無限の住人
あちこちテレビや雑誌でPR活動している元SMAPの木村拓哉。
あ~元とかつけたくない・・・。
なぜそんなに宣伝活動に勤しむのか?
それは彼がこの先ひとりで進んでいくための試練であり覚悟だからだ!
これがもしコケようものなら、彼の俳優生命は厳しい道となるかもしれない。
SMAPという後ろ盾のない今、他のメンバーが各分野で頑張っている以上、散々な結果になってはいけないのだ!
「A LIFE~愛しき人~」もなんとか高視聴率を保ち面目を守った彼ですが、映画でも業界を席巻できるのか。
てか、なんでこんな出だし?
そりゃあキムタクが好きだからだよ!!
でもだなぁ、この不死身の男が少女を守るってのは、完全に「LOGAN/ローガン」と同じだろうと。
いや同じにしちゃいけないんだけどね。
とにかく!
ソロとして歩き始めた彼にとっての第一関門。
この目でしっかり見届けてまいりました!!
作品情報
アジア各国でも支持される沙村弘明原作の同名コミックを、日本を代表する二人がタッグを組み、その他豪華なキャストを迎えて作られた新たな時代劇エンタテインメントの誕生です。
あらすじ
両親を殺され復讐を誓う少女・凛(杉咲花)はある日、謎の老婆から❝不死身の侍❞の存在を耳にする。
江戸中を探し回り、ようやく見つけたその男の名は万次(木村拓哉)。
顔に大きな傷を持ち、異形の武器を携えた独眼のその男は、妹を失って半世紀、生きる糧を失いただただ生きていた。
どこか妹の面影を残す凛の願いを受け、万次は敵討ちを手伝うことになる。
二人の狙いは逸刀流統主・天津影久(福士蒼汰)。
幕府を手を焼くならず者が集う、最強の剣客集団の首領である。
立ちはだか刺客との激戦で不死身のはずの身体に異変を感じ始める万次。
しかし凛と出会い、生きる目的を見出した彼は、全てを懸けて凜を守ると決意する。
ようやく天津のもとへたどりついた二人。しかしそこには彼らと同じく天津を追っていた300人の幕府軍の姿が。天津もろとも二人に襲い掛かる幕府軍。
そして物語は意外な結末へ・・・。(HPより抜粋)
監督
監督は三池崇史。
とりあえずオファーがあれば、予算内で何とか形にします!の人。
できない映画はないのか、とりあえず頼む方も頼む方で、大体がコミック実写不可能な作品を頼みます。
だからなのか、原作ファンや映画を見た人からはここんとこ低評価されてしまうものばかり。
かくいう自分もかなり酷評しておりますが、今回はちょっと期待。
なぜって「十三人の刺客」を思わせる1VS300人の戦いがクライマックスに待っているから。
果たしてどんな内容になってるのか。
彼の作品はこちら。
キャラクター紹介
左上から右へ。
万次(木村拓哉)
賞金稼ぎに妹を殺され、怒り狂い100人相手に斬り倒した果て、謎の老婆により不死身の体に。
それから50年後、突然現れた少女に亡き妹の面影を感じ用心棒を引き受ける。「めんどくせぇ」が口癖。
映画出演は「HERO」以来2年ぶり、時代劇映画だと「武士の一分」以来になります。剣裁きやいかに。
こちらもどうぞ。
浅野凛/町(二役)(杉咲花)
江戸最強と謳われる❝無天一流❞を受けつぐ浅野道場の一人娘。
道場破り現れた天津影久に父を殺され、敵討ちのための修行中、万次のうわさを聞き、彼を探し用心棒を頼む。
「湯を沸かすほどの熱い愛」で日本アカデミー賞最優秀助演女優賞を受賞したばかりの彼女。今作でも泣かせる演技を見せるのか。
彼女の作品はこちらもどうぞ。
天津影久(福士蒼汰)
流儀や格式にとらわれず、あらゆる武器・剣技を用いて勝つことのみを目指す剣客集団、逸刀流の統主。
古代風の斧での戦いを得意とする。
彼の作品はこちら。
尸良(市原隼人)
逸刀流を狙う集団・無骸流に属し、自分たちと組んで天津を倒そうと万次に持ち掛ける。
己の欲望のためならなんでもし、女子供にも容赦しない残虐非道な男。
監督とは「極道大戦争」以来の出演。最近ではすっかり脇役ばかり。やんちゃなイメージゆえにキムタクと揉めなかったのかな。
乙橘槇絵(戸田恵梨香)
天津が「奥の手」と呼ぶ、逸刀流の剣客。
普段は遊女だが、思いを寄せる天津の命で 万次を排除しに現れる。
三節槍を巧みに使い万次を圧倒する。
キムタクの「エンジン」では、彼女まだブレイク前の女優として出演してたんですよね。こんなにトップ女優になるとは、当時思いもしませんでした。
黒衣鯖人(北村一輝)
鎧兜を身にまとい、長刀を操る、巨漢の逸刀流剣士。
凛に一目ぼれしており、それから二年間恋文を送り続け、彼女を殺すことで永遠の愛を手に入れるという異常な考えを持つ。
三池作品常連でございます。
百琳(栗山千明)
無骸流に所属する眼光鋭く気風の良い姉御肌のの金髪美女剣士。
逸刀流を狙うのは、ある事情から。
彼女いるところに市原隼人アリ。てかキャスティングでカブるの多くない?
凶戴斗(満島真之介)
逸刀流の剣士。
元は百姓の息子で、あろことから武士階級を憎んでいる。
司戸菱安(金子賢)
浪士組の猛者で、賞金目当てに万次を追う。
万次の妹を殺し、怒り狂った万次と対決する。
知り合いがキムタクと金子賢がビリヤードしてた場所に遭遇し、金子賢の方がかっこよかったとか言ってました。こらこら。
八百比丘尼(山本陽子)
800年生きているという謎の老婆。
瀕死の万次を不死身の体にしてしまう。
こんな大女優もこういう映画に出てくれるんですね。ほっぺに渦巻いたメイクまでして。
閑馬永空(市川海老蔵)
逸刀流に属する剣士だが、虚無層な姿で単独で行動し、時代がかった言葉遣いをするミステリアスな男。
万次に自分と手を組んで天津を倒し、逸刀流を乗っ取ろうと話を持ちかける。
三池監督とは「一命」、「喰女ークイメー」以来3度目の出演。歌舞伎役者だからこその言葉遣いなのかなこの役は。カニ蔵だったらファンは沸くよね。100%ないけど。
吐鉤群(田中泯)
幕府の新番頭。天下泰平となった今の若い武士の生温さを嘆き、幕府御用達の武芸所を作り、もう一度彼らに武士道とは何かを教えたいと考えている。
普段は礼儀正しく、静かで重厚なたたずまいだが、その奥にただならぬ殺気を漂わせている。
「るろうに剣心」では見事なアクションを披露してくれました。今回もやはり動くんでしょうね。
伊羽研水(山崎努)
由緒ある流派として知られ、かつて幕府の剣術師範もつとめていた心形唐流の高潔な総師。
今後必ずや訪れるであろう動乱を戦い抜ける武士を育てることが必要だと感じ、天津に逸刀流の同志に加わりたいと申し出る。
監督作品では「藁の楯」に出演してました。もう80歳ですよ。まだまだ長生きしてほしい。
こちらもどうぞ。
カンヌ国際映画祭にも出品され、世界へ向けて放つぶった斬りエンタテインメントと称した話題の1作。
果たして、監督と主演のこのコンビ、吉と出るか凶と出るか。
ここから鑑賞後の感想です!!!
感想
斬って斬って斬りまくる!!血まみれなキムタクもまた画になる!!なのに長いと感じちゃうのはなんでだろう。
以下、核心に触れずネタバレします。
やっぱりキムタクはかっこいい。
死にたくても死ねない、むしろ死にたいと望んでいた男が、誰かを守るために身を粉にして敵に立ち向かう姿を、長きに渡りトップに君臨し続けるスターが、いつもとは違う一面を覗かせた、剣劇アクション映画でございました。
守るものを失ったことで、この世で生きていく理由などない。
いっそ一思いに殺してくれと願った男に宿った不死の能力。
一人の少女に出会うまでの50年間、さぞ空虚な思いだったことでしょう。
その空虚な思いを埋めるかのように現れた、妹に瓜二つの少女の要求に、表向きは嫌々ながらも、心のどこかでようやく生きていく意味を見出していく。
自分にとって妹の生まれ変わりのような彼女をこれ以上苦しませないため、彼女の恨みを晴らすため、そして自分が果たせなかった使命を全うするため、ただひたすらに敵を斬って斬って斬りまくる。
しかしながら、彼も死なないとはいえ決して強いわけではない。
斬られて斬られて斬られまくるのだ。
その都度痛み苦しみもがきながらも立ち上がって敵に立ち向かっていく。
この物語は、そんな二人が出会い絆を深めていく描写も交えながら、自らの悲願を達成したいと願う剣士の一途な思いや、彼を思うあまり望んでもいない戦いに参加せざるを得なくなった女、己の欲望を満たすためだけに暗躍する男、その剣士を疎ましく思う幕府の思惑といった部分が交錯していくドラマにもなっていて、斬り合い以外にも見どころが多い作品になっていたと思います。
それ以上に魅力的なのはやはり木村拓哉の存在感でしょう。
何をやってもキムタクと揶揄されてきた彼の演技。
今回もきっとそうなんだろう、と思ったら大間違い。
いつもの遊びを効かせた彼の演技はここにはありません。
画面いっぱいに映るその顔は、何かに疲れたようなどこかギリギリで、それでいて渋みを帯びながらも怒りに満ちた表情。
正に覚悟の顔といった感じでしょうか。
そしてそんな表情を浮かべながら、昔の彼を想像させるぶっきらぼうな言葉遣い。
めんどくせぇ、バカ、ボケ、ざけんななどなど、時代劇にはちと似合わないような言葉遣いも彼が言えば何ら違和感のない言葉の数々に、いつものキムタクだ!と安心する気持ちも芽生えたり。
そこから醸し出される男らしさもたまらない。
突っ張りながらも、さらっと「ちょっとだけ俺の背中貸してやるよ」なんて、さらっと飾らずに言えてしまうのが木村拓哉という男の持てる業。
彼以外ならこんなセリフ鼻につきますよw
そんないつもと違う表情といつも通りの言葉遣いを組み合わせ、縦横無尽に駆け回る冒頭の百人斬りと、クライマックスの300人斬りは圧巻であります。
何が凄いって片目であれやってるわけです。
片目であれだけ動くってかなり至難の業。
やはり歌って踊ることを常日頃やってきた彼にとって、殺陣もリズムで覚えたんだろうなぁ。
しかもただ覚えるだけじゃなく、間の取り方や緩急の付け方、その間にもセリフがあったり、にらみをきかせたりと色々な要求を見事に体現した、そんなアクションだったと思います。
常にヒーローとして希望の光として演じてきた彼ですが、また新しい彼のヒーロー像を拝めた、そんな気がします。
スクリーンから放たれる彼のオーラに酔いしれながら見るのもまた楽しい見方なんではないでしょうか。
意外と真面目路線。
映画の演出に関して言えば、いつも必ずおふざけに走る三池監督ですが、今作では目立ったおふざけは全くなく、バトル以外はほぼ無音。
しかも冒頭の百人斬りをモノクロで撮るという、いつもと違ったこだわりを見せていました。
さすがにここんとこボロクソ叩かれていたからなのか、それとも本作に並々ならぬ覚悟があったのか、監督の本気が伝わった気がします。
「十三人の刺客」での殺陣を思わせる斬り合いのシーンも、その作品を彷彿とさせるカメラワーク。
はっきり言って目で追えません。
相当時間をかけた撮影だったんじゃないかと思います。
アクションはホントもう豪快にがむしゃらにといった派手な演出ですが、それ以外の会話のシーンなんかはカメラ固定にして、役者の顔をただ静かにずっと映すように撮っていて、静と動を使い分けた撮り方だったんじゃないかなと思います。
しかしながら、今回141分という長尺にもかかわらず、緩急の付け方や、後半に向けて盛り上がってくような作り方ではなかったので、だれてしまう部分もしばしば。
キャラも多いし、それそれの思惑も描かなくちゃいけなかったりとかなり詰め込んでいるため、一人一人に時間を割けず、人物描写を深く描けていなかったかなぁと。
そもそも刺客なんかぶっちゃけ設定とかどうでもよくてって思って。
いきなり登場するやいなや、俺はどこどこの生まれでとか、急に斬り合い辞めてアタシ我に返るとダメなんです!とか、人斬りの心得とか語り出すから、あいかわらず説明口調のセリフだし、場面が動かない固定の状態だから、紙芝居映画と化してる部分もあって、やっぱりそういうとこは監督の悪い癖が出ちゃったなぁと。
もちろん全30巻もある原作コミックを2時間の映画にするのだから、そういう細かい描写や設定も必要なんだろうけど、そろそろ言葉で伝えるんじゃなくて動きで想像させるような撮り方をやってくる人はいないのかなと。
その分カット割り多くなるから、やはり予算が多くないときついのかなぁ。
この手の映画となると。
その他の役者
個人的にはですね、久々にクソ生意気な市原隼人を見れてうれしかったです。
以前の彼のイメージであるやんちゃで熱い不良キャラから成長しまして、今回は自分の欲のためなら女子供でも容赦しないクソ野郎っていうキャラを見事に演じています。
やはり役者の順番で言うと4番手5番手くらいだから出番結構多いんですね。
途中こそ万次に加担して逸刀流を倒そうってなるんですけど、段々腹の中が見えてきて、本性が暴かれるって展開で。
もう女を容赦なくいたぶるとこなんか、今回の彼の見せ場だと思いますw
セリフ回しもですね、昔のクソガキの感じから成熟してホントのワルって感じの言い方で。
彼は今後悪役やったらいい花咲かすと思うんです。
それこそヤクザ映画出て、スクリーンの中で暴れまわってほしいなぁなんて思っちゃったりするわけですよ、今回の役どころを見ると。
是非やってほしいなぁ。
福士蒼汰は正直敵キャラにしてはまだ早すぎたかなぁという印象。
彼はまぶしいんですよスクリーンから見ると。
悪役のオーラをまとってない。
もちろんキャラの設定がただ自分の流派を幕府御用達にしたいっていう望みだけでそこに善悪の区別をつけてないから、どこか純粋さを持つ彼にはぴったりっちゃあピッタリなんですけども。
なんてったって相手がキムタクですからね、存在感が薄くなっちゃうんですよ。
まだ彼レベルでは。
正直市原隼人の方が存在感で言ったら強い。
まぁこれからの俳優さんなので色々演じたらいいと思います。
戸田恵梨香に関して言うことはただひとつ。
足がたまんねぇ!!!
これに尽きます。
アクション頑張ってたとか、いい表情してたとかそんなのは見てません。
もう俺は長いスリットからはみ出る細くて美しい足が拝めただけ十分です。
ここまで褒めときながら顔はタイプじゃないという、どうでもいい情報も入れる俺をどうかクズと呼んでくださいww
他にもわずかな登場ながら、ストーカー鎧野郎を演じた北村一輝の異常っぷりもインパクトあったし、万次と同じ能力を持つことに葛藤しながらも敵として戦いを挑んでくる市川海老蔵も落ち着きのある演技、そこから放つ妖艶さもあって、キムタクと2人おなじ画面に映る豪華さと来たらたまりません。
最後に杉咲花ちゃんですが、彼女もまた新たな引出しを出してきたなぁという印象。
か弱い部分は「湯を沸かす~」の時とほぼ同等のいい演技でしたが、彼女でかい声で怒鳴って啖呵を切るときもいい表情してます。
一回でいいから俺のことも兄様って呼んでくんねえかな・・・。
すぐやられるショボ用心棒ですけどw
最後に
やはり木村拓哉の木村拓哉による木村拓哉のための映画です。
もちろん褒めてますよ!
ほんと彼なしでは成立しないほど圧倒的な画力でしたから。
ほんと松田優作を模倣したような余計なアドリブやってないと思います、今回は。
やたらとマスコミや世間の目が向かれた去年の撮影時のことを考えると、今後を見据えての気合の入れ方だったのかなぁとか考えちゃいますが、そんな詮索はほっといて、目の前のことを全力でやったキムタクの勇姿を映画館で堪能できる映画だったのではないでしょうか。
ほんとにかっこよかった。
ただ、映画はもっとうまくできたよなぁと。
登場キャラ半分でよかったよ。
あ、そうそう。血の量がとんでもなく多いです。
さすが三池監督です。
軽くスプラッタ並みです。
切断された手も平気で出てきます。
さすが三池監督です。軽くホラーです。
でも、万次の服血まみれからすぐ元通りなんだよなぁwww
というわけであざっした!!
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