モンキー的映画のススメ

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主に新作映画について個人の感想、意見を述べた文才のない男の自己満ブログ

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映画「最初の晩餐」感想ネタバレあり解説 家族の食卓には必ずステキな思い出が詰まってる。

11月1日

最初の晩餐

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我が家の夕食でよく巻き起こる出来事。

基本家族が揃ったら食べ始める。

親父は晩酌をしながらおかずをつまみ、母と僕と妹はTVを見ながらああだこうだ言って和やかに過ごす。

親父は濃い味が好きだが、母は「食育」と「健康」を優先して食事を作っているので、基本は薄味、1日30品目を心掛けてくれていた。

 その甲斐もあって僕も妹も好き嫌いの無い大人に育ったが、親父は違う。

やはり濃い味でないと美味しいと感じないらしい。

 

だから、何かにつけて「お母さんの飯は、味が薄いんだよなぁ~」と嘆き、それに真っ向から立ち向かう母、それに対し「はぁ~」と嘆き返す親父、その隙を狙って親父の分の数まで食べてしまう僕。

「残すのはもったいない」という母からの呪文にも似た教えは、異常なまでの「完食」という執着心によって「グダグダ言ってる間に食べ損ねる父」、というのが僕が子供の頃の夕食の思い出。

 

そんな親父は、たまの日曜日、二度寝して朝飯を食い損ねた僕にめっちゃ濃い味のチャーハンを、頼んでもいないのに作ってくれる。

粗く刻んだネギやしいたけにハム、固まり過ぎてる卵。

冷蔵庫から余った具材をみつくろい、順序などお構いなしでフライパンにぶっこむ。

どんな調味料を使ったかまるで見当もつかない親父好みの塩加減で味付けし、約30分かけてできたチャーハンは、いわゆるごく普通の半円状のそれではなく、ラーメンどんぶりにギュウギュウに詰め込んだ、男飯そのものだった。

 

「ホレ!食え!」

 

寝起きでチャーハンて、いくら育ち盛りだからって頬張れるわけねえだろ!と、寝起きの悪い僕は心の中でつぶやくが、この濃い味付けのチャーハンは、なぜか僕の胃袋を刺激し、細胞を活性させ、脳を活発にさせ、休日を満喫するための元気を注入させる、正にカンフル剤であった。

よって約2合分はあるだろう山盛りによそられたチャーハンは、マジックでもしたんじゃないかというほど、あっという間に皿から消えてしまうのである。

 

 

この歳になって時々思う。

薄味にこだわる母の「食育」によって、素材の旨みそのものを舌で捉えることができる味覚をもったのはいいが、あ~あの時の親父のチャーハンが食べたいなぁ、と恋焦れるのである。

バカみたいに濃い味付けのあのチャーハン。

親父、作ってくんねえかなぁ・・・。

 

あ、親父、まだ元気に生きてますw

実家に帰った時に頼んでみようっと。

 

何を急に「親父が作ったメシ」話を書いたかというと、今回鑑賞した映画は、死んだオヤジがかつて作ったご飯を、母が振る舞うことで離れてしまった家族が再び繋がっていく、というお話。

だからオヤジ飯が劇中でたくさん出てくるんだろうなぁ、あ、うちのオヤジ飯は何だったっけ?ってことで、ちょっと書いてみましたw

 

そんなわけで、ほろっとしながらも、ほっこりしそうな家族の物語、早速鑑賞してまいりました!!

 

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

サザンオールスターズ」のドキュメンタリーをはじめ、CMやMVなどを手掛けてきた監督の脚本による長編デビュー作品。

 

父の通夜に母が出した「通夜ぶるまい」をきっかけに、離れてしまった家族が、当時の家族の在りし日の食卓の風景、亡き父との思い出、さらに家族も知らなかった秘密が浮き彫りになることで、止まってしまった家族という名の時計の針を動かしていく。

 

実力派キャストに加え、ベテランの映画製作陣が集結し、デビューを飾る監督のバックアップに務めた。

お葬式」や「死ぬまでにしたい10のこと」、「エンディングノート」や「おみおくりの作法」など、さまざまな「終活」にスポットをあてた作品がある中で、新たな「おみおくり」の物語が誕生した。

 

 

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あらすじ

 

独立して2年目となるカメラマン、東麟太郎(染谷将太)は、姉の美也子(戸田恵梨香)とともに薄暗い病院の食堂で、麺がのびきったラーメンを食べている。

 

「親父が死んだ……。65歳になる直前の、夏至の日の明け方だった」久しぶりに故郷に帰ってきた麟太郎は病室で亡き父・日登志(永瀬正敏)と対面し、葬儀の準備をしながら、ありし日の家族を思い出す。

 

通夜の準備が進む実家の縁側で、麟太郎がつまらなそうにタバコを吸っていると、居間では、ちょっとした騒動が起きていた。

通夜ぶるまいの弁当を、母・アキコ(斉藤由貴)が勝手にキャンセルしていたのだ。

なにもないテーブルを見つめて戸惑う親戚たち。

母は自分で作るという。それが父の遺言だ、と。

 

やがて最初の料理が運ばれてくると、通夜の席はまた、ざわつき出した。母が盆で運んできた料理は目玉焼きだった。
戸惑いながらも、箸をつける麟太郎。目玉焼きの裏面を摘む。

ハムにしてはやけに薄く、カリカリしている。

 

「これ、親父が初めて作ってくれた、料理です」

 

 

登山家だった父・日登志と母・アキコは再婚同士で、20年前に家族となった。麟太郎(外川燎)が7歳、美也子(森七菜)が11歳の夏だった。

新しく母となったアキコには、17歳になるシュン(楽駆)という男の子がいた。

 

5人はギクシャクしながらも、何気ない日常を積み重ね、気持ちを少しずつ手繰り寄せ、お互いにちょっとだけ妥協し、家族として、暮らしはじめていた。

それは平凡だけど、穏やかな日々だった。

しかし、1本の電話が、まるで1滴の染みが広がるように、この家族を変えていく…… 。

 

 

そして兄のシュンは、父と2人で山登りへ行った翌日、自分の22歳の誕生日に突然、家を出て行った。


父も母もなぜか、止めようとはしない。

以来、家族5人が揃うことはなかった。

 

 

次々と出される母の手料理を食べるたび、家族として暮らした5年間の思い出が麟太郎たちの脳裏によみがえる。

それは、はじめて家族として食卓を囲んだ記憶だった。
兄弟で焼いた焼き芋、父と兄が山で食べたピザ、姉の喉に刺さった焼き魚の小骨。

あのとき、家族になれたはずだった。


あの日、父と兄になにがあったのか?

死の寸前、父はなにを思ったのか?

姉が抱えている小さなキズとは?

母が長年隠し続けてきたこととは?
家族として過ごした5年間という時間。

それは、短かったのか?長かったのか?

父の死をきっかけに、止まっていた家族の時がゆっくりと動き出す。

そして通夜ぶるまいも終盤に差しかかったその時、兄のシュン(窪塚洋介)が15年ぶりに帰ってきた……。(HPより抜粋)

 

 

 

 

 

監督

今作を手掛けるのは、常盤司郎

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サザンオールスターズの初のドキュメンタリームービー「FILM KILLERSTREET(Director's cut)」や、実の父との関係を綴った短編映画「クレイフィッシュ」など、多岐にわたって映像制作を続けてこられた監督。

 

今回初の長編映画作品にもかかわらず、すごい俳優陣が揃ったなぁと。

 

今作は、監督の父との経験や思い出がたくさん詰まった作品だそうで、食に関する部分も味付けも、監督の過去の体験や好みを取り入れてるんだそう。

さぞ、おいしそうな食事が出てくるんだろなぁ、と期待しております。

 

 

 

 

キャスト

主人公・麟太郎を演じるのは、染谷将太。

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主演作、という立場ではないかもしれませんが、久々に彼の主演作を鑑賞するということで楽しみにしてます。

 

今作について、家族に対する感覚が豊かになったとコメントされています。

現在では2児のパパさんでもある彼にとって、この映画は大きなきっかけになったりしたのではないでしょうか。

 

彼に関してはこちらもどうぞ。

 

www.monkey1119.com

 

 

 

 

他の出演者はこんな感じ。

美也子役に、「SPEC」、「劇場版コード・ブルー」、「あの日のオルガン」の戸田恵梨香。

シュン役に、「GO」、「ピンポン」、「沈黙~サイレンス~」の窪塚洋介。

母・アキコ役に、「三度目の殺人」、「蜜蜂と遠雷」の斉藤由貴。

父・日登志役に、「パターソン」、「」、「カツベン!」の永瀬正敏。

少女時代の美也子役に、「天気の子」、「東京喰種トーキョーグールS」、2020年には「ラストレター」の公開が控える、森七菜。

青年時代のシュン役に、「地獄少女」の公開が控える、楽駆(らいく)。

少年時代の麟太郎役に、「風に立つライオン」で映画デビューした牧純也などが出演します。

 

 

 

 

 

 

 

これを見ながら僕も家族との食卓の風景を思い出すんだろうなぁ。

ここから鑑賞後の感想です!!!

 

感想

家族の風景を食卓を通じて、繊細に綴った王道映画。

映画もメシもちょっと淡泊くらいが、体にも心にもいいのかもしれない。

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

家族って何だろう。

父の通夜を舞台に、通夜ぶるまいで出された懐かしの味を堪能しながら、5人が恥ずかしながらも絆を深めていった当時の家族の風景を回想し、今だからこそ明かせる真実に戸惑いながらも受け入れていく、残された家族の再生を描いたハートウォーミングな作品でございました。

 

あの、俺てっきりオヤジ飯がいっぱい出てきて、親父を弔うような話だと思ったら、そういうことじゃなくて、家族の前に出された料理が、家族の中で様々な思い出を引き出すアイテムになっていた、ってことだったんですよね。

俺の冒頭のエピソードが全然活かせないww

 

まぁいいや。

え~上映時間は約80分くらいでしょうか。

ちょっと体感時間が長かったなぁと思いつつも、役者という素材の旨みが凝縮された、薄味ながらもコクのある映画だったのではないでしょうか。

口当たりの優しい序盤から、なぜ家族がバラバラになったのか明かされる辺りの、ピリッと辛口な味付けも、見終わってみれば体も心も温まる、ザ・家庭の味な映画だったように思えます。

 

 

全く血の繋がっていない家族同士が、一つ屋根の下でいきなり暮らすことになるのだから、そりゃあギクシャクもするし、うまくいかないことだってある。

しかも家族になった理由を、当時子供だった麟太郎と美也子に話せなかったことを考えると、キチンと話したかったことでしょう。

まぁ死ぬ前に話せばよかったのに、なんてツッコミは置いといて、死んでしまったお父さんが、もう一度自分の死をきっかけに家族を繋ごうとする粋な計らいに、泣きそうになりました。

 

 

今でこそ大人のたくさんの事情から、いろんな形「家族」の在り方があると思うんですけど、日本の家族って血縁主義じゃないですか。

それこそ都会は行きかう人の多さや多様な受け方があるから、血が繋がってない家族でも、誰が干渉するでもないし、それが何か自分に問題があるわけでもない。

世間がいちいち苦言を呈することなんてないわけです。

でも、彼らの家族は地方の山の中の町で暮らすことになるから、近隣の住民からはあまりよく思われないわけですよ、この血の繋がってない家族が。

そういう風習だか世間体に左右される感覚でしか物事を捉えようとしない奴ら、ってか田舎?オレ大嫌いで、麟太郎にいちいち絡むおじさんの言うことなすこと、マジでムカついてw

夢で飯食ってけねえぞ、とか、お前の家族当時は白い目で見られてたとか、山登りなんて金にならない仕事がどうとか、ホントくだらねえなぁ!!って。

だから麟太郎が胸ぐら掴んでおじさんに突っかかったのは、俺の意志でもあるなぁと、勝手に彼に自分を重ねて見てましたw

 

話が逸れちゃいましたが、この物語は、家族を作るって何だろう?ということを終盤で突き付けてくるんですね。

それは好きになった人と結婚し子供を産んでっていうごく普通の家族の作り方なのか、はたまた一つ屋根の下で食卓を囲めば家族を作ったことになるのか、それとも子供がいなくても結婚さえすれば家族とみなされるのか。

その答えはこの映画では明確に描かれてませんが、親がどんな経緯で一緒になったとしても、この人たちと同じ屋根の下で同じ釜の飯を食えばもうそれは家族同然で、日登志もアキコもこれまでそれができなかったから臨んだカタチなんだろうなぁって。

 

 

メシがウマそうだったよ、やっぱり。

で、家族を作るにあたって一番仲が深まる事柄って何だろうってなった時に、みんなで同じものを食べるってのがやっぱり一番効果的だよね、って教えてくれるのがこの映画の良さでもあります。

お父さんでもお母さんでも娘でも長男でもいい、誰かが作ったご飯をみんなで囲むことが幸せへの近道とも思える光景を、この映画は丁寧に描いてたなぁって思います。

 

これがね、レンジでチンした冷凍食品だったり、スーパーのお惣菜で済ませたご飯だったとしても、僕は絶対嫌ですけど、みんなで食べれば家族の思い出として残ることもあるよなぁとも思いました。万引き家族がその最たる例だなって。

まぁこの映画では田舎が舞台だから手抜き料理ってのはないんですけどね。

 

で、一体どんなご飯が並べられたのかというと、最初に出てきたのは「チーズと一緒に焼いた目玉焼き」。

嫁いできたアキコとの初対面で、アキコが緊張が災いして盲腸で入院してしまうという事態になり、日登志が子供たちに作ったのが、この目玉焼き。

手際も悪いし、ハムを探していたが見つからず目の前に飛び込んできたスライスチーズで済ませる、ザ・男飯でしたけど、こういう時の男の簡単手料理ってなぜか記憶に残るよなぁって、俺のオヤジ飯のチャーハンとダブらせながら見ていましたw

 

あとは家族が違えば料理の味付けも違うということで勃発した「味噌汁のみそ」問題。

白みそが定番だった日登志の家庭は、アキコが作った赤みその味噌汁に不満を漏らし、美也子は食べることを拒否。

白みそじゃないと嫌だとごねる美也子に見かねたシュンが「だったら食べなきゃいいじゃん」と一言放ったことから、この味噌汁問題が勃発するんですね。

美也子に合わせるために白みその味噌汁を翌日作ると、今度はシュンが拒否。

どちらかに合わせるとどちらかが食べないという、なんとももったいないやりとりに、味噌汁を作るアキコは、いい加減にしてもらうために「合わせみそ」で味噌汁を作るという解決策で一件落着するという、ちょっと面白エピソード。

この味噌汁、必ずレンコン入ってるんですよね、あとニンジンとか大根とかとにかく具だくさん。

レンコンなんて灰汁抜きとかめんどくさい野菜なのに、よくもまぁ毎回毎回入れてくれますね。俺にも食わせてくれ!!

 

これ以外にも焼き芋を一緒に作ることで、シュンとのわだかまりを無くし名実ともに兄弟の間柄になったエピソードや、魚の小骨をのどに詰まらせる美也子に、魚の骨が引っかからないおまじないを教え、実行した後ほんとに引っかからなくなった二人の雪解けと、種明かし。

山登りで必ず日登志が振る舞うしめじの入ったピザに、アキコの突然の家出に、家族みんなで作ったシーチキン入りの餃子、台風の日に美也子が夜食で作ったラーメンなど、どれもこれも観てるだけでおいしいのに、酸いも甘いも詰まった家族の思い出つきのおかげで、ほっこりする話が目白押しでありました。

 

 

なんかね、こういうの見てると、うちの家族で出された料理を語りたくなるなぁってなりましたね。

それこそ冒頭の僕のエピソードもそれですし、他の方たちの家庭料理ととんでもエピソードなんかあったら聞いてみたいなぁって。

 

もう映画の話じゃなくなってくるけど、うちの母親が作る「ブルーベリーヨーグルトケーキ」が俺大好きで。

普通のショートケーキって何個も食べるとかなりの高カロリーになりますけど、これはぶっちゃけ3つ食っても全然気にならないくらいの味で。

作り方はわかんないけどブルーベリーソースを上に敷いたヨーグルトのケーキで、ブルーベリーとヨーグルトの程よい酸味が食べた後口の中に広がる優しい味で。

小学生の頃必ず家庭訪問でやってきた先生に出してたし、友達が来ることを前もって伝えると、必ず作ってくれた料理なんすよね。

 

他にも山ほどあるけど、もはや映画の感想でなくなるのでこの辺で。

とにかく、家族で囲むメシはうまいんだよなぁと思えた映画でした。

 

 

最後に

実力派のキャストだからどれも素晴らしいんだけど、中でも斉藤由貴は際立っていたように思えます。

私生活の部分でもお騒がせしてるイメージも重なって、彼女だから出せる後ろめたい気持ちと、それでも家族とともに過ごしたいって気持ちが前面に現れていたように思えます。

 

正直目新しい部分はないし,お話の構成もありきたりでTVドラマチックに見えてしまうところも感じたんですけど、こういう映画はフラットな気持ちで見れるし、なんといっても腹が減るw

これ見よがしなメシを映し方をしてないのもあざとくないというか。

よくありますよね,湯気ガンガン立たせて、それを上手そうに食う役者、みたいなやつ。

あれもいいんですけど、あくまでナチュラルに家族の食卓を描いてるのが好感もてるんですよ。

 

とりあえず、すき焼きにピリ辛ラー油いれるとうまいんだぜ、っていうシュン特製すき焼き、あとでやってみようと思います!

というわけで以上!あざっしたっ!!

満足度☆☆☆☆☆☆★★★★6/10