グランド・イリュージョン/ダイヤモンド・ミッション

イリュージョニスト集団の華麗なる技に誰もがダマされていく痛快サスペンスアクション「グランドイリュージョン」。
観衆の前でマジックを駆使して堂々と金を盗む犯罪集団「フォー・ホースメン」の華麗な手さばきと彼らの真の目的、FBIや大富豪らを交えた壮絶な騙しあいを繰り広げた1作目、新たなメンバーを加えた彼らの背景が、物語にシリーズならではの深みを与え、前作以上のアクションでより視覚的パフォーマンスで楽しませていく2作目と、回を増すごとにパワーアップした「グランドイリュージョン」シリーズ。
大胆不敵なイリュージョンに目を奪われる本シリーズ。確かに「うぉ~~すげえ見事に騙された!!」と感じる人もいれば、いやいやどう考えても「後だしジャンケン」ばっかの「なんでもあり」なやつじゃん…と嘆く人もいるなど、まじめに見なけりゃ普通に楽しいのがこのシリーズの楽しみ方なのかもしれません。
1作目で黒幕だった奴が2作目で手助けしたり、1作目で糸をひいてた奴が2作目でめんどくさい奴になってたりと、なにかとごちゃごちゃした展開が多いので話を追うのが結構大変なイメージなんですが、その辺を頑張って解説しながら感想を語りたいなと思っておりますw
というわけで早速鑑賞してまいりました!!
作品情報
イリュージョンを駆使して犯罪組織の不正な金を奪い、世間に還元する4人のスーパーイリュージョニスト集団“フォー・ホースメン”が巨大な陰謀や犯罪組織に立ち向かう映画『グランド・イリュージョン』シリーズの第3作。
第1作目は「トランスポーター」のレイ・ルテリエ、2作目は「ウィキッド」シリーズのジョン・M・チュウが担当したこのシリーズの監督を、今回は「ゾンビランド」シリーズでおなじみルーベン・フライシャーが務める。
前作から10年後を舞台に、再び姿を現した「フォー・ホースメン」がZ世代のマジシャンらを引き連れて、ダイヤモンドビジネスを展開する大企業の悪事を暴きながら、お宝を華麗に盗んでいく強奪劇を、世代間ギャップでぶつかり合いながらもきずなを深めていくチームワーク、そしてそんな彼らがシリーズ史上最大のマジックに挑み、観衆を見事に欺いていく。
主演のジェシー・アイゼンバーグやウディ・ハレルソンが出演した「ゾンビランド」で仕事を経験したルーベン・フライシャー。
3作目となり更なる期待がかかる本作の監督に抜擢された彼は、実はかなりの「マジックオタク」だそう。
今回ハート型のダイヤを奪うために用意した大掛かりなイリュージョンを、「プロのマジシャンが納得するような映画にしたい」理由から、マジックの聖地”として知られる「マジックキャッスル」のプロマジシャンたちを招集、脚本段階から監修として参加してもらい、彼らの指導の下キャストやスタッフが特訓や準備に時間を割き、あくまで「実現可能」なイリュージョンとして映像に落とし込んだとのこと。
そんな今まで以上に苦労を重ねたであろうキャストをご紹介。
オールマイティな天才イリュージョニストでリーダーのダニエル・アトラス役を、「リアル・ペイン~心の旅~」のジェシー・アイゼンバーグ、人の心を操るメンタリストのメリット役を「逆転のトライアングル」のウディ・ハレルソン、脱出マジックを得意とし、育児休業から復帰したヘンリー役を「お買い物上手な私」のアイラ・フィッシャー、カードマジックの達人で身のこなしが軽いジャック役を「トゥギャザー」のデイヴ・フランコといった、おなじみのメンバーが集結。
そして新たに、声と人格を操る元役者ボスコ役を「ホールドオーバーズ/置いてけぼりのホリディ」のドミニク・セッサ、スリやピッキングが得意で高い身体能力を持つジューン役を、「ボーダーランズ」のアリアナ・グリーンウッド、豊富な知識でチームのブレーンを担うマジックオタクのチャーリー役を、「ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り」のジャスティス・スミスが「ニュー・ホースメン」として登場する。
また、彼らの前に冷酷な女社長ヴェロニカ・ヴァンダーバーグ役を「ゴーンガール」「パーフェクト・ケア」のロザムンド・パイクが演じ、シリーズ1作目から登場し、本作では彼らを導く存在となる秘密結社「アイ」のグランドマスターとなったサディアス役を、「ショーシャンクの空に」「ダークナイト」シリーズの名優モーガン・フリーマンが続投する。
次世代のマジシャンを引き連れ再び姿を見せた彼らが、犯罪組織だけでなく観客をも見事に欺いていく。
あらすじ
スーパーイリュージョニスト集団“フォー・ホースメン”に与えられたミッションは、犯罪に手を染めるヴァンダーバーグ社が所有する史上最高価値の“ハート”ダイヤを盗み、腐敗を暴くこと。
かつてないスケールの強奪計画に新世代のマジシャンも加わり、ニューヨーク、南アフリカ、アントワープ、フランス、アブダビ――世界を舞台に仕掛ける史上最大の強奪劇が繰り広げられる。
観客の度肝を抜くイリュージョンの先に待ち受ける結末とは……⁉(公式より抜粋)
感想
#グランドイリュージョン ダイヤモンドミッション鑑賞。
— モンキー🐵@「モンキー的映画のススメ」の人 (@monkey1119) May 8, 2026
新キャラが3人も増えてまとまるのか不安だったけど、各々に見せ場が用意されてるし、前作のややこしさが消え手堅い構成になってるので普通に面白い。
古典的なミスディレクションがテーマになってるのも要因なのかも。 pic.twitter.com/eB2lFYkgs7
あれから10年!?
新旧ホースメンがダイヤを奪うために団結していく3作目。
団結具合が甘い気はするが、これだけの人数を上手くさばいた構成は見事。
マジックもよかった。
以下、ネタバレします。
ニュー・ホースメンすご!
NY、ブッシュウィック州。
暗号が解けた人だけ会える「10年ぶりのホースメン」のマジックショー。
あらかじめ配っていたカードの中からボスコという青年をステージに挙げるフォースメン。
メリットの催眠術で眠った彼の中に、フォースメンが吸い寄せられていく。
彼の体に入って4人の特技を披露するボスコは、このショーを暴く気で参加した暗号資産マニアの男のスマホを盗み、詐欺で手に入れた多額の金をギャラリーに分配。
すぐさま警察が駆けつける所で、フォースメンはドロン。
金を盗まれた男は、このショーが、スマホから投影された映像だったことを知り愕然とするのだった。
冒頭、フォースメンの割にはやけにこじんまりしたショーだな、彼らのショーはもっと大胆でゴージャスでフィールド全体を使ったもっと派手なものだったはず。
ボスコがステージに上がった段階で自分は「仕込み」だと思っていたが、なんと若者3人だけで仕込んだショーだったとはと驚きを隠せなかった。
というわけで今回はこんなフォースメンに憧れマジックに没頭する3人と、あるミッションで仲たがいしてしまったフォースメンの面々が中を取り戻していく絆の物語でもありました。
詳しい部分はあとで書きますが、正直キャラが増えたことで交通整理がちゃんとできてるのか心配でした。
1作目はまだよかったものの、2作目は1作目で敵だった男が味方だったりしたし、何より話がややこしかった。
で3作目に新しいキャラを3人も増やしてどうすんの!?と。
結果、全然大丈夫でしたw
普通キャラが増えるとそのキャラのために時間を割かなくてはいけなくなる。
そうすると尺が増える。
1人ずつ丁寧に描こうものなら見てる側に飽きがくる。
すると「つまらないなぁ」という想いが芽生え始める。
それをどう解消したのか。
僕が思うに、個別の行動を一切なくして団体行動を多く見せたのが良かったのではないかと。
若手3人にまずアトラスが加わる。
最初のミッションで、ジャック、メリット、そして1以来のヘンリーが順番ずつ登場し再会を果たす。
全員でうまく逃げたあとは、いきなり二手に分かれず、フランスの古城へ向かい、さディアスと再会。
基本これを見る人は全2作を見てる人だろうから、まず旧メンバーに自己紹介がいらない。
新入りの背景もアトラスによって簡潔に説明されるので、とにかくスムーズなんですよね。
古城に入った後も、新旧メンバーが互いにペアを組んで屋敷を散策、ここでも互いが会話をして距離を詰めていくけどダラダラ語らず、その後の伏線になるような要点だけで済ます。
後半に入っても、捕らえられた者と逃げられた者とで別れるが、逃げた者たちが救いに行くのでなく、さらに新たなキャラであるルーラをここで登場させる、ある種サプライズ的な見せ方で観衆に切れかけた集中力を取りもどす作戦に成功している気がします。
8人になるといよいよクライマックスまでどう展開するかの準備段階に突入。
今だ捕らわれたままのメリットを救うためダイヤを返し、さらにヴェロニカがひた隠していたことを公に晒すために動くんですが、ここでも二手までに留まる視点の少なさがややこしさを軽減させていて良かったと思います。
アトラスやメリット、ヘンリージャックにルーラと既存の特技は過去作を見てる人なら周知なので今更何度もフォーカスする必要はない。
その分の尺を新人3人にあてているのも本作の特徴かなと思います。
ドミニク・セッサ演じるボスコは、ジュリアードを中退してしまったもののお芝居に長けた人物という設定で、カメラマンに成りすましたりエコテロリストとして場を荒らすなど、基本的なマジックの腕もあるんだけどそっちで目立たせる雰囲気がありましたね。
F1マシンで暴走して逮捕された後の車内での格闘は良い見せ場だったと思います。
そしてジューンは、冒頭から何人ものスマホをスリしたかと思えば、後半でもスタッフIDをキレイに拝借する腕が見ていて気持ちいい。
さらに彼女は小柄な体格を活かしたパルクール的アクションで活躍。
そう、これまでホースメンて肉弾戦はいくつかあったんだけど、身体的能力や格闘センスは別に秀でてなかった。
それを彼女が一手に引き受けて披露するので、非常に目立つシーンだったと思います。
そして最後、チャーリーは誰よりもマジックに対する知識が豊富。
あらゆるマジックとトリックが施された古城ではその知識を駆使して一瞬で謎を解く姿を披露。
裏方が好きだと自称する彼ならではのマジックプランも、上手く伝わってないのが勿体ないほど。
そもそも冒頭のマジックショーも彼がデザインしたものだってのは理解できるけど、彼がどうやって準備したかが映ってないので、凄さが伝わってこないのが悔しい。
作り手もそう思ったのか、彼にはとっておきのサプライズを用意してるので、それが一番の見せ場となったのではないでしょうか。
トリックアート目白押し。
今回「思い込み」を上手く利用してヴェロニカを欺くところが痛快だったわけですが、思い込みという点においては、キャラたちの関係にも現れていたのが本作の特徴の一つだったのではないでしょうか。
例えば、今回フォースメンは10年ぶりの再会を果たすわけですが、実は険悪なムードだったことが明かされます。
それは前回のミッションで大きなミスを犯し、中まであったディランが捕まってしまいロシアの刑務所から出られない状態だということ。
それぞれが責任を感じ罪悪感にかられ会うのを避けていたらしく、今までになかった展開が用意されてました。
また前作でルーラと恋仲になったジャックも捨てられてパリに引っ越したことが明かされるなど、とにかく会うのが嫌だった様子が映し出されています。
しかし「アイ」からの指令となれば動かないわけにはいかない。
そうして集まった彼らは、最後の最後で「アイから指令が来た」という思い込みによって動いていたことがわかるわけです。
ジャックもルーラから捨てられたものと「思い込んで」いましたが、再会を果たすや否や、それは誤解だったことが明かされ、ここでも「思い込み」が二人の距離を生んでしまっていたことが明るみになります。
このような「思い込み」が描かれている中、視覚的または知覚的な「思い込み」によるマジックが多々あったのも本作の特徴。
特にそれが色濃く出ていたのがフランスの古城。
まず大きな玄関から複雑な扉になっていて、ただ押すだけじゃ開かない特殊な扉になっていたんですね。
ジューンが見事にカラクリを解いて扉を開けるのに成功しますが、居間に向かうまでも謎が多く、丸いものと四角いモノを適した箱に移し替えると、本棚の本が無造作に倒れる、1と8と5と4が示すものをチャーリーが瞬時に解いて、その年号に起きたことが書かれた本を抜くと、ようやく居間に入ることができるという、中々厄介な仕掛けが描かれていました。
他にも「上が下」と化した天地がひっくり返った通路、左に行くと小さくなり右に行くと大きくなるトリックアート的空間、ブルース・リーの「燃えよドラゴン」よろしく鏡張りの部屋、そしてエッシャーの階段のような白を基調とした空間もあったりと、インセプションでやったやつや~~んとツッコみたくなるけどこっちの方が実用的!と思った設備が登場してましたね。
これもただ見せるだけではなく彼らが一度下見をしたのち、警察と格闘するフィールドとしてもう一度登場するのも面白かったと思います。
騙し絵で戦うって映画であんまりなかったような気もするし。
そして最大の思い込みはラストに用意されてました。
なんと、チャーリーはヴェロニカの弟だったという。
彼は孤児院で過ごしてきたからあまり情報がなかったとアトラスが序盤の段階で語っていましたが、その要因がここですべて明るみになるのです。
ナチスと関係のあった父から事業を受け継いだヴェロニカは、親子2代でダイヤを使って資金洗浄するあくどい商売をする企業。
だからこそ正義の鉄槌が必要だということでハートのダイヤを盗むわけですが、実はこれが「アイからの指令」ではなかったことが最後に明かされるんですね。
実はヴェロニカの父は家政婦と不倫をしており、それを知った母は15年前に自殺、その復讐にとヴェロニカが家政婦の運転する車に細工して殺害したと。
その不倫相手の息子がチャーリーであり、身寄りのない彼は孤児院で過ごしていたことが彼の口から明かされます。
今回のミッションは、私利私欲のために金を稼ぐ極悪人ヴェロニカに復讐するため、フォースメンを足で探し様子を伺いながらタロットカードを送ることで「アイからの指令」だと思い込ませること、さらにフランスの古城で発見されたヴェロニカの記事も彼の仕業で、チャーリーは裏方にもかかわらず、最後おいしい所を全部持っていく本作の重要なキャラクターでした。
これには誰もが騙されたろうし、納得の締め方とも思える内容だったと思います。
トリックルームや騙し絵がふんだんに利用された本作は、それを「古典的」なモノとして描写しますが、「思い込み」こそマジックの中で一番重要且つ騙しやすい術であることが伝わった映画だったのではないでしょうか。
奇術の歴史なんて全く知らないけれど、弾丸を歯でキャッチするマジックも古典的なマジックなんでしょう。
最後に
イリュージョンにおいて一番言っちゃいけないのは、本シリーズのように大胆なマジックには全て「準備が必要」であることはお分かりかと思います。
ニューホースメンを引き連れて南アフリカのヴェロニカのオークションに行った際、旧メンバーとしれっと再会してますが、屋上から逃げる時にヘリコプターが用意されてましたけど、あれ実はただの板でそれっぽく見せるために後ろにライトと扇風機を用意して、あたかもヘリコプターに乗ったかのように見せると。
い~やその用意するのにどれだけ時間かかったの!?と。
あんなオークション会場でどうやってヘリコプターを象った板を搬入して、ライトも扇風機も配置したのよ。
そんなことコソコソやってたら警備にバレるだろうが。
・・・というツッコミを一切言ってはいけないのがこの「グランドイリュージョン」シリーズです。
どう考えても4人、または5人でできるとは思えません。そうとうの裏方がいないと準備できないし黒子がいないと作動しない箇所もあるはずです。
福山雅治が主演した「ブラック・ショーマン」では、そうした裏での作業をしてる様が浮かんでしまったために低評価を付けてしまいましたが、なぜかこっちはそんな「裏での作業」ってのが浮かばないんですよね~。
それだけ私たちを惹きつけてる、物語に集中させてる吸引力みたいなものがあるのかもしれません。
そういえば、今回久々に登場したヘンリー、サディアスと普通に再会を喜んでたけど、あれは色々なことがあったのを知っていたってことでいいのかな?
ま、いいや。
最後にはディランもカメオ出演してくれたので、次回は9人でもっと大胆で彼に欺くマジックに期待したいと思います。
でも10年はスパン明けすぎですってw
というわけで以上!あざっしたっ!!
満足度☆☆☆☆☆☆★★★★6/10

