モンキー的2021年映画ベストテン
はじめに
いつも読んでいただきありがとうございます。
管理人のモンキーです。
この記事を持ちまして、当ブログ「モンキー的映画のススメ」は丸7年を迎える形となりました。
長いようで短い7年。
もっと書きたいこと、もっと書けること、書かなくてもいいことなど、毎度毎度反省を繰り返しつつも次に活かせず、ブロガーとして成長できてない私ですw
そんなことを頭の片隅で考えながらも、思ったことを正直に、情熱かつ冷静に、これからも感想を述べていきたいと思います。
さて、今年も恒例の年間ベストを決めました。
満足度の高かった作品、劇場や自宅での鑑賞回数、依存度などなど、あらゆる角度から吟味し、当初の満足度に加点して順番をつけてみました。
要するに好きな映画順ですw
あくまで私自身のベストですので、どうか冷ややかな視線でなく、温かな目で参考程度に覗いてもらえればと思います。
ちなみに2021年上半期ベストはこちら。
2021年鑑賞した新作映画の本数は、124本!!
今年も新型コロナウィルスの影響により多くの新作映画が軒並み公開延期しましたが、下半期からは大作映画もガンガンン公開し、興行を賑わせてくれたこともあり、沢山鑑賞できたと思います。
それでは発表です!!
第10位
あのこは貴族
異なる環境で育った二人の女性を中心に、恋愛や結婚だけではない人生を切り開いていく姿を瑞々しく描く。
渋谷の松濤に住むお嬢様と、地方から出てきたものの「居場所」を見いだせない女性。
階層の違う女性たちが出会い、関わってこなかった「世界」に触れることで「人生」をどう生きていくかを、5章から連なるエピソードで2人の出自と壁と交差を描いた本作。
コンクリートジャングルの冷たさを基調とした色味と「雨」を活かした背景をベースに、対立も分断もせず尊重し合う姿勢と各々が「幸せ」を見出していく姿を、優しく温かい筆致で綴った、非常に好きな部類の物語でございました。
自分より金持ちだろうが貧乏だろうが庶民だろうが上級国民だろうが、そこで生きてる者にしかわからない苦悩がある。
それを共有し尊重することで得る幸福感。
隣の芝が青いからと言って自分の庭の芝が青くなるわけでもない。
だから芝を青く見るのではなく、別の視点で見ると青くなるんじゃない?っていう謎理論をここに置いておきますw
昨今の若手監督に関して、僕は「寄りばっかりで撮るな」とか「輝度とか光度とか考えて撮れ」とか「定点ばっかで撮影するな」みたいな、いかにも「手抜き撮影」な映画に腹が立つことがあるんですけど、岨手監督はしっかり構図を意識してたり、背景や演出にも色んなアイディアを盛り込んでいて、今どきの方にしてはしっかり映画を撮ってるなと感じました。
こういう方がもっと評価されてほしいなという意味も込めて今回ベスト作品に選定させていただきました。
第9位
アメリカン・ユートピア
元トーキング・ヘッズのフロントマン、デヴィッド・バーンが手掛ける圧巻のライブショーの模様を、鬼才スパイク・リーの手によって映画化。
音楽映画にはちとうるさいモンキーですが、2021年の音楽映画はこれ一択でした(他見てないからかもだけどw)。
マーチングバンド形式で様々なフォーメーションを汲みながら演奏するバックバンドの緻密な音の重なりもたまらないし、一見ワイヤレスでの演奏が演出の一環かと思いきや、ちゃんと意味を持たせる説明、多様性に富んだメンバー構成にも意味があり、理想郷だったアメリカが分断によって「家を燃やそう!」とまでなってしまうことに対する言及。
暴力によって命を落とした人を声高に叫ぶ歌からは、もろにスパイクリ―色が強く出たことで少々の難色も感じたりするんだけど、恐らく本作の一番の見せ場でもあるわけでしっかり受け止めました。
ハイライトとしてはジャネール・モネイの曲をカバーするシーンは、これぞスパイク・リーだなと思える演出。
きっとバーンがこの歌を歌ったことが映画化へのきっかけだったんじゃないかなと勝手に思ってます。
第8位
最後の決闘裁判
14世紀の中世ヨーロッパを舞台に、夫の友人に強姦されたという妻の訴えが、互いの言い分の食い違いから、判決の行方が命がけの戦いへと強いられていく様を、当時の資料に現代的解釈を加え、真実の在り処を明らかにしていく法廷ミステリー。
1836年の百年戦争真っただ中のフランスを舞台に、強姦された騎士の妻の訴えによって命を懸けた決闘裁判の行方を、同じ時間を過ごした主要人物3人の視点で3幕構成にして描く本作。
何が真実で嘘なのか以前に、2人の男の都合のいい視点がとにかく鼻に突く描写。
それに対し如何に女性に人権がないかを炙り出していくことで「言わぬが花」な風潮に一石を投じた、現代にも通用するミステリー史劇でございました。
3幕構成の中で同じシーンが何度も登場するわけですが、演者の微妙なしぐさを汲み取っていくことで、物語が徐々に別物に変わっていく手法は素晴らしかったです。
特に暴力を振るわされているシーンは目を瞑りたくなるほど。
1回目の視点と2回目の視点でこんなにも捉え方が変わるものなのかと。
主観と客観、自分と他者が同じような出来事を過ごしたとしても、全く違う見方になる面白さでした。
そして中世を表現した美術や戦闘シーンも侮るなかれ。
半分顔を隠した仮面は当時では存在しなかったそうで、それを「そんな仮面だったんだ!」と思わせる説得力は見事。
決闘に際しては巧みな編集と荒々しい効果音、それを引き立てる光度の具合が絶妙でしたね。
また本作に対する映画監督や映画評論家のミソジニー的評論が物議を醸したことや、映画ファンの間でもちょっとした論争になったことは、2021年の映画界の中で避けては通れないことだったように思えます。
あれから200年が経とうとしている今も尚、傷つけられた女性が多数存在するわけで、男は教訓にするべき映画だったのではないでしょうか。
第7位
ファーザー
認知症を患った父親と介護に苦悩する娘とのやり取りを中心に、老いによる思い出の喪失と親子の絆を、かつてない映像体験で描く感動作。
誰の助けもいらないと豪語する父と、自覚症状のない父を献身的に介護する娘の物語。
認知症を患う父親の視点で描くことで、現実と幻想の区別をなくす「迷宮」のような構成により、観衆は「認知症を疑似体験」しながら物語を追うことになります。
一体何が起きているのか理解できず「?」だらけになることも多く、観終わった後に「あそこのシーンはどういうこと?」なんて誰かと話したくなる楽しさもあったと思います。
終盤を迎えると、根っこには父と娘の普遍的な愛がしっかり詰め込まれてたことで、ミステリーサスペンスの表層を持ちながらヒューマンドラマの顔を持つ、画期的な作品でございました。
僕の家族や親せきは幸い認知症を患っている人がいないため、当事者や介護をする家族の苦労をよく知りません。
しかし本作は認知症を疑似体験するような映像を見せることで、介護の苦労はもちろんのこと、当事者の「忘れてしまうこと」への恐怖を十二分に見せているのが、観ていて地獄でした。
しかも舞台を映画化したことによって、リアリティが増したのも素晴らしい。
ぶっちゃけ舞台は見てないんですけど、この題材はどう考えても映像向きなんじゃないかと。
アンソニーの演技にも感情移入しましたし、何よりラストの「すべての葉が無くなってしまう」と哀しみ嘆く表情はものすごく印象に残ったシーンです。
第6位
フリー・ガイ
「デッドプール」でおなじみのライアン・レイノルズが、ゲームのモブキャラに扮し、ゲームの世界を救うためにヒーローになっていくアドベンチャーアクション。
ただのNPCだった男が、ゲームの世界で成長しながら主人公になっていく物語。
ゲームファンなら盛り上がれる要素はもちろんのこと、例え作られた世界だろうと現実世界だろうと、「その瞬間こそがリアルなのだ」というメッセージ性。
そして自分を変えてくれた存在がいるから、今の自分が在るという超素敵なラブレターが物語の面白さを加速させていく意外性。
さらにはレイノルズだからこそできる遊び心溢れたコラボにキャスティング。
ものすごく良い意味で期待を裏切ってくれた良作でございました!!
これまでおふざけが過ぎるなぁという印象でしかなかったライアン・レイノルズが、ディズニーと本気で映画を製作したらどうなるかという実験も込みだったのではないかという本作。
監督主演共に90年代映画がお好きなようなのか、ゲームの世界でも現実世界でもロマコメ要素満載な物語だったとはめちゃくちゃ意外でしたねw
「ゲームの世界は何でもできるが、現実世界ではメシがウマい」というセリフでときめかせてくれたレディ・プレイヤー1も大好きですが、「ゲームだろうが現実世界だろうが、この瞬間はリアルだ」という本作のセリフも大好きで、正にゲームと現実という世界が一つに繋がる流れもこのセリフに集約されていくようなエンディングのように感じました。
そんでもってチャニング・テイタムの破壊力ww
第5位
すばらしき世界
まっすぐな正義感を持ちながらも一度キレると手に負えなくなるという気象の荒い性格の彼を、密着ドキュメンタリーを撮影するTVマン二人の視点から覗き見ていく。
人生の大半を刑務所で過ごした男が、短気で一本気な性格ゆえ、理不尽な出来事や筋の通らないことに目を背けられない息苦しさにさいなまれながらも、社会=他者との繋がりを通じて社会復帰を目指す道のりを描いた本作。
優しさと怒りを交互に使い分けることで圧倒的な人間味を出した役所広司や、一念発起して物書きになろうと決心するも半端な気持ちだった男の心変わりを見事に演じた仲野太賀ら演者の魅力。
さらにほのかなユーモアを挟みながら、普段過ごしているはずの景色を一変させてくれる構成や演出で物語を描いた監督の力にやられた渾身の1作でした。
人生は我慢の連続だけど、空は広い。
主人公三上がもらった言葉は、実はタイトルを解釈するうえで欠かせないセリフだったのかもしれません。
こんな男でも誰かが支えてくれ、支えたものは彼の良き行動に喜びを感じる。
そんな社会で会ったらいいよねと言う監督の思いが詰まった作品のように思えます。
三上ほどではないですが、ひねくれ者で頑固な僕は彼との共通点が多く、後半で描かれる「優しさの連鎖」は涙があふれて止まりませんでした。
なんだろう、まるで自分が優しくさせられたみたいなw
また個人的には西川監督の中ではベストに近い作品と位置付けてます。
ユーモアも人物描写も本作はすごくよかったです。
投げっぱなしなラストシーンはちょっと意外というか、西川監督っぽくない気がしたんですけど、あの終わり方だからこそ作品の深みを出せたのかなと。
第4位
ジャスティス・リーグ/ザック・スナイダー・カット
DCスーパーヒーローたちが初めてタッグを組み、地球を未知なる脅威から救うアクション・エンターテイメント 『ジャスティス・リーグ』
アメコミファン待望のザック・スナイダー版。
マザーボックス収集のために地球に襲来したステッペンウルフを倒すため、孤独の闇を抱えながらも前に進むために「団結」したヒーローたちの物語。
配給会社首脳陣の顔色をうかがいながら2時間の枠にしっかり収めたウェドン版とは違い、7つのエピソードから個々の苦悩や葛藤やリーグ結成までを「これぞスナイダー」と呼べる多彩なスローモーションと重厚感を帯びたビジュアルで描く。
さらには「スーパーマン3部作」でありながら、次世代や女性、娘への想い迄詰め込むことで、いかにスナイダーが英雄を、神を、超越的存在を愛し、正義のバトンを渡そうとしているかが読み取れる最高の映画でございました。
長尺が好きではない僕ですが、4時間があっという間。
配信で48時間レンタルだったんですが、3回視聴。
映画仲間ともう一度鑑賞することになり、再び2回視聴。
それでも飽きない面白さが詰まってました。
ウェドン版でくすぶっていた新キャラを前面に押し出すことで、全員がリーダーのようなチームに変貌。
バトル描写はスピードのスローを巧み使い、細かいカット割りで切れ味が一気に変貌。
知らないキャラや知らないエピソードまで出てきて、物語自体が一気に変貌。
仕上げには失った娘に対する思いを余すことなく詰めた作品に。
そうすることで近しい人を亡くしたり、孤独に打ちひしがれたヒーローたちが、「団結」して敵と立ち向かい、これまで留まっていた場所から「前に進む」ことを強く描いた物語だったように思えます。
頼むワーナー!
続編を作ってくれ!
スナイダーで!!
第3位
BLUE/ブルー
負けっぱなしのボクサーが周囲の人物に影響を受けながらも、ひたむきに努力し続けていく「青コーナー(挑戦者)の生きざま」を描く。
ボクシングの世界を舞台に、勝利を掴むことができずにいるも飄々と笑う男、才能に任せ勝利を掴むも病と闘う男、下心から始めるも少しづつ好きになっていく男、そして幼馴染と恋人を影で見守る女性の4人を中心に描く物語。
普段見るようなボクシング映画の装いではない描写で試合をリアルに表現しながら、人物描写にこだわりも入れた監督の気合がみなぎる作品。
そして、「負け」を重ねても「好き」を貫く姿勢こそが「強さ」であることを証明した、紛れもない良作でございました。
隅から隅までシーンを構築する技量はいつもながらあっぱれで、登場人物全員に見せ場があるのもさすが。
「全部描かずともおまえらわかるだろ?」くらいのレベルでシーンをぶった切ってしまう演出。
吉田監督びいきの僕としては、この時点でベスト確定です。
王者も勝者も一握りでしかない世界はどこにでもあり、ボクシングもその一つ。
諦めずに努力してやり続ける人は、ホントにかっこいい。
たとえ生活が苦しくても、体力の限界が来ようとも、好きなことをひたすら突き進んでいく姿は、ホントにかっこいい。
瓜田も小川も楢崎も、すごくまぶしかった。
音楽を諦めた僕は、やり続ける彼らに頭が上がらないし、尊敬のまなざしで見てた気がします。
こんな素晴らしい映画を作ってくれた監督にも、頭が上がりません。
第2位
ドント・ルック・アップ
落ちこぼれの天文学者が見つけた「100%地球にぶつかる巨大彗星」を、世間に知らせるべく奔走するが、誰も真面目に取り合ってくれないばかりか、事態は思わぬ方向へ進んでいく風刺コメディ。
ミシガン大学の天文台で発見された彗星が地球に衝突することを世界に知らせようと奔走する天文学者と教え子が、政府はじめ様々な媒体で世界に訴えていくも、徐々に思わぬ方向へ進んでいってしまう物語。
これぞアダム・マッケイ節と思えるほど痛烈にアメリカ政治や彼らによって踊らされている我々にまで皮肉を突き付け、要所要所で豪快に笑われてくることで、全然笑えない話なのに笑わずにはいられない最高にクールな映画でございました。
ブログではディカプリオが主演ということで環境問題と照らし合わせて述べてみましたが、おそらく今地球にとって一番の脅威は「環境破壊」以外ないのかと思います。
そしてタイトルの「Don't Look Up」。
上を見るなというこの言葉が物語の後半でグサっと突きつけてくる巧さ。
リーダーは俺らに下を向いてスマホに夢中になってろ、そこに書いてある情報を鵜呑みにしろ、もしくは信ぴょう性のない情報で扇動して金を儲けろ、と言ってるように聞こえるわけです。
また主演の二人以外は、どいつもこいつもおかしな奴ばかり。
大統領にニュースキャスターにどっかのCEOに世界の歌姫まで。
天文学者の役であるデカプーまで取り乱しちゃってるし、ジェニファー・ローレンスは汚い言葉ばかりだしw
あ、みんなおかしいのか?w
これがアメリカであり、これが世界であり、これが人類なんだと言われてるかのようです。
ただの娯楽ととらえるか警告と捉えるかは、観た人次第。
正直ベスト10に入れてる場合じゃないかもしれないw
そして!
モンキー的2020年映画ベスト、栄えある1位の座に就いたのは!!
第1位
21ブリッジ
殺人強盗犯を追跡するためにマンハッタン島にかかる21の橋を封鎖する、シンプルにして大胆な発想の追走劇。
父から受け継いだ「正義」を胸に刑事職を全うする男が、コカイン強奪及び警官殺しの容疑者を確保するため、夜のマンハッタンを封鎖し奔走する物語。
キャラクター像や撮影、音楽カメラワークに至るまで徹底的に往年の刑事アクション映画から影響を受けたことが透けて見える清々しさ。
さらに善悪の二元論では片づけられない倫理的な問いかけを与えることで現代的な作品へとアップデート。
タイムリミット近づくNYの街の風景や事件の真相に迫る緊張感が、クライムサスペンスであると共にフィルムノワール感をも漂わせた、一級品の映画でございました!!
本作を一言でいうと「色気」の映画だと感じます。
ノワールモノは基本そういった部分が少なからずあると思うんですが、チャドの姿から夜のNYの街並み、善悪に対するメッセージ性まで色気を醸し出してると僕は思います。
あとはもうね、完全に俺の好みw
2021年に見た新作の中で、こんなにも興奮しながら観たのはこの映画だけです。
とあるシーンで、みんながシーンと観てる中、俺だけガチで落ち着き無くして「ハァハァ」してましたからねww
ただのヤバい奴でしたよw
昨今で正義を扱う映画と言ったらヒーローものが主流になっちゃいましたけど、待て待てお前ら、身近にもいるだろう「刑事」という役職がと。
今や全然盛り上がらなくなった刑事映画を復興させてほしくて、続編製作とかあったらなぁと思ったのに、チャドよ・・・。
総括
今回の順位は満足度の高い順でランク付けしてるんですが、今年は満足度7/10以上の作品が非常に多かったので、30位までタイトルだけ発表したいと思います。
⑪子供はわかってあげない
⑫まともじゃないのは君も一緒
⑬チックチックブーン
⑭空白
⑮騙し絵の牙
⑯プロミシングヤングウーマン
⑰パーフェクトケア
⑱ボクたちはみんな大人になれなかった
⑲燃えよ剣
⑳クワイエットプレイス2
㉑パワーオブザドッグ
㉒この茫漠たる荒野で
㉓トゥモローウォー
㉔シンエヴァンゲリオン劇場版
㉕野球少女
㉖ラブ&モンスターズ
㉗アジアの天使
㉘エターナルズ
㉙白頭山大噴火
㉚ジャッリカットゥ牛の怒り
こんな感じです。
というわけで、モンキー的2021年映画ベストテンは、
- 21ブリッジ
- ドント・ルック・アップ
- BLUE/ ブルー
- ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダー・カット
- すばらしき世界
- フリー・ガイ
- ファーザー
- 最後の決闘裁判
- アメリカン・ユートピア
- あのこは貴族
でした。
洋画7本、邦画3本、アニメ0本。
今年もバランスの悪いジャンル分けになりましたw
とはいっても11~20位の割合は、洋画4:邦画:6なのでバランスはとれたのかなぁと。
総評としましては、2年ぶりに洋画大作がガンガン公開されたものの、興行面に関しては空振りだったのが印象的。
やはり公開45日後に配信を謡う「ディズニープラス」を筆頭に、無理して劇場に行かなくてもちょっと我慢すれば自宅で見ることができてしまう環境やサイクルが、伸び悩む興行に直結しているのではないかと。
もちろん配給側はいつパンデミックが起きても会社がコケないための措置なので、今後も我々が思う以上に早く自宅で鑑賞できるのでしょう。
もうあれですね、いかに短いスパンで劇場でスクリーン回して稼げるかって風潮になるのでしょうか。
そうすると長尺映画は厳しそうだよね~。
90分映画が流行ったりするのか!?
俺は、ん~・・・賛成!w
個人的には「MCU不信」が今年悩みの種になっており、本気でMCUを追いかけるのに悩みましたw
「ワンダ・ヴィジョン」から始まった2021年のMCUは、「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」で興奮したものの、「ロキ」、「ブラック・ウィドウ」、「シャン・チー」とどれも微妙でして・・。
「ホークアイ」もキャラの競演と出だしは大好きでしたが、最終回はだいぶ端折ってててもったいなかったなぁ。
特にドラマは風呂敷広げてるだけの話としか思えず、無理して観なくてもいいけど観ないとついていけなかったりする市と、結局渋々追いかけてるのが本音です。
一応「エターナルズ」が素晴らしかったので、今後も見続けていく決心をつけましたが、やっぱりサプライズありきな演出や進行は瞬間最大風速がすごいだけで、実はたいしたことないんですよね。
エンドゲームでたくさんやったので、当分要らないんだよなぁ・・・。
他には上半期に良い作品が多かったのが印象的。
下半期は大作話題作中心のラインナップにもかかわらず、あまりピンときた作品がなかったなぁと。
多分、下半期の話題作に目が行き過ぎて、隠れた良作を取りこぼしてる可能性が高いのかもしれませんw
とはいえ、ずっと避けていた濱口竜介作品2作は鑑賞。
これは世界の賞レースを席巻していることも手伝って、さすがにスルーはできないなと重い腰を上げて見に行きましたが、まぁ面白い。
「偶然と想像」は見やすいので、気になる人はここからスタートしてもいいかもしれないです。
最後に
どうでもいいですが最後に私の偏愛枠をご紹介。
国内での公開当初、クリストファー・ノーランの名前を使い、さも「インセプション」のような宣伝をしてしまったことへの反発が非常に大きかったんです。
実際「記憶潜入エージェント」なんて嘘っぱちだし、プロット自体粗も多い。
ただ僕は主人公に感情移入しまくってしまったんです。
ラストの選択に関しても自分もそうするなぁというくらい。
記憶という名の過去にずっと縋ることができるのなら、この先「絶望」しかないと悟っているのなら、無理して未来への希望など見る必要はないのではないかと。
とにかくノワール感たっぷりの「ぱいすぅ~映画」なので是非。
2022年はどんな年になるでしょうか。
まずは「スパイダーマン」から始まり、アカデミー賞関連から春休み、GW映画、そして夏の大作映画と、いつもと変わらぬ興行であってほしいです。
何より「シン・ウルトラマン」で失神したいと思います!!
政府よ、お願いだから来年は映画館を閉めないでくれよ!!
というわけで、2022年も「モンキー的映画のススメ」をよろしくお願いいたします!!