モンキー的映画のススメ

モンキー的映画のススメ

新作映画ばかり見ないで、旧作映画も見ようね。楽しいぞ。

映画「遺書、公開。」感想ネタバレあり解説 これを見れば1位になりたいとか言えなくなる。

遺書、公開

最近の学園モノはスクールカーストやら陰湿な悪さをする生徒やらが登場するスリラーテイストな作品が製作されている傾向にあります(人狼ゲームとかまさにそうだよね)。

実生活だったら非常に嫌だけど、フィクションとして見る分にはなかなか面白かったりするんですよね。

 

若手俳優が活躍する場としても良いジャンルだったりしますし、そこからスターが発掘される可能性も十分にあるから、邦画好きには見逃せなかったりもする。

 

ただ僕の場合、去年一気見して見る目が変わった英勉作品てことで楽しみにしております。

賭ケグルイ」なんて映画も作ってるから集団学園系はお手の物なんじゃないかと。

 

というわけで今回観賞する作品は、クラス内で囁かれる「序列」1位の子が自殺したことによって巻き起こる学級崩壊ミステリー。

全員が遺書を公開せざるを得ない中、みんなの腹の中が見えてきちゃうという、なんとも居心地の悪そうなお話。

早速鑑賞してまいりました!!

 

 

作品情報

陽東太郎の同名コミックを、「東京リベンジャーズ」や「映画 おそ松さん」など、若手俳優らが活躍する作品を多数手がける英勉監督の手によって実写映画化。

 

突然送られてきた「序列メール」に書かれた1位の子が自殺したことから、生徒と教師を交えた25人のドス黒い本性が暴かれていく姿を、注目の若手キャストらによって映し出す「学級崩壊」ミステリー。

 

原作の奇抜な設定に惚れこんだ鈴木おさむが脚本を担当し、「ハンサムスーツ」以来のタッグを組むことになった英勉監督。

これまで「東京リベンジャーズ」や「映像研には手を出すな!」、「賭ケグルイ」など、数多く学園モノを手掛けてきた彼が、個性あふれる若手俳優陣をどう束ねスリリングな展開へと見せていくの注目だ。

 

キャストには、「HiGH&LOW THE WORST X」の吉野北人(THE RAMPAGE)ほか、「マイホームヒーロー」の宮世琉弥、「かそけきサンカヨウ」の松井奏、「ベイビーわるきゅーれ」シリーズ、「きみの色」の髙石あかり、「ホットギミック ガールミーツボーイ」の堀未央奈といった、今後の俳優界を背負って立とうとする若手キャストが勢ぞろい。

 

遺書が公開される度に明かされる生徒たちの本性とは。

そして誰がこのようなイタズラを仕掛けたのか。

 

遺書、公開。 コミック 全9巻セット

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あらすじ

 

1学期の春、2年D組にSNSで送られてきた【序列】
──そこには生徒と担任の全員の明確な順位が示されていた。


タチの悪いイタズラだとしたら、誰が何のために決めたものなのか?

犯人が分からないまま時は過ぎ、ある日──

 

誰もが羨む序列1位の姫山椿(堀未央奈)が学内で自殺した。

 

そして葬儀の次の日、クラス全員に姫山からの遺書が届く──。

 

死んだ姫山の遺書がなぜ教室に?

1位の彼女はそもそもなぜ自殺したのか?

遺書は本当に姫山が書いたのか?

 

衝撃の事態の中、姫山の自殺の真相に迫るべく、25人全員が自分の遺書をクラスメイトの前で公開することになる。

 

だが彼らは知らなかった。

その日から、学級崩壊までのカウントダウンが始まってしまったことを…!

 

死者から明かされる衝撃の真実を、あなたは知りたいですか?

それでは、遺書公開を始めます──(HPより抜粋)

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登場人物紹介

  1. 姫山椿(堀未央奈)誰にでも優しい人気者で、学級委員長も務める優等生。序列メール騒動もさらっと笑って受け流し、自他ともに認める1位になるが、突然自ら命を絶ってしまう。
  2. 赤崎理人(松井奏)サッカー部。遺書を姫山のものと信じ、最初に遺書を公開。勉強もスポーツもソツなくこなし、1位の姫山にふさわしい完璧な彼氏で、誰もが羨む理想のカップルと思われていた。
  3. 御門凛奈(高石あかり)テニス部レギュラー。姫山とは1年のときからダブルスを組んでいて、自他共に認める1番の親友だった。自殺の真相を知りたがるが、自分の遺書公開にはあまり積極的ではない。
  4. 笹井夏月(上村海成)よく周りを見ているタイプだが、ほかの生徒と違って姫山とはあまり積極的に絡もうとせず、距離を置いていた。22位の沢渡が何者かに遺書を奪われているところを目撃する。
  5. 大島由梨(川島鈴遥)リーダーシップがあり、姫山が1位になるまでは学校でずっと学級委員を務めてきたしっかり者。自殺の真相を究明するべく、遺書の公開を最初に提案する。
  6. 沖 正彰(荒井啓志)学級委員長。姫山とは同じ学級委員として活動し、クラスをまとめていた。遺書の公開にあたっては、5位の大島と一緒に司会進行を務める。
  7. 横山嵐(松本大輝)陸上部。スポーツ万能で成績優秀。中盤で「姫山には“死にたい願望”があったのでは」と分析するが、16位の千蔭に真っ向から否定されてしまう。
  8. 栗原瑞希(星乃夢奈)テニス部。姫山、3位の御門と仲良しグループ。姫山によく勉強を教えてもらっていた。“姫山の1番の親友”を強調する御門に対し、少し不信感を抱いている。
  9. 熊田碧(榊原有那)サバサバしていて、決断が早い。はっきりものを言う性格で、文化祭の出し物は熊田の鶴の一声で「姫山が主役で演劇」と決定した。
  10. 甲斐原誠(忍成修吾)2-Dの学級担任。“序列メール”や遺書はタチの悪いイタズラだとする立場を取っているが、生徒たちの助けになれば、と公開に応じる。姫山からは学校のことで相談を受けていた。
  11. 三宅雄大(藤堂日向)いつも明るく元気な性格で、クラスのムードメーカー的存在。お調子者で短絡的なところもあり、姫山・赤﨑カップルのことをよく冷やかし、からかっていた。
  12. 森本蘭(菊地姫奈)13位の茅野と仲が良い。正義感が強く、序列を送った人物に自白を求める。文化祭の演劇では演出を担当し、主役に不安を抱える姫山を熱心に指導していた。
  13. 茅野鞠華(大峰ユリホ)大人しい、ハーフ系美少女。赤﨑に続いて、2番目に遺書を公開する。“少女漫画のような恋愛”をしたいと夢見ていて、姫山と赤﨑の関係に憧れていた。
  14. 津島航(阿佐辰美)体育祭の実行委員。スポーツマンタイプの熱い性格で、クラス対抗リレーではアンカーの姫山にバトンを渡す重要なポジションを務めていた。
  15. 谷地恵’(兼光ほのか)バトミントン部。偶然姫山の秘密を知ったことから、ときどき会話する仲になる。姫山には信頼され、自分に相談事があると思い込んでいたが……。
  16. 千蔭清一(宮世琉弥)感情をあまり出さず、冷静沈着。何を考えているのかわからないミステリアスな存在。皮肉屋な一面があり、人とは違った視点からの発言でクラスを翻弄する。
  17. 相畑詩帆(日高麻鈴)マンガが大好き。21位の峠谷、22位の沢渡と3人グループ。姫山が1位になるまでは、マンガ「花カレ」のファンという共通点から仲が良かった。
  18. 名取恭四郎(大東立樹)将棋部。席の近い19位の池永・20位の廿日市とよく一緒にいる。姫山とは1年から同じクラスだったが、笹井と同様になぜか姫山とは距離を置いていた。
  19. 池永柊夜(吉野北人)鉄道が趣味。20位の廿日市、18位の名取と過ごすことが多い。それほど序列を気にしているようにも見えないが、姫山とかつて何かがあったのか、自殺の真相には興味を持っている。
  20. 廿日市くるみ(志田彩良)人間観察・分析が趣味で、いつも机に向かって何か書いている。18位の名取、19位の池永とよく一緒に過ごし、池永には度々意見を求められる。他クラスの生徒の情報にも詳しい。
  21. 峠谷陽茉莉(金野美穂)17位の相畑、22位の沢渡と仲良しグループ。いつも3人で行動しているが、序列に影響されやすく姫山に憧れていたのか、しきりに姫山を褒めていた。
  22. 沢渡すずこ(鈴川紗由)17位の相畑、21位の峠谷と仲良し。地味で目立たないタイプだったが、遺書を公開前日に何者かに盗まれたことでクラスの注目を浴びる。
  23. 黒瀬蓮司(浅野竣哉)陰気な性格で、教室ではいつもスマホをいじっている。クラスのスキャンダルが好きで、記者気取りで写真を撮りながら“黒瀬砲”を炸裂させるが……。
  24. 絹掛愛未(青島心)1年生から不登校気味で、2年になってからは1度も登校していない。池永からの手紙で姫山の遺書を公開していることを知り、学校に来ることを決意した。
  25. 山根裕基(楽駆)屋上を居場所にしている、マイペースな性格。公開が始まると、帰ったフリをして屋上へ移動し、イヤホンで教室の様子を確認していた。

(以上HPより)

 

 

 

 

 

 

 

生徒の設定を熟知するには時間がかかりそうですが、恐らくそこまでしなくても楽しめるかと思います。

この中の誰が学級崩壊を仕掛けたのか。

ここから観賞後の感想です!!

 

感想

確かにクラスで自分は何番目なのか知りたい時はあった。

おそらく1位はあの人だろうとかも友達と話した。

学生時代に見たら、二度とそんなこと思わなくなるだろう。

意外と怖いぞ!!

以下、ネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

1位になりたくて。

なぜ序列1位の女子生徒は自殺したのか、さらにこれを仕組んだのは誰なのかを、複数回行われた「ホームルーム」によって暴き出していく新感覚の学園ミステリー。

 

まず本作を見て感じたのは、陽キャや陰キャといったわかりやすい派閥などではなく、しっかり「順位」として可視化させることで、陽キャには陽キャなりの、そして陰キャには陰キャなりの「憧れ」や「欲」や「保身」や「嫉妬」といった醜い感情が浮き彫りになっていくこと。

 

学生時代当時、別に可視化しなくたって誰が1位で誰が最下位か、みたいなものはうっすらあった。

やっぱり勉強もできてスポーツも万能で、それでいてクラスをまとめられるような存在は、どこのクラスにもいた。

きっと学校の先生たちが意識して編成したってのもあるんだろう。

優秀な生徒だけを1クラスに固めるのは不自然だし。

 

でもそれ以外で、教室内の誰もが1位を作り上げていたことも事実。

 

本作はそんなクラスメイト達の無意識な序列に対する思いが溢れた学園モノ映画だったと思います。

 

変な話俺だって「映画ブログ」検索順位1位を目指してやってる節はあり、そこにたどり着けば「何者」かになれるのではないか、みたいな欲で続けているところもあります。

実際そこまでやってこれたものの、結局その「座」を維持するためにひたすら続けるしかない、終わりのない作業なんですよ。

あぁ俺は競争することでしか存在価値を見いだせないのかと考えた時に、なんてちっぽけな奴なんだ、小せえ奴なんだと。

 

だから1位を目指すことも大事だけど、頂点までたどり着いた後の事も考えなくちゃいけないんだなと。

 

そう、1位は疲れるんですよ、何かと。

 

それが教室内、小さなコミュニティで、しかもネット上ではなく、生身の人間と付き合わなくちゃいけない時に、どれほどの重圧と苦労がのしかかるのかと考えると、たまったもんじゃないよなと。

そんなことを本作を観賞して思いました。

 

 

また本作は、スクールカーストやヒエラルキーを扱った物語でもあると思います。

それで思い浮かぶのはやはり名作「桐島、部活やめるってよ」。

ヒエラルキーの頂点に立つ生徒が部活を辞めたことで、ピラミッドが崩壊していく様を描いた、ある種「生徒にとって学校生活で本当に大切なモノ」を映し出した作品だったと思います。

 

本作も序列1位がいなくなった、そして彼女の遺言によって、残された生徒たちが掻き回されていくお話でしたが、桐島が文武両道で才色兼備だったキャラだったのに対し、自殺した姫山はそうでなかったという点が大きいかと思います。

 

その辺は後に書くとして、そうした「自然に作られたカースト1位」ではなく、「作為的に作られたカースト1位」が「なぜ1位になったのか」を浮き彫りにしていくのが非常に面白かったです。

 

 

また、クラス全員にそれぞれ内容の違う遺書が送りつけられ、それを教室内でみんなの前で読み上げるシーンがあることから、演者全員に「芝居場」が作られていたことが、僕が映画を見る上で評価の分かれ目になるポイントを抑えていて好感を持てました。

 

皆が遺書を読み上げ、それに書かれていた不可解な文章に対して、「実はあの時…」と思い返す。

化けの皮が剥がされて本性をさらけ出す生徒もいれば、自分を良いように見せて回避する生徒もいたり、皆が個性豊かに芝居を演じることで、一体誰がこのイタズラを仕組んだのか読めない展開にもなっているともに、誰もがこの映画で爪痕を残したいという思いをぶつけていたのが最高でした。

過剰な芝居もいくつか散見されていたけど、こうやって若い役者全員が活躍できる場を映画内に用意したのはさすがだなと思います。

 

姫山椿は「作られた1位」。

さて内容について語っていきたいと思います。

作品のほとんどは「教室内」で繰り広げられる物語でしたし、姫山が1位になり、半年後自殺し、そして遺書が教室内の机に置かれるまでを数分で描くなど、テンポよく「遺書の公開」シーンへと突入。

 

序列順に遺書を公開するのではなく挙手制で読み上げていく設定によって、如何に姫山椿という女子生徒がクラス全員を分け隔てなく接していたのかが見て取れる序盤でした。

 

序盤の山場は、15位の谷地さんの遺書。

バドミントン部の彼女はふとしたことで姫山と話す機会があり、そこで彼女が両親が離婚した過去を知る。

そのことについての遺書だったが、実は彼女はそれをクラス全員に言いふらしており、実は姫山はやめてほしかったことを他の生徒によって知らされる。

 

その後も2位である赤崎くんは、姫山と付き合っていたが、たまたま13位の茅野さんの一緒にいる所を23位の黒瀬くんに見つかってしまったこと、22位の沢渡さんの遺書を奪った理由が「姫山に本音を盗み聞きされていたことが書かれてるかもしれない」ということから、「1位の子を彼女にして、2位の地位を上げたい」という欲からだったことが暴かれる。

 

その後も、同じ趣味を持っていたことで仲良かった17位の相畑さんは、下位である自分となぜ姫山は仲良くするのかに悩み、敢えて距離を取ってしまったこと、その行動に同じく下位である21位の峠谷さんから腹を立てらること、その峠谷さんは憎しみを込めて姫山を褒めちぎっていたことなど、クラスの皆が1位である姫山に嫉妬や憎悪を向けていたことが明らかになっていく。

 

このように前半は姫山に対する他の生徒たちの思惑が浮き彫りになっていく。

 

25位の山根君に宛てられた遺書には「あの事を内緒にしておく」という文をきっかけに、「序列メール」を送った犯人が暴かれていく。

 

山根くんは、実はメールを送ったのは自分だと告白したが、実はそれは犯人を明かすための罠だった。

メールを送ったのは11位の三宅くんだった。

クラスメイト皆が彼を責めるが、彼は実際送っただけで、たまたま序列が書かれた紙を拾っただけだった。

 

その紙を書いたのが、人間観察を趣味とする20位の廿日市さんだった。

 

しょうもないいたずらに皆が憤慨、姫山が死んだ責任をどう取るのかと執拗に責める3位の御門さんに対し、廿日市と仲のいい19位の池永君は「本来なら親友である君が気付くべきだったのではないか」と責める。

 

そして「親友」であった3位の御門さんの「実は最初から大嫌いだった」というカミングアウトをきっかけに、後半からは「一体誰が仕組んだのか」という点に焦点が当てられていく。

 

7位の横山くんによる「この遺書はクラスメイトに対する憎しみが込められていたのではないか」という考察、それに対し16位の千蔭くんは猛反発し、彼に宛てられた「クラスメイト全員を愛していた」という文章で一気に姫山椿の存在を神格化していく。

 

なぜ彼女はこんなにも分け隔てなくクラスメイトに接していたのに、自殺に追い込まれるまで精神をすり減らしていたのか。

あまりにも完璧な対応をして愛想を振りまく彼女の裏に、何が潜んでいるのか。

 

そして終盤、実は誰かの手によって机に遺書が置かれていたこと、さらには不登校だった女生徒の出現によって、この遺書は「誰かによって書かれたもの」であることが明るみになり、真犯人が明かされていく。

 

 

最後に

1位になりたい欲求、いざ1位になって受ける重圧、1位という称号から生まれる勝手な決めつけによって無意識に持ち上げるその他の生徒。

学校とはいつからそんな気味の悪いコミュニティになったのかを考えたくなる、スクールカースト映画でしたね。

 

最後のシーンを推測するに、今回仕掛けた生徒は、こうなることを予測していた、さらには再び張り出した新序列もその生徒の仕業なのかと考えると、序列という順位によって如何に人間関係が脆くなるのかを見せたラストのように思えます。

 

そう考えると非常に怖い作品だったのではないかと。

 

演技に関しては、正直キャリアの浅い若手俳優ということもあって、ややオーバーアクトなのが目につきますが、その中でも高石あかりはずば抜けてよかったですね。

姫山の親友という肩書を一気に剥がしていく変化はさすがでした。

特に歯を食いしばって放つ、怒りにも似た形相は見ものです。

 

脚本が鈴木おさむなんで少々期待値は低かったですが、特に変な所は見当たらず、巧く構成されたお話だったように思えます。

ミステリーって考えると物足りないですけどね。

というわけで以上!あざっしたっ!!

満足度☆☆☆☆☆☆★★★★6/10