インフェルノ
「ハドソン川の奇跡」ジャパンプレミアで生トムハンクス、ナマハンクス、ナマンクスもはや誰だ!(って同じこといってる)と興奮しながら、イーストウッドの新作映画を堪能したわけですが。
早くもトム・ハンクス最新作です。
今度はロン・ハワードとあの謎解き教授シリーズ(レイトン教授じゃねーぞ!)第3弾!
世界的に公開時のズレもありますが、日本だけで言えば今年3作目ですよ!
トム主演映画!たまんないね!
で、これ確実に来年はないねwトム主演映画。
「ダ・ヴィンチ・コード」ではフランスを舞台にダヴィンチの作品を暗号としながら聖杯の行方を捜し、
「天使と悪魔」ではコンクラーベで揺れるバチカンを舞台に宗教と科学における争いを軸に描いたわけですが、今回はどの舞台でどんな事件が勃発するのか。
日米同時公開なのでアメリカ人の人これ読んでくんないかなぁww
てなわけで早速見に行ってまいりました!
あらすじ
ラングドン教授(トム・ハンクス)に突き付けられた挑戦状、それは、アメリカの大富豪ゾブリスト(ベン・フォスター)が、人口増加問題の過激な解決策として生み出したウィルス。
伝染病を利用した人口淘汰を目論むゾブリストが、詩人ダンテの叙事詩「神曲」<地獄篇 >に隠した暗号 とは?
人類を滅亡に導く陰謀を阻むため、ラングドンが挑む謎とは?
この謎が解けなければ、世界は“地獄”と化すーー。(HPより抜粋)
監督・キャスト
監督は今年「白鯨との闘い」も公開されたロン・ハワード。
「ザ・ビートルズ~EIGHT DAYS A WEEK~」も彼が手がけてますね。
そうなると彼もこの年日本公開作品3作目か。
みんな働くね~。
でもってありがとうね~楽しませてくれて。
ダン・ブラウン原作であるこのロバート・ラングドン教授シリーズの映画は、全て彼が担当してますね。
シリーズが続くにつれ監督がコロコロ変わるのがなんら普通になってきた中で、未だ同じ監督が続けているのは嬉しいこと。
特にこの作品は謎解きは当たり前として世界観だったりロケーションだったり回想描写だったりってのが肝だから、監督変わると絶対台無しになっちゃうと思う。
もうロンハワードのラングドンシリーズになってる。
そういう意味ではまたあの感じで謎解きが楽しめるとなるとワクワクします。
でも正直ダヴィンチコードは何回か見ないとわからんかった・・・。
監督に関してはこちらで紹介していますので是非。
主演のロバート・ラングドン宗教象徴学者を演じるのはもちろんトム・ハンクス!
はいこちらもこの年3回目のご紹介。
特に何もございません。
スピルバーグとやってイーストウッドとやってロンハワードとやって。
もうね大御所としかやりません。
いんですそれで。ただ今年働きすぎね。撮影は去年か?まあいいやとにかく「ブリッジ・オブ・スパイ」見て!「ハドソン川の奇跡」見て!これだけ。
今回の謎解きのお手伝いさんのお相手は女医!シエナ・ブルックス役に挑むのはフェリシティ・ジョーンズ。
ダヴィンチコードではフランス警察の秘密暗号課(どんな課だよw)所属の女性刑事をオドレィトトゥが演じ、天使と悪魔では反物質を作り出した科学者をアイェレットゾラーが演じていました。フランス人、イスラエル人、の次はイギリス人です。
正直彼女の前歯が気になって気になって・・・そのせいでせっかくの美人が台無しだなぁと毎回見て思います。失礼な話です。
そんなお前はどうなんだって?どちらかというとしゃくれてはいませんがアゴが出てる方です。ほっとけ!
今回ヒロインに抜擢された彼女はどんな道を歩んできたのか。
彼女のブレイクは、ジェニファー・ローレンスや「スタートレック」のチェコフ役でお馴染みアントン・イェルチンと競演し、大学生の遠距離恋愛を描いた「今日、キミに会えたら」で注目されます。
その後「アメイジング・スパイダーマン2」でハリーの秘書フェリシア役を演じ、昨年にはALSになりながらも未だ健在である“車椅子の天才物理学者”スティーブン・ホーキング博士と彼を長年支えた妻の出会いから試練続きの結婚生活を描いた「博士と彼女のセオリー」でアカデミー賞主演女優賞ノミネート始め各賞レースで名前が挙がる快挙を成し遂げます。
近年はスターウォーズシリーズ最新作でエピソード3と4の間を描いた「ローグ・ワン/スター・ウォーズストーリー」で主演のジン・アーソを演じてます!
こちらもどうぞ。
他にも、クリストフ・ブシャール役には、「最強のふたり」で大ブレイクしたオマール・シー。
ハリー・シムズ役には「スラムドッグ$ミリオネア」「ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日」に出演したイルファン・カーン、
そして今回のヴィランとなる天才にして億万長者バートランド・ゾブリスト役には「X-MENファイナルディシジョン」でエンジェルを演じたり、「ローンサバイバー」や「疑惑のチャンピオン」での好演が記憶に新しいベン・フォスターが演じます。
「かみきょく」じゃなくて「しんきょく」ね。
「ダ・ヴィンチコード」も「天使と悪魔」もダ・ヴィンチの名前や有名な絵画まではわかる、バチカンでローマ法王を決めるコンクラーベもわかる。
しかし、深いところまでいくと難解で古代ローマとか中世ヨーロッパとか全く知らんし宗教にいたってはもってのほか!!、
ってんで最初見たときはちんぷんかんぷんだったわけです。
もーそこはラングドン教授がきれいに謎解きしていくのでそれをただ眺めていることしかできず。
きっとそんな楽しみ方でいいんでしょうけど、いい加減さわりだけでも予習はしておこうと。
いやー正直ダンテって名前しか知らないし「神曲」って歌なの?曲なの?神レベルな歌なわけ??くらいのおバカさんです。
ホント無知って罪ね。
いっそ磔にしてください。
なので「神曲」ってなんなのか調べてみました。
ココ調ならぬモン調ね。
ほんとは読まなきゃいけないんだけどね。
えー、ダンテはイタリア出身の詩人であり哲学者だった方だそうで。
彼が書き上げたものの中でもこの「神曲」はイタリア文学最大の古典、世界的にも重要な叙情詩として位置づけられているそうです。
どんな話かざっくりいうと、自堕落だったダンテに見かねたペアトリーチェ(ダンテの憧れの女性、10年前に死んじゃった)が、ダンテの詩の師匠であるウェルギリウスに天国まで導いてほしいと依頼、地獄の辺獄で暮らしていたウェルギリウスは快諾し暗い森をさまよっていたダンテが地獄、煉獄、天国を旅するって話なんだそう。
で、今回の映画で用いられてるのがこの「神曲」の中の地獄篇(インフェルノ)というわけです。
ダンテ自身故郷フィレンツェを追放されたことで各都市を放浪していた経験から書き上げたようで、その波乱に満ちた人生と精神的成長をあらわしたものになっているそうです。
もうちょっと説明するならば、地獄がどんなものかをウェルギリスがガイド役として案内し、降りるに従って狭くなっていく漏斗状の地下世界を歩いていきます。
そこにはありとあらゆる罪に陥った魂の苦しむ姿が描かれているんだとか。
しかも地底には魔王が罪人を食っているなんてのもあったり。
第一の圏谷である辺獄(ウェルギリウスがいたとこ)では、キリスト教の洗礼を受けていないものが落ちる場所だそうで、ソクラテスやプラトン、アリストテレス、ヒポクラテスといった著名な方たちがいたり、第二の圏谷では肉欲の罪を犯した者が落ちる場所でクレオパトラなんかもいたり、他の場所ではトロイの木馬で有名なオデュッセウス、アレクサンドロス大王、マホメッド、そしてユダも、といった歴史上のオールスターが登場するというお話のようです。
ダンテはローマ教会とローマ帝国が一番の権威という考えに沿って「神曲」を描いているそうで、それに背いた人たちが罪深い場所にいる設定になってるんだそうです。
教会中心的な文化から人間主義へと変わるきっかけにもなり、これがルネサンスへと発展していったんだそうです。
ミケランジェロはこの地獄篇をイメージしてバチカン宮殿のシスティーナ礼拝堂に「最後の審判」を描いたのを筆頭に、画家、作曲家、作家、詩人などあらゆる芸術・文学に多大な影響を及ぼしています。
一応映画では人口増加に警鐘を鳴らすゾブリストがウィルスをばらまくようですが、この「神曲」が書かれた14世紀にもペストの流行で人口が一気に減った歴史もあり、このあたりが映画にどう関わってくるのか、気になるところです。
というわけで、とりあえず基礎知識を叩き込んで見たわけですが、果たして過去2作以上の理解はできるのだろうか・・・。
ここから鑑賞後の感想です!!!
ラングドンいきなりピンチからはじまる歴史ミステリー!
以下、核心に触れずネタバレします。
今回が1番楽しめた。
まずは率直な感想を。
前作、前々作では完全に置いてけぼりをくらい、知識不足と長丁場の物語に鑑賞後疲労困ぱいだったわけですが、今回は短時間ながらダンテに関して事前に色々ググったおかげもあって何とかラングドン教授の足を引っ張ることなくミステリーツアーに参加できました。
最も原作読めば良かったじゃん!って話なわけですが「何者」を鑑賞前に原作を読んで映画自体が楽しめなかったという教訓を活かし、今回は映画を楽しむための歴史の勉強止まりで良かったと思っています。
さすがのロンハワードだけあって、予告でも流れるおどろおどろしい地獄の描写はゾンビホラーじゃねえか!?と思えるほどの手の込んだ演出で、そりゃあラングドンもあんなの観てたらうなされないわけねーじゃん!と思える描写でした。
ただそれはあくまで冒頭2、30分で終わってしまい、その後は至って普通のミステリーサスペンスに留まってしまったかな、というのが率直な感想です。
しかしながら、ウィルスがばら撒かれてしまう前に見つけて阻止するという大きな目的以外にも、ど頭から記憶喪失で不完全にバットコンディションなラングドン、誰が敵で誰が味方なのか把握できない危機的状況、謎解きの読み違え、刻一刻と迫るタイムリミット、そしてまさかのどんでん返しといったシリーズ史上1番緊迫感のある展開。
それでいてどこかコンパクトにまとまった物語だったのが個人としては非常に観やすく楽しめました。
そしてフィレンツェ、ベネチア、イスタンブールと国をまたいでの歴史的建造物から石畳で埋め尽くされた街並みといったラングドン教授シリーズを描くにあたって切っても切れない景色は今回も盛りだくさんであり、それだけでも見る価値のある作品だったと思います。
いきなりピンチのラングドン。
ホームページでは細かなあらすじが無かったため大まかなことしかわからず、冒頭から困難な状況ではじまる展開に驚きました。
いやいやミステリーなんだから急にギアを上げて走らないでよ!と思いたくもなりましたが、これはこれで掴まれたし集中できたと思います。
目を覚ますとそこは病院。
点滴を打たれ頭のガーゼは血だらけ。意識は朦朧としており、直近の出来事が思い出せない。財布も携帯もIDもなく身分すら証明できない中、幼い頃からファンだったという担当医のシエナに状況を聞かされるラングドン。
拳銃で頭を狙われ数センチずれてれば死に至っていたと言われても思い出せない、ボストンにいたと思っていたらイタリアのフィレンツェにいる、クエスチョンの連発と度重なる幻覚に襲われパニック寸前の状態の中、1人の女性警官がラングドンを襲う。
フラフラな体を引きずって何とかピンチを切り抜けたラングドンはシエナのアパートで回復を待つ。
シエナが着替えを用意してくれている間パソコンでメールを開くと1人の人物からの暗号めいた文章に頭を悩ましていく。
そしてバスルームで着替えた後自分が来ていたジャケットから金属製の薬品を入れる容器を見つける。
指紋認証付きのその容器は指紋が合ったことからラングドンの持ち物だったとわかった。
中身は薬品ではなく骨でてきた悪魔のような絵が描かれたポインターだった。
壁に当てると映し出されたのはダンテの神曲のなかの1つ、地獄篇をボッティチェリが描いた地獄図だった。
点と点が結ばれぬまま領事館で匿ってもらおうと電話するが、怪しさを感知し窓から覗けるホテルで落ち合うと嘘をつき様子を見る。
その間壁に映された絵に散りばめられたアルファベットとゾブリストという名前をを見つける。
ゾブリストは生化学者にして億万長者の男で、事あることに物議をかもす発言をすることで注目を浴びていた。
彼の動画を見ると、年々加速していく人口増加は、地球そのものを滅ぼしかねない大きな原因であり、それを止めるには人口を減らす必要があると訴えている動画だった。
ゾブリストと地獄図に書かれたアルファベット、これは何かの暗号だと確信したラングドンは本領を発揮し始め謎解きに取り掛かる。
が、指定したホテルにやってきたのは武装したWHO(世界保健機関)の人間だった。
彼らの目をかいくぐりシエナとラングドンの記憶と真相を探る逃避行が幕を開ける。
こんなプロローグではじまる物語です。なぜパンデミックとダンテを掛け合わせたのか、なぜラングドンは襲われるのか、彼の記憶が徐々に蘇っていくことで近づく真実にハラハラドキドキしながら楽しんでもらえればと思います。
ぶっちゃけツッコミどころはかなりあったと思います。
あの太っちょのおじさんは結局どうなった?とか、地下室で総監と呼ばれる男はそんな稼業なのかよ!とか、そこ圏外かよ!準備不足だろ!とか、思い出せば出てくる出てくる。
そこはまあ置いといて、世界ふしぎ発見!的なノリで観るのが1番楽しめるのかなと。
やはりペスト菌の流行が絡んできます。
字幕では黒死病ですが。ど
ちらかというと神曲も大事ですが、その時代の出来事の方を知っておいたほうが理解しやすいのかもしれません。
こういう宗教やら歴史が絡む話はある程度学んでから見た方が楽しめることは間違いないと改めて思った次第です。
というわけで以上、あざっした!