モンキー的映画のススメ

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主に新作映画について個人の感想、意見を述べた文才のない男の自己満ブログ

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Netflix映画「ヒルビリーエレジー/郷愁の哀歌」感想ネタバレあり解説 自分の未来は家族の未来だ。

ヒルビリー・エレジー/郷愁の哀歌

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 トランプVSバイデンによるアメリカ大統領選挙は、バイデンさんに軍配が上がったようです。

 

相変わらず国の一大イベントのような盛り上がりを見せるアメリカ。

日本もこれくらいの盛り上がりがあればいいのになぁと感じております。

 

 

さて、前回のアメリカ大統領選挙。

共和党のトランプ氏と、民主党のクリントン氏のどちらが大統領になるかというものでした。

下馬評ではクリントン氏が優勢でしたが、ふたを開けてみるとまさかのトランプ氏が選ばれるという波乱の幕開けでした。

 

事前調査では劣勢だったトランプが、なぜ選ばれたのか。

その理由を紐解くとされ、ベストセラーとなった本が今回ネットフリックスで映画となりました。

 

原作と同じタイトルの本作。

ヒルビリーとは、向こうでは「田舎者」というように呼ばれてますが、厳密には、アメリカ東部にあるアパラチア山脈の南側に住み着いたアイルランド人=スコッチ・アイリッシュの人たちを指すんだそう。

 

単純に貧困の白人層を指す場合には「プアホワイト」、「ホワイト・トラッシュ」などと言い、アメリカ南部やアパラチア山脈周辺の人たちは「レッドネック」、ジョージア州やフロリダ州の人は「クラッカー」と呼ぶんだそう。

 

トランプはこの「ヒルビリー」たちを取り巻いて票を獲得したことが、大統領に選ばれた理由だといわれています。

 

そんな「ヒルビリー」たちが一体どんな人たちなのかを明確に記したとされる回顧録を、名匠が監督。

どんな物語になるのでしょうか。

 

今回劇場で鑑賞できるということで、早速鑑賞してまいりまいた!

 

 

 

 

作品情報

アメリカでベストセラーとなったJ.D.ヴァンスの回顧録「ヒルビリー・エレジー/アメリカの繁栄から取り残された白人たち」を原作に、名匠ロン・ハワードが、家族の愛と再生を綴る。

 

田舎者とされるヒルビリーから、名門イェール大学へと進学することに成功した青年が、さらなる一歩に芙出すも、故郷に残した家族の問題によって足踏みを食らう羽目に。

主人公は故郷に戻り、母の薬物問題や、自分を鼓舞してくれた祖母との思い出に支えられていく。

主人公は夢を実現するために、自分のルーツを受け入れなくてはならないことに気づいていく。

 

ヒルビリーの実態をリアルに描くことで、国の繁栄に取り残されてしまった貧困白人層の意味が理解できることだろう。

 

苦い思い出しかない故郷で、主人公は何を見つけ、何に励まされていくのか。

彼の家族の再生が始まる。

 

 

 

 

 

あらすじ

 

 イェール大学に通い、望んでいた職業に就こうとしていたJ・D・ヴァンス(ガブリエル・バッソ)。

 

だが、その矢先に家族の問題が持ち上がり、消し去ってしまいたい思い出しかなかった故郷に戻らざるを得なくなってしまう。

 

故郷で薬物依存症に苦しんでいる母親のベヴ(エイミー・アダムス)と向き合う中で、小さかった自分を育ててくれた明朗で聡明だった祖母マモーウ(グレン・クローズ)のことを思い出すヴァンス。

 

自分のルーツを尋ねながら、やがて彼はかねてから抱いていた夢をかなえようとする。(シネマトゥディより抜粋)

 

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監督

本作を手掛けるのは、ロン・ハワード。

 

みんなご存じラングドン教授シリーズ「ダ・ヴィンチ・コード」や「ビューティフル・マインド」、「バックドラフト」、「アポロ13」などを手掛けた名匠です。

 

本作はネットフリックス的には、次のアカデミー賞を狙いたいって臭いがプンプンするんですが、果たしてノミネートできるのでしょうか。

 

監督に関しては、「ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー」が不評だった傷がまだ癒えてない気がしますが、大丈夫なんでしょうか。

俺がそんな心配する必要全くないんですけどねw

 

監督に関してはこちらをどうぞ。

 

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キャスト

 

ヴァンスの母親、ベヴを演じるのはエイミー・アダムス。

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ここ数年体型がふくよかになってるなぁ…なんて思ってましたが、髪型や服装によってさらに増量したように見えますね…

 

というのも、ヒルビリーって写真のような野暮ったいダボダボのTシャツやノースリーブを着ることが多いそうで、体型も大人は大体おなかが出ている傾向にあるんだそう。

髪もボサボサで、しかも薬物依存て役柄ですから、顔もパンパンでいてゲッソリ。

 

要するに役作りとしては完璧ってことですね。

 

 

さて、毎年アカデミー賞狙いの作品に出演している彼女ですが、今回はこれでいく模様。

近年では「バイス」や、「ノクターナル・アニマルズ」などで存在感を露わにしてましたが、今回はかなりインパクトがありそうです。

薬物依存の母、どんな演技を見せてくれるのでしょうか。

 

彼女に関してはこちらをどうぞ。

 

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そのほかのキャストはこんな感じ。

ヴァンス役に、「キングス・オブ・サマー」、「SUPER8/スーパーエイト」のガブリエル・バッソ。

ヴァンスの祖母、マーモウ役に、「アルバート氏の人生」、「天才作家の妻 40年目の真実」のグレン・クローズ。

リンゼイ役に、「マグニフィセント・セブン」、「ガールズ・オン・ザ・トレイン」のヘイリー・ベネット

ウシャ役に、「スラムドッグ$ミリオネア」、「モーグリ:ジャングルの伝説」のフリーダ・ピントー

ヴァンスの祖母、パーパウ役に、「ミッドナイト・エクスプレス」、「ゲッタウェイ」のポー・ポプキンスなどが出演します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アメリカの貧困層は、実は黒人よりも彼らのような白人の方が多いといわれてます。

なぜ彼らは貧困になってしまったのか、またそんな家族らが住んでいる町から有名大学まで進学することができたのか。

今のアメリカを学ぶことができそうな1本。

ここから鑑賞後の感想です!!

 

感想

毒親の呪縛から解けない息子が、故郷で気づいた自分の原点。

自分の未来は家族の未来なのだ。

以下、ネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

ヒルビリーってどんな人たち?

レッドネック(無学の田舎者)と揶揄されてしまうほどの故郷から、自力で夢を掴もうとする主人公が、問題を解決するために帰郷することを機に、ヒルビリーと呼ばれる人の良い面と悪い面を改めて知ることで、自分の未来は誰の未来であるのかに気付かされる回顧録。

 

全体的に原作をなぞっているような内容でしたが、多分原作がヒットした一因を物語に組み込んでいないことが非常にもったいない気がした作品だったように思えます。

 

というのも、原作が人した大きな理由は、トランプ政権が発足してしまった背景に欠かせないヒルビリーと呼ばれる貧困白人層がどんな人物たちなのかの詳細を、出身である本人が細かく記していたからであり、それが物語にストレートに反映されてない点がもったいないように思えます。

とか言っときながら僕読んでないんですけどw

 

 

そもそも物語の舞台であるミドルタウン、総合的に「ラストベルト」と呼ばれてしまった地帯の人たちが今どう過ごしているのかを知識として入れていると、物語にグッと深みが出るような気がします。

 

ミドルタウンがある五大湖周辺にはアパラチア山脈という山々が連なっており、かつては工業地帯として製造業や重工業などのアメリカの産業を担っていました。

 

しかし、ラストベルト=錆びた工業地帯と呼ばれてしまっている通り、グローバリゼーションや自由貿易などが盛んになってしまうことで不況の波が襲い、肉体労働や工場で働く賃金労働者、いわゆるブルーカラーの人たちは、一気に職を失ってしまう事態になったと言われております。

 

J.D.が子供の頃は工場の煙突から煙が立っていたり、街に活気があふれていたわけですが、彼が再び故郷を訪れると寂れているのは、アメリカにそういう背景があったからと取っていいと思います。

 

 

そんなミドルタウンは、今や売人の待ち合わせの場所として、薬物が横行する街に成り変わってしまっているそうで、実際にJ.D.の母ベヴもヘロインの過剰摂取で病院に運ばれている始末。

それ以前に、彼女が過ごした幼少期での荒れた日常が、彼女を薬物依存させる要因になっているなど、街の人たちの重々しい現状が、ベヴを通じて描かれているわけです。

 

 

劇中でも描かれていましたが、彼らは家族をすごく大事にします。

家族の誰かがボコボコにされたら総出で仕返しをする。

親戚でも従兄でも容赦しないんですね。

実際にJ.D.が川で少年たちにいじめられていたら、親戚一同が少年たちに報復するというシーンがありましたね。

また、霊柩車が通ると、皆が帽子を取ったり歩みを止めて車を見送り哀悼の念を見せるとおり、とにかく連帯感というモノが強く存在していました。

 

J.D.にとってヒルビリーの良い面とはこの固い絆だったり、家族のことをバカにされたら許さないといった感情的な面なのかもしれません。

ある種ヤクザが掲げる仁義みたいな考えとでもいうのか…違うかw

 

 

そして悪い面ですが、これがどうしてこうなってしまうんだろうという面が凄く如実に描かれてます。

彼らはとにかくカッとなる。

学習することを怠る。

だから低賃金な場所でしか働くことができない。

ようやく働き口が見つかったのに、何かとサボる癖がついており、平気でやめる。

 

これらの全ての元凶は自分自身であることを棚に上げ、何かと職場のせいだ、親のせいだ、社会のせいだと変換してドラッグに手を染めるなど一時の快楽でその場を凌ぐという負のスパイラルが存在するようです。

 

 

劇中では、不良に走ってしまうJ.D.の悪友たちが、大した理由もなく苛立ってバイトをやめてしまったことを、自分のせいではなく職場の慣習のせいにして報復しに行くシーンが描かれております。

 

また、ベヴは看護師免許という就職に有利な資格を持っておきながら、薬物に依存してしまっているせいで、職場で一発キメてしまったせいでローラースケートを履いて走り回ったり、息子に抜き打ちの尿検査の尿を代わりに頼むなど、全て自分の日頃の行いが悪いせいで首を苦しめている様が見て取れます。

 

 

一体誰のせいなのか、誰の責任なのか。

いわゆる「学習性無力感」から、自分の首を絞めてしまっているヒルビリーたち。

J.D.の家族も、親子三代に渡って抜け出せない状況が続いていることが彼の回想シーンから読み取れるかと思います。

 

13歳で妊娠し、ベヴを生んだお婆ちゃんは、若い頃祖父のアル中に悩まされており、血気盛んなヒルビリーはこういう時どう対処するのか、なかなかの恐怖映像として描かれてるんですね。

それを幼少期に間近で見てきたベヴが色々悩まされるのもワケないです。

 

またベヴを筆頭に、とにかく彼らは頭ごなしにキレる傾向にあるというか、短気な性格が見て取れます。

お婆ちゃんもぶっきらぼうな言葉でいろんな人を罵ったりしてますし、ベヴも自分の子供に対してぶっ殺すぞ!とか、思いっきりぶん殴って警察沙汰になったりと情緒不安定な面が描かれており、町全体の社会的構造以前に、人間的に欠陥があるように見えます。

 

なのに家族を大事にするという矛盾。

マジでよくわかりません。

 

こんな家庭で育っていたら、それをマネしてしまうというか、当たり前だと思っちゃいますよね。

 

J.D.はどんどん不真面目になっていきますが、小さい頃はニュースに興味を示したり、自主学習を積極的にしようと試みる面が描かれており、彼が成功した要因は、彼のポテンシャルの高さからのような気がします。

 

もちろんベヴも学生時代は優秀だったようで、ヒルビリーと呼ばれる人たちが単純に括られるのは果たして正しいのか、という面も映していたように思えます。

 

ただ家庭環境がヴァンス家の場合劣悪で、結局ニュースを見たくてもおばあちゃんは「ターミネーター2」を繰り返し見てTVを独占したり、ベヴと姉のリンジ―が口論になってしまうせいで勉強もロクにできないなど、J.D.は大変な幼少期を過ごしたんだろうなぁと。

 

 

しかし、おばあちゃんが肺炎で入院し、J.D.がどんどん不良化してしまったことで、自分のこれまでの人生を振り返る機会が生まれ、ベヴを立派な大人に育てることができなかったこと、それが孫の代にまで連鎖してしまうことに大きく傷つくんですね。

 

後半では、おばあちゃんが一念発起して孫を預かることから、J.D.の様々な価値観に変化が訪れ、彼はこのぬるま湯から抜け出すことに成功するわけです。

 

 

最後に

ヒルビリーのような人たちは、ぶっちゃけ対岸の火事ではないのかもしれません。

この負の連鎖を断ち切るには、周囲の人たちを反面教師にして自分を変えることでしかないということを本作は伝えていたと思いますし、それを成し遂げることで家族の未来、一族の未来、やがては国の未来が変わると言ってもいいのかもしれません。

 

怠惰な環境だから、粗悪な環境だから、だとしても周りのせいにするのではなく、自分で自ら切り開くことが大事なのだと。

 

J.D.はそれを体現して示したことが物語の最後に明かされます。

ものすごく努力したことでしょう。

海兵隊に行き体と精神を鍛えたのちにイェール大に進学し奨学金を勝ち取り、法律事務所の最終面接にまでこぎつけた。

 

物語はヒルビリーがどんな人たちかを描きながらも、自らの努力こそが自分以外の未来をも照らすことを描いていたのではないでしょうか。

 

また、J.D.自身も母親のようにカッとなってしまったり、家族のことを侮辱されるとつい反応してしまう一面も描かれており、そのルーツが帰郷したことでより鮮明になる描写があるのも大事な部分だったと思います。

自分を知ること、自分を形成するものが何なのかという問題をどう見つめるかが成功の秘訣なのかな。

 

毒親ではありましたが、母親なりに愛情を注いでいたことも描かれていましたし、100%ダメな母親ではないことも、J.D.は故郷に帰って気付かされるわけで、そういった家族愛もしっかり映し出していましたよね。

 

しかしエイミーアダムスのぶよんぶよんな体型や薬物でひどい顔になっている姿、さらにはすぐキレてしまう性格など、なかなかのお母さんを見事に演じてましたね。

グレンクローズのおばあちゃんも最後の実物写真見たらそっくりで、啖呵きる様もきっと本人はあんな感じだったのだろうと想像しちゃいました。

 

そしてお姉ちゃん演じたヘイリーベネット。

どうした!グラマラスなのは知っていたけど、あんなにふっくらでしたっけ…?

子供を産んだのは知ってますが、なかなかふくよかになっていて驚きでした。

とはいえ、そんな体型がミドルタウンという街にマッチしていたから説得力もありましたけどね。

 

ちょっと原作読んでみようかな。

というわけで以上!あざっしたっ!!

満足度☆☆☆☆☆★★★★★5/10