チケット・トゥ・パラダイス
ジョージ・クルーニーとジュリア・ロバーツという2大スターが、絶景のロケーションを舞台に仲の悪い元夫婦を演じ、卒業旅行先で出会った男と結婚すると言い出した娘を阻止するために、休戦協定を結んで行動するロマンティックコメディ。
今やハリウッドスターが競演というだけではお客さんを呼べないほど、みんな映画にお金を出さない時代に突入してしまいましたが、俺から言わせたらそういう昔からあった「俳優主演モノ」をちゃんと宣伝しないからこういうことになるんだ!と思ってる人で、客を呼べなくなったのは単純に予算を掛けられなくなった配給会社のせいだと思っておりますw
まぁ昔からハリウッドスターが来日しないと皆が情報を得る機会が減ってしまい、興味どころかスルーしてしまう情報化社会ですから、それが原因ではないかもしれません。
実際今や映画はスターがスクリーンで演じる姿に「憧れる」ことよりも、感情移入しやすいキャラに「共感」する時代へと変化していったわけで、単純に「時代」のせいでいいかなと。
だからといって、こういうスター同士の競演で映画を作ってくれるって、映画ファンとしては絶対外したくない案件なんですよ。
というわけで早速観賞してまいりました!
作品情報
アカデミー賞受賞俳優のジョージ・クルーニーとジュリア・ロバーツが再タッグを組み、『オーシャンズ』シリーズ以来の夫婦役…ならぬ、“元”夫婦役としてスクリーンに戻ってくる!
卒業旅行先で突然結婚を決意した娘を阻止する両親の奮闘劇を息ぴったりの演技で見せる二人は、今作で『ラブ・アクチュアリー』『イエスタデイ』などのワーキング・タイトル・フィルムズとともに、エグゼクティブ・プロデューサーとしても参加。
「マンマ・ミーア/ヒア・ウィー・ゴー」のオル・パーカーが監督を務めた。
娘役には『ディア・エヴァン・ハンセン』、『ブックスマート』のケイトリン・デヴァー、その相手役を本作がハリウッドデビューとなるマキシム・ブティエ、その他『スター・ウォーズ』シリーズのビリー・ロード、Netflixの人気ドラマ「エミリー、パリへ行く」シリーズのリュカ・ブラヴォーが脇を固め、バリの絶景を舞台に最高にハッピーでトロピカルな旅がいざ始まる!
あらすじ
デヴィッド(ジョージ・クルーニー)とジョージア(ジュリア・ロバーツ」は20年前に離婚した、元夫婦。
必要に迫られて会っても、いがみ合いばかりしている。
愛娘リリー(ケイトリン・デヴァー)がロースクールを無事卒業し、旅行でバリ島へ飛んだ数日後、「現地の彼と結婚する」という連絡を受けた二人は急遽南国の島へ。
弁護士になる将来を捨てて会ったばかりの男と結婚なんて・・・
自分たちが犯した過ちを繰り返して欲しくない!と、二人の結婚阻止ミッションが始動する。
果たして彼らは娘の結婚を止められるのか?!(HPより抜粋)
感想
#チケットトゥパラダイス 観賞。
— モンキー🐵@「モンキー的映画のススメ」の人 (@monkey1119) 2022年11月3日
往年のダンスナンバーでダサいダンスを踊るジョージとジュリアは笑えたが、全体的にはベタすぎて可もなく不可もなし。
とはいえ2大スター×抜群のロケーション×ロマコメって現代に合わない掛け算を今やってくれるだけでも嬉しいのよ。 pic.twitter.com/2l0URRbL7l
な~にも考えなくても笑って楽しめてハッピーな気持ちになれる。
映画ってこういうので良かったりもするんだよね。
結婚は「相応しい場所、相応しい時、そして相応しい状況」が大事なのです。
以下、ネタバレします。
あまりにもベタですが。
一応CGを使用してはいるものの、絶景のロケーションを舞台に老年齢を迎える手前の2人が、とにかくいがみ合い罵り合い競争心を見せながらも、少しずつ昔の自分たちを取り戻して打ち解け合っていく姿が凄くリアルだし、休戦協定を結んで実行する阻止作戦が娘視点で考えたらなかなかひどいことするよなぁ、そりゃキレるだろ!wってなるんだけど、さすがマンマミーアの監督ってことです~ぐ丸く収まる感じがさすがロマコメ!って感じの、予想外のことが全然起こらないながらも自然と笑って楽しめる映画でございました。
はい。
ぶっちゃけ見ても見なくても良い程度のしれっと楽しめる映画で、来週辺りには細かい部分を忘れてしまいそうなほど浅い作品だったんですけど、冒頭でも書いた通り映画ってこういうモノでいいよねっていう時があると思うので、金と暇のある方がなんかサクッと楽しめることないかなって時に気軽に楽しめる力はある作品だったと思います。
僕は一人で鑑賞しましたが、それこそ週末のデート向け映画でもあったし、子供が大きくなって時間を持て余した熟年夫婦が、久々に奥さんと旦那さんと映画館で見る映画に最適だと思いますし、何なら娘の視点で「いよいよ夢を叶える瞬間手前で不安に陥ってる」みたいな経験や状況を抱えてる若い友達同士で見ても楽しいかと思います。
早く映画の話しろって?
いやぁ~これが何をどう書いたらいいのかわからないw
とりあえず長い時間かけてジョージとジュリアがいがみ合ってるわけですよw
娘の結婚を阻止するための協力しなきゃいけないのに、過去の子とほじくり返して口論になったり、作戦案を出したのは俺だ私だの言い合いになったり、それで重要任務はジュリアに押し付けて、結果その作戦が普通に婿にバレてるていうw
そもそもこの映画、ロースクールで卒業して、3か月後には司法試験が待っているという時期に、つかの間の休息も兼ねての卒業旅行でバリ島に行ったかと思いきや、一ヶ月弱滞在して、そこで出会った男と結婚宣言しちゃうわけです。
お父さんお母さんの相談もなしに。
しかも娘の両親は、彼女を身ごもったことをきっかけに学生結婚。
「楽しいことは先延ばし?」とか言いながら無理してローン組んで家まで建てて、仕事に熱中。
もちろんそんなことしてたら2人の時間はおろか、家族の時間も無くなり不満は募る一方。
家があるということで保っていた夫婦生活も、火事によって失ったことをきっかけに離婚。
わずか5年の月日だった過去があり、両親は娘にそういう「過ち」を犯してほしくないからバリ島へ乗り込むのであります。
決して結婚を祝福しに行ったわけではないのです。
だから出会うや否や「反対」という主張をするべきだと思ったんですが、まぁ現地まで行ってしまったらそんなこといえないわけですよ。
もっと言えば、そんなことメールなり電話なりで親の意思を伝えろよとw
それじゃ映画にならないってことで、海と自然に囲まれたバリ島(ロケ地は違うらしいw)の最高のロケーションで、スター2人の掛け合いを見せようよってことで「娘の結婚中止作戦」を決行するわけです。
まぁ仲の悪い2人が久々に共同作業をすれば、途中まではわーわーぎゃーぎゃー罵り合うわけですが、言ってはいけない部分にまでエスカレートした時に、ふと二人が「言い過ぎた」となる展開になるわけです。
すると出会った時のような「相手を想う優しさ」だったり、未だ相手への秘めた想いや「もしもまた元に戻れたら」みたいな思いが顔に出てくるわけです。
美しい風景はそんな2人の背中を後押しし、島へやってきた頃の2人の険悪ムードはどこへやら、娘の結婚を祝うと同時に、「楽しいことを先延ばしにしない」セカンドライフへと向かっていくではありませんか。
もう見事に裏切らない予想通りのハッピーエンドです。
最高じゃないですか。
なんの捻りもない、なんの予想外もない、見事なまでの予定調和。
もちろんアクシデントはあります。
両親が実行した作戦の一部が娘にバレてしまい、親子の間に嫌な空気が流れるわけです。
その後しっかり対話するし仲直りもします。
過ちだと認めることで、絆を深めるのです。
本来なら娘はもっと怒っていい案件だと僕は思いますがw
そうしたピンチを乗り越えることでいがみ合ってた二人が仲を深めていく、離婚したことも「過ち」ではなくなっていく展開になっていくのであります。
スター同士の掛け合いは見事。
最初と最後で全く違う展開になるのは映画の基本。
離婚した夫婦が最後仲良くなる姿を、ジョージとジュリアという長いこと交遊録のある2人が、一瞬で仲悪い夫婦を演じ(エンドロールをみればおわかりかと)、悪口というジャブの応酬を見せるのが本作の楽しい所。
冒頭から出会いから結婚に至るまでの記憶を自分がいい人のようにすり替えて友人や同僚に話す姿から、娘の卒業式で久々に再開した途端、椅子のひじ掛けの取り合いでもめだし、卒業旅行へ出かけた娘を見送った後、シーユーアゲイン!ネバー!とまで言い切ってしまうほどの険悪ぶり。
お前ら一体どんな結婚生活してたんだよwってくらい仲の悪さがスクリーンいっぱいににじみ出ているのであります。
劇中はとにかく2人のいがみ合いを中心に描きます。
時に周囲の人を巻き込んだり、ジュリアの恋人にちょっと嫉妬するジョージの姿だったり、今後予想される伏線がセリフにあったりと分かりやすい流れ。
また、元夫婦ですからどんどん仲睦まじい姿も見せてくれるのが、この映画のほっこりするところ。
酒の強い二人は大学時代に「ビアポン」(酒の入った紙コップにピンボールを入れたら、そのカップに入った酒を相手に飲ませることができる、みたいなゲーム)で人気者になった経験があり、娘カップルと勝負をするシーンが流れます。
酒が入ったこともあり上機嫌の元夫婦は、当時はやった音楽をかけてもらったことも手伝って、どんどんノリノリになっていくんですね。
やはり熟年世代ということもあり、踊っている姿、いや踊りそのものがダサいww
ステップもダサいし、足と腕を交互にクネクネする素振りもダサいw
そしてあれだけいがみ合っていた二人が顔を見つめ合いながら爆笑しだすんです。
「嫌い嫌いも好きのうち」なんて誰が言ったか知りませんが、いがみ合ってた者同士がこうして打ち解けていく姿はたまりません。
加えていい歳したベテラン俳優二人が本気で笑わせるために酔ったフリしてはしゃぐんですから、これもたまりません。
僕はこのシーンはホントにニヤニヤしてましたw
最後に
一応本作は結婚は「相応しい時、相応しい場所、相応しい状況」の3つが揃うことが大事だと言ってますが、その3つが揃った時に結婚したことへの失敗を、まだ早すぎる娘たちの結婚を見守っていくことで考えを改めていく、前へと進んでいくという作品でした。
未だ未婚の僕からしたら全く縁のない、全く得にならない経験談、お説教ではありましたが、やはり結婚はいろんなことが揃った瞬間に訪れるものなんだなぁということを、元夫婦の娘であるリリーを見て感じました。
中々マネできる事じゃないですけど、弁護士の夢よりも彼との幸せを選んだわけですから、親は色々思うこともあるだろうけど祝福してあげるのが筋ですよね。
マンマミーアの監督とあって、序盤は恐ろしいほど展開がサクサク進んでいくテンポの良さはお見事でした。
そうそう、8,90年代のロマコメってこういう具合に進行して、ロマンス描写に尺をたっぷり使うんだよなぁ、なんてのを本作を見ながら感じましたw
できることなら、結婚したい2人VS仲の悪い元夫婦だけど結婚させたくない2人って構図にしたら、もっとハチャメチャな展開になって面白いのになぁと思いましたw
尺が長くなりそうだけど、コメディ色は強まる要素としてはアリじゃないかなぁとw
ホント特筆するようなことが無くてざっくりし過ぎな感想ですけど、こういう映画もたまにはいいかなということでw
というわけで以上!あざっしたっ!!
満足度☆☆☆☆☆★★★★★5/10