レゴムービー2
説明どおりに作るのもいいんんだけど、想像力を膨らませて創意工夫したりアレンジすることで、また違った楽しさを味わえるのって良いですよね。
料理でも何でも。
レゴブロックも同じで、パッケージに描かれた完成図を作ったら、接着剤で完全に固定になんかしないで、壊して別の物を作って楽しんでくれよ!絶対楽しいから!と。
そんなレゴの無限大の可能性をフル活用した世界を舞台に、工夫することを知らない普通の主人公が、やがてレゴの世界を救う物語を、ハイパーギャグテイスト盛りだくさんで描いた映画の続編です!
僕この前作をですね、劇場で見てなくて。
な~にがレゴブロックの映画だよ、と思ってたんです。
家で見てると「ほぉ~動きが凄いね、ギャグがおもろいじゃん、ネタが自虐でいいねおもろいね!!で、なに!最後!!そんな!!ハートフルな!!おい!めっちゃ!!!
面白いじゃねえか!!!」
ってなりまして。
今回の続編を非常に楽しみにしていた作品です。
確か前作の最後、赤ちゃんがでてきたような。
そこから始まるのかな?
というわけで早速鑑賞してまいりました!!
作品情報
自由なひらめきで想像力とビルダーを育てるブロック玩具「LEGO」をCG描写で作り出した「レゴムービー」。
ブロックの可能性を最大限に活かした映像と、尖りに尖りまくったユーモアセンスで、子供はもちろん大人たちまでも魅了した映画が再び帰ってきた。
今度は宇宙を舞台に、主人公エメットが連れ去られた仲間を助けに、そして普通の毎日を取り戻すために奮闘していく。
世界中でメガヒットを記録し、数々の賞レースをにぎわせたレゴムービー。
今作も「すべてはサイコー!!」な仕上がりとなっているか。
あらすじ
ブロックシティが襲われた事件から数年後、街の秩序が崩壊し荒んだ世界――。
いつもちょっぴりおバカなエメット(声:クリス・プラット/森川智之)の前に現れたのは、謎の宇宙人。
ルーシー(声:エリザベス・バンクス/沢城みゆき)と仲間たちを、連れ去ってしまった!
仲間と“フツー”の毎日を取り戻すため、誰よりごく“フツー”なエメット超フツーじゃない宇宙へ!?
またもや“選ばれし者”になったエメットの戦いは、前代未聞の領域へ!
ヤバいクイーンが支配する“すべてがミュージカル”な惑星で一体何が起こるのか?
【すべてがもっとサイコー!】になったギャラクシー・アドベンチャーの襲来だ!!(HPより抜粋)
監督
今作を手がけるのは、前作のクリス・ミラー&フィル・ロードに代わって、マイク・ミッチェル。
「スパイダーマン:スパイダーバース」を製作したクリス・ミラーとフィル・ロードは、今作でも脚本として参加。
変わって監督を務めたのがこの方なんですが、僕全く知りませんw
アニメーション業界では有名なんでしょうが、いかんせんそっちは疎いもので・・・。
てなワケで調べてみました。
実写もアニメーションも手がけえるようで、スーパーヒーロー養成学校を舞台にしたディズニー製作のファミリームービー「スカイ・ハイ」や、見かけは怖いが心優しき緑の怪物が、仲間と共に繰り広げる冒険の最後の作品となった「シュレック・フォーエバー」、トロール村の愉快な仲間たちが謳って踊るきらきらミュージカルアニメ「トロールズ」(未公開)なんかを手がけています。
これジャスティン・ティンバーレイクのヒット曲「キャント・ストップ・ザ・フィーリング!」が主題歌のやつです。
今作で抜擢されたことで、今後もっと大きな作品を手がけるのも近いのでは。
キャラクター紹介
左上より。
- エメット(声:クリス・プラット/森川智之)・・・何から何までフツーの主人公。ポジティブで優しい性格だけがとりえ。
- ルーシー(声:エリザベス・バンクス/沢城みゆき)・・・自分の信念のために戦う勇敢な戦士。エメットが大好きという乙女な面も。
- ウルトラキャット(声:アリソン・ブリー/沢城みゆき)・・・ユニコーンと猫のミックス。キラキラ、スイート、ふわふわが大好きだが、怒ると獰猛な戦闘マシンに。
- バットマン(声:ウィル・アーネット/山寺宏一)・・・有名なスーパーヒーローなのに自己チューで皮肉屋。でもちょっとだけチームプレーに目覚めた!?
- レックス・デンジャーベスト(声:クリス・プラット/森川智之)・・・ど派手な戦艦に恐竜のクルーを乗せて宇宙を飛び回るタフなヤツ。エメットの味方!?
- クイーン(声:ティファニー・ハディシュ/斉藤貴美子)・・・姿かたちを自在に変えるヤバいクイーン。思い通りに進まないと急に歌って踊りだす。
- メイヘム(声ステファニー・ベアトリス/坂本真綾)・・・クイーンに仕える女性指揮官で、エメットの仲間たちを捕らえている。
その他スーパーマンやグリーンランタンなどのDCヒーローやガンダルフも前作から引き続き登場する。
さぁ、大いに笑わせてもらうぜ。楽しませてもらうぜ!
ここから鑑賞後の感想です!!!
感想
すべては最高!じゃないから人生は楽しい!
父と息子から、うまく引き継いだこれまた楽しい続編でした!!
以下、核心に触れずネタバレします。
今回もネタ満載。
前作から5年後の荒廃したボロボロシティを舞台に、主人公エメットが謎の宇宙人に連れ去られた仲間を救出するために戦う姿を、前作同様自虐ギャグ満載のユルいテイスト、瞬時にビルドアップしていくレゴのカスタマイズな魅力をスピーディーかつフルスロットルで描き、前作以上に現実世界の境目を無くすことで、より今回の映画のテーマが見やすくなった、すべては最高!じゃないけど最高を目指すことが何より大切なんだ!ということを子供でも大人でも理解できる優しさで描いてくれた非常に楽しい映画でございました!!
この映画の魅力の一つは何といってもギャグです。
特にバットマンに対する自虐ネタは「レゴバットマンムービー」でもご承知の通りで、今回もふんだんにネタが満載。
やはり闇で活動する男であり、エゴイストで目立ちたがり、でもさびしんぼうな超めんどいキャラ設定。
そして俺は9作も映画になっていてあと3作決まっているとか、昔は俺もタイツ姿だったよ、とか、これ以外にもたくさんの自虐ネタが放り込まれていましたね。
ワーナーが配給していることもありジャスティスリーグの面々も今回登場。
中でもアクアマンは世界で大ヒットということもありセリフも多かったように感じます。
やはり豪快で天真爛漫な彼ですから今回のレゴムービーでも、アルママゲドン(アルマゲドンではございません)が起きた際にやっほ~う!!と自ら飛び込んでいく姿は彼そのもの。
スーパーマンも相変わらず穏やかな表情で誰にでも柔らかく接する姿で、イメージそのもの。
グリーンランタンは実写ではボツ映画なので、今回も笑いにされてます。ようやく出番が増えたのにこの扱い!?みたいなw
ワンダーウーマンも3パターンありましたね。今のとTV版と、あとひとつがわからん!空気人形的な大きいの。
そしてチームの中に相変わらず溶け込もうとしないバットマンと、放っておくスーパーマン。
こんな感じでジャスティスリーグの面々をネタとして描くことで愛着がわくってもんです。
で、これ以外にもワーナーということでネタがたくさん。それもう「レディ・プレイヤー1」状態ですよ。
もう5年後のボロボロシティの舞台が「マッドマックス怒りのデス・ロード」ですし、強くなければ生き残れない、って設定があの世界の住人みたいでみんなタトゥー入れたり武装してるし、荒野を疾走する車は完全に改造車ですし。
で、今回初登場のレックス・デンジャーベストが率いている恐竜が完全に「ジュラシックワールド」のラプトルだし。
ある人物は未来からやってくるために、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のデロリアンを解体して、「ビルとテッドの大冒険」の電話ボックス解体して、ターミネーターの過去へ送るマシンも解体して、現在にやってくる、なんてネタもあったし、大人の男が観る映画が「マトリックス」で。
しかも「猿の惑星」よろしく、半壊した自由の女神とか、換気口をはいつくばって移動しているとブルース・ウィリス登場wwはい「ダイ・ハード」ですね。
いやいやこれ2つとも20世紀FOXの映画ですよ!ワーナーじゃねえっ!
まぁ具体的な名称は出てこないからいいものの、完全に映画を意識するネタでしたね。
映画ネタ以外にも、ウルトラキャットの内なる怒りからのハイパーダッシュや吐き出す毛玉といった体を張ったギャグや、病みつきになってしまうポップソング(これマジ頭から離れない)の件、現実世界で対峙するエメットとレックスや、気持ちを高ぶらせるようなアゲの展開から急にちゃっちいショボい演出という落とし方などなど、とにかく笑いとネタにあふれたギャグ満載の映画でした。
前作から引き継がれた世界。
前作ではスパボンを使ってレゴの世界を接着剤で崩れないようにしようとする父に対し、ちょっと待った!レゴは壊して作って楽しむものだ!と主張した幼い息子との譲歩と和解を描いた物語でしたが、最後に妹の存在があかされる所で終了するという意外な終わり方でしたね。
それが5年後のレゴの世界にどう影響したのかってところから始まります。
デュプロ星人の襲来に友好をして歩み寄ったエメットでしたが、逆に刺激してしまい世界は荒廃してしまった、というのが今回の物語の始まり。
建て直しては崩され建て直しては崩され、もうなすすべのない住民たちはボロボロの状態のまま臨戦態勢を整えつつ暮らす、というギクシャクした世界に。
マッドマックス化した世界や住人がいきり立っている中で、エメットだけはいつも通りのんきで楽観視した生活を送っており、ルーシーとの愛の巣を作って幸せに暮らしたい一心でした。
そんなエメットに対し、あなたにはタフさが足りない、男らしくタフな所を見せてよ、と詰め寄るルーシーでしたが、エメットは中々感情をむき出しにできず悩む姿が。
やがてメイヘム将軍の襲撃により仲間を連れ去られてしまったエメットは単独で、クイーンのいる惑星へ向かうもピンチに。そこへレックス登場で何とか無事惑星にたどり着くわけです。
クイーンの目的は特定の人物との結婚式を挙げる事でした。その相手はバットマン。
抵抗するバットマンでしたが、スーパーマンを引き合いに出されて速攻で結婚オッケー。
仲間たちは極上のポップソングに洗脳されどうしようもない中何とか正気を保っているルーシーと共にエメットはウェディングケーキの崩壊を目論むのですが、というのがおおまかなあらすじ。
前作観た人はお察しの通り、レゴムービー自体が現実世界で人間が作った物語を見せているわけで、今回も前作の最後に登場した妹とレゴを通じて繰り広げられた「レゴ・ウォーズ」を私たちに見せているのであります。
まだ幼い少年は初めてできた妹を、レゴの世界へ友好的に歩み寄るものの、妹の見境のない容赦のない駆逐ぶりに、とうとう少年が作ったレゴの世界はなすすべのない状態になってしまうわけです。
それから5年が経った現在。まだ二人はレゴを通して遊んでいるわけですが、少年は少しづつ大人への階段を上る一方で、妹はまだ子供らしさを持っている。
初めて触ったレゴを今でも愛してやまない二人は、年齢による成長から価値観が変わってしまっているんですね。
男らしくSFチックで強き者が世界を支配するかのような世界を構築したいお兄ちゃんに対して、妹はとにかくお兄ちゃんと一緒にレゴで遊びたい。またお兄ちゃんの影響を受けてちょっと宇宙モノとかが好きになってる。
互いの気持ちは一度は近づいたものの、その差はなかなか埋まることはなく、ついにはエメットが夢で見た「アルママゲドン」が襲来してしまうってことなんですね。
お兄ちゃんなんだから。
かつて男らしさとは、強くカッコよくが当たり前だったように思えます。男性のシンボルみたいなもんですよね。
もうこれは本能とうかDNAというか、避けて通れない部分ではあると思うんです。
それが映画の中で言われた「タフさ」だと思います。
ルーシーはエメットにこのタフさを求めていたわけですが、エメットは中々表に出せずにいた、しかしようやくタフさを取得した時には、ルーシーの押し付けが間違いだったことに気付くんですよね。
持って生まれたマッチョイズムでは世界は破壊しか生まれない、まるで今のトランプ政権にも通じるテーマ。
妹が掲げた和平案は、エメットには伝わらずアルママゲドンが来てしまう、というわけ。
そしてエメットも少年も気づくわけです、クイーンの本心を、妹の本心を。
僕にも妹がおりまして、もう小さい頃の記憶なんで思い出せないんですけど、兄妹が何かで遊ぶ時、どうしても兄主導で遊びが進展していくんですよね。
というか、兄が遊んでいるところに、まぁ~ぜぇ~てぇ~って寄ってくるわけですよ。
こういう時、優しいお兄ちゃんなら妹主導で一緒に遊んであげることが一番の接し方だと思うんですけど、そっちが勝手に入ってきたんだから勝手なことするなよ~!!とお兄ちゃんらしからぬことをしてしまうんですよね。
終いには頭ぶって泣かせて、妹はお母さんに「お兄ちゃんがぶったぁ~~(泣)」と報告し、お兄ちゃんが叱られる。
だって僕のオモチャ勝手に変なことするんだもん!、と、とりあえず自分の中の正論を主張するも、お兄ちゃんなんだから仲良く遊んであげなさい!で終了。
それでもケンカが終わらなければ仕事から帰ってきた親父にボッコボコにされる。
あの時受けた親父からのフルボッコぶりは今でも忘れないw
マジで怖かったなぁ~。だから今でも逆らえないんだよなぁw
妹を持つ兄貴ならこの風景共感できるのではないでしょうか。
この映画は、妹と遊ぶ時どうすればいいのか、という問いに対し、「タフさ」という男の本能など捨て去って、妹の目線に立って歩み寄ることが大切なんだ、ということを解りやすく教えてくれるのです。
僕はもうずいぶんと大人なので、俺も子供んときああだったなぁなんて回想にふけましたが、小さい子供たちは妹と遊ぶ時、どう接したらいいかをものすごく肌で感じられるいい映画だったのではないでしょうか。
またこれを観ることでどういう大人になることが良いことなのかっていう、心を育てる部分も担ているという優れた映画だと思うんです。
最後に
また「すべては最高」に対しての「すべては最高じゃないけどだからこそ面白い」っていう人生とレゴをどう楽しむのかってのが含まれたメッセージもやはりステキ。
前作からどうやって続編が作られていくのか期待してましたが、まさかこういう思いが込められたお話になっていたとは。
ブロックを一人で黙々と作るのも確かに楽しい。
しかし誰かともしくは全く違うタイプの相手と作り上げていくのも楽しいわけですよ。
男一人で作ってて結婚式挙げるとか普通考えないしw
そして今作はエンドクレジットも手が込んでおります。
俺たちはエンドクレジットを観るためにこの映画を見に来た!ほら観ろ!俺はこの視覚ディレクターの名前が見たくて見に来たんだ!本編8割見なくてもこれだけで満足だぜ!みたいな歌詞が最高にいい!
映像も物語に沿って、2つの異なる世界を合わせることでまた一つ想像だにしない世界が作れることを伝えていて、これに加え兄弟や夫婦といったペアが創造したレゴブロックを紹介してるんですね。
このやり方はズルい!
細部にまでこだわりを感じた製作陣の想いに、やられましたね。
こんなこと言うなよ、とは自分でも思うんですが、やはり前作が素晴らしすぎて、どうしても今作は見劣りがしてしまう気はします。
序盤から現実世界との行き来が見えてしまっていること、これは前作でネタバレしてるので仕方ないとはいえ、その上を行く仕掛けを見せてほしかったなぁと。
他にもレゴの創造力を見せつける、アイディア溢れるブロック変化もやはり少なかったなぁと。
まぁそれを差し引いたとしても全然面白いんですけどね!
是非妹がいるお兄ちゃん、ならびにご家族の方は見に行ってほしい映画です。もちろん大人も!!
というわけで以上!あざっした!!
満足度☆☆☆☆☆☆☆★★★7/10