モンキー的映画のススメ

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主に新作映画について個人の感想、意見を述べた文才のない男の自己満ブログ

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映画「ドクタースリープ」感想ネタバレあり解説 シャイニング続編はオイシイとこどりでした。

11月29日

ドクター・スリープ

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1作目の映画が大ヒットすると、配給側は何かと続編映画を作りたがります。

基本的には一度ついたファンを逃さないために、またキャラと役者の加齢問題を考慮して、他にもいろいろ理由はあるんでしょうが、なんだかんだ言って配給会社が潤うための「続編制作」ってのが僕の中では一番しっくり来てますw

 ただ最近はずいぶんと長い期間を経て続編が制作されるという面白いパターンも。

例えば「スター・ウォーズ」、「ブレードランナー」、「クリード」、「マッドマックス」、「トレインスポッティング」なんかもそうですね。

 

70年代から80年代に大ヒットした作品が、今になって正当な続編として制作されているわけです。

当時の人が30年後の映画ベストを見たらどう感じるんでしょうねw

 

これらの映画、よく見ると、どれも世代交代を意識した作品がほとんど。

前作で活躍したキャラや登場人物たちが、そのまま年を取った状態で出演し、次の世代へ望みを託すような流れを汲んだ作品ばかりですよね。

こういう作品を制作し公開することで、親子2世代で楽しめるし、過去の作品群を見ることで映画をさらに知ることができる。

今のトレンドでもあるし、非常にいいアイディアだと思います。

 

もちろん僕もこれらの作品によって過去作も新作も楽しませてもらっている身ではあります。

ですが、これらのパターンの続編が増えすぎ、ヒットしてしまえば、オリジナルの作品には制作費はおろか、制作自体が頓挫してしまう状態もなくはないのかと。

過去作や前作の力を借りることも悪くないですが、せっかくなら続編の可能性のある面白い作品が僕はもっと見たいですね。

 

さて、今回観賞する映画は、そんな長い期間(40年!?)をあけて制作された「正当な続編」。

かつて原作者から認められなかった作品を、原作者からも前作を手掛けた監督の財団からもお許しをいただき作られた、という逸話も。

てか、これ続編作る要素あったのか…

その辺も含めて早速鑑賞してまいりました!!

 

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

IT ❝それ❞が見えたら、終わり」や「スタンド・バイ・ミー」など数々の作品が映画化されるほどの、世界屈指のベストセラー作家スティーブン・キングの作品の中で、最も傑作の呼び声高い作品が「シャイニング」。

巨匠スタンリー・キューブリックの手によって原作とはかけ離れた内容になったものの、今もなおホラー映画の金字塔として語り継がれる作品の続きを描いたのが今作となる。

 

かつての管理人が家族を惨殺したことから、呪われた場所となっていたオーバールックホテルでひと冬を過ごすことになったジャック一家。

そんなジャックの突然の狂気によって殺されかけ、なんとか逃げ切ることに成功した少年ダニー。

 

本作は彼が大人になって再びあの呪われたホテルへ向かうことで、新たな恐怖を描き出す。

なぜ父は狂気に駆られたのか、なぜダニーには特別な力があるのか、なぜあのホテルで事件は起きたのか。「ドクタースリープ」の意味とは。

 

今作ですべての謎が明らかになる。

 

 

 

シャイニング (字幕版)
 

 

 

 

 

あらすじ

 

40年前の惨劇を生き延びたダニー(ユアン・マクレガー)は、心に傷を抱えた孤独な大人になっていた。

父親に殺されかけたトラウマ、終わらない幼い日の悪夢。

 

そんな彼の周りで起こる児童連続失踪事件。

 

ある日、ダニーのもとに謎の少女アブラ(カイリー・カラン)からメッセージが送られてくる。

彼女は「特別な力(シャイニング)」を持っており、事件の現場を❝目撃❞していたのだ。

 

事件の謎を追う二人。

 

やがて二人は、ダニーにとって運命の場所、あの❝呪われたホテル❞にたどりつく。

 

❝呪われたホテル❞の扉が再び開くとき、すべての謎が明かされる——。(HPより抜粋)

 

 

 

 

 

 

監督

今作を手掛けるのは、マイク・フラナガン

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子供のころからキングを敬愛していたという監督。

今回キューブリック作品へ最大の敬意を払いながら作り、結果キング自身からお墨付きをいただいた、まぎれもない「続編」を作り上げた。

 

そんな監督の過去作をサクッとご紹介。

人喰いトンネル MANEATER‐TUNNEL」で注目された監督は、ある姉弟が呪いの鏡によって恐怖に陥れられる「オキュラス/怨霊鏡」を製作。

トロント国際映画祭ミッドナイト・マッドネス部門観客賞を受賞します。

その後も天才子役ジェイコブ・トレンブレイが出演し、夢をテーマにしたホラー映画「ソムニアー悪夢の少年ー」、ある夫婦のマンネリを解消するために参加したゲームが暗転していく「ジェラルドのゲーム」など、ホラー映画を中心に手掛けています。

 

オキュラス/怨霊鏡 [DVD]

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ソムニア -悪夢の少年- [DVD]

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キャスト

本作の主人公ダニーを演じるのは、ユアン・マクレガー。

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あぁ、ダニーが大人になると彼になるんですねぇ~。

ちょっと意外なキャスティングだなぁと僕は思います。

それは置いといて。

 

なんとユアンは世界で一番怖い映画だという認識から、「シャイニング」を10代後半になるまで見れなかったそう。

結果その通りの怖さだと知り、それ以来見てなかったんだとかw

意外とホラーが苦手なご様子。

またジャックの息子として観客に伝えられるように声色などを強く意識して役に励んだとも語っています。

movie.walkerplus.com

 

 

彼に関してはこちらもどうぞ。

 

www.monkey1119.com

 

 

www.monkey1119.com

 

 

 

 

他のキャストはこんな感じ。

謎の女性ローズ・ザ・ハット役に、「グレイテスト・ショーマン」、「メン・イン・ブラック/インターナショナル」のレベッカ・ファーガソン

シャイニングを持つ少女アブラ役に抜擢された、カイリー・カラン。

ビリー・フリーマン役に、「サンシャイン2057」、「ワイルドスピード/スーパーコンボ」のクリフ・カーティス。

またブラッドリー・トレヴァー役には、「ルーム」、「ワンダー君は太陽」のジェイコブ・トレンブレイが出演しています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前作「シャイニング」を見るのは必須だと思いますし、もっと知ってからって方には原作も読むとさらに面白いのかもしれませんね。

ま、僕は前作止まりです・・・

ここから鑑賞後の感想です!!

 

感想

なるほど、これならキングが好むわけだ!

特別な力「シャイニング」をフル活用したサイキックホラー映画でした!

面白いけどごめん!キューブリックの方が好きだわ。

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

原作読んでませんが。

5歳児の記憶とシャイニングがトラウマとなり、アル中髭面金欠おじさんと化していたダニーと、とてつもない能力のポテンシャルを秘めた少女アブラカタブラことアブラちゃんの、シャイニンオンでカマすトラウマ克服&心の救済&バケモノ退治の旅の記録。

 

キューブリック版前作では、このシャイニングなる特別な力を極力そぎ落とし、ホラー要素満載で描いたことに、原作のキングさん、原作改変し過ぎて認めまへん!と相当ご立腹だったのは周知の事実。

では、キングファンを自称すること私めが、キューブリック版に最大の敬意を払いつつキング好みの作品を続編と称して作ってみせましょう、ってことで作った今作。

 

全体通してまず思ったのは、モロにキング好みのテイストとしっかりキューブリック版をしっかり踏襲していること。

やはり続編ですからオーバールックホテルの造形やら美術面、クリーチャーたちのビジュアル面、カメラワークに至るまで相当な配慮が施された部分で、そこまでの過程はモロにキングチックなお話でしたね。

 

序盤はダニーがアル中を克服するまでの話と、アブラちゃんとのシャイニンオン黒板トークによる交流シーン。

それと「真の絆」なる謎のヒッピー妖怪たちが、少年少女を襲って彼らの特別な力=生気を吸って放浪している姿。

これを能力で見ちゃったアブラちゃんが、これまたシャイニングで彼らの動きを透視し、さらには彼らの頭の中に入って、事情を探るなど大活躍。

黒板トークで仲良くなったダニーおじさんは、そんなことしたら彼らに見つかるからおやめなさい!と大人の対応と、社会の風潮上少女と関わったらオレどんな目で見られるかわからんから、と自分の体裁を気にする始末。

しかし、彼もまた5歳の時から能力の師であるハロランおじさんの命により、彼女を正しい道へと導く役目を仰せつかるのであります。

果たして「真の絆」を無事退治できるのか、そしてどうしてこうしてオーバールックホテルへと向かうのか、っつう序盤の展開。

 

ユアン・マクレガーがあれだけ無精ひげを生やして、これからを担うキッズの能力の正しい使い道を教え、さらには道に迷う自分の立場をしっかり教えるハロランおじさんの構図は、どこをどうみたって「スターウォーズのオビワンケノービであり、ハロランはクワイガンジンであり、アブラちゃんはちゃんとライトサイドに行ったアナキンではないですか。

良かったねオビワン、じゃなくてw

 

そんな構図に見立てることもできる物語の中身は、みんながみんなプロフェッサーXで、セレブロ使わなくても誰かの頭の中に入り込めちゃうし、空から対象を探せちゃうし、人の頭の中に入って操ることも可能と、キューブリック版しか知らない僕からしたらだいぶ明後日の方向へ行ってるではありませんか。

 

緊張がMAXになると白目になっちゃうやつとかいますけど(いねえよ)、こっちは能力をフルで使うと白目になるという中々の怖さ。

しかも急に部屋が重力を帯びて90度に傾き、あれよあれよと空中散歩。

それに相手も生気を吸って少年少女を喰う女、ローズザハット(ジャバザハットではなく)、能力には能力で対抗と言わんばかりにアブラちゃんの後頭部をグイッと引っ張って反撃していくではありませんか。

もはやこれはシャイニングの続編なのか?、俺スクリーン入るとこ間違えたか?と思うほどかけ離れた展開に、アメコミやらSW好きの自分としてはワクワクもあるんだけど、違うそうじゃないと俺の鈴木雅之が出る始末。

 

面白さとそうじゃない感がせめぎ合う感情を抱くことになってしまいました。

 

 

もっと制限付けたほうが。

ここでふと思うのは、能力同士の戦いには必ず制限を付けないと面白みに欠ける部分があり、今作はそれがもろに出ていたように思えます。

 

アブラちゃんの能力が強すぎて、なかなか優勢にできないローズ一派。

乙女が寝静まる丑三つ時に、バスの上で座禅を組んでいざ出陣のローズ姐さん。

アブラちゃん探しに夜の町をひとっとびしてたどり着いたアブラちゃん宅。

へぇ、あなたのお部屋ってこんななのねぇ~、と辺りを見回し、彼女がどれだけの記録を持っているか見まわし、さてさてあなたの情報いただきまぁ~す、となった途端、壁にあったたくさんの箱に手を挟んでしまう。

何とアブラちゃん、ダニーおじさんの忠告通り、彼女が来るのを待ちかっまえ罠を張っていたんですね。

裏をかいたアブラちゃんは、その隙にローズ姐さんの頭の中に入り、彼女たちの情報を頂く逆転ホームラン。

 

さすがに頭にきたローズ一派は、彼女を捕らえにローズ姐さんを残して向かいます。

それも先回りして作戦を立てるダニーおじさんとアブラちゃん。

気が動転しているお父さんの説得もあって、こっちから出向く攻めの作戦へ。

これまた能力を使って人形を自分に見立ておとりになったアブラちゃんに、見事に引っかかったローズ一派は、木陰に隠れていたダニーとそのお友達ビリーの猟銃乱れうちによって、どんどん死んでいきます。

 

しかし、ローズ一派に感化された少女の洗脳能力によってビリーは見事に戦死。

しかも裏の裏をかいた一派の副リーダーが、アブラちゃんの実態を確保。

痛み分けの状態となってしまいます。

ダニーは取り乱し酒に手を出そうとするけれど、アブラちゃんを助ける一心で回避、これまた能力を覚醒させて彼女を救助します。

 

このあたりまでとにかく能力の出し惜しみなく繰り広げられる戦い。

もう実態なのか虚像なのかどっちかわからないし、裏をかいたと思ったら裏をかかれ、そのまた裏もかかれ、裏の裏は表なんだからそれくらい考えとけよダニー!と、作戦の甘さがだいぶ露呈していたように見えちゃったし、このシャイニング、一度使ったらかなりの身体的疲労が、とかないとやり過ぎてて、能力のありがたみがないよなぁと。

 

しかも基本的にはアブラちゃんもローズ姐さんも、その場で使うのではなく遠い場所から遠隔で虚像を生んで争うってのを何度もやるので、またそのパターンかよ・・・と、さすがに飽きが来てしまいました。

 

制限がどうとか言ってますけど、実際は睡眠導入剤をかなり多めに投与させることで能力を抑えられるという弱点はあるんですね。

 

実際アブラちゃんもそれで捕まってしまうわけで、ピンチ!とはなるんですけど、結果的にはあっさりダニーおじさんがシャイニンオンしてサクッと助けてしまうもんだから、ピンチも制限も全然盛り上がらない

 

あくまでここが一番盛り上がる展開ではないので、そこを突くのかという指摘も理解できるんですが、やはり人とは違う能力同士の戦いを描くのであれば、もっとやり方があったろうにってのは思ってしまうのであります。

 

 

それにしてもキングだなぁ。

原作を読んでもいないお前がキング語るんじゃない!ってお叱りを受けそうですが、やはり今作も子供たちがトラウマになりそうな恐怖と、そのトラウマが大人になっても残っていて、それを解消しようと尽力するダニーの姿、また特別な能力によってワクワクするような展開を、しっかりダークファンタジー的な世界観に仕上げてるのは、キングそのものでしたし、それをしっかり映像にしたのはキングマニアの監督ならだったのではないでしょうか。

 

「IT/イット チャプター2」でもそうであったように、恐怖へのトラウマは大人になっても心のどこかで眠っているもので、いつしまい込んだはずの恐怖が音を立てて開くのかはわかりません。

その克服を少女との出会いによって決心する姿、しかもその場所を決戦の場所にするのも素晴らしい展開だったなぁと。

 

また野球少年を殺害してしまう件もなかなかの恐怖。

まさかここでジェイコブくんが登場するなんて!と思ってましたが、ホントこの子演技が上手い、マジで怖がってるじゃねえか!

あれだけ叫んで両手両足ロープで縛って、しかも叫んだりケガさせた方が生気が出るからと、ザクザク身体を刺してしまう辺りなんか、大人が見てもトラウマ級ですよ。

こういう描写もキングっぽいよなぁと。

 

そして「ドクタースリープ」というタイトルに関してもしっかり解いてくれたのが面白かったですね。

ダニーは「先生」=ドクターと呼ばれていたのは前作でも今作でもお分かりかと思いますが、何故スリープなのかって、彼が病院で死に近づいてる老人たちを看取る=眠れってするからドクタースリープなのかと。

僕はてっきり、ダニーの能力=トニーが眠っている状態をドクタースリープっていうのかなぁと予想していたんですが、全然違いましたねw

 

子どもたちには未来がある分、その輝きは計り知れないわけで、それを能力に見立てたってことですよね。

勉強しなくてもテストでいい点とれる、特に練習しなくてもヒットが打てる。

その才能をうまく機能させるために努力しなければ、大人になった時に才能頼みでやっていても通用しない、寧ろ消えていってしまう。

そう解釈すると大人になったダニーはアブラちゃんくらいの力があったろうに、薄れてしまっているっていう見方もできるなぁと。

 

 

最後に

終盤のオーバールックホテルでの怖さは見事でしたね。

しっかりキューブリック版のホテルで、あの双子やふろ場のババア、しかもバーテンダーと化していたダニーの親父ジャックまでそっくりな役者を使って再現。

お母ちゃんが風呂場で斧持って叫んでる回想も、あの極寒の中で鬼ごっこする迷路もちゃんと再現してましたね。

もっと言えば、これからホテルへ向かうって時にキューブリック版のオープニングと全く同じカメラワークに音楽で、思わず笑ってしまいましたw

あぁここから怖い展開になるんだよ・・・って。

 

しかしなんだろ、能力バトルで、あれ?これシャイニングの続編だよな?って違和感あって、終盤ホテルでたら、これまでのお話が急にすり替えられた感じがして、なんかおいしい所だけを取って付けたように思ってしまいましたね。

 

きっと原作を読んだら僕の違和感は拭えるんでしょう。

そこまでインプットして初めてシャイニングですよ、と言われてるような気がする。

 

色々愚痴ってますけど、普通に面白かったんですよ、一つの映画として。

ただ前作の凄さが目に焼き付いてるから、どうしても、ってのがありまして。

ドラマ版だけでも見てみましょうかね。

というわけで以上!あざっしたっ!!

満足度☆☆☆☆☆★★★★★5/10