイルと言動、解決に至るまでの過程によりトラブルメーカーになってしまった男の成長をコミカルに描いた「ハンコック」、
エイリアンの襲撃に立ち向かう日米軍艦乗組員たちの攻防を描いた「バトルシップ」、
ネイビーシールズによるアフガンでの作戦中に起きたネイビーシールズ史上最大の悲劇をリアルに描いた「ローン・サバイバー」があります。
「バトルシップ」や「ハンコック」など酷評が半端ない作品もあれば、「ローンサバイバー」のように緊迫した息を呑む展開にシビレる作品もあったりと様々。今回も「ローンサバイバー」のようなリアル描写に期待です。
前半からもんのすごい緊迫感です。オススメです。
ピーターとマーク、二人合わせてWバーグの作品なら、こちらもどうぞ!
キャスト
主人公のエンジニア、マイク・ウィリアムズを演じるのは、マーク・ウォールバーグ。
彼が肉体派俳優と化したのはいつからでしょうか。そのくせコメディもできる芸達者な男。ユーモアとマッチョのハイブリットスターであります。
日本では「テッド」で一躍顔が売れたのかな?
もっと前から活躍してる方なんですけどね。
そんな彼の代表的な作品がどんなものか簡単にご紹介。
おそらく彼の初主演は、70年代後半のポルノ業界を舞台にした辛らつな人間ドラマ「ブギーナイツ」だと思います。アレが大きいということでスカウトされ瞬く間にスターになっていく主人公を演じてます。
他にもイラク駐屯のアメリカ兵が謎の地図を入手し黄金強奪作戦を開始する異色の戦争映画「スリー・キングス」、
SF映画の金字塔をティム・バートンによりリメイクした「PLANET OF THE APES/猿の惑星」、
香港ノワールの大傑作「インファナル・アフェア」をマーティン・スコセッシによりリメイクした犯罪サスペンス「ディパーデット」ではアカデミー賞助演男優賞にノミネート、
命が吹き込まれたくまのぬいぐるみとダメな中年コンビが繰り広げる大人向けの痛快コメディ「テッド」、
人気フィギュアを実写化したアクション超大作の第4弾「トランスフォーマー/ロスト・エイジ」など、
アクションコメディSFサスペンスと、そのマッチョバディで派手に動き、頭も筋肉だろwといわんばかりのおバカっぷりをかます、器用な役者さんです。
マッチョ好きはぜひ。
こちらも是非。
他のキャストはこんな感じ。
マイクの上司ジミー・ハレル役に、キングオブ漢!今年は「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー・リミックス」にも出演するカート・ラッセル。
管理職責任者のヴィドリン役に、「マルコヴィッチの穴」のジョン・マルコヴィッチ。
マイクの妻フェリシア役に、「あの頃、ペニー・レインと」のケイト・ハドソンらが出演します。
実際に起きてしまった史上最悪の原油流出事故。
極限状態の中作業員たちはどのように助かったのか。
この春最高のディザスタームービーがついに幕を開ける!!
ここから鑑賞後の感想です!!!
感想
溢れんばかりの泥水と燃え盛る炎!!安全第一怠るとこうなっちゃうよ!!漢たちの勇姿を見届けろ!!
以下、核心に触れずネタバレします。
とんでもない実録映画
石油掘削施設の作業が遅れている中、急いで軌道に乗せたい巨大企業と安全第一の下請け企業、それぞれが対立する中起きてしまった爆発事故。
その中でなんとか被害を食い止めようと危険を顧みず体を張った作業員たちを描いた実録映画でございました。
映画だから何かドラマチックな展開を期待してたら大間違い。
こんな規模の事故をエンタメチックに描いたら罰が当たるぜ!とでも思ったのか、オープニングのウィリアムズと女性作業員のアンドレア(ジーナ・ロドリゲス)の日常以外はほとんど描かれてない。
この物語は美談で語られるような美しいドラマなんかでなく、どうしてこのような災害が起きてしまったのか、利益に特化して追及するとどんな目に遭うか、そういった部分を冒頭から丁寧に物語に組み込むことで、このような危険な現場での人命最優先ということがいかに大切かということをまじまじと突き付けられます。
前半は親企業と下請け企業の仕事に対する優先順位について言い争う場面がメインとなっていきます。
このような事態になったからには、安全性を優先するジミーの言い分が最もなわけですが、自分の職場に当てはめてみればよくあることで、ヴィドリンも所詮中間管理職。
上からきつく言われてるゆえの強行突破だったのではないでしょうか。
決して仕方なかったでは済まされないことですが、両者ともそれぞれの立場での行動だったことから、片っ方だけを裁けないよなぁなんて考えてしまいます。
そんな言い合いの中で、小さな故障個所がいくつもあること、利益優先のため超過労働が行われていること、どういった仕組みで石油が汲み上げられるのかといった装置の構造、いくつもテストを繰り返さなければいけないシビアな環境、そのテストもしっかり見極めないといけない慎重な現場、などなど普段関わることのできない掘削作業の中身をうまくセリフに盛り込みながら説明されていきます。
後半はウソだろっ!?と思うような大災害を目の当たりにします。
海底から溢れる泥水にまみれ瞬く間に施設の最上部分まで噴き上がり、小さな故障個所を修復してない状態といった積み重ねが災いとなり、緊急停止装置は作動せず、ガスに引火。
個室で休んでいたウィリアムズやジミーも大けがするほどの大爆発が起きてしまいます。
ドアの下敷きになったり、そこらじゅうのガラスの破片が体中に突き刺さり目もあけられなかったり、資材の下敷きで足の骨まで刺さって抜け出せなかったり、服に引火したり泥まみれになったり。
大爆発になったからといってすぐさま逃げださない彼らの仕事への思いもまた素晴らしいです。
どうやったって助からないだろコレ!と思ってしまうような状況の中で、主人公ウィリアムズはじめ、ジミーやアンドレアがケガを負っているにもかかわらず、仲間を救いに行ったり事故を最小限に留めようと尽力する彼らの真摯な思いに心を打たれることでしょう。
職人監督ピーターバーグ
この作品をドキュメンタリーチックに描いた監督の職人技がとにかくすごい。
なんてったって本物なのかCGなのか見分けのつかない大災害を再現した演出。
アカデミー賞視覚効果賞にノミネートされただけのことはあります。
泥水が一気に噴射されるシーンでは何人か吹っ飛ばされてるし、ジミーもシャワー浴びてる最中に部屋の中でふっとばされたり。
そしてガスが引火した時の大爆発。
スクリーンいっぱいに炎が包まれる映像は、下手な戦争映画よりも迫力があり、あ。終わった・・・感でいっぱいになるでしょう。
前半と後半の中にも緊張感を保ったまま描いていて、緩急をつけた演出が見事です。
冒頭から不吉なことを少しづつ挿入してるんですね。
ウィリアムズの奥さんが見た夢が不吉だったり、娘が書いたパパの仕事についての作文を読んでいるときも、コーラを逆さにして穴を開け、そこに液体を流すことでコーラが噴き出すシーンだったり、アンドレアの車が動かなかったり、視察に訪れた上司のネクタイの色が警告サインの色と一緒だったり、いろんなフラグが立っていることで、いつ大災害が起こるのかを煽っている小さなエピソードの連続に目が離せなくなっていきます。
後半はもう怒涛の展開。
正直言って主要キャスト以外誰がどこで何をしてるのかわかりません。
耳がキーンとなってる状態で周りの音が流れる中で、顔は血だらけガラスの破片だらけ油まみれ、しかも夜の暗い中。
今映ってるこいつはBP社の人間なのかトランスオーシャンの人間なのか。
そして自分もそこにいるのではないかという感覚をもたらすカメラワークも緊張感に拍車をかけます。
前半は少々長いかなぁと感じた分、後半は息つく暇もないヤバイ状況が続いてあっという間の上映時間です。
まとめ
海猿でも、天然ガスプラントでの事故の犠牲者を救出しに行く潜水士達が描かれていましたが、あれの比ではありません。
むしろあれに感動した方、ぜひこれを見て生々しい事故現場を体感してください。
「必ず生きて帰るんです!!!」なんて言ってる場合じゃないです。
あんなカッコイイヒーローなんかそうそういません。
まじまじと救助者を説得してたら炎はすぐ後ろまで来てしまいます。
そんな時は、ウィリアムズのように気持ちをほぐしてリラックスさせるんです。
そんなリアリティ溢れる体感型ディザスタームービーでありながら、お仕事に対しるジレンマ、そこに潜む危険性なんかも丁寧に描いた、緊張感MAXな作品でございました。
というわけで以上!あざっした!!
満足度☆☆☆☆☆☆☆★★★ 7/10