モンキー的映画のススメ

モンキー的映画のススメ

主に新作映画について個人の感想、意見を述べた文才のない男の自己満ブログ

映画「マッチング」感想ネタバレあり解説 マッチングアプリあんま関係ねえじゃん。

マッチング

好みの異性を顔や趣味、ステータスで選んでデートにこぎつける。

誰が来るかわからないコンパで数を打つよりも、気になる相手の情報を事前に把握できるうえ、コストパフォーマンスもいい。

そんな便利なアプリが「マッチングアプリ」。

 

ざっくり説明しましたが、俺は使ったことありません。

理由はさておき、こと恋愛においてもコスパとか時間の短縮とか求めちゃってる余裕のねえ現代人にはなりたくないんでw

てか、その時間あったら映画観ます。それが映画野郎の宿命。

 

今回観賞する映画は、そんなマッチングアプリを題材にしたスリラー映画。

マッチングアプリでも危ない目に遭う話を聞いたことがありますし、そういう問題をスリラーテイストに描いたお話、なのかなぁと期待しております。

個人的には土屋太鳳のリアクションが楽しみw

早速観賞してまいりました!!

 

 

作品情報

男女の出会いの場として定番だった合コンから、経済的な事情や時間、失敗したくない思い、さらに気兼ねなく1対1で会える気軽さなど、恋人探しや婚ツールとして今や欠かせない「マッチングアプリ」。

そんな身近なアプリを題材に、「ミッドナイトスワン」、「異動辞令は音楽隊!」などでヒット作を連発する内田英治監督が、「出会いの裏に仕掛けられた恐怖」をテーマに、完全オリジナル作品で挑む新感覚ホラーが誕生した。

 

ウェディングプランナーとして仕事は充実しながらも恋愛音痴な主人公が、同僚の後押しで始めたマッチングアプリでのふとした出会いによって、トラウマ級の恐怖に苛まれていく姿を、二転三転する展開や予測不能でスリリングな内容で描く。

 

社会に渦巻く問題をテーマにエンターテインメントを追求する監督が、今度は身近で気軽に利用できるアプリでの問題に触れながら、前からやりたかったというスリラー映画に挑戦。

まるでジェットコースターのようなどんでん返しの連続を生み出すことに成功した。

 

キャストには「8年越しの花嫁」や「」の土屋太鳳、「クローズZEROⅡ」の金子ノブアキ、「最後まで行く」の杉本哲太、「娼年」の真飛聖、「Gメン」の後藤剛範、そしてアイドルグループSnowManのメンバー・佐久間大介が、普段のTVの姿とはまるで違うダークな役柄を演じ、単独での映画初出演となった。

 

本音とウソ、愛と憎しみが交錯し.幾重にも張り巡らされた伏線がラスト1秒の衝撃へと繋がっていく。

 

 

あらすじ

 

ウェディングプランナーとして仕事が充実している一方、恋愛に奥手な輪花(土屋太鳳)は、同僚の尚美(片山萌美)の後押しでマッチングアプリに登録をすることに。

 

勇気を出して一歩踏み出し、デートに臨んだ輪花だったが、現れたのはプロフィールとは別人のように暗い男・吐夢(佐久間大介)だった。

 

その後も執拗にメッセージを繰り返し送る吐夢に恐怖を感じた輪花は、取引先でマッチングアプリ運営会社のプログラマー影山(金子ノブアキ)に助けを求めることに。

 

しかし時を同じくして”アプリ婚”した夫婦が惨殺される事件が連続して発生。

被害者たちが輪花の勤める結婚式場で式を挙げていることが判明するのだったー。(HPより抜粋)

youtu.be

 

登場人物紹介

  • 唯島輪花(土屋太鳳)・・・恋愛音痴なウェディングプランナー。学生の時から好きな人ができても、自分から距離をとってしまうほど恋愛には奥手。片思いしていた人の結婚式を見届け、同僚から勧められたマッチングアプリWill Willウィルウィルに登録。マッチングが成立するが・・・。

  • 永山吐夢(佐久間大介)・・・恋愛に奥手な主人公・輪花がマッチングアプリを介して出会う男。冷たい目で異様な暗い雰囲気を漂わせ、輪花に執拗につきまとう“狂気のストーカー”。アプリ婚をしたカップルの連続殺人事件に輪花が巻き込まれていく過程で、吐夢が捜査線上に浮上する。さらに、他のアプリでも問題を起こし、警戒されている人物だったことが発覚。
  • 景山剛(金子ノブアキ)・・・マッチングアプリの運営会社にプログラマーとして勤める。同アプリで知り合った吐夢からのストーカー行為に悩む輪花の相談に親身に応える。

 

  • 唯島芳樹(杉本哲太)・・・輪花を男手一つで育て上げ、娘とは良好な関係ながらも将来を心配する父親。

  • 伊藤尚美(片山萌美)・・・輪花の職場の同僚。仕事漬けの日々を送り、浮いた話のない輪花にマッチングアプリを勧める。

  • 西山茜(真飛聖)・・・「アプリ婚連続殺人事件」捜査班として、事件の真相を追う警部補。

  • 堀井健太(後藤剛範)・・・西山と併走する巡査部長。

  • 美知子(片岡礼子)・・・輪花の過去を知る“車椅子の女”。

     

  • 節子(斉藤由貴)・・・美知子に寄り添う世話係。

(FassionPressより抜粋)

 

 

 

 

 

 

 

マッチングアプリ以外の伏線が絡む内容の予感。

怪しいのは金子ノブアキ!的中かな?

ここから観賞後の感想です!!

 

 

感想

マッチングアプリなんてもうコリゴリ!?って話に持ってくかと思いきや、思いっきり家族の遺恨に巻き込まれる娘の災難映画って…。

あくまでアプリはきっかけなので、期待していた内容からかけ離れ過ぎていて残念。

とはいえ、土屋太鳳のリアクション芸と鉄拳制裁は見る価値あって良かったw

以下、ネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

こういうのがウケるんでしょ?みたいな計算するな

同僚に薦められたマッチングアプリを始めてみたら、なんかストーカーみてえなヤツとマッチングしちゃって困ったどうしようと思ってたら、自分が担当した披露宴のアプリ婚カップルが殺されちゃった!

しかも私がかつて片思いしていた高校の恩師…

他にも家で披露宴を挙げたカップルまで巻き込まれ、挙句の果てには自分が関与してるとかマスコミに好き勝手書かれて仕事どころじゃなくなって落ち込んでたら、お父さんがかつての不倫相手からの執拗なアプローチに悩まされて凹んでた… 

 

お母さん黙って出てっちゃったのはそのせいなの!?何それサイテー!!もうお父さんの顔なんて見たくない!!

・・・とか言ってたら本当にお父さんの顔見れなくなっちゃった…

 

もう最悪、友人も殺されて、お父さんも死んじゃって…

わたしを守ってくれるのはマッチングアプリに務めてる景山さんしかいない…と思ってたらなんか雰囲気が…

 

とまぁ、こんな感じでマッチングアプリはあくまで入り口、蓋を開けてみれば主人公の家族にまつわる遺恨が原因で、散々な目に遭うというもの。

 

まぁ愛に関して語れる俺ではないですが、愛に物質的な重さはないにしろ、精神的に「重い!」と呼ばれる感覚はあるわけで、それは高校の恩師へ一途な思いを寄せて一向に恋愛できないでいた土屋太鳳演じる輪花もそうで、そんな彼女とマッチするストーカー・トムもそうなわけで、杉本哲太演じる親父のちょっとした出来心が不倫相手を本気にさせたわけで、愛って何かね、とふと考えてしまう物語ではありました。

 

しかしながら内田監督、ミッドナイトスワンでもサイレントラブでも「こうした触れ込みならきっとウケるだろう」みたいな、どこか計算したかのようなテーマ性だったり内容をやってるなぁとつくづく思ったわけです。

確かに彼は職人監督で何かに特化した様な部分もないわけで、そうした人は是非ヒット作や話題作を量産してほしいと思うのだけど、そのテーマでやるならもっと深いところまで描けよと思ってしまうわけですよ。

 

今回は自身で脚本原作も手掛けるほど力を入れた作品だったでしょうから、確かな手ごたえがあったんでしょう。

しかしだ、マッチングアプリにおけるトラブルや社会問題みたいなところをもっと映画を通じて追求したらどうだと。

それこそ今回マッチした奴がストーカーっていうヤバい奴なんだから、そこにフォーカス当ててストーリーを進めるだとか、あくまでマッチングアプリの中で起きたスリラーにするべきじゃないかと。

 

実はプロフィールの内容が全部嘘だったとか、色んな嫌な奴と出会ってようやく本気でアリな男性と出会ったけど、やっぱり裏の顔があってとか。

 

どうもウケるテーマで本気の勝負してないなぁ…みたいな感じを受けた作品でした。

 

ここがヘンだよ、マッチング

一見、二転三転していく物語ではありましたが、「え?なんか変じゃね?」と思った点を気付いた数だけ挙げてみようかと思います。

 

まず一番引っかかったのは、お父さんの回想です。

輪花と夕食をしていると、突然知らない中年の女性から電話がかかってきます。

名前を尋ねると突然切られてしまったその電話をきっかけに、お父さんの様子が曇っていくのです。

 

そこまでの時点で物語は輪花がマッチングアプリでストーカーに悩まされているエピソードなのですが、ここから急にお父さんのエピソードがちょいちょい顔を出してくるのです。

結果的に、今回の事件の発端がお父さんにあるため、決して不自然ではないのですが、この後断片的に出てくる回想に違和感を持ちました。

お父さんは当時はやったチャットで不倫相手と知り合い、あまりのしつこさに関係を断とうしていた、という回想が流れます。

 

さらに、帰宅すると家に上がり込んで妻と談笑していたり、家まで出向き終わりにしようというと背中を刺されたりと、不倫関係を終わらせるのにかなりの苦労をしたことが窺えます。

 

これらの父親のエピソードを断片的に見せるのではなく、どこかいいタイミングで一気に見せた方がスリラーとして効果的ではないかと感じました。

 

個人的には輪花がもっとアプリ婚殺人事件や吐夢からの執拗なストーキング行為に苦悩したり脅えたりするエピソードをメインに添え、実はその裏で父親の過去が関係していたってのを、父の自殺に見せかけた殺害事件によって明かされていく、という構成の方が衝撃度が大きかったように思えました。

 

 

基本的に大きな点で気になったのはその程度で、あとは問題ないと思いましたが、細かい点で「それはどうなの…」という点があったので、それも。

 

例えばアプリを手掛ける社員が、パトロールと称して個人同士のチャットのやり取りを監視するって、あれどうなんでしょうね。

マッチングアプリの社員でもなければ務めている知り合いもいないので、どの辺までOKなのかは知りませんが、全く知らない同士のチャットの閲覧ならまだしも、仕事上の付き合いになった女性のチャットのやり取りを覗くって…。

 

確かにトラブルに発展しないように監視をするって行為は実際あるのかもしれませんが、知ってる人のやり取りを閲覧するって、職権乱用になってやしないかと・・・。

 

正直その辺ならまだいいですが、景山が吐夢のことを「あいつは警察沙汰になったほどマッチングアプリ荒らしなんで気を付けてください」と輪花に忠告するシーンがあったんですけど、あれ、それ知っておいてなんでアプリ出禁にしねえんだよ!?と思いました。

まぁそれは結果的にここが繋がっていたからってことでカタはつくんですが、せめて輪花は気づけよとw

 

あとは、せっかく景山が輪花にアプローチするたびに、鳴った電話に黙って出るっていう輪花の塩対応には笑いました。

特にレコード店で「僕が輪花さんの事守りますから!」って、めっちゃ勇気出していったと思うんですよ。

なのに輪花ったら、チラッと景山の顔を見て、着信した電話に出るっていうw

カメラは電話を取った輪花を見つめる景山の後ろ姿を映すっていうw

それはせつないってw

 

まぁお父さんの話では、輪花は小中高と好きになられたら離れていくっていう恋愛体質を持ってると言っていたので、ある意味整合性は取れてたかと。

 

 

しかしまぁ変な話というか、複雑な話でしたね。

お父さんの不倫相手は、お母さんを拉致して一緒に過ごすことでお父さんと一緒に暮らすのと一緒と曲解。

いやいやどう考えてもお父さんと一緒に暮らすことの方が良いに決まってるんですがw

それが無理だから、ってことは理解しつつも、中々屈折した持っていき方でしたね。

 

そんな不倫相手の息子が景山で、母親を苦しめた不倫相手の娘に、同じ目に合わせてやるってんで、今回の連続殺人事件をやった・・・と思ってたら殺害したのは、輪花の高校時代の恩師のカップルと、真相を知ったであろう輪花の同僚の女性だけ。

結局連続殺人事件の犯人は吐夢で、吐夢は輪花の父親と不倫相手の間に生まれた子供。

しかもこれは推測に過ぎませんが、景山と吐夢は共犯関係にある…かも、という非常にややこしく複雑な遺恨の話でしたね。

 

これらが明かされることで、景山が吐夢を野放しにしていたことや、一色触発の事態になった景山の実家でのやりとりも全て裏で合わせていたことになります。

また吐夢が輪花の父親を殺害したのも、自分を捨てたことへの恨み、になるのかな。

ぶっちゃけ唐突だけど。

 

何はともあれ、輪花がマッチングアプリを始めなければ、景山や吐夢に見つかることもなく、親父もかつての不倫相手に見つからずに済んだってことを考えれば、平穏に暮らせたのでしょう。

 

そしてこれだけはわからんのが、何故吐夢はアプリ婚連続殺人事件なんてやってるかってことですよね。

ここだけが一番不可解。

わざわざチェーンでカップルの腕を組ませ、顔に十字傷を作って殺害するという見立て殺人を、時間をかけてやるっていう狂人ぶり。

景山も模倣してやってましたけど、思い返してみると手際が悪かったし、殺害後の完成度も低かったですね。

 

また、最後は輪花と吐夢の間に微かな愛が芽生え始めるような結末でしたが、二人は結局のことろ異母姉弟ってことですよね・・・。

その前に殺人犯なんでバレれば即終了ですけど、そっち含め輪花のその後の人生も採算の連続になるのか…と。

 

 

最後に

とりあえず女優・土屋太鳳の塩対応やサバサバした態度、マンションから落下した友人を見た時のリアクション、そして怒りに任せて消火器で景山の頭部を殴打し、そこからマウントポジションで鉄拳制裁を与える姿は最高でしたw

 

こんな土屋太鳳が見れるのはマッチングだけですw

 

斉藤由貴の低血圧じみた表情がすごく怖かったし、その息子たちとなる金子ノブアキや佐久間大介もそりゃそうなるかといった狂いぶり。

個人的には警視庁捜査一課の堀井を演じた後藤さんの、「絶対柔道部上がりで警視庁にいそうないかつい体と圧」が素晴らしかったですw

一番適役だったw

 

まぁ結果的に僕の「金子ノブアキが犯人」という予想は当たりましたw

こっそりチャット閲覧していた社員だったら「やられた!」ってなったのにな。

というわけで以上!あざっしたっ!!

満足度☆☆☆☆☆★★★★★5/10