モンキー的映画のススメ

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主に新作映画について個人の感想、意見を述べた文才のない男の自己満ブログ

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映画「スペシャルアクターズ」感想ネタバレあり解説 「カメ止め」と比較しがちだけど、普通に面白かったよ。

10月18日

スペシャルアクターズ

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「この映画をご覧になるきっかけは何でしたか?」

好きな俳優さんが出てるから。

わかる。

ずっと追いかけてきたドラマやシリーズだから。

わかる。

予告が面白そうだったから。

わかる。

監督が前に作った作品が面白かったから。

わかる。

 このように、気になる映画を1900円と中々お高い料金まで払ってみる理由って人それぞれです。

どれも正解でどれもうなずける。

 

しかし監督も俳優陣も超無名の人たちが出演する作品て一体誰が見るんだろう。

1900円も払ってまで見る価値があるのか。

よほどの映画好きじゃないと見ないでしょ。

どうせ低予算のインディーズ映画でしょ。

大学のサークルが作ったようなヤツでしょ?

 

 

そんなどう考えたってお金払ってまで見たいと思えるような作品でないのに、口コミと製作陣の熱意で、超大ヒットを記録した映画が存在したのです。

それが「カメラを止めるな!」、通称カメ止めです。

 

ワークショップで集めた無名の俳優たちを集め、無名の監督のひねりに捻ったアイディアと脚本を駆使して完成させた渾身の1作は、業界でザワつき、評論家たちを唸らせ、映画好きたちを満足させ、そこまで映画を見に行かない人たちの足を映画館に向かせ、少しづつ少しづつ評判を生み、気が付けば連日のTVでの特集やニュースで話題になり、当初数館での上映は、瞬く間に全国のスクリーンでかけられるほどのムーブメントを巻き起こしました。

 

誰も彼らのことを知らないのに、誰も監督の作品なんか見ていないのに。

しかも低予算で、どこの配給もなくて。

口コミというモノは本当に効果絶大なんだなということを思い知らされました。

 

 

そんなカメ止めの監督さんが、またしても面白そうな映画を作りました。

これまた誰も知らない俳優を集めての挑戦。

一体どんな映画なのか、早速鑑賞してまいりました!!

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

過去に「南極料理人」の沖田修一や、「ぐるりのこと」の橋口亮輔などが作品を手掛けたことでも有名な、「作家主義」×「俳優発掘」をコンセプトにした「松竹ブロードキャスティングオリジナル映画プロジェクト」の第7弾は「カメラを止めるな!」旋風で一躍時の人となった監督の最新作。

 

オリジナル脚本の下、ワークショップで発掘した俳優たちの演技が好評を得ている企画は、今回1500名もの応募があり、その中から監督のお眼鏡にかなった個性豊かな15名が選出。

カメ止め同様に、無名の俳優とアイディア満載の脚本で快作を作り上げた。

 

演じることを使ったなんでも屋「スペシャルアクターズ」に所属することになった冴えない主人公が、カルト集団に悩まされる旅館を救うミッションに挑んでいく。

 

今作もカメ止め同様、二転三転する予測不能な展開と、人を楽しませることに情熱を注ぐ監督の愛と優しさが十二分に注がれた作品となった。

不器用な表現者たちがどんなハマり役を演じるのかも見どころの一つ。

 

果たして今作もネタバレ厳禁のどんでん返し映画となるのか!?

 

 

スペシャルアクターズ (Original Soundtrack)

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あらすじ

 超能力ヒーローが活躍する大好きな映画を観てため息をつく売れない役者の和人(大澤数人)。

ある日、和人は数年ぶりに再会した弟から俳優事務所「スペシャルアクターズ」に誘われる。

そこでは映画やドラマの仕事の他に、依頼者から受けた相談や悩み事などを役者によって解決する、つまり演じることを使った何でも屋も引き受けていた。

そんなスペアクに、”カルト集団から旅館を守って欲しい”という依頼が入る。

ヤバ目な連中相手に計画を練り、演技練習を重ねるスペアクの役者たち。

しかし、和人にはみんなに内緒にしている秘密があった。

極限まで緊張すると気絶してしまうのだ。

あろうことか、このミッションの中心メンバーにされた和人。

果たして、和人の運命やいかに!?(HPより抜粋)

 

 

 

 

 

監督

今作を手掛けるのは、上田慎一郎

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冒頭でも書きましたが、「カメラを止めるな!」を大ヒットさせたお方であります。

いわゆる表と裏で起きた出来事を劇中で描く二部構成にしたことで、前半は「おかしい」と思わせ、後半でそれを「爆笑」にしてしまうという、予測不能な面白さが功を奏した映画でした。

僕も初日舞台挨拶の回に並んで整理券を取りに行くほどの気合の入れ様で、その甲斐あって最高に楽しませてもらったことを、今でも鮮明に覚えております。

映画ライターのヒナタカさんを介して、監督にご挨拶もさせてもらったのもいい思い出ですw

 

さすがに大ヒット作の後の作品て事で、かなりのプレッシャーがあったそうです。

一度書いた脚本をナシにして、みんなで企画会議をしながら作り上げる方向にシフトしたことで活路が見いだせたとのこと。

チームが一丸となって出来上がった今作、なんだそうです。

どんな発想とアイディアで楽しませてくれるのでしょうか。

 

先日3人の共同監督作として公開された「イソップの思うツボ」は、共同作業ではなく、分担作業に見えてしまった部分が強く、そのせいもあって正直カメ止めやイソップ程の期待値はないんですが、今作はそれなりの製作費や単独の監督作品であることに加え、絶対笑えるんだろなぁとワクワクしております。

 

監督に関してはこちらをどうぞ。

 

www.monkey1119.com

 

 

 

 

キャスト

全くの無名の方たちばかりなので、名前と役名のみになります・・・。

  • スペシャルアクターズ

・大野和人(役者)・・・大澤数人

・大野宏樹(役者・数人の弟)・・・河野宏紀

・富士松卓也(社長)・・・富士たくや

・富士松鮎(社長の娘(演技指導係))・・・北浦愛

・田上陽介(社員(脚本))・・・上田耀介

・清水八枝子(役者)・・・清瀬やえこ

・丹後真由(役者)・・・仁後亜由美

・鬼塚(役者)・・・宮島三郎

  • ムスビル

・大和田多磨瑠(ムスビル(教祖))・・・淡梨

・大和田克樹(ムスビル(教祖の父))・・・三月達也

・七海(幹部)・・・櫻井麻七

・河田隆弘(幹部)・・・川口貴弘

・麻奈(信者)・・・南久松真奈

・山本(信者)・・・山下一世

  • 旅館めぶき

・津川里奈(旅館女将・依頼者の姉)・・・津上理奈

・津川祐未(依頼者)・・・小川未祐

・廣瀬(番頭)・・・広瀬圭祐

 

・原田拓己(メンタルクリニック先生)・・・原野拓巳

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一応ですね、私の友人で、監督のデビュー作「お米とおっぱい」で主演を演じた俳優の高木公佑も今回出演しているそうなので、ぜひ応援してやって下せえ!

ここから鑑賞後の感想です!!!

 

感想

ムッスー!!

どこを切っても嘘くさいんだよね~なんて思ってみてると、最後に「えっ!?」ってなりまっせ!!

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日常に潜んでるかもしれない「芝居」

緊張すると失神してしまう主人公が、弟の誘いで始めたスペアクによって一皮むけていくまでの成長譚を、ヒーローに憧れるという男ならではの背景、それが例えへなちょこでも周りに協力者がいればなれる夢の力、そんな思いをきっとこめたであろう監督の役者たちへの優しいまなざしとスポットライトを当ててくれる粋な計らい、お得意のユーモアに長けたシナリオとアイディアで面白さが加速していく、「カメ止め」と引けを取らない楽しい作品でございました。

 

記憶に残るプロポーズを演出するために、彼女に内緒でエキストラを用意して大掛かりな芝居を打って出る男性。

急に隣に座ってる人や街を歩いてる人が流れる曲に合わせて踊り出したりするアレです。

俗にいうフラッシュモブってやつですよね。

 

映画の中でもこういう仕掛け、結構ありますよね。

これはバッドな結末になってしまいますが、「シャーロック・ホームズ/シャドウ・ゲーム」で逃れることに成功してカフェでお茶しようとするアイリーンでしたが、そこにモリアーティがスタンバイしていて、彼だけかと思ったらそこでお茶していた客全員が彼の配下の人間だった、みたいなこととか。

あとは、ドラマですけど「踊る大捜査線/秋の犯罪撲滅SP」で、青島を尾行していた真下と雪乃さんが、ファミレスで青島を問い詰めるシーンでは、青島がかつて交流した人たちを使って情報を集めていたことを明かすんですけど、実はファミレスにいた全員が青島の情報屋だった、ってのも、無理矢理かもですけど、フラッシュモブ的パフォーマンスのひとつでしたよね。

 

これってある一定の人をターゲットにサプライズを仕掛けることで、現実と虚構の境を無くして、一気に別世界へと誘ってくれるという画期的なパフォーマンスだと思うんです。

海外では標的がこれに大興奮する映像をよく見かけますが、日本人の場合、リアクションに困るって声をよく聞くので、やっぱり世界で流行ってることが日本で流行るのは難しいよなぁ、なんて思ったり思わなかったり。

 

ただこれは、種明かしを大勢の前でされてって場合が多いから困るのかなとも思うんですよね。

実際種明かしをせずに、誰もいないところでしれっと知ってしまった時は、きっとものすごくいい効果をもたらすのではないかと。

 

いきなり何の話をしてるんだこいつは、なんて思うかもしれませんが、この映画、そういう日常の中で芝居=エンタメを見せることで、その人を幸せにするってお話だったわけですよ。

 

冒頭で警備員の仕事をしていた和人の前で、急に通行人がぶつかったことがきっかけで、つかみ合いのけんかに発展してしまうんですね。

ただ結果は、絡んできたチンピラ風の男が彼女と歩いていたサラリーマンにコテンパンにされ、その強さと男らしさに彼女はキュンキュンしてしまうという寸劇だったというオチ。

この場合標的は彼女で、彼氏とチンピラはグルで、芝居の上でかっこいいところを見せることで彼女の気を引くというものだったわけです。

 

この寸劇が彼女にバレなければ、彼氏と彼女のその後は良い仲になることは決まったようなもので、ざっくり言えばウソにはなるんだけど、ウソ=フィクションでその人が幸せになれるのなら、そういうウソがあってもいいよねって。

 

今作は、その芝居という嘘で、依頼者とターゲットを救うというお話だったんですね。

 

 

これ、僕の周りでもやってくれないかなぁ、なんて想像しながら清々しい思いで映画館を後にしました。

もうなんでもいいんですよ。

例えば僕が毎日の通勤で満員電車に嫌気がさしてる中、たまたま座れたとしますよね?

それが実はその悩みを知ってる人がスペアクに依頼してて、車両に乗ってる人全員が実は仕掛け人で、僕は久々に快適に通勤出来たってことで少しだけ幸せになれる、みたいな。

こんなことが知らず知らずのうちに誰かの仕掛けによっていつもと違う空気を味われるとしたら、こういう劇団というか集団、是非あってほしいなって

それ以前に、何かいいことあったら、きっと僕の知らないところでスペアクが動いてくれてたんだ!って妄想することで、気持ちが軽やかになれたら毎日が楽しいだろうなぁって。

なんか、そんな気持ちにさせてくれた映画でした。

 

 

でもやっぱり比べちゃう

ただ正直申し上げますと、カメ止めと比較するとどうしても見劣りしてしまう内容でした。

 

実は今作もカメ止め同様、大きな仕掛けが施されていたんですね。

これ言っちゃうと核心に触れちゃうんで伏せますけど、明らかに何かがおかしいというか、そんなうまくいくわけないだろうって思えるミッションなんですよ、カルト宗教から旅館を救うというものが。

あるものを盗むのにセキュリティ甘すぎだろうとか、そもそもカルト宗教自体がそこまで巨悪に見えないとか、その他もろもろ。

 

で、後半一度大きな仕掛けをすることで、あ~なるほど、そういう仕掛けだったのか、で、あ~これでもう終わり?何だあっけないなぁ…って。

 

でも最後の最後で「えっ!?」で終わらせることで、カメ止めの時のような「やべぇ!みてよかったぁ!」って気持ちにさせてくれるんですけど、なんだろう、その最後の最後での大仕掛けへの溜めが少なすぎるというか、その伏線こっそり劇中に潜ませておいてもよかったよね?てかできたよね?って。

 

カメ止めってその辺りをしっかり前半と後半で分けて見せるから、いわゆる種明かしにあたる後半ずっと笑いながら見ていられる、楽しいと思える時間というか体感がながくあるんですよ。だから見終わった後至福の体験ができたって気持ちになれるというか。

 

だからなんだろう、この最後の最後で明かされる種明かしを、もう少し長い時間をかけて見せたらよかったのかなぁと。

もっと裏側の裏側(?)を見せてくれたら没入できたのになぁと。

 

あとは途中でちょっとだれるんですよね。

カルト宗教が秘密裏にしていることを掴んだスペアクたちが、それを使って脅して追い出すぞ!って時に、要の役を演じなければいけなくなった和人がまた塞ぎ込んじゃうんですよね。

お決まりのヒーローものを家で一人繰り返し見るってシーン。

あのあたりが非常に怠くて、体感時間が長く思えたというか。

 

キャラに関しても主人公の和人のポンコツ差と対照的に自信ありげでお気楽極楽な性格の弟ってバディ感は見ていて、イイ兄弟だなぁって思いながら見てましたけど、それ以外のキャラには、そこまで深い設定とかオイシイ役割とかがあまり感じなくて、そこも「カメ止め」に比べちゃうと、キャラへの愛着度が低く見えてしまったというか。

 

 

 

最後に

てか、凄く愚痴に聞こえてしまうかもですけど、これ凄く些細な部分への言及なので、やっぱり監督は脚本が巧いなぁと思ってみてましたし、鑑賞後の清々しい気持ちは嘘ではないです。

こんな稼業があったらいいよね、って純粋に思える作品だったなぁって。

 

そして私の友人、高木公佑ですが、どこに出てたかおわかりでしょうか。

抜き打ちのクレームを仕掛けてスタッフの対応術を見たいというレストランのオーナーの依頼のエピソードで、クレームするお客さんに扮した和人たちを対応するウェイターが、高木公佑でした。

ほぼ後ろ姿しか映ってませんでしたが、セリフもあったし、対応に困るウェイターという役をきちんと演じてましたね。

まぁ後で本人に裏話でも聞くかなw

 

とにかくですね、色々細かい部分はありますが、大きな視点で見るとこのお話は、兄を思う弟の献身的なサポートにグッとくるし、その思いなど知らず与えられた役割を懸命にこなすことで、過去の自分から脱却しようと努力する兄の頑張り、ムスビルっておにぎりをおむすびにしてできた名前じゃん!wって、単純な発想にクスリとしてしまうことをはじめとしたユーモア、で、見終わったあと振り返ると、え、これとんでもねえ仕掛けだったんじゃん!!ってサプライズがてんこ盛りの映画でございました。

 

最後のアレは他言無用です。知ってしまったら楽しみが減ってしまいますから。

敢えて言うなら、この大仕掛けは和人が警備員の時から始まっているのです…

 

といっても、僕は見る前からきっとこういう仕掛けなんだろう、と予想してしまったのですが…

うん、悪い癖だ・・・

というわけで以上!あざっしたっ!!

満足度☆☆☆☆☆★★★★★5/10