アンビュランス
「逃亡者」、「テルマ&ルイーズ」、「ターミネーター2」、「ゴールデン・スランバー」。
これらに共通するのは「誰かから逃げる主人公」。
追跡する映画も多数ありますが、逃げる映画もたくさんあるんですよね。
今回観賞するのは、なんと「救急車で逃走する」という前代未聞の逃走劇。
これまで救急車を使って連行される主人公(007とかであったな)ってのは見たことありますし、救急車を使って逃げる映画は聞いたことがありません(あったらごめんねw)。
そういや簡単なレクチャーを受けてセスナで逃亡する主人公ってのもいましたなw(君よ憤怒の河を渡れって映画ですけどw)
そして強奪した救急車の中に急患も乗っているというダブルパンチ。
逃げたいのは山々だけど人を殺すのはさすがにできない、そんな兄弟たちがどんな逃亡を繰り広げていくのでしょうか。
早速観賞してまいりました!
作品情報
数々のアクション大作を手掛け、大味な脚本とダイナミックな爆発で熱狂的ファンを魅了させる「破壊王」マイケル・ベイ監督が製作した最新作は、銀行強盗を企てる血の繋がらない兄弟がどんどんドツボにハマっていくノンストップアクション。
妻の手術資金を手に入れるため銀行強盗を企てた兄弟だったが、計画通りにいかず。
あえなく逃走用に選んだ車が救急車というミスに陥りながらも必死の逃走を強いることになっていく。
デンマークで製作された映画「25ミニッツ」のリメイクとなる本作を、「逃亡者が救急車」という基本的なプロットを残しつつ、迫力満点のカーチェイス&銃撃戦&爆発シーンと、ベイお得意の破壊の限りを尽くしたパニックアクション大作に仕上がった。
強奪の計画が失敗し窮地に陥った犯人がジャックした救急車に瀕死の警官が乗車しているという前代未聞のストーリーだが、警察から逃げる銀行強盗の血のつながらない兄弟と事件で重傷を負った警官、警官の救護にきた救命士の3組が、救急車という動く密室でそれぞれの葛藤が交錯し、ドラマベースでもハラハラする作品となっている。
果たして兄弟は無事逃げ切り、警官の命を救うことが来出るのか。
あらすじ
妻の手術資金を工面するため、元軍人のウィル(アブドゥル=マティーン2世)は血のつながらない兄のダニー(ジェイク・ギレンホール)に助けを求めるが、犯罪に手を染めるダニーが提案したのはなんと、LA史上最高額の銀行強盗3200万ドル(約36億円)だった。
覚悟を決めて挑んだ強盗は計画通りにはいかず、警察に追われる事態に。窮地に陥った2人が逃走用に乗り込んだのは救急車。しかもそこにはウィルに撃たれてしまった瀕死の警官がいた……。(映画.comより抜粋)
監督
本作を手掛けるのは、マイケル・ベイ。
「アルマゲドン」、「トランスフォーマ―」シリーズ、「バッドボーイズ」シリーズ、「ザ・ロック」、「パール・ハーバー」など90年代からハリウッドの第一線で活躍している監督さん。
大味なプロットながら、映像面では爆破、爆破、爆破のオンパレードで観衆を魅了。
主人公を中心にグルグル回るカメラワークで、終始ジェットコースター気分で楽しめる作品が特徴です。
さらにはセクシーな女性がお好みの様子。
トランスフォーマーでのミーガン・フォックスや、「アイランド」のスカーレット・ヨハンソン、「6アンダーグラウンド」のアドリア・アルホナなど、ボンッキュッボンな人もいれば、スレンダー黒髪タイプもお好き。
また米軍が登場するのも特徴の一つ。
ほぼCGを使わずに撮影する監督は、ドンパチをやりたいがために軍隊を出してるのではないかというほどよく見かけますw
物語の内容も気になりますが、何よりもベイですから、とにかくド派手な映像を拝みたい気持ちです。
キャスト
主人公ダニー・シャープを演じるのはジェイク・ギレンホール。
意外(?)にもマイケル・ベイとは初タッグ。
数年前までは自身で製作会社を立ち上げたこともあり、「雨の日は会えない、晴れた日は君を思う」や「ボストン・ストロング」、「ゴールデン・リバー」、「ワイルドライフ」などのインディペンデント系の作品に積極的に参加してましたが、その合間にも「スパイダーマン/ファー・フロム・ホーム」などの大作にも出演しており、大小バランスの取れた頻度で出演してるんですよね。
直近ではNetflix作品「THE GUILTY」で主演。
緊張感を生み出す芝居はさすがジェイクといったところですが、本作では脚本の段階で役柄に自問した経緯があったようで、金のために犯罪に手を染める役柄に理解を深めていったとのこと。
監督ともしっかりディスカッションして役作りしたそうで、どんなお芝居を見せてくれるのか楽しみですね。
他のキャストはこんな感じ。
ダニーの義弟ウィリアム役に、「アクアマン」、「キャンディマン」のヤーヤ・アブドゥル=マティーン2世。
救命士キャム役に、「ベイビー・ドライバー」、「ゴジラVSコング」のエイサ・ゴンザレス。
他、「チョコレート・ドーナツ」、「アーミー・オブ・ザ・デッド」のギャレット・ディラハントなどが出演します。
今回のベイは一体どれほどの爆破を見せてくれるんでしょうか。
とりあえずこんなご時世だからド派手にお願いしたいところ…w
ここから観賞後の感想です!!
感想
#アンビュランス 観賞。
— モンキー🐵@「モンキー的映画のススメ」の人 (@monkey1119) 2022年3月25日
「どう考えてもおかしい」を力技で「正しい」と思わせる手腕はさすがベイ。
あの、この兄弟犯罪者なんですけどw
しかしバッドボーイズ並みのくどさと、自分の過去作をセリフに入れるベイは最高ですw pic.twitter.com/KLB5TK0hGr
なにが「命の恩人です」だよw
お前撃たれて連れ回されたんだからなww
それにしても相変わらずベイの映画はブレない!キャラも面白い!
以下、ネタバレします。
さすがに疲れるってw
妻のガンを直すために血の繋がらない兄を頼ったものの、乗せられて銀行強盗に失敗したあげく救急車をジャックしての大逃走劇を描いた本作は、ロサンゼルスの道なる道を爆走しながら、時に空撮時に地面スレスレ、時にブレブレの目まぐるしいカメラワークで乗り物酔いさせながら、車体横転車体転倒車体爆発、終いには交差点での大銃撃戦を見せる出血大サービスで魅了し、どう考えても破たんした脚本なのにゴリゴリの音楽とスローモーションで感動へ持っていく力技が、逆に清々しくて拍手を送りたくなるバカ映画でございました(褒めてます)。
どうしてもスケジュールがうまくいかなかったのでIMAXレーザーで観賞。
これが僕の評価を左右するきっかけになりましたw
マイケル・ベイをIMAXで見たのはトランスフォーマーくらい。
あれだけごちゃごちゃした映像を150分見せられて疲労困憊だったから、もう彼の映画をIMAXで見るのはやめようと思ったのに、結局見たらバカ画ばかりで思わず笑ってしまう最高の逃走映画でしたよええw
白人の兄と黒人の弟。
地は繋がってないのに昔から意気投合し、車をいじったり早撃ちごっこなどして育った彼らは、いつしか違う道を歩むことに。
兄は親父の家業を継いで銀行強盗に、弟は所帯を持ったことを機に戦地へ向かう軍人に。
しかし国のために従事したのに医療給付金が降りずに手術費を手に入れることができずに四苦八苦。
このままでは妻を死なせてしまうと、結局頼ったのは兄のダニー。
兄は車のディーラーでもやってるのかと思いきや、実は思いっきり銀行強盗やってましたっていうw
ただ金を借りたかった弟でしたが、手違いで人手が足りずうまく乗せられ兄の強盗を手伝う羽目に。
この選択がすでにダメだった!
ブレイブハート時のメル・ギブソンに似てるからメルと呼ばれる武闘派刈り上げ髭兄さんに、ビッグ・リボウスキの観すぎか金髪ロンゲにチュッパチャプスぺろぺろしながらサンダルで強盗やっちゃいます兄さん、中南米系の運転手と、どいつもこいつも脳筋野郎ばかり。
こんな奴らと大金頂きに銀行へ行くんだけど、たまたまそこに警官が!
そこで働くキムという女性に運命を感じた若い警官は、相棒にそそのかされて連絡先ゲットに向かってしまったのであります。
何というバットタイミング。
一方救命士のキャムは、新米救命士と共に仕事をやりこなす日々。
人命救助こそ仕事ですが、命が助かったどうかよりもいかに早く病院へ生存状態で連れていけるかに情熱を注ぐ、案外ドライな救命士。
そんな3組が銀行という運命交差点で命の危険にさらされるのであります。
そもそもダニーの銀行強盗集団はSISなる特別捜査組織にマークされており、今回見事に待ち伏せされてたんですね~。
どこが手堅い強盗だw
めっちゃばれてるじゃねえかw
もちろん銀行の外でドンパチ合戦が始まります。
ショットガンやらマシンガンでガンガンぶっ放す市街地戦はさすがのベイ節で、意味もなくガラスにツッコむ奴もいれば、ビッグリボウスキ兄さんは、輸送トラックと壁に挟まれ下半身グチャグチャ状態。
警官に会えなく撃たれた手下どもは、顔面ドアップで死の瞬間を見せるというサービス精神。
そんな時間使うなら140分もある尺を短くしてくださいw
一体いつになったら救急車をジャックするのだろう、そんな雑念が頭をよぎって間もなく救急車登場!
一瞬のスキを突いて反撃を試みた警官を鎮めるためにぶっ放した銃弾は、警官雄足と胸を見事に貫いてしまいます。
相棒に発見されたことでキャムが乗った救急車が到着したものの、完全に警察に封じ込まれた銀行から脱出する唯一の逃げ道がこのキュ急死矢しかないと悟ったダニーは、弟ウィルと共に車を乗っ取り、見事脱出に成功するのです。
しかしボコられた新米救命士を発見した警官により救急車が乗っ取られている、しかも怪我した警官を乗せてってことで、市長の許可も下りたことだしここは一貯ド派手に奴らを追走しますか!と、ロサンゼルスの道路を爆走する追いかけっこが始まるのであります!
ようやく本筋かい!待たせ過ぎだよ!と心の中で叫んだモンキーは、それまで崩していた姿勢を正し、画面にくぎ付けになったのであります。
上空を飛ぶヘリのせいで車両変更ができず、結果市街地を爆走するしかなくなった救急車は、瀕死の重傷を負っている警官の安否を気にするウィルに対し、うるせえ俺がルールだ家に帰るんだ!ウィルを家に帰すんだ!と若干サイコパス気味な表情で大声を荒げ続けるダニーと車内も大盛り上がり。
外ではSISとFBIがタッグを組んで、犯人の目星と逃走経路を先回りして止める作戦を計画したり、待ち伏せして銃を乱射するなど、ありとあらゆる作戦を立て追走。
このように終始大騒ぎな映画になっていたのであります。
キャラクターが最高なんです
やはり本作の面白い所はダニー演じるジェイク・ギレンホールと、ウィル演じるヤーヤ・アブドゥル=マティーン2世の掛け合いです。
互いが互いを思ってはいるものの、人を殺めてまで悪いことはしたくないというギリギリの正義感を持つウィルに対し、人質の命なんかどうだっていい、如何にこの状況を打破するかが最優先だと利己的な考えしか持たないダニー。
ダニーは親父の血を引いているだけあって中々のサイコ野郎。
自分が助かるのなら人質なんか犠牲にしても平気だけど、弟思いな一面もある憎めない奴。
一応大学時代に犯罪心理学を専攻していたようで、警察の戦略もあらゆる作戦も彼には通じないそうなんですね。
なんでそんな頭のキレるやつが銀行強盗でSISに張られてたのはさっぱりわかんないんですけどw
救急車のスピードが上がるのと比例して彼のボルテージもヒートアップ。
車で煽って無線で煽って、気が付けばただっでさえ目の大きい彼の目がさらに大きくなってましたよw目が落ちちゃうってw
劇中では息の合ったファインプレーを魅せたりはするものの、基本的には言い合いばかり。
時には運転しているウィルをぶん殴るけど、ウィルが元軍人なので結局力負けしてしまうダニーのダサさw
でも彼は卑怯なので、一度ごめんなさいと隙を作って首を絞めるという形勢逆転も見せるクソ兄を見事に演じてましたw
ウィルはウイルでこんなこと間違ってると思いながらも、一度踏み込んでしまった悪の道を引き返せない状況を悟り、We Don't Stopと警察に宣戦布告して救急車を運転。
後ろで孤軍奮闘するキャムを落ち着かせたり励ましたりするなど好感の持てるキャラクターでしたね。
そんな2人に人質として取られてしまったキャム演じるエイサ・ゴンザレス。
冒頭での救命士としての仕事は相当練習したんでしょうね。
1分1秒を争う人命救助のために迅速な処置を施しながらも冷静さを忘れずに救護者への励ましをも忘れない姿はさすがプロ。
人質に取られて涙を流す瞬間や、重症の警官をほったらかして逃亡しようと行動するけど、人命救助こそ天職なのか車に戻って処置を施す姿は感銘を受けました。
しかも警官の体内のどこかから出血してることに気付いたキャムは、ダニーの指示により手術を敢行。
本来なら救命士は手術してはいけないんですが、イレギュラーということでいざ実践。
フェイスタイムで元同僚らから的確なアドバイスを受け、脾臓に刺さったままの銃弾を素手で摘出するという苦肉の策で何とかピンチをしのぎます。
ちなみにここで意識を亡くしていた警官が意識を取り戻して、「俺の腹にて入れてるぅ~!!」と思いっきり慌ててしまうんですね。
それを鎮めるために顔面にパンチを入れるウィルの姿は爆笑でしたw
主要3人はこんな感じでしたが、サブキャラもいい味出してるんです。
それこそSISのリーダー・モンロー捜査官は、ミニクーパーにデカい犬を連れて現場へ赴き、俺の家に犬を送れと職権乱用w
これまであらゆる作戦を指揮してきたのか、こういう強盗野郎にはこういう作戦が一番だと後部座席で色々指揮を執ります。
なぜかチートスを食べながらw
指をちゅぱちゅぱするなw
その横で逃走経路をカメラで探す係のザガという女性は、しっかり仕事をこなすんだけどちょっと語気が強め。
横でチートス食ってるモンローに「私の髪についてるんですけど」と嫌味言ったり、初登場時でも女だからってい仕事できないと思わないでねばりな自己紹介で、マッスルSWAT軍団に何も言わせない強気な態度がカッコイイですw
他にもFBI捜査官クラークは、息子のセラピー(本人のセラピー?)してる最中に銀行強盗の事件を聞きつけ現場急行。
強行作戦を遂行しようとするモンローに対し、あくまで交渉して逃走を断念させようと画策。
あらゆる連絡手段で車内の誰かに連絡を取り、誘導させていく有能な捜査官でした。
役者さんを存じ上げないのですが、顔がアップになる度声色も相まってどこかトム・ヒドルストンに見えたり見えなかったり。
ダニーと同じ大学で、悪口を言い合って仲違いしたエピソードも披露してたので、ダニーと因縁の相手っていう設定になってましたね。
そしてダニーの部下はやはりバカばかりなのか、途中で応援に駆け付けた部下のカストロは、会社の受付でサッカーを見ながら「今いいところだから忙しい」とぬかすし、ダニーが娘の誕生日プレゼントで頼んだフラミンゴのぬいぐるみを郵送するよう頼んだのに、なぜか青いペンキとスプレーと一緒に持ってきちゃうバカっぷり。
しかも救急車をペイントするよう頼んだのに、緑色のスプレーをフロントガラスにかけちゃうあほっぷりw
ダニーはじめ、こんな個性的なキャラがここぞとばかりに笑かしに来るのが本さうの見どころだと思います。
最後に
とにかくこの映画がバカなのは、どう考えても兄弟が犯罪を犯してるのに、こいつらのせいでひどい目に遭ってるのに、「ウィルは良い奴」と思い込んでしまうキャムと警官ねw
警官なんか最後に「命の恩人です」とか言ってたけど、待て待てw
撃ったのはウィルだし、連れ回されたからあなたは瀕死の重傷だったんだってw
終盤もあれだけ騒がしくめちゃくちゃなことしたダニーだけど、弟を守るために良い奴になったりするシーンがあるせいで、観てるうちにこいつらに加担しちゃうんだよなぁw
また劇中では、「昔ショーン・コネリーがこんなこと言ってたぜ、ザ・ロックで」とか、「バッドボーイズみたいにカッコよく車から降りろよ」とか、ちょいちょいベイの過去作がセリフで出てくるんですよw
え、この世界にはマイケル・ベイの映画が存在する世界だったんですかw
あとはもう酔います。
上下白湯にハイスピードでビル群を駆け巡るドローンカメラだったり、顔面ドアップで手ぶれ100%なカメラワークで、僕らの思考をどんどん狂わせていきますw
終盤ではドラマチックにスローモーションとド派手なクラシックBGMで泣かせに来るんですが、序盤で思考を狂わせてるので、妙に感動しがちです。
騙されないでください、明らかに感動する映画ではありませんw
兄弟に加担してはいけませんw
絆がどうとか、キャムが救命士として全うするとかどうでもいいですw
むちゃくちゃな話ですw
そもそもあれだけ瀕死の重傷を負っていた警官が助かるわけがないw
よく持ったよあの警官w
ギャグも冴えわたってるので、是非大きな映画館で楽しんでほしい映画でした。
ただ疲れるよw
というわけで以上!あざっしたっ!!
満足度☆☆☆☆☆☆★★★★6/10