モンキー的映画のススメ

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主に新作映画について個人の感想、意見を述べた文才のない男の自己満ブログ

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映画「人魚の眠る家」感想ネタバレあり解説 何をもって「死」と言えるのだろう。

11月16日

人魚の眠る家

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邦画のヒューマンドラマ。あまり得意ではないのですが、今回東京国際映画祭でも上映され話題ということで、当初予定に入れてなかったんですが観賞しようと。

まぁ久々の堤幸彦作品ですし、安定の東野圭吾ですし、篠原涼子の映画ってそんなに観たことないってのもあるし、全然つまらないってことはなさそうな気がしております。

 脳死と診断された娘を、生きているとみなすか、それとも。

それをお母さん演じる篠原涼子の視点から、色々考えされられていくお話なのでしょう。

というわけで早速観賞してまいりました!

 

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

人気作家東野圭吾がデビュー30周年記念し執筆した小説を映画化。

離婚寸前に届いた夫婦のもとに、プールで溺れ意識不明となった娘の知らせが届くことから始まるこの物語は、奇跡を信じる夫婦のある決断によって、徐々に歯車を狂わせていく。

何を持って生なのか、何を持って死なのか。

母の真っすぐにも歪にも見える娘への愛を、私達はどう捉えるべきなのか。

先の読めない展開、衝撃のクライマックスの先に、愛する人を持つ全ての人々の心を揺さぶる作品です。

 

人魚の眠る家 (幻冬舎文庫)

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人魚の眠る家 オリジナル・サウンドトラック

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あらすじ

 

 

二人の子を持つ播磨薫子(篠原涼子)と、IT機器メーカーを経営する夫・和昌(西島秀俊)。

そんな二人は、娘の小学校受験が終わったら離婚すると約束していた。

 

だがある日、娘の瑞穂がプールで溺れ、意識不明になったという悲報が届く。

意識不明のまま回復の見込みがない娘を前に、生かし続けるか、死を受け入れるかという究極の選択を迫られた二人は、和昌の会社の最先端技術を駆使して前例のない延命治療を開始。

 

治療の結果、娘はただ眠っているかのように美しい姿を取り戻していくが、その姿は薫子の狂気を呼び覚まし、次第に薫子の行動はエスカレートしていくのだった。

 

やがて、和昌の父・多津朗(田中泯)や、薫子の母・千鶴子(松坂慶子)、技術研究者の星野祐也(坂口健太郎)とその恋人・川嶋真緒(川栄李奈)らを巻き込み、彼らの運命を狂わせていく……。(Movie Walkerより抜粋)

 

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監督

今作を手がけるのは堤幸彦。

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堤監督といえば、「TRICK」とか「ケイゾク」、「SPEC」といったTVドラマからの映画化、「20世紀少年」や「BECK」といった原作殺し、「ピカンチ」や「エイトレンジャー」のようなジャニーズ幹部お墨付きといった映画が思いつきますが、実はちゃんとクソ真面目な映画も撮れるお方。(失礼w)

僕は彼の作品はTVドラマのほうがなじみが多く、それこそ金田一少年やらサイコメトラーEIJI池袋ウエストゲートパークなんかは何度も観賞しています。

 

多分、あまり映画を観ない人が今回の作品の監督の代表作なんか知ったら驚くでしょうね。

え!?これトリックの人なの!?みたいな。

 

そんな監督のシリアスなヒューマンドラマの数々をご紹介。

死んだはずのの元恋人から手紙が届いたカメラマンの青年が、それを確かめるためにニューヨークへ向かう、一組のミステリアスなラブストーリー「恋愛寫眞 Collage of Our Life」、働き盛りのサラリーマンを襲う若年性アルツハイマーを題材に、主人公の戸惑いや不安、それを支える妻の献身的な支えを描いた「明日の記憶」、様々な傷を抱えた若者たちが、ネットで傷ついた人たちを癒す活動をしていく青春群像劇「包帯クラブ」、日本中に邪馬台国ブームを起こした盲目の郷土史研究かとその妻の波乱万丈の人生を描いたドラマ「まぼろしの邪馬台国」、月以外の天体のサンプルを持ち帰るべく始動した小惑星探査機プロジェクトを成功へと導いた人たちの奮闘の日々を描いた「はやぶさ/HAYABUSA」と様々なドラマを手がけてきました。

 

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近年は、知的障がい者の娘と無償の愛を捧げる父親との優しくも悲しい愛の物語「くちづけ」、不条理に亡くなった人たちを悼みながら全国を行脚する青年の行動と、彼がであった人たちとのドラマ「悼む人」、巧みな斜述トリックで描かれたミステリー要素の強いラブストーリー「イニシエーション・ラブ」など、アクション映画やTVドラマをはさんでコンスタンスにドラマ映画を作っています。

 

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来年早々には、若手スターが勢ぞろいと噂の、安楽死志願の未成年12人による集団密室サスペンス「十二人の死にたい子どもたち」が公開予定です。

 

 

 

 

 

 

キャスト

播磨薫子を演じるのは篠原涼子。

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アイドルやって、お笑いもやって、歌手もやって、そして女優。

どのジャンルでもしっかり爪痕を残してステップアップした数少ないお方。

同じ群馬県出身の私モンキーとしては、非常に応援したい女優さんでございます。

現在の旦那さんである市村正親さんとの挙式は、ウチの実家圏内で挙げたそうで、なんというか勝手ながら親近感をもっておりますw

超無理矢理ご近所的なw

 

そんな篠原涼子さんは、現在こそ女優という肩書きですが、僕にとっては「ダウンタウンのごっつええ感じ」で芸人達から様々なセクハラやパワハラを受けながらも笑いを取っていた印象が強いです。

今でこそ完全アウトなコントでしたし、肯定できることとは思えませんが、あの時の根性とか何でもできる対応力が今の彼女を作ったといっても過言ではないと思います。

 

そんな彼女の主演作をサクッとご紹介。

TVドラマでこそたくさんの主演はありましたが、映画は意外と少なく、一番代表的な作品はそのTVドラマから映画化となった人気シリーズ「アンフェア」。

 

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アンフェア the movie

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 検挙率ナンバーワンの型破りな女刑事が、様々な事件に巻き込まれながらも解決しようと奮闘する人気シリーズ。

「バカか、おまえは」と何度言われたいと思ったことかw

映画版はどれもオススメするような出来ではなかったですが、TVドラマでの「アンフェアなのは誰か?」というメッセージと共に真犯人は誰なのか、という予想もできない展開に毎週ハラハラしながら観ておりました。

確か雪平の娘役の子は今AKBでアイドルやってんすよね。

ん~時代の流れは早い・・・。

 

この後の主演作となると、もう今年公開した「SUNNY/強い気持ち強い愛」になっちゃうんですね。

 

www.monkey1119.com

 これは感想を読んでもらうとして、とにかく映画での主演作が非常に少ないのであります。

今年2作目の今作。これを機に映画の方にも力を入れていくのかな?

 

ちなみに、僕のベスト篠原涼子ドラマは「ぼくの魔法使い」です。

これ絶対今でも笑えるw

 

 

 

 

 

他のキャストはこんな感じ。

別居状態の薫子の夫でITメーカーの社長・和昌役に、「MOZU劇場版」、「オズランド」の西島秀俊。

和昌の会社の研究員・星野祐也役に、「今夜、ロマンス劇場で」、「64/ロクヨン」の坂口健太郎。

その恋人・川嶋真緒役に、「恋のしずく」、「センセイ君主」の川栄李奈。

薫子の母・千鶴子役に、「蒲田行進曲」、「武士の家計簿」の松坂慶子。

娘の担当医である脳外科医・進藤役に、「アウトレイジビヨンド」、「音量を上げろタコ!」の田中哲司。

和昌の父で会社の創業者・多津朗役に、「るろうに剣心」、「羊の木」の田中泯などが出演します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

突然の悲劇を目の当たりにし、二度と目覚めることは無いと言われたら、もし目の前で奇跡を起こせると言われたら。

その行動や決断は親から子への純粋な愛情なのか、それとも人間が持つ深い欲望に過ぎないのか。

死と生の何たるかを問うヒューマンミステリー。一体どんな結末に。

ここから観賞後の感想です!!

 

感想

母親の狂気じみた感情の説得力が凄まじい!

何をもって死なのかを問い詰めた、家族の愛が詰まったヒューマンドラマでした!!

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前半と後半でガラリと変わる。

プールでおぼれてしまったことで脳死状態となった娘に、延命措置を続ける両親の戸惑いや悲しみ、苦悩、それを乗り越えていく姿を、生きている死んでいるとはいったいどこからがそうなのかという問題を科学的に倫理的に道徳的に問うとともに、周りのやつらが何をどう言おうが、娘は生きているという思いを貫く母親の狂気にも似た凄まじい愛情、溢れんばかりの温もりと降りしきる雨から読み取れる登場人物の心理描写の映像表現によって涙を誘う、もし自分が当事者だったらと考えさせられるヒューマンンドラマでした。

 

前半と後半で全くニュアンスや考え方が変わっていく中々の作品でした。

というのも、前半は娘が脳死状態にあることで訪れる、途轍もない悲しみを前面に出しながらも、科学の力を駆使すれば娘は延命を保つことが聞でる、という偽りの希望に向かって活力を見出してく母親の姿にどこか応援したくなる、または背中を押してあげたくなる、そんな気持ちにさせてくれました。

別居状態にある夫との関係も、最初こそ面接の練習の際の待合室での微妙な距離感が映し出されていましたが、娘の状態を機に少しづつ家族の絆を取り戻そうと懸命になる夫の姿を見て、やはり家族は離れ離れになってはいけないよな、と常套句ではありますがそんな気分にさせてくれます。

 

2人を前向きにさせてくれたのは、夫の会社で研究を重ねている社員の一言でした。

障害を持つ人にロボット工学と科学技術で寄り添うことをモットーに研究を続けているのですが、社員の一人である星野は、障がい者が自分の力でモノを食べたり動いたりできることを重点的に研究を重ねていました。

夫である和昌は、横隔膜にペースメーカーを入れることで器官に管を通さずに呼吸ができること、脳波の信号を脊髄に人工的に送ることで人間の筋肉を動かすことができる話を聞くことで、自分の娘を生かすことができるかもしれないという考えに行きつき、その装置を使って筋肉を動かし体を活性化させることを薫子に提案します。

 

これを機に、今まで動くことのなかった娘は足を上げたり手を上げたりすることで、まるで自分の意志で動いているかのようにでき、生きていると実感できることを可能にしたのです。

 

当初は薫子の母、薫子の妹、その子供、そして薫子の次男も喜びを感じていました。

恐らく本当に生きていると感じていたのでしょう。

外から部屋に差し込む光が、まさに薫子の希望を象徴するかのように映し出され、それはそれは幸せなひと時に感じます。

 

しかし後半に差し掛かるにつれて、状況は一変していく。

星野は自分の使命と思っているのか、恋人との時間もおろそかになるほど娘の介護と自身の研究に没頭し、和昌は星野の研究の成果によって、プレゼントを受け取り降格を上げ笑顔を作る娘の姿に、自分が提供したことは本当に正しいことだったのかと自問していく中で、大学のサークル仲間が心臓移植のための募金を募っている場に遭遇し、自分の娘の臓器を移植すればこの子は助かるかもしれないが、妻はそれをどう思うのだろうというジレンマを抱き、家にも姿を見せなくなる。

また薫子は脳死でありながらも娘が生きているということを当たり前のように感じ、外へ連れ出したりする始末。

薫子の母も薫子の行動に疑問を抱き和昌に相談したり、次男の入学式に娘を連れてきた薫子のせいで、周りの目を気にしだした次男の姿も。

 

それぞれの思いが交錯し、ついに薫子とその他の人物による衝突が生じ、薫子は常軌を逸した行動に出る。

 

 

娘を殺したのは、私でしょうか。

 

 

後半に差し掛かる場面で、和昌と父・多津朗が囲炉裏を挟んで会話するんですが、この時、父が言った言葉が印象的でした。

人間の欲望のままする行動は、ある意味で人間らしい。そういう意味では科学の力は世の中の役にも立つし人間を救うことだってできる。

しかし和昌のやっていることは明らかにその欲望の領域を超えている。

細かいニュアンスは覚えてないのですが、要は脳死状態の娘に科学の力を駆使しして生きているようにさせても、その先に何が残るのか、果たしてそれは純粋な善なのだろうか、と。

脳外科医である進藤も遠回しにですが、このままの状態にする必要性を問いかけたりするシーンが印象的でした。

 

 

脳は死んでいるが、心臓は動いている。

日本の法律では心臓が止まらなければ、生きているとみなされるそうで、脳死状態だからといって簡単に死を宣告することはできないそうで、本人が臓器提供の意思表示を持ってない場合、家族の判断に委ねられ、その意志を示すことで初めて脳死判定がされるとのこと。

 

普通の人間なら脳死状態から数日で亡くなることが多いそうですが、娘は6歳ということもあり可能性として数か月は延命できるということで、薫子と和昌は臓器提供することに躊躇してしまいます。

そして決断し家族で看取ろうとした瞬間、娘の指が動いたことで延命措置をすることを決断するわけですが。

 

 

この映画を通じて僕が感じたことは、正直当初抱いていた家族の娘を生かすという判断に難色を示したこと。

それは物語の終盤でも取り上げられることですが、このまま生かしたところで何の意味があるのかということ。

 

やはりどうしても親の自己満足、エゴとしか見れない自分がいました。

愛だといえば聞こえはいいですが、そう真っ直ぐ受け止められない。

そう思うのも自分の周りにそんな体験を送った人もいなければ、家族もそんな状況になったことすらなく、やはり他人事としてしか見れない自分がいました。

だからなんですが、実は結構序盤から僕はこの物語が気持ち悪かった。

後半から劇伴がディスコードのような音色で流れることで、ホラー要素を醸し出し、観衆の気持ちを誘発していくんですが、それ以前から薄気味悪さが僕のなかでありました。

 

特に星野が介入してきあたり。

人工的に信号を送って体を動かすって説明を聞いたときに、もうそれまやかしでしかないじゃん、その信号を送るのは当事者以外の人間の欲望でしかないじゃん、そんなことしてまで生かしたいのか?と。

 

実際娘の指が動いたから生きている、という薫子の見解に対して、脳外科医の進藤は、ラザロ徴候(脳死とされる患者が自発的に手や足を動かす動作で、一種の脊髄反射)かもしれない、といっているわけですが、その言葉も届かないくらい生きていることを実感している夫婦の姿があり、そこでまず立ち止まることはできなかったのかなぁと。

 

 

ただこれは僕だけの視点であり、この家族にとっては、薫子にとってはそんなの関係ないんですよね。

だって彼女は娘が生きている、と思ってるのだから。

だから終盤、薫子の行動には鳥肌が立つと同時に、色々考えさせられたというか。

生きているということを、法が決めるのかそれとも人間が決めるのかってことを行動で問いかけるあのシーンは強烈でした。

 

 

最後に

今回淡泊な感想になりましたが、脳死をめぐって繰り広げられる家族の物語として、自分の否定的な意見を絡めがらも、じゃあその立場になったらその通りにできるのか?薫子と同じようなことをするんじゃないのか?など色々考えさせられる映画でした。

決して誰も間違ってないんですよね。

だからこそ難しい。

人の死はどこから死といえるのか、生きているといえるのか。

法が決めるのか、それとも人間が決めるのか。

 

しかしながら星野のサイドストーリーの必要性には全く共感できず、ただただ健気な彼女を持ってる星野てめえ何困らせてるんだ!くらいの気持ちですw

そもそもこいつ合コンの時点で自分の話しかしないんだから、この先自分のこと以外興味示さないぞ?って見据えることができるはずなんですけど、まぁ彼女の性格が良すぎるだろうと。

 

あとこんな野暮なこと言うのもなんですが、播磨家っていわゆる富裕層じゃないですか。だから延命措置のための費用を工面できたわけで、しかもそのために離婚を白紙にしちゃうって流れも、なんか不自然な気がしちゃうというか。

で、これ一般家庭だったら、脳死判定するかしないかまた大きく変わってくるだろうと。

果たして延命措置したのかどうか。金の事を考えるのかそれとも娘の命を優先させるのか。そういう葛藤の方がよりリアルだし、我々に寄り添った話になるのになぁと、ゲスな考えを持ってしまいましたw

 

とりあえず東野圭吾的カラクリもあって、話としてはうまくできていた気がします。

あなたそんな大事なことそんなクライマックスで言うの!?

何か月そのモヤモヤ抱えて訪ねてきたの!?という疑問もありましたが、あれが無いと薫子の行動止められませんでしたしね。

というわけで以上!あざっした!!

満足度☆☆☆☆☆★★★★★5/10