チャーリーズ・エンジェル
ここ最近90~00年代の作品がリメイクされる傾向が非常に多いですよね。
「ターミネーター」に、「バッドボーイズ」、そして今作「チャーリーズ・エンジェル」。
現在20~30代の人たちが少年少女だったころに公開された作品を今リメイクすることで、仕事や家事で忙しいであろう年齢層を再び映画館へ呼び込む、そんな狙いがあるのでしょう。
リメイクって音楽にしろ映画にしろしっかり需要があり、定期的にムーブメントを起こすからエンタメとしては重宝されがちなんですよね。
実際80年代ブームってこの20年くらいでどれだけあったことかw
しかし90年代とか00年代のリメイクって、どうしてもまだ早いんじゃない?って思ってしまうんですよね~。
まだつい最近のことというか、懐かしいと思えないのか。
今回のチャリエン(この略し方イヤなんですけどw)だって、CG技術は確かに劣るけど、そこまで古ぼけた感じは見えないから、今でも全然楽しめるんですよね。
無理にリメイクしなくても…ってのは正直あります。
先日見返したんですけど、これ今じゃ不向きなこといっぱいやってるよなぁって。
明らかに男が求める女性像みたいなのをガンガン見せつけてて(衣装とかさ)、しかもエンジェルたちってその男の使いみたいな立場だから、今のような時代には相応しくないよなぁと。
だからせっかくリメイクするからには、今の時代に合うような形であってほしいなぁって思うんです。
オリジナルの方は男性でしたけど今回は女性が監督なので、しっかり時代性も意識しているとは思うんですけど、全米興行がイマイチだったのは気になるところ。
果たして全容やいかに。
早速鑑賞してまいりました!!
作品情報
1976年にアメリカのTVドラマとして誕生した「チャーリーズエンジェル」。
決して姿を現さず、音声のみで登場するチャーリー・タウンゼント。
彼の下で働く美しき女性3人が、それぞれのスキルを活かし、時に変装、時に格闘しながら事件を解決していく人気シリーズだった。
2000年にはキャメロン・ディアス主演で映画化され、当時最先端だったVFXやワイヤーアクションで、迫力ある映像に仕上げた。
そして2020年新たなチャーリーズエンジェルが誕生。
あくまで「リメイク」ではなく「続編」という位置づけであることや、エンジェルとチャーリーとの橋渡し役であるボスレーも複数登場する設定となっている。
また歌手のラナ・デル・レイ、マイリー・サイラス、アリアナ・グランデがコラボしてタイトル曲を歌うことも話題。
今をときめく女優陣が華麗にスマートにアクションをこなす今年話題の1作です。
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ブルーレイ2枚パック チャーリーズ・エンジェル/チャーリーズ・エンジェル フルスロットル [Blu-ray]
- 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
- 発売日: 2014/11/19
- メディア: Blu-ray
あらすじ
国際機密企業チャーリー・タウンゼント社で特殊訓練を受けたエリート女性エージェント組織、通称“チャーリーズ・エンジェル“。
彼女たちは世界各地に拠点を置き、平和を見守る天使=“エンジェル“として隠密に活動している。
ある日、巨大テクノロジー企業に勤める天才プログラマーのエレーナ(ナオミ・スコット)は、自身が開発したプロダクト=新エネルギー源“カリスト“を会社が武器として軍事利用していることに気づき、エンジェルたちに調査を依頼。
それがきっかけで、エレーナは命を狙われることに。
“エンジェル“の司令塔ボスレー(エリザベス・バンクス)は、変装と潜入得意とするサビーナ(クリステン・スチュワート)、元MI6であらゆる武器を自在に操るジェーン(エラ・バリンスカ)と共に、エレーナを守りながら調査を開始。
さらには彼女のハッキングスキルを高く評価し新たなエンジェルとしてスカウトする。
新生チャーリーズ・エンジェルの誕生。
ハンブルク、リオデジャネイロ、イスタンブール・・それぞれの特技を最大限に活用し、調査を進める彼女たちは行く先々で立て続けに危機に直面する。
タウンゼント社に内通者か――?(HPより抜粋)
監督
今作を手掛けるのはエリザベス・バンクス。
相変わらずブロンドが似合うなぁ。
今回監督と脚本と制作と、エンジェルを仕切るボスレー役と、がっつり手掛けたバンクスさん。
前にも書きましたが、「ピッチ・パ-フェクト2」での成功から、どうもヤングアダルト層にウケの良い作品に積極的に出ているなぁってのがありまして、きっと今回もそこ狙いだと思うんです。勝手な妄想ではありますが。
とはいえ、しっかり自分を売り込む術を持ってるし、お芝居だってシリアスもコミカルも両方分けて演じられる方ですから、そういう意味では安心です。
LGBTQや女性たちが差別されることなく活躍できる時代を願う今、この作品を制作するにあたって「女性たちの背中を押したい」と語る監督。
どれだけのガールズパワーが詰まっているのか楽しみですね。
監督に関してはこちらをどうぞ。
キャスト
エンジェルに加入するエレーナ役に、ナオミ・スコット。
売れましたねぇ~ナオミ!
「パワーレンジャー」のころから「この子売れそうだなぁ」と思ってましたが、こんなにも早くっ主役をつかむとは。
今後はアレですか?
MCUかDC辺りに行っちゃうのかな?
ん~女優生命的には何作かオスカー狙えそうな作品に出るって方向の方がいいかな?
まぁ知ったこっちゃないですけどw
彼女に関してはこちらをどうぞ。
他のキャストはこんな感じ。
自由奔放な変装のプロ・サビーナ役に、「トワイライト」シリーズ、「ふたりのJ・T・リロイ ベストセラー作家の裏の裏」のクリステン・スチュワート。
元MI6エージェント・ジェーン役に、今作で大抜擢された期待の新星、エラ・バリンスカ。
チャーリーとのパイプ役であるジョン・ボスレー役に、「X-MEN」シリーズ、TVシリーズ「新スタートレック」のパトリック・スチュワート。
エドガー・ボスレー役に、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」、「ワイルドスピード」シリーズのジャイモン・フンスー。
アレクサンダー・ブロック役に、「スノーホワイト」、「ハンガー・ゲーム」シリーズのサム・クラフリンなどが出演します。
キャメロン・ディアスのチャリエンはどこかおバカで荒唐無稽なんだけど、名作オマージュとか音楽のバリエーション、全体的にサクッと見れちゃうポップコーンムービーだったんですけど、今回もその路線なのかな?
ここから鑑賞後の感想です!!
感想
うん、こういうチャリエンもアリだよね。
バカさ加減を抑えてカッコよさを際立たせた、クールなガールズパワーを見せてもらいました!!
以下、ネタバレします。
女にも選択肢はある。
電力革命を起こすと言われるまでの高性能なエネルギー装置だが、不具合をもたらすことから悪の手に渡れば途轍もない破壊力を持つとされる「カリスト」を巡って、つい何でも思うことを言ってしまいがちな元お嬢様サビーナと、バリバリの格闘センスとガンシューティングセンスを併せ持ちながらも、過去の過ちによって少々心を閉ざしがちのクールビューティーなジェーン、そして今回の事件に巻き込まれるもエンジェルズに協力する好奇心旺盛なカリスト開発者のエレーナの3人、そして彼女らを束ねるボスレーが、オンナなめんなよ!ばりに男どもをギッタンバッタンにしながらも、男どもには決して真似できない女同士ならではの友情やまったり具合に恍惚な表情を浮かべてしまう、これまでのチャリエンとはまるで違うアクション映画でございました。
これまでのチャーリーズエンジェルって、既にチームとして完成されていた状態から始まる物語で、彼女たちのキャピキャピなハッピー感もあれば、絶対そんなの無理だろうwってな動きまで、終始痛快なイメージがありましたが、今回はしっかり物語を辿りながら、完全無欠の素人であるエレーナを先輩2人が育て上げ、誰でもチャーリーズエンジェルになれるというような、あなたのために私たちはいつでも門戸を開けている、そんな内容に変化していたと思います。
上でも書いたんですけど、正直前作のようなエンジェルズの扱い方では、今の時代叩かれてしまわないか心配だったんですけども、そこもしっかりクリア。
冒頭でのジョニーとサビーナのやり取りが、今の時代でも金と権力で女をモノ扱いするような男の意識を変えさせるような痛烈なメッセージを浴びせているのが、今作での特に印象的な会話でした。
この食事も酒も夜景も僕が用意した、だからついてきたんだろ?
僕が君を選んだんだ、というような会話に、
それは全くの逆、あなたが私の美しさに見惚れて誘っただけ、しかも招待されたのではなく、私が選んだの、と。
僕が君を選んだ、と言っている時点でジョニーは打ち首の刑だよなぁと、虫唾が走ったんですが、そこはサビーナ、意志の強さで言い返す件が僕は最高でした。
僕と付き合えば毎晩こんな優雅な暮らしを送れるよ?と、まるで馬にニンジンをちらつかせるようないやらしい口説き方。
こんなシチュエーションを用意すればいつだって女を落とせる、所詮女はこういう生き物だみたいな決めつけに対し、あなた女を何だと思ってるの?このシチュエーションにつられたとかでなく、あくまで自分の意志でチョイスした、てか逆に私の美貌にあなたが骨抜きにされたんでしょ?と。
いつまでも男の下で生きているのが女ではない、ちゃんと選択の自由があり、決断する資格があるという意味を含めたであろう冒頭のシーンは良かったです。
そこから怒涛のアクションへと持っていくのですから、最初はクリアといったところでしょうか。
個性あふれるキャラクター
前作からの続編ということで、ちゃんと過去作へのオマージュを小道具や写真で見せる粋な演出も見事で、しっかりTVシリーズのメンバーとジョン・ボスレーの写真を上手く合成していたり、ドリューやルーシー・リュ―、キャメロンディアスらとの写真もありましたね。
途中ではその時着ていた衣装まで並べていたりと、少しの間懐かしむこともできます。
劇中では、ジョン・ボスレーが欧州支部をつくったことで、チャーリー・タウンゼント社は世界規模になり、世界中でエンジェルズたちが活躍していることにも触れていました。
だから今回は世界各地で飛び回りながらも、あらゆる施設や仲間が存在していたんですね。
そんな規模を広げた今回のエンジェルズ。
3人それぞれが凄く個性があった作品でした。
サビーナは変装の名人という特技がありましたが、そこが特に生かされていなかったことが少々残念ではあるものの、常にノリノリでちょっと小意地悪なトークスキル、バイクや馬にまたがってチェイスするアクティヴな動き、強気な顔とは裏腹に、まだ環境に慣れていないエレーナをしっかりケアしたりサポートしたりするお姉さまな一面もあり、長女的な存在だったように思えます。
ジェーンはサビーナとは対照的に、常に強気な姿勢でタフで豊富なアクションスキルをもっていましたね。
何度も戦う羽目になる殺し屋との格闘では、その度に動きを研究する洞察力も披露していたし、表ではそこまで感情的にはならないタイプだけど、サビーナとエレーナを仲間と認識し始めてからは、感情がどんどん露わになっていく姿もステキでしたね。
エドガーの死でもそうだったし、サビーナが重傷を負った時も涙を流す、そしてニクイ相手にはむき出しの感情で叩きのめすというパワフルな姿。
容姿もすごくて他のふたりより頭一つ身長が高く、足も長いことからとにかくアクションスタイルがキレイ。
ジェーンを演じたエラ・バリンスカ、今後要注目ですね。
そして最後、エレーナですが、今回唯一のエンジェルズ見習いというような立ち位置で、動きよりも頭脳でサポートする役割を担っていました。
カリスト開発者の一人として、様々なハッキングや機械操作で2人を助ける賢さがありながら、科学者の本質でもある好奇心が彼女を逆にカワイイ動作をさせる要因になっていて、通信装置を担った腕輪を近づけてレスポンスするシーンや、皮膚に張り付ける麻酔用ミントガムを勝手に触ろうとしたり、とどめを刺したかと思いきや逆に持っていたせいで、自分が眠ってしまうオチも見事。
アクションこそ素人止まりですが、趣味のクラヴマガで培ったバトルスタイルで手下と戦う姿は滑稽でした。
そんな3人を束ねるのが今回初のエンジェルズからボスレーに昇格したレベッカ。
そもそもボスレーって、エンジェルズのサポートで、チャーリーとの懸け橋役で、エンジェルズの上司的な役割には思ってなかったんですが、今回結構な割合で活躍したり、指揮を取ったりしています。
基本的にはエンジェルズたちをすぐ逃がすための運転係だったり、彼女たちが傷ついた時のアフターケアの手配など、サポートの面はあるものの、彼女たちの作戦を指示したり、現地へ赴く際は先頭を歩いたりと、エンジェルズたちにとっても強い味方みたいな立ち位置でした。
ボスレーがめっちゃいるってのも今回の新しい部分で、正直このボスレーシステム、いわゆるスポーツ選手が引退して組織政治に関わるような感じのポストなのかなと。
で、そうなったら私腹を肥やそうとする奴も出てくるわけで、もしかしたら彼女が黒幕なのかも?と睨んでたんですよね。
実際そういう匂わせな部分もあって、それがミスリードなのかその通りなのか読めない展開も楽しかったです。
この4人が協力して活躍する今作。
戦いの後の疲れ切った表情を戦場で夕陽を見つめて肩を寄せ合う姿や、エレガントな衣装を身にまとい、スクリーンを華やかにさせてくれる3人の姿はそりゃあもう最高で。
これまでとはちょっと違う匂いがあるけれど、楽しめるこ途には変わりありませんでした。
でも女性監督だと歯切れが悪い
過去作との比較になってしまうわけですけども、そもそも過去作の良い所って、白人女性のおバカ加減よりも、普段決してできないようなワイヤーアクションよりも、金かけてとんでもないことしちゃう荒唐無稽さよりも、僕はテンポの良さが良い所だと思ってて。
1作目は90分、2作目でも100分前後なんですよ。
その中でまったりする時間などどこにもなく怒涛の展開が待ち受けているわけで、その話運びが凄くテンポよくて楽しかったりするんですよね。
今回もそこの部分を大事にしているのかなぁと思ったら、なんだろう、エリザベスバンクスだからなのか、今の映画の風潮なのか知らないけど、妙に会話でダラダラしがちな箇所が多々見受けられました。
いわゆる最近のコメディ映画によくあるパターンで、流れを停滞させてまでも会話で笑わせようとするシーンが結構あったんですね。
それこそ「バードマンのアルカトラズ」って言葉を発したボスレーの言葉に、ん?わからない?ランカスターよ、いやそれ、マイケルキートンのバードマンでしょ?、いやマイケルキートンてバットマンでしょ?何言ってるの、バットマンはベン・アフレックだよ、え?知らないの?バート・ランカスター、とジェネレーションギャップによる笑いを入れようとしたんだけど、そこがなんとも歯切れの悪い会話に見えてたし、武器の紹介やカリストの説明などに時間を割きすぎていて、なかなか次のエピソードにいかない。
もっと言えば、3人が同じ格好で会社に潜入し警備員を錯乱させる作戦も結構長い時間を使っていて、そこまでたいそうなミッションではないのに、そこで小トラブルが起こりまくりなのもちょっとしつこいかなぁと。
もっと大胆なアクションで時間を使ってほしかったし、男に媚びない女性を強調したかったせいか、3人3様のロマンスってのもなかったのが残念。
これバンクスが監督した「ピッチ・パーフェクト2」でも結構あって、やはり彼女はコメディ色をこの映画でも際立たせたかったんでしょうね。
それがこのチャリエンでは機能できなかったというか、ハマってなかったというか。
だったらそこは、3人がもっとベタベタくっついてワーキャーしながらエンジェルズって最高!みたいな、お花畑ばかりなシーンがあっても良かったのかなぁと。
それこそ1作目の時のように、3人がバンドの格好して演奏したりチアガールの格好したり、匍匐前進して潜入する自衛隊みたいに、色んなコスプレしてエンジェルズの活動を走馬灯のように描いても良かったよなぁ、それでエレーナがいつの間にか成長して一人前になるって流れでもよかった気はするんですよね。
エンドロールではエレーナが一人前のエンジェルズになるべく特訓を受けてるんですけど、これひとりでやってるからもったいないんですよ。
3人で訓練していて、他のふたりは軽々とクリアしてるけどエレーナだけできない、そこを2人が応援してミッション達成、ヤバイ!女同士って最高!みたいなをの見せつけたら、こっちも微笑ましく会場を後にできたのになぁと。
そうそう、今回個人プレイばかりだったんですよ。
きっとエレーナが半人前だから必死で付いていくってコンセプトだったと思うんですけど、過去作のように3人そろってハイキックかますようなトリプルプレイってのが無くて。
そういうのも最後に見せることで、ようやく新生エンジェルズ誕生!って結末ならもっと良かったんですけどねぇ。
どれもこれも僕の不満や変更案なんて、妄想ですし僕の好みだけなので無視してもらって結構ですけど、どこかマックG監督の精神性を引き継いでくれたらよかったなぁと。
最後に
どうやら製作費がかなり減ってしまったことで派手なアクションができなかったみたいですね。
過去作のようなおバカな映画ではなく、もっと地に足付けた今の映画ってことになってしまったことが、観衆のとのギャップになってしまい低評価になったのかなと。
とはいえ、これはこれで嫌いではないし、ナオミスコットのドジッ子具合とか、他の2人のコンビプレイとか見どころは結構ありましたし。
また過去作との大きなつながりで言えば、最初に登場する奴が怪しい、というジンクスもちゃんと引き継いでましたねw
また最後には初代エンジェルズのケリー・ギャレットが出ていたし、スカイダイビングのシーンでは、ちゃっかり「ピッチ・パーフェクト2」つながりでヘイリー・スタインフェルドがちゃっかり登場。
相変わらずのハイテンションぶりは健在で、もうここ出たなら、次回作でエンジェルズに入ってくれねえかなぁ、と少々期待w
ただ続編は厳しいのかなぁ。
もし製作されるのなら、ダラダラ具合を解消してもらって、テンポよく激しくかっこいいバトルをお願いしたいものです。
というわけで以上!あざっしたっ!!
満足度☆☆☆☆☆★★★★★5/10