モンキー的映画のススメ

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主に新作映画について個人の感想、意見を述べた文才のない男の自己満ブログ

Netflix映画「レベルムーン:パート2傷跡を刻む者」感想ネタバレあり解説 もっと熱いモノが欲しい。

REBEL MOON Part2 傷跡を刻む者

我らがザック・スナイダー監督が創造する「スター・ウォーズ」であり「七人の侍」である「レベルムーン」。

 

前章であるパート1では、村を救うために立ち上がり、仲間集めの旅に出る中で、彼女の出自が明かされるという内容でした。

これを約2時間外連味たっぷりに描くのがザック師匠の作家性であり醍醐味なんです…が!!!

 

さすがに前編とはいえ、これは退屈でした。

というのも、主人公コラが立ち上がるまでのパートはそこそこいいものの、それなりのミッションや共同作業によって仲間となっていく反逆者たちのパートが、思ったよりもあっさり描かれてしまってることで、あまり楽しめなかったというのが主な理由。

 

またビジュアル面での満足感は大いにあるものの、結果的に劇場で堪能できない点や、全体的によくある話になっているのもマイナスポイント。

 

とはいえ、既視感どうとかよりもザックが描きたかった世界を受け入れるのが、僕としては重要なこと。

だからこそ、パート2はこの不満を一気に解消してくれるような、あっと驚くストーリーテリングとバカかっこいいビジュアルを見せてほしいと願っております。

前作の感想はこちら。

 

www.monkey1119.com

 

というわけで早速自宅で観賞しました!!

 

 

作品情報

300スリーハンドレッド」、「ウォッチメン」、「アーミー・オブ・ザ・デッド」などで知られるザック・スナイダー監督が、構想20年をかけて完成させた、Netflix製作のスペースオペラ2部作の第2部。。

 

悪の帝国マザーワールドへの復讐を誓った熱き戦士コラと、彼女のもとに集結した銀河の反乱者たち。一度は帝国の軍勢を退けることに成功した彼らだったが、無尽蔵の軍事力を誇る帝国が再び襲いかかる。コラが暮らしていた村に迎え入れられた彼らは、勇敢な村人たちとともに全てをかけた最後の戦いに挑む。

 

11歳の時に「スター・ウォーズ」を見て以降、こんな物語を作りたいという夢を持っていたザック・スナイダー。

日本のコンテンツにも影響を受けた彼は、「七人の侍」からインスパイアされて本作を作りだした。

 

主演には「ザ・マミー」や「キングスマン」、「アーガイル」などで輝きを見せたソフィア・ブテラが、並外れた剣術アクションを披露する。

また、「ワイルド・スピード/スカイ・ミッション」、「グランツーリスモ」のジャイモン・フンスー、「クラウド・アトラス」のペ・ドゥナや「ジャスティスリーグ:スナイダーカット」のレイ・フィッシャーといった多様な人種の面々が、ともに力を合わせ戦う姿を見せる。

 

いよいよ最終決戦となる第2部。

チームレベルズは村人たちと共にマザーワールドから自由を奪い取ることができるのか。

新たな神話を目に焼き付けろ。

 

 

 

あらすじ

 

過去の過ちを償うように戦うコラをはじめ、悪の帝国マザーワールドに強い復讐心を抱くアウトローたちが集結したチーム・レベルズ。

 

人間味のない冷酷非道な提督ノーブル(エド・スクライン)が従える大軍勢を退けることに一度は成功するが、さらなるパワーアップを遂げたノーブルが再びレベルズに襲いかかる。

コラ(ソフィア・ブテラ)がかつて暮らしていた村の住人たちも加勢し、全てを懸けたラストバトルに挑む。(MovieWalkerより抜粋)

youtu.be

 

キャラクター紹介

  • コラ(ソフィア・ブテラ)…インペリウムと戦うべく銀河中から戦士を集めるインペリウムの元メンバー。
  • タイタス将軍( ジャイモン・フンスー)…コラにスカウトされたインペリウムの元将軍。
  • グンナー( ミキール・ハースマン)…戦いに加わる農家でコラの友人。
  • タラク( スタズ・ネアー)…コラにスカウトされた自然の動物達と絆を結び、戦闘で彼らを結集させる能力を持つ鍛冶屋。
  • ネメシス( ペ・ドゥナ)…コラにスカウトされたサイボーグ剣士。
  • デヴラ・ブラッドアックス(クレオパトラ・コールマン)…コラにスカウトされたダリアンの妹。
  • ハルマーダ( ジェナ・マローン)…コラにスカウトされたクモの戦士。
  • ジミー( アンソニー・ホプキンス)…コラにスカウトされた倒れた王の下で仕える機械の騎士の種族の最後のメンバー。
     
  • アッティカス・ノーブル提督(エド・スクライン)…バリサリウスの右腕。マザーワールドの高位の執行官であり帝国軍の指導者。
  • リージェント・バリサリウス( フラ・フィー)…マザーワールドの支配者であり暴君のインペリウムの高位メンバー。
    (以上Wikipediaより抜粋)

 

 

 

 

 

 

 

ここから観賞後の感想です!!

 

感想

ザックが作りたかったスターウォーズは、前作から既視感はあれどザックモーション炸裂の美しい作品に。

ただキャラクターの背景の薄さやチームとしての絆は浅く、スターウォーズにあってこれにないモノがくっきり浮き出た印象。

その辺は次回作へと持ち越しか。

以下、ネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

ざっくりあらすじ。

前作の最後で宿敵ノーブルを倒したかに見えたレベルズだったが、高機能の蘇生装置によって命を取り留めていたノーブル。

約束の穀物を受け取りを5日後に控えた帝国軍は、再びノーブル指揮の元、コラが育った村へと目標を定めることに。

 

一方無事仲間を引き連れて村へと帰還したレベルズ一行。

温かく歓迎されたレベルズは、ノーブル率いる帝国軍らの襲撃に備え、村人たちの士気を上げ、戦いの準備に備える。

 

コラは恋仲となったグンナーに、まだ明かしていない自身の過去を明かす。

バリサリウス将軍の養子として育てられ、やがて王の娘である姫の護衛を務めるまでになったコラは、姫の治癒能力によってマザーワールドの方針が変わることを恐れたバリサリウスの命に従い、姫を殺すことに。

クーデターを起こし、王と王妃を殺したバリサリウスは、姫にとどめを刺すことに躊躇していたコラを激しく命令。

コラは、姫の「許す」という言葉を受け引き金を引く。

 

しかし、それはバリサリウスの罠だった。

王たちを殺した罪を全てコラに押し付けたのだ。

 

姫に忠誠を誓っていながらも、養父の命令に逆らえなかった自身の意志の弱さ、そしてそんな義父に裏切られたことへの怒りを抱えながら逃走するコラ。

 

そして彼女はこの村へと逃げてきたのだった。

 

 

村人たちはタイタス将軍の指揮の元、戦いの準備に備えていく。

3日間で穀物を収穫し、家の周りに並べることで、軍が欲しがっているモノを盾に家を守る作戦を遂行。

また軍が遺した武器や、今まで隠し持っていた猟銃などをかき集めたり、穴を掘って奇襲できるよう、急ピッチで作業を進めていく。

また、武器に不慣れな村人たちに使い方を指南。

それまで戦うことを諦めていた村人たちは、徐々に闘志を秘めていく。

 

 

決戦前夜、レベルズたちは、何故戦うのかを共有するため各々の過去を明かしていく。

かつては王家の末裔だった者、軍に逆らえず投降するも部下を殺された者、村や生活をすべて奪われた者、反乱軍の思いに惹かれた者。

皆全てが無慈悲に命や暮らしを奪っていく帝国軍に怒りを持っていたのだった。

 

そしてコラもまた打ち明けるが、グンナーに話したことは伏せていた。

 

自由を勝ち取るために、命を賭けた戦いの最終決戦が、いよいよ幕を開ける。

 

・・・というのが、前半部分の主なあらすじです。

 

傷跡を刻んでったね~。

前作から約4ヶ月開けて配信された後編。

正直前作はあまりの薄い内容と既視感はあったものの、「後編は面白いはず」という思いと、愛すべきザックだから寛容でいたいという思いが募り、甘めの満足度をつけたんですが、後編を見終わった後に思ったことは、これほんとにザックが作ったのか?というほどパッとしない印象。

 

やはり彼の作家性は「神話を次世代へと受け継ぐ」物語性であり、そこには必ず「自己犠牲」が付きまとう話ばかりなんですよね。

本作も自由を勝ち取る代償として自己犠牲が伴う物語でしたが、肝心の神話性めいたものは一向に見つからず、これをスローモーションがっつり使って伝説めいた見せ方をしても、結局「スターウォーズ」みたいな話だしなぁ…どまりなんですよね。

 

確かに前作で不満だった「仲間集めの内容の薄さ」を、レベルズの決起集会での過去を明かすシーンによって解消はできたものの、それで仲間たちの絆が深まるようなことにななっていないし、命を賭けて戦うことへの準備とか心構えみたいなものが、正直あまり感じられなかったんですよね・・・。

 

やはりそこを仲間集めのシーンで解消したり、個々の戦いの見せ場でもっと外連味たっぷりに見せたり、なんなら我々見る側までも鼓舞させてくれるような熱い熱いセリフを用意してほしかったです。

 

それこそザックの醍醐味。

「300」だってそう、「エンジェルウォーズ」だってそう。

タイタス将軍は、村人やレベルズにレオニダスばりの熱い熱いスピーチをしてほしかったし、エンジェルウォーズのスコット・グレンが演じた賢者のように、レベルズたちを指揮してほしかったなぁと。

 

それによってジャスティスリーグのように、それぞれが満身創痍で戦い抜く姿を見せればレベルズにグッとくるよなぁと。

 

 

個人的に一番「それやれば熱いのに」と思ったのが、コラがノーブルに投降しなかったこと。

村へと降り立ったノーブル提督は、コラに「投降すれば村を襲わない」と歩み寄る。

最重要指名手配犯となっているコラを捕らえ、バリサリウスの元へ届ければ、晴れてノーブルも出世できるとあって、互いにとって決して悪い話ではない。

揺れ動くコラは、背後にいるグンナーに「ごめん」と告げて投降しようとするが、その隙にコラの銃を奪ったグンナーが、銃を鐘に向け発砲、戦いの合図として村中に響き渡り合戦の火ぶたが切って落とされていきます。

 

この心が揺れたコラの心情が、その後どこにも活きてこないんですよね。

自分の意志とは別に、仲間が合図をしてしまったことで戦いが始まってしまった、こんなはずじゃなかった、って思いは、この後どこにもないんですよ。

敢えて繋がるとしたらグンナーが死んでしまったことへの後悔だと思うんですけど。

 

結局敵の戦艦に侵入して爆弾しかけてノーブルと戦うって流れなんですけど、結局あの交渉での心の揺らぎはなんだったのかと。

非常にあのシーン勿体ない気がしたんですよね。

 

要するに、投降することで、コラが「最重要指名手配犯」てこととか、「かつて帝国軍のポストだった」ことが村人たちに知れ渡り、コラへの信頼が薄れていくと。

でもその事情を唯一知っているグンナーが、彼女は村を助けるために投降したことを明かすことで、一気に村人やレベルズの士気が高まる、そこへ帝国軍が裏切って襲撃、一気に命がけの戦争に突入っていう流れの方が、俺は熱いと思うんですよ。

 

それをすることで、チームワークが生まれるし絆が深まっていくし、自己犠牲って所にも結び付いてザックの作家性爆発!ってことになると思うんですけど、そういうアイディアはなかったのかなぁと。

 

変な話ワンピースのエニエスロビーのロビンみたいなことをコラがするわけですよ。それを黙ってない麦わらの一味みたいな構図で見せれば熱い物語になったと思うんですけどね~。

 

あとノーブルが案外小者だったのが残念だったなぁと。

前作の最後から蘇ってパワーアップしたかのような感じでしたけど、ラストバトルは随分とあっけなく死んでいったなぁと。

一応ラスボスなわけですよ彼は。

それまで残虐非道なことをするし、まだ部下がいるにも関わらず村ごと消せとか言うでしょ。

そもそも部隊が飯を食うために必要な穀物を奪うための作戦だったのに、飯食う奴が減るから一石二鳥とか言っちゃうくらいのクソ野郎でしたし。

 

そういう人の命を何とも思ってない奴が、コラとの戦いではあまり機能してないというか。

村人たちを一瞬でとどめを刺す攻撃力と実践力がありながら、落下していく戦艦という足場が不慣れな場所での臨機応変な戦いができない、隙があり過ぎて結局後ろからグンナーに刺されて終わるというあっけなさ。

主人公とラスボスの戦いなのだから、もっとギリギリの戦いだったり、それこそ優勢に運びながらコラを追い詰めてほしかったなぁと。

 

 

とはいうものの、タイタス将軍はじめとしたレベルズの活躍をしっかり描いていたのは最高でしたし、それまで全然動こうとしなかったジミーが、最後全部美味しい所を持ってくというズルい演出、さらには大迫力の爆破シーンを思いっきりスローモーションで見せることで美しくも激しい描写を拝ませてくれたのは素晴らしかったですね。

 

 

最後に

ラストシーンでは、コラが命を奪ってしまったとされる姫が生きていることが明かされ、レベルズたちは姫探しの旅へ向かうことが示唆されたラストでした。

な~んだ、姫が生きてるって先に言ってくれれば、コラも自責の念を持たなくても良かったのに…という後出しが酷いな~と思ったラストでしたw

 

前後編を総括すると、やはりザックっぽさがありつつも、名作の二次創作感を打ち消すほどのオリジナリティはなく、ほんとにこれやりたかったの?と思えるほどアイディア性の乏しい内容でした。

もちろん前にも書いた通り、スターウォーズの監督ができないのであれば、自分が作りたいスターウォーズを作ればいいし、それに出資してくれる会社があるという恵まれた環境だからこそ実現した作品なわけです。

 

それってザックからしたら最高の瞬間なんだろうなってのは、本作を見れば十分伝わります。

もうだから受け取り方の問題ですかね。

あとはもう劇場でやれよ!この規模の作品は!!ネトフリ!!そういうとこだぞ!!っていう。

 

次回作は是非劇場でお願いします。

というわけで以上!あざっしたっ!!

満足度☆☆☆☆☆★★★★★5/10