ジョン・ウィック:コンセクエンス
「ジョン・ウィック:パラベラム」で終わるかと思っていたジョンウィック。
復讐を終わらせたかと思えば、今度は殺し屋の掟を破ったとかで世界中で鬼ごっこ。
専用ホテルでのひと暴れや、巻き込まれたかつての仲間までもが悲惨な目に逢うという、回を増すごとに規模もアクションのスケールも大きくなっていくこのシリーズ。
とうとうこれで終わるのでしょうか。
でも、終わるとなると多分ジョンは死ぬってことなんだよなぁ…。
どう考えてもすべての殺し屋から逃げ切れるわけないんだよなぁ。
個人的にはアクションをやり切ったように思えたんですけど、あれ以上に面白い、というかバリエーションあるアクションを見せることができるんでしょうか。
あまりギアが上がってませんが、早速観賞してまいりました!
作品情報
裏社会で名を馳せた伝説の元殺し屋が、復讐の名のもとに再び裏社会へ返り咲いた姿を、怒涛のアクションとネオン煌めく鮮やかな映像表現で魅了した「ジョン・ウィック」シリーズ。
前作「パラベラム」では、裏社会の掟を破ったことで世界中の殺し屋から狙われる羽目となってしまったが、かろうじて粛清を逃れ生還を果たした。
そして本作「コンセクエンス」は、ついに裏社会を支配する組織と対峙するジョンの姿を描く。
監督には、シリーズ全てを製作してきたチャド・スタエルスキ。
自身がスタントマンだった時代からの付き合いであるキアヌ・リーブスを再びスターダムへ押し上げた立役者であると同時に、本シリーズを通じてハリウッドアクション映画の質を上げた「アクションの伝道師」として、前作以上に誰もが興奮するアクションを作り上げた。
主演はもちろんキアヌ・リーブス。
一時期はB級映画での出演が続いたものの、アクション映画への飽くなき拘りが「ジョンウィック」を導き、製作すればするほど興行収入も右肩上がり。
再びハリウッドスターへと上り詰めた。
そんなハリウッドNo,1のアクション映画に、中国から「イップ・マン」のドニー・イェン、日本から「ブレット・トレイン」の真田広之というアジア二大アクションスターが参戦。
他にも「IT」のビル・スカルスガルド、映画初出演を飾ったリナ・サワヤマらが新たに加わることに。
また、「マトリックス」シリーズのローレンス・フィッシュバーン、ホテルの支配人ウィンストン役として出演してきたイアン・マクシェーンらが続投。
また、忠実なコンシェルジュ・シャロン役として人気だったものの、23年2月に逝去したランス・レディックも出演する。
世界77か国で初登場No.1を記録。シリーズ4作目にして最大のヒット作となった本作。
結果には原因があり、行いには報いがある。
史上最高のノンストップキリングアクションが、今、幕を開ける!!
あらすじ
裏社会の掟を破り、粛清の包囲網から生還した伝説の殺し屋、ジョン・ウィック(キアヌ・リーブス)。
地下に身を潜め、全てを牛耳る組織:主席連合から自由になるために立ち上がった。
組織内での権力を得た若き高官グラモン(ビル・スカルスガルド)は、聖域としてジョンを守ってきたニューヨークのコンチネンタルホテルを爆破、ジョンの旧友でもあった盲目の達人ケイン(ドニー・イェン)を強引に引き入れ、ジョン・ウィック狩りに乗り出す。
そんな中、日本の友人、シマヅ(真田広之)の協力を求めてジョンが大阪のコンチネンタルホテルに現れる・・・。
果たしてジョンは、かつて忠誠を誓った世界との決着をつけて、真の自由を手にすることができるのか!?(HPより抜粋)
感想
#ジョン・ウィック:コンセクエンス観賞。アクションはすごいと思いますが、こんなに求めてません。
— モンキー🐵@「モンキー的映画のススメ」の人 (@monkey1119) September 22, 2023
長過ぎです。
あと、眩しいです。 pic.twitter.com/CgfAoDXytx
最後だから、やりたいこと全部できたってことで有終の美、なのかな。
俺は蛇足だと思うけど。
以下、ネタバレします。
こんなにアクション求めてません。
主席連合のトップに君臨した侯爵に「報い」を与えるため、またもやかつての仲間を巻き込んでの壮絶な殺し合いを描いた、元伝説の殺し屋が「聖人」になるまでの物語。
169分もの尺に一体どれだけのアクションを詰め込んだんだ!というほど、長く、長く、長い戦いの連続で物語を繋ぎ合わせた本作。
アクション映画好きの人たちからしたら「あっぱれ」な内容だと思いますし、ここまでやるか!という部分も、そこまでアクション映画好きではない俺でも感じたほど。
しかし、それはせめて「150分」までよと。
169分もやるほどの物語になってませんよと。
これが今回率直に感じた感想です。
大阪コンチネンタルのアクションシーンでお腹いっぱいです。
とはいえ、ミッションインポッシブル/デッドレコニングPART ONEに比べたら、まだ物語はある。
同じアクション映画でもその差はちゃんとあったように思えた作品でした。
さて、物語の内容はというと、殺し屋の掟を破ったことで世界中の殺し屋から標的とされたジョンは、なんとかしてかつての仲間に協力を得ながら身を潜めていたものの、主席連合のトップになった侯爵による無慈悲な振る舞いによって、ジョンの仲間も標的にされるほど追い込みをかけていくことに。
しかも引退した身である盲目の殺し屋ケインは、娘を人質にとられてしまったことで、再び殺し屋の世界に身を投じなくてはならなくなり、旧友であるジョンを殺しに行かなくてはならない立場になってしまう。
大阪、ニューヨーク、パリと場所を転々としながら、何とか侯爵に「報い」を与えるために考えた策は、「決闘」を申し込む事。
縁を切ったかつての家族と再び家族となったジョンは、いよいよ侯爵と決闘するまでに至ったわけですが、そこはクソ侯爵。
決闘の場所に来させないためにパリ中の殺し屋を総動員してジョンを追い込んでいく。
果たしてジョンは無事決闘の場にたどり着き、「報い」を与えることができるのか、そして晴れて「自由の身」を手に入れることができるのか、というのがだいたいのあらすじ。
ようやくしてしまえばこんなもんかとお思いでしょうが、169分ありながらマジで話の内容はこれです。
それだけ本作がアクションを重点にしていることが理解できるかと思います。
一応キャラ同士の関係性やキャラ自体に課せられた立場などは描かれているわけですが、それぞれの理由でジョンの敵だった者たちが、どのようにしてジョンに加担していくかが薄れており、クライマックスで共闘ないし結託していく描写にグッとこないのであります。
多分その大きな理由はやはりアクションの長さによって見る側の物語への気持ちが薄れてきてしまっていることが大きいかと。
正直僕としては、ようやく決闘が決まり、夜明けを待つジョンと侯爵の姿を見ながらクライマックスを待ちわびていましたが、そこから決闘場所までの道のりが伏兵たちとの格闘シーンによって遥かに長くなり、いざ決闘となったことろで既にしらけていたのです。
また個人的に長尺映画でよくありがちな「どうでもいい」シーンや「そこ端折っても問題ないやん」というシーンには手厳しい視線を送る癖があり、今回もその部分が大きく出た作品とも感じたのです。
それこそ序盤の舞台である「大阪コンチネンタル」のシーンでは、真田広之とドニー・イェンという2大アジアアクションスターの格闘シーンが用意されてるなどの見せ場がしっかりあったものの、結局そのシーンは「ジョンを匿ったシマヅ」の友情を重んじたがために引き起こされたバトルであり、そのシマヅを殺したケインにいつか復讐をと誓う娘のアキラが残っておきながら、その後の物語に復讐者として登場しないってどういうことよ?と。
本作でシリーズの幕は閉じたわけで、アキラがケインに復讐する機会は今後描かれないのです。
だったら、最後にケインの前に刺客として現れるとかすればいいではないですか。
あの大阪で残された者はアキラのみなんです。
あれだけの人が死ぬほどの壮絶なアクションシーンに尺を使っておいたのだから、その伏線を回収するためのキャラとして最後に登場しないのはおかしいと僕は思ってます。
結局そういう配慮のない脚本なので、俺としては「そこ端折れるやん」と思ってしまうのであります。
アキラが再登場しないのであれば、わざわざ大阪コンチネンタルでわちゃわちゃせんでも、物語は進むんです。
一応かつての旧友ケインと敵として対峙することになる舞台として機能はしてるものの、別に大阪でなくても辻褄は合うんです。
だからこそ、生き残ったアキラがどうけじめをつけるのかを描いてないことから、大阪のシーン要る?と思えて仕方ないのであります。
と、ここまで大阪不要論をぶちまいたわけですが、それと同時に日本の和をこよなく愛するキアヌだからこそ用意された舞台であることは理解してます。
デカデカと「初志貫徹」と書かれたネオンをバックに、ホテルの屋上で桜を前に黄昏るジョンの姿はカッコイイし、いつ沸かしたのかわからないお茶を飲むシーンもあるし、その後ウィスキーの山崎で乾杯するし、手下どもがスタンバってる厨房にある「野菜」や「魚類」と書かれた巨大な冷蔵庫の中身は刀や銃など武器だらけだし、関取級の家来がいたり、ほとんど人が乗ってない梅田駅の地下鉄も出てくるなど、トンデモではありますがアメリカナイズされた日本をしっかり作り込んでるのには驚きました。
だからこそそこで真田広之にホテルの支配人となって暴れてほしかったのだろう、敬愛するヒロユキ・サナダに活躍の場を与えようとしたのだと思います。
また、日本へのリスペクトに関して言えば、様々な箇所で過去の日本映画を彷彿とさせる部分はありました。
それこそ盲目の殺し屋ケインのキャラクター自体座頭市でしょうし、終盤200段もある階段で転げ落ちるジョンの姿は蒲田行進曲以上の階段落ちですし、探せばもっと出てくるんではないでしょうか。
アクションはいつもの通り、凄まじい。
色々愚痴ってしまいましたが、やはり「アクション映画」の金字塔を打ち立てたジョンウィックシリーズの一番の見どころはアクションです。
今回で完結(だと思うけど)するので、ホントやりたいことを全部やるといったアクションパートでした。
それこそ最初の大阪コンチネンタルのシーンでは、シマヅ一派とジョンらが、侯爵の手下らと対決することになるんですが、まずジョンが着てるスーツが防弾仕様なんですよね。
今までもあったと思うんですけど、今回防御する際スーツのフロント部分を持ち上げてカラダを隠すようにして防御するんですよね。
相手の敵はいかにもな防弾ジャケットを装着してるので、銃をぶっ放しても一発では仕留められない。
だから皆頭を狙ったり首元に刀を当てたりしてとどめを射すのが印象的でした。
もちろん舞台も前作「パラベラム」のように煌びやかな照明で施された弓道の練習場みたいなところで戦うので、しっかり見栄えの有るシーンとなっていましたね。
その後もベルリンにいるネスカ・ロマの元を訪れたジョンが、再び縁を結ぶために殺しに向かうシーンでは、クラブでひたすら踊る群衆の中、人影から現れる伏兵を次々と銃で仕留めていくんですね。
スコット・アドキンス演じるキーラを仕留めようとするんですが、背中打たれてたりトランプで首元掻っ切られてるのに、なかなか死なないんですよねw
そりゃ87イレブンの人だから、尺は使いたいって話なんでしょうけど、強すぎるわw
おまけに怪力ときたもんだから、さすがのジョンも肉体戦は苦労してましたねw
とまぁ、そこにそんなに尺使う必要ある?なシーンの後、ようやく決闘にこぎつけた、いざ決闘!と思ったら、今度はパリの市街地を舞台に、大勢の敵と戦う羽目に。
マーサ・リーブス&ヴァンデラスの「Nowhere To Run」やザ・ローリング・ストーンズの「Paint It Black」のカバー曲が絶妙な疾走感を生むこのクライマックスでは、一体パリの街がどれだけ撮影許可を出したのかわからないくらい、やりたい放題なアクションでした。
それこそ一番ド派手だったのは、凱旋門前のラウンドアバウトの中で、次々と車が走行する中で、ジョンらが派手に格闘な銃撃戦を行うというシーン。
盗んだ車で飛び込んだラウンドアバウトの中で、泊まることをしない車に注意を払いながら拳銃を撃ちまくるかと思えば、何とかして接近してきた相手を投げ飛ばしたり、向かってくる車にぶつけたり、おまけに横転した車を盾に容赦なく拳銃をぶっぱなし、その横転した車の廃ビームをバックに取っ組み合いをするという、見事に計算されたアクションシーンの連続。
決してCG合成ではないこのロケ地での撮影、一体どれだけ時間を拘束して撮影したのか。
それくらい時間をかけて設計されたアクションだったのではないでしょうか。
またここから廃墟に逃げ込んでの銃撃戦。
ここでも天井から見下ろしてのアクションシーンを長回しで撮るという面白みのある映像。
敵が持つ散弾銃は、ちょっとした細工が施してあって、被弾すると炎が上がるという代物。これがまぁ半端なく効果のある武器で、一発当たれば全身火だるまという無敵の武器なんですよねw
これを奪ったジョンが、まぁぶっ放すぶっ放すw
おかげで天井から誰がやられてるかが一目瞭然なんですよねw
そして決闘場所であるサクレクール寺院まであとわずかということろの階段には、再び大勢の追手が登場。
あと少しでテッペンだってのに、一番下まで転げ落ちる羽目となったジョンの前に、盲目の殺し屋ケインが協力し、二人で大勢の敵をギッタンバッタン倒していくのであります。
せっかく決闘に行くために準備したのに、一体どれだけいたのかわからない数の敵とボロボロになるまで戦う羽目になるジョン。
普通に車にカラダぶつけたり、何発もパンチくらったり、挙句の果てには廃墟の3階から外に飛び降りたり、階段から転げ落ちたりと、普通の人間なら立って歩けないほどのはず。
なのにジョンは最後までたどり着くんだからとんでもない体力ですよ。
そもそもジョンて何度も一人で大勢の敵を撃ち殺してきてますから慣れっこなんでしょうけど、今回に至ってはさすがにダメージデカすぎやしないかとw
持久力という面に関しても、一回どこかで栄養補給しないと動けないんじゃない?ってほど動き回ってますからw
あれだけ「アクション長い!」とか言ってましたけど、クライマックスに関してはものすごい映像でしたよ、ええ。
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最後に
完結と言いましたが、それもそのはず、最後にジョンは息絶えてしまいます。
主席連合のうわさあレベルだった「決闘」。
その内容は、「30歩下がって銃で撃ちあう」というもの。
西部劇でよくある早撃ちとは違う撃ちあいですが、30歩下がってとどめをさせなければ、10歩前に出てもう一度撃ちあうという、どちらも死んでもおかしくない決闘。
死にしがみつくものは生き、生にしがみつく者は死ぬ
そんな言葉をケインと交わしながら銃を構えた3戦目、ジョンはケインに撃たれてしまいますが、そこにとどめを刺そうとしゃしゃり出た侯爵に、実は引き金を引いてなかったジョンの1発が侯爵の頭を撃ち抜き、見事「報い」を果たすのであります。
ようやく自由を手に入れたジョンでしたが、彼は息絶えてしまいます。
劇中で幾度も交わされたセリフ「お前にとって真の自由とは死ぬことだ」という言葉が、ここでようやく回収されるのです。
殺し屋の組織を抜けるのには、ここまでしないと抜けられないという厳しい掟を描いた、まるでブラック企業をやめたいサラリーマンみたいな物語でしたが、妻の元へ行くことができたジョンにとってはこれがハッピーエンドであったことは言うまでもありません。
最初こそ「愛犬を殺された復讐」で始まったナーメテーターな物語でしたが、徐々に規模が拡大され、やがて「行いには報いを」という、殺し屋同士の争いにまで発展した壮大なシリーズでした。
正直風呂敷広げ過ぎな部分は否めませんが、続編製作されるたびに興行収入を上げていったこのジョンウィックシリーズは、キアヌにとってマトリックス以上に語られるべき作品であることは間違いありません。
今後のキアヌがどんな映画に挑戦するかはわかりませんが、たまには普通のドラマで活躍してほしいなとも思います。
ま、彼の事ですから再びアクション映画でもいいんですけどね。
・・・と、色々まとめてきましたが、エンドクレジット後に「アキラが復讐を果たそうとする」という映像が。
え~これは続編やるってことですか?
それともスピンオフですか?
俺が言った文句、意味ないじゃんww
というわけで以上!あざっしたっ!!
満足度☆☆☆☆☆★★★★★5/10