モンキー的映画のススメ

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主に新作映画について個人の感想、意見を述べた文才のない男の自己満ブログ

実写映画「聖闘士星矢The Beginning」感想ネタバレあり解説 俺の小宇宙(コスモ)は微かに燃えました。

聖闘士星矢 The Beginning/ナイツ・オブ・ザ・ゾディアック

小学生のころ、上履きを両腕にはめて「ペガサス流星拳!!!」と叫びながら学校から帰っていたモンキーです。

 

子供の頃にTVでやっていた「聖闘士星矢」。

ぶっちゃけ内容は全然覚えてないんだけど、星矢や氷河、紫龍、瞬の青銅聖闘士が、ボコボコにされて初めて本領発揮ってパターンばっかりだなってのは覚えてます。

いつも聖衣が壊れて体も傷だらけのイメージ。

でもって沙織は病弱みたいな感じで、眠ってばかりみたいな。

 

そんな思い出しかないこの「聖闘士星矢」の実写化。

一体どこに需要があるのかさっぱりわかりませんw

ターゲット層はアニメファンと原作ファンだけど、年齢的には自分と同世代か上の世代でしょう?

収益の見込みあるのか?と。

 

でもですよ、ハリウッドで日本の俳優を主演にして製作したってすごいことじゃないですか。

ということは世界規模でファンがいて、待ち望んでる人がいると。

 

正直香ばしい匂いしかしないんですけど、早速観賞してまいりました!!

 

 

作品情報

1980年代の「週刊少年ジャンプ」黄金期を支えた車田正美原作の人気コミック「聖闘士星矢」。

ギリシャ神話をモチーフにした王道バトルを展開した原作は、「聖衣(クロス)」や「小宇宙(コスモ)」といったキャッチーなネーミングによって人気を獲得し、単行本は全世界で5000万部を売り上げるほどの人気となった。

 

そんなアクション漫画のルーツともいえる「聖闘士星矢」を、東映アニメーションが約60億もの予算をつぎ込んでハリウッドで製作。

 

小宇宙(コスモ)の力に目覚めた主人公が、謎の集団に追われながらも、女神アテナの生まれ変わりである少女を守る運命に導かれ、戦いに身を投じていく姿を描く。

 

るろうに剣心 最終章/The Final」や「ブレイブ 群青戦記」などで華麗なアクションを披露、さらには2023年配信予定のNetflixドラマ「ONE PIECE」でロロノア・ゾロ役を演じ、本格的にハリウッドへ進出する新田真剣佑を主演に迎え、「007 ゴールデン・アイ」のショーン・ビーン、「X-MEN」シリーズでジーン・グレイを演じたファムケ・ヤンセン、「ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル」のマディソン・アイズ、「ジョン・ウィック:パラベラム」での暗殺者を演じたマーク・ダカスコスなど、アクションに長けた新旧キャストで送る。

 

また監督にはNetflix世界視聴率No.1となった「ウィッチャー」のトメック・バギンスキーがメガホンをとり、『シャン・チー/テン・リングスの伝説』のアンディ・チャンがアクションを手がける。
さらに『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』などの代表作をもつDNEGがVFXを担当するなど、世界中の精鋭たちが小宇宙を燃やし、新たな息吹を注ぎ込む!

 

原作の序章を描くであろう本作は、6部作を構想した壮大なシリーズになる模様。

果たして見る者たちの小宇宙は燃えるのか!?

 

 

 

あらすじ

 

自らの身体に“小宇宙”という力が宿っていることを知らない若者、星矢(新田真剣佑)。

 

地下格闘技でその日暮らしをしながら生き別れた姉を探していた彼は、ある日闘いの最中にその“小宇宙”を発したことで謎の集団から狙われることに。

彼らは強い“小宇宙”の持ち主と、シエナと言う女性の命を狙っていた。

 

ペガサスの星のもとに生まれた星矢の使命は“知恵”と“戦い”の女神アテナの生まれ変わりであるシエナ(マディソン・アイズマン)を守り、世界を救うこと。

 

自らの秘めた力に気づいた時、彼はこの世界を救う“聖闘士”となる。(HPより抜粋)

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キャラクター紹介

  • 星矢(新田真剣佑)…幼いころに姉と別れた青年。姉を探しながら地下格闘技で生計を立てていたが、アルマン・キドの登場によって自身の運命を知る。女神アテナの生まれ変わりであるシエナを守るため、聖闘士の道を歩み始める。聖闘士としては未熟で、戦い方も小宇宙の制御もままならないが、どんな苦境であっても決して諦めない不屈の精神を持つ。

 

  • アルマン・キド(ショーン・ビーン)…星矢の前に突然現れた謎の男。シエナと出会い守るため、娘同然に育ててきた。妻だったグラードと袂を分かった後もシエナを守るため、執事マイロックと共に屋敷で彼女を保護している。どんな状況にも怖気ない毅然とした人物で、シエナを守るためならば手段をいとわない。

 

  • ヴァンダー・グラード(ファムケ・ヤンセン)…アルマンの元妻。シエナを守り抜いた黄金聖闘士の聖衣から超古代技術の解析に成功。かつてはアルマンとともにシエナを育ててきたが、ある事故が原因で両腕を失い、小宇宙がないと生きていけない体になってしまう。それ以来、アルマンと袂を分かち、アテナの再来は世界滅亡の兆しと理解する。ギリシャ神の脅威から人類を守るため、強力な武装兵団を作り、シエナの抹殺を誓う。

 

  • シエナ(マディソン・アイズマン)…邪悪な力と戦う聖闘士たちを率いる女神アテナの生まれ変わり。誕生とともに何者かに命を狙われるが、射手座サジタリアスの黄金聖闘士によって救われ、アルマンとグラードに保護され育てられる。自身の内側に強大なパワーを秘めており、その力が発動すると自分でも制御できず、その力が起こす世界滅亡の光景を夜ごと夢に見るが、それは未来の現実か、それとも?

 

  • マイロック(マーク・ダカスコス)…アルマンの執事だが、銃撃、近接格闘、ドライブテクに長けており、アルマン同様常に冷静さを失わない人物。危機的な状況でも星矢とシエナを守り、アルマンとは主と執事以上の深い友情を持つ。

 

  • ネロ(ディエゴ・ティノコ)…グラードと行動を共にする男。圧倒的な戦闘能力を持ちシエナの行方を追うが、なぜグラード側についているかや目的は不明。鳳凰星座(フェニックス)の紋様のペンダントを所持。

 

  • カシオス(ニック・スタール)…地下格闘場を仕切っていたストリート・ファイター。力ある者をグラードにリクルートしていた。星矢への恨みを晴らすためグラードの実験に参加し暗黒聖闘士へと改造し、星矢に立ちはだかる。

 

  • マリン…常に白銀のマスクを着け素顔を見せない白銀聖闘士。小宇宙が燃え出すと背後に鷲星座が出現する。絶大な戦闘能力で星矢を厳しく指導し、真の聖闘士へと導いていく。

(以上、HPより)

 

 

 

 

 

 

 

 

残念ながら本作では星矢と一輝以外の目ぼしいキャラは登場しない様子ですが、序章としてシンプルな物語に改変されてそうですね。

とりあえずヘンテコになってなきゃいいや!

ここから観賞後の感想です!!

 

感想

原作及びアニメを知らない人なら「ハリウッド映画」として楽しめるが、どうも20年前のハリウッド映画のように見えて仕方ない。

ペガサス幻想のインストは流れるが、ペガサス流星拳とは叫びません…。

以下、ネタバレします。

 

 

 

 

 

 

あくまでナイツオブザゾディアックの実写化

女神アテナの生まれ変わりを守るために運命を受け入れ聖闘士の道を歩む主人公の葛藤と成長を描く物語は、現代を舞台にしたことで避けて通れない科学を用いて描くあまり「神話性」の部分が薄く、まるで核の是非かのようにシエナを設定したり、護衛VS傭兵の構造で聖闘士を見せているのが原作離れし過ぎていて個人的には残念な作品でございました。

 

黄金聖闘士がシエナを守って以降、アルマンとグラードが彼女を育てたものの、女神を守るべきアルマン側と、死を彷徨った経験から人類を滅ぼす存在と考えるグラード側で対立。

アルマンはシエナを守る聖闘士を探し、グラードは延命措置とアルマンを追い詰めるために聖闘士を探す。

 

地下格闘技上で小宇宙を放出したことで運命の道を歩むことになった聖矢は、マリンの下で修業を重ね小宇宙を会得するが、過去の記憶が鮮明によみがえったことで、姉をさらったグラードとアルマンを憎む。

しかしそれはアテナの生まれ変わりであるシエナを守るための仕方のない措置であったことを聞かされた聖矢は、運命を受け入れシエナを守ることを決意。

 

アルマンのアジトに急襲してきたカシオス率いる忍者サイボーグ=暗黒聖闘士を、執事のマイロックと共に激闘。連れ去られてしまったシエナを救出すべく、グラードのアジトへと向かう。

 

しかし聖矢の前に、同じ聖闘士のネロが立ちはだかるのだった。

果たして聖矢は、アテナの力を覚醒したシエナを救い、危機を未然に防ぐことができるのか。

 

・・・というのがざっくりしたあらすじ。

 

 

原作未読でアニメも中途半端、大して思い入れもないこの聖闘士星矢をハリウッドで作ったらどうなるかという実験は、僕の視点から見れば及第点といったことろ。

文句を挙げればキリがないですが、原作愛を出しながらも限られた予算で世界中の人に受けれいるにはこの策しかなかったのだろうと感じた作品でした。

 

とりあえずあれこれ言う前に、これだけは理解しておかなければいけないということを言っておきましょう。

これはまず我々の知る聖闘士星矢の実写化ではなく「ナイツ・オブ・ザ・ゾディアック」の実写化であるということを理解してかなくてはいけないんだということ。

 

キャラクターの名前が違うため、誰がどのキャラになっているかを事前に調べてみたところ、ヴァンダー・グラードって誰やねんとなったんですよね。

すると「ナイツ・オブ・ザゾディアック」という聖闘士星矢のアニメに登場することが判明。

 

ファンの間では瞬が女性になっているというポリコレ要素に不満を挙げていたり、グラードがラスボスの割にパッとしないというレビューを見かけたんですが、原作ではない「アルマン=城戸光政とヴァンダー・グラードの対立」を設定してるらしいんですね。

で、今回の実写化は正に元夫婦同士がシエナをめぐって争うって話にしてるんですよ。

 

もうこの時点で聖闘士星矢ではなく、ナイツオブザゾディアックですよね。

しかもグラードは科学の力を結集して暗黒聖闘士を人工的に生み出して伏兵にしてるという点も一致。

本作の劇中では「忍者サイボーグ」と吹替えしてる通り、聖闘士というよりも黒い西洋的甲冑を纏ったサイボーグでした。

 

細かい点を解説

ということを踏まえていくと、現代に設定した以上、対立する組織は科学要素を用いた軍団にすることでリアリティを生み出すことで成功していた気はします。

 

劇中では暗黒聖闘士相手に銃で応戦するアルマンの手下がいたり、執事のマイロックは対暗黒聖闘士用の警棒と拳銃、そしてアクロバテッィクな格闘術で戦うという見せ場があります(なんでそんな武器を持ってるのかは知らんw)。

 

アクションに関しては原作へのオマージュとみられるような小宇宙を纏った大掛かりなアクション(それこそペガサス流星拳のような必殺技っぽいやつ)が見られますが、基本的にはカンフーアクションをベースにした近接格闘術で、ワイヤーを使った部分もあれば、カラダをしなやかに動かしての攻撃回避、組み手に関してもカンフーメイクなものになってました。

 

正直個人的には大ぶりなパンチだったり、華麗に舞っての空中戦のような往年のアクションを期待していたんですが、さすがにそこは日本人を主人公にしてる点から昨今のトレンドを取り上げたんでしょう。

もちろん真剣佑はじめ、ひとつひとつが機敏且つしなやかでありながら様式美も兼ね備えた力強いアクションではありましたね。

それこそ序盤でのカシオスとの地下格闘技場での金網デスマッチはかっこよかったです。

 

しかしそこからは「これ聖闘士星矢?」と疑問点が増えていく。

暗黒聖闘士たちが逃げる聖矢とアルマンを追いかけるシーンでは、重装備の車で逃走、ヘリが上空を飛んで追走、ロケットランチャーによる被弾、アルマン側もミサイルで応戦と、一体俺は何を見てるんだと一瞬戸惑いましたw

 

先ほども言いましたが、聖矢自身が聖闘士として未熟な存在のため、敵が攻めて来たらこうした現代的な武器で戦うしかないよなぁと。

そうなってくると、原作が持つスピリチュアルな要素が薄れてしまってるし、神話を用いた物語なのに、言葉で語っても説得力が生まれないんですよね。

冒頭ではシエナを守るために聖闘士同士の戦いを映してますけど、あとはアルマンによる語りだけしかないんですよね。

 

ようやくマリンとの修行で大きな顔の像が空中に浮いてたり、ギリシャっぽい石柱が連なってはいるんですけど、そこが終わればすぐさま現実に戻されてしまうというか。

 

とにかく元々ある先入観を壊してみることが試される作品ではありましたね。

 

 

他にも聖衣は大きな石の箱の中にあるのが原作では描かれてましたが、そこも非現実的なのかペンダントとして登場したり、あくまで聖矢とシエナのオリジンとして描くために、氷河や瞬、紫龍といったメインキャラは一切登場なし。

シエナが覚醒してないためにギャラクシアンウォーズもないですし、一輝扮するネロはグラード側に属しているものの、お目当てはシエナを守った黄金聖闘士のペンダントをグラードから奪うというモノ。

 

こうした必要最小限の人物だったり役割にすることで、シンプルなオリジンストーリーに仕上げたのは成功だったと思います。

 

ただ、オリジンとしては2時間の尺の割に進行具合が非常に遅い。

それこそアルマン邸に着いたあたりでの理由づけはもっと簡潔にし、それにまだ戸惑う聖矢をマリンの元へ行かせ、そこで自らの役割や運命に向き合う葛藤を描けばいいとは思ったんですよね。

 

もっと言うと、全体的にやってることが20年前のハリウッドアクション映画なんですよ。それこそ空気的なものだったりオリジン物としての。

だから個人的には90年代っぽくさっさと本筋行けよとw

マリンとの修行と帰還してからのバトルに尺を使って、アルマンとの絡みだったり、わざわざ外に飛び出して港で真相を語るとか、なんでめんどくさいことしてんの?とw

 

あ、そうそうホントバカだなぁと思ったのは、アルマンの屋敷はシエナの小宇宙が暴発してグラードに探知されるのを防ぐための防護壁があるんですね。

それを解っておきながら、なんで真相を打ちあけるためにシエナはバイクで外飛び出しちゃうのよ?とw

そりゃ見つかって大参事になるだろと。

 

また、クライマックスではシエナの小宇宙が暴走して、それを止めるべく聖矢が必死こいて近づくんですけど、なぜか裸になってしまうというw

これは真剣佑の裸を見せたいだけの演出としてしか思えずw

ぶっちゃけ強烈な爆肉剛体でしたので、しっかりファンサできてたとは思いますがw

 

しかしそこのシーンは、ファムケ・ヤンセンが出演してるってこともあってX-MENファイナルディシジョンを思い出しましたねw

暴走するジーンを再生能力のあるウルヴァリンの体が破壊と再生を繰り返しながらジーンを刺して制止するんですけど、このままいったらシエナを聖矢が殺すんじゃねえかと思いましたw

 

最後に

今回の聖衣のデザインを、色々壊しながらも原作リスペクトを忘れない精神で作ったそうで、作り手側の愛が感じられたデザインになってはいましたが、やっぱり顔を覆うようなマスクは個人的には違うなぁ~とおもったし、やっぱり聖矢の聖衣は銀とかではなく真っ白の方が映えるよなぁと。

 

実際ネロの聖衣が紺色なんですけど、小宇宙を煌びやかに魅せたかったのか、聖矢の聖衣も暗く見えるんですよね。

それなら白くてよかったんじゃね?と。

 

この作品は6部作構想だそうなので、おそらく続編は聖闘士を探すためのギャラクシアンウォーズをメインに、氷河たちが集結するような流れになるんでしょうか。

実際にネロは黄金聖衣を探しているわけですから、最後の敵として再び現れるでしょうし。

 

しかしこれ、日本のファンに受け入れられるのか心配ですね・・・。

原作原理主義ファンはいいとして、見ずに腐すような輩が出ないか心配ですね。

そういう意味で自分の感想を鵜呑みにせず劇場でしっかり見届けてから物申してほしいなと思います。

 

あくまで違いを楽しめではなく、これはナイツ・オブ・ザ・ゾディアックの実写化だぞって意識で見た方がいいのかと個人的に感じた作品でした。

あ、VFXとか荒い部分もあったけど、別に変ではなかったです、はい。

というわけで以上!あざっしたっ!!

満足度☆☆☆☆☆★★★★5/10