モンキー的映画のススメ

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主に新作映画について個人の感想、意見を述べた文才のない男の自己満ブログ

映画「ダンジョンズ&ドラゴンズ」感想ネタバレあり解説 元のゲーム知らなくても全然楽しいから!

ダンジョンズ&ドラゴンズ

RPGという言葉を聞くと、ドラクエやFFといったゲームソフトを真っ先に思い浮かべますが、世界ではこれらよりも先に大人気のRPGがあったそうで。

それがD&D、ダンジョンズ&ドラゴンズ。

 

何がすごいってテーブルでサイコロを振って遊ぶ世界最初のRPGだそうで、正確には「ファンタジー・テーブル・トーク・RPG」だそう。

職業を選んでパーティーを組んでってのはドラクエでもおなじみですが、冒険のシナリオがいくつもあり、サイコロを振って攻撃順から何から決める。

 

しかもダンジョンマスターを人間が担当するため、プレイヤーとダンジョンマスターがいろいろやり取りしながらゲームを進めることができるんだそうな。

 

例えば扉を開ける鍵がないとき、ドラクエだったらひたすらタンスを開けたりツボを割ったりしましたが、D&Dの場合、武器でぶっ壊してもいいかをマスターに質問し、マスターがOKなら行けちゃう緩いパターンもあるし、逆にNGの場合もあり、人間同士で自由に遊べてしまうゲームとのこと。

 

映画でも「レディ・プレイヤー・1」にキャラが登場したり、「E.T.」でプレイしてたり、Netflixシリーズ「ストレンジャー・シングス」でも、マイクたちが高校生になっても夢中になる姿が映し出されており、確かな人気なんだなと。

 

今回観賞する映画は、世界最初のRPGとされるゲームを映画化したファンタジーアドベンチャー。

ゲーム自体未経験ですが、果たして楽しめるのでしょうか。

早速観賞してまいりました!!

 

 

作品情報

1974年にアメリカで制作・販売された世界最初のRPGを原作に、2001年に制作された映画を、コメディ映画でキャリアを積み上げている監督・脚本コンビの手によってリブート。

 

様々な種族やモンスターが生息する世界を舞台に、運命をともするパーティーを組んだならず者たちが、巨大な陰謀を企む悪と対峙する姿を、壮大な世界を背景に軽快なテンポと迫力あるアクションで描くアドベンチャー巨編。

 

モンスター上司」はじめ数々のコメディ映画を製作してきたジョン・フランイス・デイリーと、「スパイダーマン・ホームカミング」などを手掛けたジョナサン・ゴールドスタインが脚本を務め、一筋縄ではいかないアウトローなキャラたちのユーモア性を高め、ただのRPGとは一線を画した「ノリのよすぎる」映画を作り上げた。

 

主演には、「スタートレック」でのヤンチャで正義感あふれる艦長を演じたクリス・パインや、「ワイルド・スピード」シリーズでのストロング&タフながら、一人の男性を愛し続ける姿を熱演するミシェル・ロドリゲス、「IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。」でのヒロイン役が記憶に新しいソフィア・リリス、「名探偵ピカチュウ」のジャスティス・スミス、そしてイギリスが生んだラブコメの帝王ヒュー・グラントがヴィランを務めるなど、新旧優れたキャストが冒険で暴れまくる。

 

ヒーローっぽくないチームやくだらない掛け合いは「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」を彷彿とさせるノリで、ドラゴンをはじめとした巨大なモンスターが次々登場するシーンは「モンスターハンター」を思わせる迫力。

 

様々なクエストやモンスターとの激闘をクリアしていく「ザ・RPG」な映画。

運命をかけた仲間たちの大冒険を堪能せよ!

 

ダンジョンズ&ドラゴンズ スターターセット:竜たちの島ストームレック

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ダンジョンズ&ドラゴンズ プレイヤーズ・ハンドブック

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あらすじ

 

様々な種族、モンスターが生息する世界、フォーゴトン・レルム。

盗賊のエドガン(クリス・パイン)と彼の相棒である戦士のホルガ(ミシェル・ロドリゲス)は、ある目的のために旅に出る。

 

特殊能力を持った魔法使いサイモン(ジャスティス・スミス)やドルイド(僧)のドリック(ソフィア・リリス)、そして聖騎士のゼンク(レゲ=ジャン・ペイジ)とパーティーを組み、全世界を脅かす巨大な悪の陰謀に対峙することになる。(HPより抜粋)

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キャラクター紹介

  • エドガン(クリス・パイン)…盗賊。チームのリーダーでカリスマ性があり、プランニング能力やインスピレーションに長けているが…。
  • ホルガ(ミシェル・ロドリゲス)…エドガンの信頼厚い相棒。優しい心を持ちながら、怒りの力、残忍な強さを持つ、無敵の戦士。
  • サイモン(ジャスティス・スミス)…計り知れないポテンシャルを秘めた名家出身の魔法使い。自信がないのが大問題…。
  • ドリック(ソフィア・リリス)…人間とモンスターの間に生まれ、自然の力を使いあらゆる動物に変身する能力を持つ。
  • ゼンク(レゲ=ジャン・ペイジ)…正義と誇りある者すべて守ると誓った、伝説の騎士。超がつくほど真面目なキーパーソン。

 

  • レッドドラゴン…伝承で伝わる有名なドラゴンで、ドラゴンの中でも巨大な体格である。アンダーダークに住んでおり、火を吐いて攻撃する。
  • ミミック…姿を変えられる捕食モンスターで生き物ではない物質に変身して獲物をおびき寄せることができる。狡猾なミミックな、獲物を絶え間なく狩るために、経験をもとに、ダンジョンではドアや箱に変身していることが多い。
  • ゼラチナス・キューブ…生きたまま細胞組織を吸収し、骨など溶けないものだけ残す。透明な体のため攻撃されるまでどこにいるかわかりづらい。

 

  • フォージ(ヒュー・グラント)…優位に立つためには何でも利用する狡猾な詐欺師。
  • ソフィーナ(デイジー・ヘッド)…闇の組織に仕え、時間求められる強力な魔法使い。

(以上HPより)

 

 

 

 

 

 

 

普段ファンタジーは得意ではないんですが、ノリノリなパーティーたちの喋りとアクションに期待したいと思います。

ここから観賞後の感想です!!

 

感想

冒険活劇はこうでなくっちゃ!

妻の蘇生と娘の奪還を目標に、運命を共にする仲間たちと共に繰り広げる大冒険は、笑いと感動と迫力のアクションを見事に表現した娯楽大作でした!

ソフィア・リリスがかわいいんだこれが!!

以下、ネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

RPG好きには堪らない内容

つい目がくらんだ金に手を出したことで妻の命はおろか、大切な家庭をも失ってしまった主人公の義賊と、相棒として彼を支える女戦士、人間嫌いだが村の人々を守りたいと願う人間とモンスターのハーフ、そしてポテンシャル高いのに自覚のないヘタレ魔法使いの面々が、負け犬の汚名返上と共に人間を滅ぼそうとする種族の陰謀を止めるために大冒険を繰り広げる姿を、大迫力のCGアクション、しっかり差別化されたキャラ造形、要所要所で挟まれるギャグ、そしてまさかの感動と、娯楽大作に必要な要素てんこ盛りMAXな最高に楽しい映画でした!!

 

RPGの礎を作ったゲームが基ということで、これやったことない人突いていけないんじゃないの?と少々心配だったD&D。

しかしふたを開けてみれば、観賞前の不安など全く必要ないほど没頭して楽しめた映画でした!

 

それこそ僕自身ドラクエ世代ということもあり、パーティー組んで魔物退治しながら冒険の旅を続ける物語は大好物ってこともあり、D&Dの世界観に全く拒絶することなくすんなり入ったことも楽しめた要因であります。

 

 

それ以上に何がそこまで面白くさせてくれたのかをダラダラ語っていこうと思うんですが、特筆すべきなのはキャラ立ちがしっかりしていたことでしょうか。

 

主人公のエドガンは、元々はハーパーと呼ばれる組織の一員で、弱者や貧困たちを守っていた正義感のある男でしたが、レッドウィザードと呼ばれる魔術師を捕まえたことで妻を殺されてしまい、ハーパーの職を捨て盗賊として生きることを決意。

相棒となったホルガと共に宝石を盗みながら、一人娘であるキーラと共に楽しい日々を過ごしていたのであります。

 

しかし、死者を蘇生できる石板を盗みに向かった先で、仲間のフォージとソフィーナの魔術によって嵌められてしまい投獄。

2年間檻の中で過ごしていたというところから物語は始まるんですね。

 

エドガンは基本クレバーな部分とユーモアに長けた人物で、とにかく作戦を立てる係を務める傍ら、吟遊詩人という肩書から所々で歌を歌い始めて皆を和ますといったムードメーカーの役割も果たします。

あまりによくしゃべるからか、しっかり立てた作戦がどこか信頼度に欠ける、口から出まかせのような感じにも取れるんですが、時に失敗をしつつもかつて所属していたハーパーでの経験から、しっかり状況を見極めたうえでのプランを立て実行し、成功を収める結果を残しています。

 

とにかく失敗したら次!というスタイルの諦めの早さ。

魔法使いのサイモンの『死者に5回だけ質問していい」といいう呪文を唱えるシーンでは、ついつい確認の質問ばかりしてしまい回数を無駄にしてしまう件をコミカルに描いており、失敗したらすぐさま次の墓を掘り出して質問攻めをする件は爆笑モノでした。

 

ただこの質問内容も段々コツを掴んできたのか、テンポよく的確なところをついており、最後には質問を1つ2つ遺して死者を置き去りにするまでにw

その死者が最後にオチとして登場するのは、本作がユーモアを大切にしているという意味で効果的でした。

 

またパーティーのメンバーが大きな壁にぶつかったり、パーティーへの参加に躊躇している時の誘い文句も見事。

ドリックを仲間にしたいが、人間を嫌っているために拒む彼女に対し「じゃあ村の人々は嫌いなのか?」と矛盾を突くような返しで、彼女の心を動かします。

 

他にも魔法返しの兜を使いこなせないサイモンには、一番弱い時こそ一番強い力を発揮する魅力を伝えることで、彼本来が持つポテンシャルを引き出すことに成功。

元旦那との別れに悲しみと怒りをにじませるホルガには、吟遊詩人として歌を歌い気持ちを和らげるといった優しさを持ち合わせており、エドガンなくてはこのパーティーのまとめられないといった役割を果たしておりました。

 

 

そんなエドガンと長きにわたって相棒を務めるホルガは、敵の兵士たちを一人で粉砕するほどのパワーを持つ女戦士。

あまりの戦い好きが裏目に出てしまい旦那に愛想をつかされてしまったホルガは、エドガンと出会ったことで意気投合。

彼と娘のキーラと共に盗みの旅をしながら仲を育んでおりました。

 

彼女にとって一番の楽しみはメシのようで、邪魔をする者なら誰でも容赦しないほどのがっつきぶりw

冒頭では、牢獄に新入りとして入ってきたモンスターが、飯の邪魔をしたせいでフルボッコに遭うというツカミでホルガの性格をしっかり映像として見せたり、恩赦審議会でもエドガンにアピールを任せて、一人飯に没頭するありさまw

回想シーンでも、飯を取ろうとするエドガンに対しても睨みを見せる姿が印象的でした(この時まだ赤ちゃんだったキーラも驚いていたのは爆笑w)

 

エドガンが打ちひしがれてる時はホルガが慰めるといった関係性で、そのおかげもあってキーラは彼女をお母さん代わりとして見ている様子も見え、この関係性がラストで涙を誘うのであります。

 

本作で一番アクションを見せてくれるのがこのホルガであり、フォージに牢屋にぶち込まれた際処刑を受けるシーンでは、兵士に「その斧いいね、どこ製?」と時間稼ぎをしながら石畳の床を剥がし、いざ処刑となったら一気に反撃するアクティブな動きを披露。

横でせっせと縄を外そうとしているエドガンなどほったらかしで、無双状態と化したホルガのアクションを堪能できます。

 

 

そして魔法使いのサイモン。

パーティーの中ではナヨナヨしたビビリ的キャラとして頼りない感じ。

聖騎士ゼンクの案内で魔法返しの兜を探しにダンジョンに向かう中、仕掛けを施した橋を渡る前に攻略法を説明しているゼンクの話も聞かずにトラップを踏んでしまうヘタレっぷりを見せてしまったり、エドガンたちと久々の再会でのシーンではマジックと称した魔法を披露しながら客の金品を頂戴するコソ泥をやっており、エドガンとの再会に喜んだはずみでそれがバレてしまい、魔法で危機を回避しようと壁を作るも、無重力状態を作ってしまう、実力があるんだかないんだかなキャラとして、少々混乱をもたらしていました。

 

しかしながら、トラップを踏んでしまった橋のシーンでは、たまたまホルガが持っていた杖が空間をワープできる杖であることを見出し、危機を回避するきっかけを作ったり、本来持つ力を発揮するために自分自身を乗り越えるメンタルを身に付けることでヘタレ感を一掃。

クライマックスでのソフィーナとのバトルでは、石の床で大きな手を作り出し激突する成長ぶり。

 

特にこのクライマックスではパーティーの面々が個人の特性を活かしながら戦いつつも、しっかり仲間をカバーする姿を映し出すんですね。

フレキシブルなカメラワークで映像表現したこのバトルは非常に胸躍るシーンのひとつでした。

 

 

最後に人間とモンスターのハーフであるドリック。

彼女は人間の親に捨てられ村の人々に拾ってもらった恩があり、むちゃくちゃな理由で村を滅ぼすフォージのやり方に怒りを持っており、村の民が処刑されそうになったところを自然の力を使って動物に変身し助ける姿を映していました。

 

中でもオウルベアというフクロウと熊が合体した様な動物に変身すると、体格はもちろん腕力や脚力で敵を圧倒する力を持っているパワー系のキャラである一方で、ハエや鹿、ミミズに鳥など様々な虫や動物に変身できることから、情報収集係としても活躍。

 

性格的には少々ツンデレなご様子。

かつてサイモンから求愛された過去があり、弱いという理由で振ったそうなんですが、当の本人は覚えてないというドライな性格。

それでも村に人々がこれ以上辛い目に合わないためにパーティーに加わるという情の深さも持ってたり、急成長を遂げるサイモンに一目置くという一面も持ったキャラであります。

 

 

こうした面々が、エドガンたちのかつての仲間であるフォージの策略にハマってしまい、奪われた娘の奪還と死者を蘇生できる石板を取り戻すために、壮大な冒険の旅に出るという物語であります。

 

フォージから娘と石板を奪うためには、彼の側近であるソフィーナが使う魔術を封じるアイテムが必要であり、魔法返しの兜を探しにダンジョンに向かったり、そこでアクシデントに遭遇したりドラゴンと戦う羽目になったり、レッドウィザードとの死闘を繰り広げたり、お宝が眠る倉庫に潜入したり、フォージが復活させたハイラン・ゲームという巨大な迷路で奔走したりと目まぐるしいミッションの数々を攻略していきます。

 

役割も個性も全く違う彼らですが運命を共にする仲間でもあり、一蓮托生していく姿は正にRPG。

互いが互いを補い合いながら絆を深めていく姿に胸アツですし、共闘するシーンはさらにテンション爆上がりでした。

 

 

最後に

結局キャラを解説しただけの感想になってしまったw

 

悪く言えば無難なアドベンチャーものではありますし、少々ツッコミだったり、もっとこうした方がいいじゃん!という不満もあります。

しかしながら、ここ最近のMCU、特にフェイズ4を始め、娯楽大作が昨今のご時世から妙に多様性故の配慮やメッセージ性を強く秘めた内容になっていて、単純に楽しい!とは思えなくなってきてしまった節があり、本作はそうした部分を敢えて触れずに、痛快娯楽冒険活劇として作り上げたことに感銘を受けたのであります。

 

確かに戦士を女性にしたり、過度な暴力を控えたりといった現代的配慮は成されているモノの、それが妙な説教になってなっていない作りになっていたし、何より本作が伝えたいのは「いくら失敗してもいいけど、失敗して諦めたらそれこそ最大の失敗なんだ!」と一番の負け犬が語ることが最大のメッセージなんじゃないかと。

 

ホントそうなんだよね!とクリス・パインに共感してしまったセリフなんですよね。

今までやってきたことが誰かのためとか言いながら、結局それって自分のためだったんだとしっかり自分を見つめる一方で、仲間が落ち込んでるときや壁にぶつかった時には親身になって寄り添ったり鼓舞したりと、誰かのために買って出るキャラな奴が、そういうことを言えるってどれだけかっこいいんだと。

 

もうね、ただのカードゲームの映画化では済まされない面白さと感動がこの映画にはあったんです。

 

いやぁ配役もばっちりなんだよなぁw

ちょっとチャラいけどしっかりリーダーなクリス・パインに、屈強な強さなのに元旦那へ未練を持ってるミシェル・ロドリゲス、ヘタレ感を顔で魅せるジャスティス・スミスに、ツンデレハーフのソフィア・リリス、そんでもっていかにもペテン師な表情がハマってるヒュー・グラント。

完璧でしょw

 

そんでもって、シークレットキャストにブラッドリー・クーパーがホルガの元旦那役で出演してるのがバカウケw

体の小さい種族っていう役柄なので、ホルガ演じるミシェル・ロドリゲスより小さいだけでおもろいのに、そんなホルガにそっくりな女性と新しい生活を送ってるってどんな見せつけだよw

 

いやホント、昨今のMCUは見習った方がいい。

映画を楽しく見せるってどういうことなのかを本作で考え直してほしい。

笑いの緩急だったリアクションの見せ場だったり、それこそ脚本の構成ね。

回想シーンは大きいのを1回やれば十分なんだよ。

 

是非続編の製作を希望します!!

というわけで以上!あざっしたっ!!

満足度☆☆☆☆☆☆☆★★★7/10