モンキー的映画のススメ

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主に新作映画について個人の感想、意見を述べた文才のない男の自己満ブログ

映画「ゴーストバスターズ/フローズンサマー」感想ネタバレあり解説 こういう娯楽大作が増えてほしい。

ゴーストバスターズ フローズンサマー

80年代を代表する映画「ゴーストバスターズ」。

正直今見るとそこまでの面白さはないんだけど、あの耳に残る主題歌と思い出補正も手伝って、好きな映画になってるんですよね。

 

そうした思い入れもあってなのか、前作「ゴーストバスターズ/アフターライフ」は、作品の外側のドラマ(父親の作品を息子が続編として製作、公開後に親父他界)や、イゴン博士演じたハロルド・ライミスへの哀悼をしっかり盛り込んだこともあって、めっちゃ号泣した記憶があります。

 

亡霊となったイゴンと孫のフィービーが放つプロトンパック砲は、ドラゴンボールのセルゲームでの悟空と悟飯のかめはめ波を彷彿とさせる感動のクライマックスでしたし、何より不仲からの和解をしたビル・マーレイの無言の表情は、色々汲み取ってしまい涙腺決壊でした。

 

そんな「意外と泣けてしまった」ゴーストバスターズの続編。

いよいよニューヨークへと舞台を移し、派手に暴れまわってくれることでしょう。

新旧メンバーががっつり絡むのも楽しみです。

早速観賞してまいりました!!

 

 

作品情報

1984年にアイヴァン・ライトマン監督の手によって製作され、一大旋風を巻き起こした「ゴーストバスターズ」。

いい大人が本気でお化け退治に挑みながらも、少年心をくすぐるコスチュームやガジェット、コメディ俳優らによる絶妙な掛け合い、さらにはノリのいい主題歌など、まだ見たことがない人でも知っているほど人気のコンテンツとなった。

 

それから40年の月日が流れ、息子のジェイソン・ライトマン監督へとバトンタッチされた「ゴーストバスターズ/アフターライフ」は、他界したハロルド・ライミスが演じたイゴン博士の娘家族を中心に物語を構成。

監督自身の思い出を投影したかのような家族の物語は、「JUNO/ジュノ」や「マイレージ・マイライフ」など、それまでミニマムな世界の中で起きた可笑しみやハートフルな部分を緻密に見せてきただけあり、見事な感動をもたらした。

 

旧メンバーも全員集合し、いよいよニューヨークへと舞台を移す「ゴーストバスターズ/フローズンサマー」。

ジェイソン・ライトマンは製作総指揮と脚本に回り、「モンスターハウス」や「ポルターガイスト」などのホラー映画を手掛けてきたギル・キーナンが監督を務める。

 

キャストも前作と変わらず。

アントマン」のポール・ラッド、「ゴーンガール」のキャリー・クーン、「IT ”それ”が見えたら、終わり。」のフィン・ウルフハード、「ギフテッド」のマッケナ・グレイス、「マダム・ウェブ」のセレステ・オコナー、オリジナルメンバーであるダン・エイクロイド、ビル・マーレイ、アーニー・ハドソンアニー・ポッツらも出演する。

新たなキャストとして、「エターナルズ」のクメイル・ナンジアニ、「ヤング≒アダルト」のパットン・オズワルドらが加わる。

 

真夏のNYを氷点下の世界へと一変させる今回のゴーストたち。

果たしてバスターズは、力を合わせて退治できるのか!?

 

 

 

 

あらすじ

 

太陽が降り注ぐ真夏のニューヨーク。

謎の男によって街角のオカルト鑑定店へ持ち込まれた、先祖代々伝わるという骨董品。

ゴースト退治のプロである”ゴーストバスターズ”として活動するスペングラー家は、ゴースト研究所の調査チームと協力し、その正体が全てを一瞬で凍らせる史上最強ゴースト<ガラッカ>を封印する”ゴーストオーブ”であることを突き止める。

しかし、手下のゴーストたちの策略によってガラッカが封印から解き放たれてしまう。

 

氷のパワーでニューヨーク中を襲うガラッカ。

人々が海水浴を楽しむビーチにも、突如として巨大な氷柱が大量出現!

悲鳴を上げながら逃げ惑う人々をよそにその勢いはとどまらず、ニューヨークの街は氷河期さながらの氷の世界に―。

 

果たして、ガラッカの真の目的とは何なのか。

謎の男とは一体何者なのか。

 

そして、ゴーストバスターズはゴーストたちに奪われた夏を取り戻し、ニューヨーク、そして世界を救うことができるのか――。(HPより抜粋)

youtu.be

 

 

 

感想

家族の絆がより深まっていく物語に、ゴーストバスターズ史上最高のディザスター感がマッチした、細かいことは抜きにして楽しめ的ムービー!

以下、ネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

NYにはバスターズがいなくては。

前作からニューヨークへと舞台を移し、スペングラー一家が「ゴーストバスターズ」の意志を継いで活動を始めていく本作。

 

冒頭では龍の姿をしたゴーストを追いかけ回す一行。

バッテリー故障のため冷房の効かない彼らの愛車ECTO-1で、NY中をめちゃめちゃにしながらも、追いかけっこに奮闘していきます。

 

プロトンパックも改良され、ラジコン仕様のものもあればクローンタイプのものもあり、ガジェット周りも非常に楽しいし、何よりスペングラー一家のかけあいが最高。

フィービーが銃座で飛び出せば母は心配し、フィービーの冴えないジョークを兄トレヴァーが苦笑する。そんな子供たちをユーモア交えて盛り上げながら、荒々しい運転を見せる「義父」ゲイリー。

「家族」たらしめつつも「チーム」であることを感じさせる仲睦まじい姿で、オープニングを飾っていく。

 

縦横無尽に駆け回る龍のゴーストとECTO-1の荒々しいドライビングテクニックが、アトラクション感を見事に表現していることから、物語の導入部分としてしっかり心を掴んでくれる素晴らしいオープニング。

 

本作は前作同様「スペングラー一家」にまつわる物語のため、オープニングでの彼らの「結束力」を見せつける意味でも非常に大事な要素となっていて、そのあたりはさすがジェイソン・ライトマンといったところ。

 

そもそもゴーストバスターズはどこの帰還にも属していない、いわば「自警団」的な存在のため、街を履かししようものなら自治体が黙ってない。

そんなバスターズの宿敵となるのが市長になるわけだが、まさか「1」でオリメンらを邪魔した環境保護局のウォルター・ベックが市長に就任していたのは驚き。

 

街を破壊したことで賠償請求されることはもちろん、家族で経営してるのに給料は未払い、尚且つ未成年まで同行しての活動に、様々な違反を言いつけられ、ゴースト退治に生きがいを感じていたフィービーは活動を自粛させられてしまう。

 

そう、導入部で見せた家族の絆は、こうした部分からひびが入ってくるという筋書きだったのだ。

 

その後フィービーは一人夜な夜な外出し、気晴らしに外でストリートチェスを始めると、幽霊がチェスの相手として現れる。

メロディと名乗るフィービーと同い年くらいの少女は、火事で家全焼し亡くなった亡霊だった。

この世に未練があるうちはあの世に浄化せず、彷徨う魂としてこの世で行き場のない日々を過ごしているのだ。

 

全く驚かないフィービーと意気投合したメロディは、チェスでフィービーに勝利し姿を消すが、その後も彼女の前に頻繁に現れ、バスターズとして活動できない愚痴の相手となっていく。

実はそれこそが騒動の発端になるとは、フィービーはまだ知る由もなかった。

 

 

一方オリメンたちはというと、バスターズの後方支援をしながらも余生を思うままに過ごしていた。

実業家となったウィンストンは、NYのバスターズ本部を支援しながら、極秘で新たなゴーストバスターズの地下研究室を作っていた。

そこではトレヴァーの友人ラッキーがインターンとして属しており、イオン隔離装置を使って呪物から魂を取り除く作業をしていたり、凶暴なゴーストや希少なゴーストを研究対象として管理していた。

 

レイモンドは相変わらず骨とう品やを営みながら、独自で超常現象や研究を続ける傍ら、前作で登場したフィービーの友人ポッドキャストと共に「YouTube」の動画撮影をしていた。

 

ピーターも心理学の専門家として現役続行しており、劇中では本作のキーパーソンとなるナディームの心理分析を担っておりました(たいしたことしてないけどw)。

 

 

さてさて予告で描かれた「都市、氷結」の謎ですが、正に先ほどキーパーソンとなるナディームが持ち込んだ、とある「玉」が原因です。

祖母の部屋から見つかった「わけわからん玉」を50ドルで買ってほしいと、レイの店にやってくるのです。

レイモンドのアイテムであるPKEメーターで、玉の中に霊が潜んでないか計測すると、店全体どころか、離れた場所にあるゴーストバスターズ本部まで揺れ出すほどの強力な力を持っていることが判明。

 

ウィンストンのいる支部に持ち込んで、イオン隔離装置を使って切り離すことを試みます。

玉には象形文字のような文字が散りばめられており、レイだけでは解読できないことから、市立図書館で働くヒューバート博士に依頼することに。

 

するとこの玉には「ガラッカ」という邪神が封印されており、かつてファイヤーマスターがその玉に封印し、ガラッカの頭部についている二本の角も代々守ってきていたことが判明します。

玉の持ち主であるナディームは、正にファイアーマスターの血を引いた子孫だったのです。

 

しかし、ガラッカは、フィービーの前に現れたメロディを使って現代に蘇ろうと画策します。

玉から出るには呪文を生きている人間の口から唱えなくてはならず、活動を自粛され凹んでいるフィービーを騙して、ウィンストンの研究所へ誘導します。

もっと近づくためには幽体離脱すればいい、そんな浅はかな考えでフィービーはイオン隔離装置を使って自身のの躯体と魂を2分間だけ分離しようと試みます。

 

これでメロディともっと深くなれる、そう心を躍らせたフィービーでしたが、メロディは「ごめんね」と一言呟いた瞬間、ガラッカが幽体のフィービーをコントロールし、呪文を唱えるのでした。

 

こうしてガラッカは蘇生し、常夏のNY全体を一瞬にして氷漬けにしてしまうのでした。

 

果たして半ばバラバラ状態のバスターズは、この氷の邪神を再び封印することができるのか!

 

・・・というのがザックリしたあらすじでございます。

 

頑張れソニピク。

ソニー・コロンビアピクチャーズは100周年を迎えたそうで、今後も益々の発展を期待している身なのですが、どうもラインナップを見るに「これで100周年やるの?」という感じなんですね。

 

というのも2024年は「マダム・ウェブ」で始まり、本作、バッドボーイズの新作、そして北米では大ヒットとなったグレン・パウエルと個人的激推しの女優シドニー・スウィーニー主演のロマコメが控えるという流れ。

 

何というか、古いんですw

マダム・ウェブに関しても「20年前のハリウッド映画みたいでいいじゃん」という擁護派と「ゴミ映画」などと吐き捨てる否定派がくっきりと分かれるような評価でしたし、バッドボーイズに異性愛なロマコメと、どこか前時代的な雰囲気のラインナップなんです。

 

もちろん見てみたいと何ともですが、マダム・ウェブと本作で共通するのは「大作なんてこんなのでいいじゃん」という、ものすごく肩の力が抜けた内容なんですよね。

 

本作に限って言うと、先ほども書いた通り「家族の絆を深める物語」と書いたものの、フォーカスされるのは自粛を促されて凹み拗ねるフィービー、そして義父として優しく励ますも「父」の役割として中々一歩踏み込めないでいるゲイリーなんですよね。

2人が相互理解を深めて、もう一度バスターズとして家族一同戦うぞ!という流れになるのがセオリーですが、正直過程としては大したことなくひとつになりますw

 

イゴンの血を受け継ぎ物理学を愛するフィービーこそバスターズの中心メンバーであり、彼女が抜ければバスターズとしての力は損なわれるばかり。

だからこそ彼女には一員として活躍してほしいモノの、まだ未成年という大きな壁が立ちはだかる。

その壁をどう壊すかがフィービーとゲイリーの役目なのですが、結果としては大ピンチになったからこの際もう戦うしかないという「仕方なく」な流れなんですね。

 

普段ならこういうツッコミは容赦しないんですけど、そこは「ゴーストバスターズ」なんですよねw

初期の頃だって正直無茶苦茶なオカルトコメディだったわけでしたから、今更そういうこと言うのは野暮だよとw

尚且つ「こういうのでいいんだよ」的な深く考える必要のない内容でもありますから、親子の過程に一切不満はありませんw

 

そもそも幽体離脱だっておかしな構造ですからw

 

 

また、昨今のリメイクブームにあやかっての本シリーズ。

やっぱりオリメンが一堂に会するだけで画になります。

最初こそ一人ずつだったりの登場ですが、本部にピーターが遅れてやってきた瞬間は感動モノです。

既にコスチュームに着替え、ブレーカーに隠してあったウィスキーを飲んで「さぁやってやろうぜ」と掛け声するピーターに、一同がほほ笑む。

もおうそれだけで「ゴーストバスターズだーーー!!!」と歓喜です。

 

ぶっちゃけ集まったところでおじいちゃんですし、大した行動をできてないんですけど、新旧バスターズがガラッカ相手にプロトンパックを背負ってビームを発射するだけで、最高です。

 

また本作では過去作へのオマージュも散りばめられていましたね。

図書館でガラッカの呪文を盗んだぽぜっさ―というゴーストが、色んな物体に入り込みながら逃亡し、それを追いかける一行を映したシーンの中で、一人遅れて追いかけるレイが、本棚を覗くとそこにお婆ちゃんの幽霊が襲ってくるというもの。

1のオープニングで起きたシーンと全く一緒ですよね。

 

他にもピーターがナディームを診断するシーンも、ESPカードではなかったものの、彼の診断自体がもはやオマージュw

大体適当な診断なのに、今回はナディームにペンを投げて怒らせる度に後ろの激しく動くアルコールランプを見つけるという大手柄を成し遂げるピーターw

 

トレヴァーの部屋の天井からこぼれるスライム状の液体の出所を探すため屋根裏部屋に行くと、懐かしのスライマーが登場したり、前作でグロテスクな行動がさらにかわいさを増したミニマシュマロマンも増殖。

今回もポッドキャストにぺしゃんこにされたり、腕をグルグル回して引きちぎったり、シガーライターを顔に当てて丸コゲになったりと、グロカワな側面を担っておりました。

エンドクレジットシーンではトラックを盗んで運転していましたが、更なる場所で活動を広げるのでしょうか・・・・。

 

 

最後に

正直言えば中身はない。けれどもファンへの愛が詰まった作品だったことは変わりありません。

だって春休みに上映するのに、フローズンサマーですよ?

原題はフローズンエンパイアなのにw

もう中身ないだろw

 

個人的には、アニメ映画ばかりが席巻する日本の映画市場を、再びハリウッド映画が盛り返すような「単純に楽しめるビッグバジェット」がもっと増えてほしいと願っている身分。

だから前作を見てなかったとしても楽しめるわかりやすい内容、さらには過去作のリメイクを親子で楽しめるような作品がヒットしてほしいなと思っております。

 

きっと天国にいるジェイソン・ライトマンの父アイヴァンも今回の内容は喜んでくれることでしょう。

 

もし次回作をやるなら、是非シガニー・ウィーバーの再登場と、トレヴァーの活躍も見せてほしいですね。彼、今回は大して見せ場なかったので…。

というわけで以上!あざっしたっ!!

満足度☆☆☆☆☆★★★★★5/10