モンキー的映画のススメ

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主に新作映画について個人の感想、意見を述べた文才のない男の自己満ブログ

映画「DUNE/デューン砂の惑星PART2」感想ネタバレあり解説 続編もありそうな前作以上の映像体験。

デューン2/DUNE 砂の惑星 PART2

DUNE砂の惑星を楽しむためにリンチ版とホドロフスキーのドキュメンタリーを見た結果、ドゥニドゥニことドゥニ・ヴィルヌーブ監督よりもリンチ版の方が面白かったと感じてしまったモンキーです。

 

メッセージブレラン2049も好きな方ですが、物語を前後編に分けるほど「長尺」にする必要が果たしてあったのだろうか…・と非常に疑問を抱いた前作

砂がきれい…音がでかい…といった抽象的な感想しか出てこなかったアレの続きがいよいよ幕を開けるわけですが、今回も前作みたいな「ナイフエッジデスマッチ」で終わらせたらオレ激オコですからねw

 

とまぁちょっとふざけてみましたが、物語を描くことよりも原作を忠実に可視化することに力を入れた感じのある作品なんですかね、このDUNEは。

だから原作未読の俺としては「リンチはしっかりまとめたのに、こっちはなぜに…」みたいな印象を受けてしまいました。

 

今回は最終決戦を描くということで、より白熱したバトルが描かれることでしょう。

そう、合戦がどんなものになってるのかが一番の楽しみ。

早速観賞してまいりました!!

 

 

作品情報

宮崎駿の『風の谷のナウシカ』やジョージ・ルーカスの『スター・ウォーズ』シリーズにも大きな影響を与えたという、フランク・ハーバードの小説『デューン 砂の惑星』。

これまでデヴィッド・リンチアレハンドロ・ホドロフスキーなどが実写映画化に挑んだが、あまりの物語の複雑さや重厚さがネックとなり、成功とはいえない状態が続いた。

 

それを、「メッセージ」で念願のSF映画を手掛けたのち、SF映画の金字塔「ブレードランナー」の正当な続編を、興行批評療法で成功に導いたドゥニ・ヴィルヌーブ監督の手によって再び実写映画化。

前作「DUNE/砂の惑星」が成功しなければ続編製作は困難とされたが、ふたを開けてみれば大絶賛と世界的大ヒット。

見事に続編へと舵を切ることに成功した。

 

そんな『デューン 砂の惑星PART2』は、前作で窮地に立たされた主人公ポールが、砂漠の民に迎え入れられたラストから物語は始まり、巨大砂虫サンドワームが支配する過酷な惑星での政治・陰謀・裏切り……父親を殺され、全てを失った砂漠の王子・ポールの運命の恋と復讐、そして、宇宙の命運を賭けた最終決戦へと進んでいく。

 

本作の監督もドゥニ・ヴィルヌーブが続投。

飛び交う戦闘機や銃爆撃、戦場に襲い掛かる巨大なサンドワームの群れ、その背に乗って敵地へ突撃する砂漠の民たちの姿など迫力あるシーン、また、何か大きな力に目覚めようとしているポールの姿やその他のキャラとの掛け合いなど、全編IMAXカメラで撮影し、小説の世界を見事に映像化させた。

 

キャストは前作と変わらず、「ウォンカとチョコレート工場のはじまり」のティモシー・シャラメ、「スパイダーマン」シリーズのゼンデイヤ、「ミッション・インポッシブル/レッド・デコニング」のレベッカ・ファーガソン、「マンマ・ミーア」シリーズのステラン・スカルスガルド、「ボーダーライン」シリーズのジョシュ・ブローリン、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」シリーズのデイヴ・バウティスタなどが続投。

新たなキャストとして、「ミッドサマー」のフローレンス・ピュー、「007ノー・タイム・トゥ・ダイ」のレア・セドゥ、そして「エルヴィス」で伝説のミュージシャンを熱演して話題を呼んだオースティン・バトラー、さらには「フュリオサ」の公開が控えるアニャ・テイラー=ジョイが謎の女性役で出演。

現時点で最高のオールスターキャストが出そろった。

 

前作以上に「没入体験」のできるSF巨編の続編。

果たしてポールはハルコンネン家の陰謀から故郷を奪取できるのか。

 

 

 

DUNE/デューン 砂の惑星(字幕版)

DUNE/デューン 砂の惑星(字幕版)

  • ティモシー・シャラメ
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あらすじ

 

砂の惑星デューンをめぐるアトレイデス家とハルコンネン家の壮絶な宇宙戦争が勃発!

 

ハルコンネン家の策略により、アトレイデス家は全滅。

しかし、最愛の父とすべてを失うも、後継者ポール(ティモシー・シャラメ)は生きていた。

 

ポールを愛する砂漠の民チャニ(ゼンデイヤ)と心を通わせ、その絆は、彼を救世主としての運命に導いていく。

 

一方で、ハルコンネン家は宇宙を統べる皇帝と連携し、その力を増していく。

そして、復讐の時—

 

未来の希望を取り戻すため、ポールたちの全宇宙を巻き込む最終決戦が始まる。(HPより抜粋)

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キャラクター紹介

  • ポール・アトレイデス(ティモシー・シャラメ)…敵に陰謀により滅んだアトレイデス家の後継者で唯一の生き残り。未来が視える特殊な能力を持つ。砂漠の民にかくまわれながら、自身の運命と向き合い、宿敵ハルコンネン家への復讐のために反撃に出る。
  • チャニ(ゼンデイヤ)…ポールが繰り返し夢に見ていた砂漠の民の戦士。ポールを理解し、やがて互いに惹かれあい恋に落ちる。

 

  • レディ・ジェシカ(レベッカ・ファーガソン)…ポールの母。声で他人を操るなど特殊な力を持つ女性だけの組織「ベネ・ゲセリット」の一員。政治的な駆け引きが巧みで、救世主となるようポールを説得するが、お互いの目指す未来にズレが生じている。おなかに娘を宿している。
  • スティルガー(ハビエル・バルデム)…砂漠の民のリーダー。ポールを救世主と信じ、砂漠で生きるための勇気と知恵を教える。
  • ガーニイ・ハレック(ジョシュ・ブローリン)…アトレイデス家の軍司令官で、ポールの師。ハルコンネン家に殺されたかと思っていたが、生存。

 

  • ハルコンネン男爵(ステラン・スカルスガルド)…宇宙公邸により砂の惑星の統治を任されたハルコンンネン家の領主であり、アトレイデス家を全滅させたポールの宿敵。
  • ラッバーン・ハルコンネン(デイヴ・バウティスタ)…ハルコンンネン男爵に従う甥。目的のためなら手段を択ばず、砂漠の民たちを滅ぼすために執拗に追い続ける。
  • フェイド=ラウサ・ハルコンネン(オースティン・バトラー)…ラッバーンの弟でありハルコンネン家の跡取り。非道で残忍な性格の持ち主で、ポールの命を狙う。

 

  • 皇女イルーラン(フローレンス・ピュー)…皇帝の娘。父の傍らで全宇宙を巻き込んだ決戦が起こることを憂いている。
  • レディ・フェンリング(レア・セドゥ)…皇帝側に仕える謎の女性。フェイド=ラウサに興味を持っている。
  • 皇帝シャッダム4世(クリストファー・ウォーケン)…宇宙帝国の支配者の立場でありながら、ハルコンネン男爵と共謀し、アトレイデス家を全滅させた。砂の惑星の動向を静かに見つめている。

(以上HPより)

 

 

 

 

 

 

 

前作で夢に出てきた無双状態のポール(金色の鎧着たヤツ)、あれをチャニがやるのか、夢のまま描くのか、そういう細かいところも楽しみですね。

ここから観賞後の感想です!!

 

感想

ついに覚醒したポールの恋と救世主としての使命を描いたSF巨編。

前作よりも見せ場やバトルシーンが多く、圧倒的にスペクタクル感のある娯楽作になったけど、や~っぱり俺この映画は好みじゃない。

以下、ネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

ざっくりあらすじ

砂漠の民フレメンと行動することになったポールと母ジェシカ。

ハルコンネン家による捜索を免れながら、ポールたちはフレメンの慣習を学び、徐々に「救世主」としての片鱗を覗かせていく。

そんなポールのために母ジェシカは、息子を救世主とするべく自身が「教母」になる決心をし、精神的苦痛に耐えながらも、自身の特殊能力を巧みに操り、よそ者扱いするフレメンたちの心を掌握していく。

 

最初こそフレメンの同志を決闘で倒したことで煙たがられていたが、砂漠でのテント生活、素獏の歩き方、砂虫の乗りこなし方などの修行と鍛錬、そして自身を「救世主」だと信じるフレメンの長スティンガーの後押しもあり、皆から慕われていくポール。

 

そんな彼の姿をフラットな視点で見つめながらも惹かれていくチャニ。

やがて二人は恋仲として愛を育んでくことに。

 

一方なかなかアラキスの統治や香料の確保、そして先住民らの一層に手を焼くハルコンネン家。

特にラッバーンは男爵からしりに火をつけられ焦っていた。

がむしゃらに捜索をするも、全てフレメンが一歩先を行く作戦を企てていたせいで、なかなか結果を出せずにいた。

 

そんな中、男爵はラッバーンの弟であるフェイド=ラウサを惑星アラキスの統治役に任命。

コロシアムでのアトレイデス家の生き残りとの戦いでは、男爵の策略であることを理解しながらも、シールドなしで圧倒的な力を見せ勝利を収めるなど、その異常なまで残虐性を男爵も買っていたのだった。

 

惑星アラキスの南側は人が住めるような場所でないことから、誰も生きてはいないとされていたが、そこにはフレメンの先住民が生息。

母ジェシカは、彼らを掌握しポールをフレメンの救世主にするべく南に向かう。

 

フェイド=ラウサの容赦ない攻撃によりフレメンの北野生息地が襲われてしまう。

南に向かえば多くの民が死ぬという予知夢を見たポールだったが、その後の予知夢でチャニの無残な姿を見てしまったことも重なり、意を決して母のいる南に向かう。

 

そこでポールは砂虫から抽出された「命の水」を飲む。

男は決して耐えられないという苦痛に、チャニの協力もあって見事耐えたポールはついに覚醒。

民を一瞬で黙らせるほどの演説と、過去と未来を知る能力を身に付けたことで、ポールはフレメンをひとつにまとめ、ついにハルコンネン家討伐へと向かう。

 

生存していた師・ガーニイも加わり、いよいよフレメンVSハルコンネン家の壮絶な決戦の火ぶたが切って落とされるのだった。

 

・・・というのが、ざっくりしたあらすじです。

 

前作よりマシ。

海外では絶賛評ばかりが届いた前作でしたが、ここ日本ではキレイに賛否の分かれた作品でした。

確かに優れたデザイン性や映像美、重みのある音圧で流れる音楽など、総合芸術である映画の最先端を大きなスクリーンで堪能できたという意味では、大いに評価したいところですが、やはり「映画は物語あってこそ」を信条とする自身としては、前作は山も谷もなく締まりも悪いという三拍子そろった散々な映画だったな…としか言いようがなかったわけです。

 

そんな前作を経ていよいよ公開した続編。

先行上映での絶賛評に感化されることなく、フラットな気持ちで臨みましたが、全体的にはおおむね楽しめたというのが率直な感想。

やはり決め手は合戦シーンやアクションシークエンスなどといった動きのある映像が、定期的に映し出される点でしょうか。

 

前作はかなりの場面が会話ばかりでした。

きっとそれは多くの登場人物をしっかりキャラ付けするために必要な作業だったのだと今思えば感じるんですが、それが逆に退屈にさせてしまったわけです。

ですが、今回は、母と息子、ポールとチャニとの掛け合いを軸にしながらも、そこにしっかりアクションを挿入してくることで、飽きさせない配慮が感じ取れました。

 

隠密行動をとりながら敵の襲来に備えた冒頭のシーンを始め、大きな戦艦で無造作に撃ちまくるラッバーン隊、砂虫を乗りこなすための修行、そしてフェイド=ラウサによる無慈悲な攻撃など、適材適所でこうしたアクションを挟んでくることで、SF巨編に相応しい作品でありながら、娯楽の部分もしっかり用意した作品だったように思えます。

 

また個人的に目を引いたのは、信仰と権力を巧みに使って群れを掌握し統治していく流れ。

ジェシカはポールのために、皇帝はレト侯爵への嫉妬、ハルコンネン男爵は皇帝のためと保身、そして裏で糸を引くベネ・ゲセリットらの思惑など、人間がどのようにして人を信じてしまうのか、たとえそれが見分けのつかない善と悪だとしても正義だと信じる行為など、そのあまりにも単純でありながら陶酔していく過程だったり、政治だったり、陰謀だったりってのが複雑に絡んでいた物語だったように思えます。

 

前作は1対1の対立構造で、片方にはしっかりバックがついていたという構造だったのである種わかりやすい構図でしたが、今回はこうした派閥の目的が多数見え隠れした中での覇権争いが非常に気持ち悪くもあって楽しかったですね。

 

主人公ポールに関しても、徐々に救世主としての頭角を現していくも、自分自身はハルコンネン家への復讐を最終目的に、フレメンからたくさんの学びを得ていく純粋さを持ち、その過程でチャニと念願の恋仲へと発展していく。

しかし予知夢による葛藤や、チャニの哀しい未来、母からの圧力も重なって、自身が歩みたい道とは違う道を選んでいく。

 

そんな中でついに覚醒したことで、民を束ね皇帝やその先の大領家連合までも相手にしていくという、どんどん野望が大きくなっていく姿を拝むことができます。

果たしてその道がアトレイデス家にとってフレメンにとっていいことなのかを定めるのが困難な道へと進んでいくし、それもこれも「楽園への導き」と謳い、民を信じさせる行為がホント気持ち悪いというか。

 

その気持ち悪いな、という感情をチャニを通じて見せてくれるのが良かったですよね。

ラストショットは皆が連合へ戦いに挑もうとする中、一人砂虫を待つチャニの鋭い目つきで幕を閉じるんですが、涙を流すのさえも持ったないほど水分を大切にするフレメンの特性を考えると、あの表情は、どんどん自分から離れていくポールへの怒りと悲しみで満ちていたことでしょう。

 

 

それほど楽しかった点が多く挙げられる中、どうしても変だなと思える点がありました。

それは後半から如実に出てくる編集点のおかしさ。

特に南に向かうポール一行の件は、道中から現地へ到着する辺りが非常におかしいんですよね。

皆一緒に何体かに分かれて砂虫に乗って向かった、しかも横一列で。

でもポールはなぜか一足先に現地に到着し、母に合わずに命の水を飲み干す。

 

ポールが到着したことを知った母は急いで命の水がある場所へ向かうんですが、ポールはすでに飲んでいて気絶。

そこに砂虫に乗って向かっていたはずのチャニが、トンボ型のヘリに乗ってやってくる。

え?どういうこと?となりました。

 

恐らく何かしらカットしたんだろうなと思える編集だったんですよね。

どこかへ向かうシーンはこれ以外にもいくつかカットされていて、次のシーンでは目的地に着いている場面が結構ありましたし、何の脈絡もなく敵を急襲するシーンも挿入してきたりと、突然場面が変わるのが非常に不思議でした。

そもそも160分以上ある長尺ですから、もともとあった部分を泣く泣くカットしての完成だったとは思うんですが、何というか切った箇所があまりにもあからさまで不自然だなと思ってしまいました。

 

また実は生きていたガーニィって、果たして再登場させる必要があったのかという疑問も。

皆が信仰心を強めていくことに大きな疑問を抱き、ポールとジェシカに不信感を露わにするチャニを制止する役目がありましたが、別にガーニィじゃなくてもいいじゃんと。

それ以外で彼が再登場しなくてはならない理由って、僕からすると一つも感じなかったんですよね。

もしかしたらパート3で何かしら見せ場があるのかもしれませんが、この再登場には大いに疑問を感じます。

 

 

最後に

コロシアムでの格闘シーンがモノクロになったり、花火が「メッセージ」のヘプタポッドが吐く墨みたいな花火でおしゃれだなぁ~というビジュアルでしたし、相変わらず砂がキレイ、ちょっと集中力が切れてきたなぁと思ったらハンス・ジマーの音圧で目が覚めたし、ジェシカの胎内にいるポールの妹アリアがどんどん大きくなっていく過程もビジュアルデザイン的にアート性もあって素晴らしかったですね。

 

そういえばアニャ・テイラー=ジョイ演じる謎の女性はどうやらポールの妹アリアだそうで、一瞬ですがポールの予知夢の中で登場しましたね。

ジェシカの胎内にいる子は10数年後あんなに美しくなるのかと。

 

善として見ていたポールが、実はハルコンネン男爵の孫だったことを自身で知って以降、彼の行動力や言動から、善悪の境目が曖昧に思えてしまう姿へと変わっていったわけで、パート3では一体どんな物語になっていくのか全く予想できません。

 

続編はすぐに製作にとりかかることはなく、小規模の作品を1本製作してから着手するらしいです。

よって、続編は下手したら5年後とかになりそうですね。

ファンの人には長い年月になりそうですね。

おれは~とりあえずもっと先でもいいですw

ドゥニドゥニのオリジナルの方がが見たいんだもん!

 

というわけで以上!あざっしたっ!!

満足度☆☆☆☆☆★★★★★5/10