モンキー的2022年映画ベスト10
はじめに
いつも読んでいただきありがとうございます。
管理人のモンキーです。
この記事を持ちまして、当ブログ「モンキー的映画のススメ」は丸8年を迎える形となりました。
毎週新作映画見てブログ書いてという生活を8年間も続けてきたって、さすがにここまでくると異常ですねw
とはいえ、もっと書きたいこと、もっと書けること、書かなくてもいいことなど、毎度毎度反省を繰り返し、一向に成長の兆しが見えないモンキーですw
そんなことを頭の片隅で考えながらも、思ったことを正直に、情熱かつ冷静に、これからも感想を述べていきたいと思います。
さて、今年も恒例の年間ベストを決めました。
満足度の高かった作品、劇場や自宅での鑑賞回数、依存度などなど、あらゆる角度から吟味し、当初の満足度に加点して順番をつけてみました。
要するに好きな映画順ですw
あくまで私自身のベストですので、どうか冷ややかな視線でなく、温かな目で参考程度に覗いてもらえればと思います。
ちなみに2022年上半期ベストはこちら。
2022年鑑賞した新作映画の本数は、121本!!
今年はネットフリックスを解約したこともあり、去年以上に観賞する機会が減ってしまいましたが、それでもそこそこ話題作は網羅したかと思います。
それでは発表です!!
ランキング発表
となりましたぁ!!
モンキー的2022年の映画を総括
今年は不作。
・・・いつもでしたら、第10位から簡潔な説明と感想と解説を書いてましたが、今年から辞めましたw
てか、めんどくさくなりましたw
ぶっちゃけ、当時書いた文章から引用して書いてるだけだったので、だったら今回は「総括」という形で感想を組み込んでいけばと。
正直言いますと、今年の新作映画、不作でした。
具体的に言うと、僕の満足度が5とか6ばかりで、良作のラインとしている7を超える作品と巡り合えなかったことが「不作だった」と感じた理由です。
遅咲きの映画野郎として、この10数年映画を趣味として費やしてきたわけですが、気が付けば「感想」という形で映画を評価したり批評していくことで、自ずと頭の中で「これが映画だ」という指標ができてました。
いつからか「僕が思ういい映画とはこうでなくてはならない」という考えと、それでもこの映画にはこういう素晴らし点があるという発見や気づきを軸に、面白かったか面白くなかったかの「せめぎあい」をしていたのかと。
そのせめぎあいの結果、「僕が思ういい映画とはこうでなくてはならない」の方が勝っちゃったってことなんですね、ええ。
やはり年齢を重ねると思考が頑固になるのか、肌感覚で感動できなくなってしまったのか、どうも昔のように新作映画を見てもときめく回数が減ってしまいましたね~。
ぶっちゃけ自宅で昔の映画を見た方がときめきます。
とはいっても、去年の新作映画の満足度の平均値が5,8で、今年は5.5なんですよ。
大して差がねえっていうw
大作映画に関して
まず今回洋画大作でベストに入ったのは「トップガンマーヴェリック」。
前作にこれといった思い入れのない本作で、おさらいで改めて観ても「え、雰囲気だけの映画じゃん」程度の中身だったんですよ。
だけど、前作を見ておかないと味わえない興奮と感動がこの「マーヴェリック」には詰まっており、色々言いたいことはあるけれど完全に気持ちが勝った、涙なしでは見ることのできない素晴らしい続編でした。
前作当時若者だったおじさんおばさん連中だけが盛り上がると思いきや、勢いは若者にまで派生し100億円を超える大ヒット。
正直オワコン扱いされてもおかしくないトムクルーズ映画がここまで息を引き返すなんて、映画ファンとしてはうれしい限りです。
さて、今年の上半期は「ジュラシックワールド/新たなる支配者」、「ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密」、「ザ・バットマン」など大きなシリーズが目白押しだったんですが、ジュラワとファンタビに関してはファン目線過ぎて物語の矛盾やむやみなキャラの使い方などが目につきましたね。
バットマンに至っては個人的にマット・リーヴスが得意でない時点ですでにマイナス要素があり、さらには3時間という長尺、重たい描写と起伏のない脚本など、「チャイナタウン」よろしくな探偵バットマンをかっこよく撮りたかったんだろうけど、やっぱりコスプレですからね~…。
ラストは好きとだけ言っておきますw
そう、アメコミ映画も比較的残念でしたね。
DCはバットマンとブラックアダムだけっていう少なさでした。
ブラックアダムも楽しいことには変わりないけど、アンチヒーローを描くことによる目新しさはほぼないし、おいしかったのはピアース・ブロスナンだけっていう。
MCUもひどいもんです。
スパイダーマンはファン目線で作った中では最高峰の出来だとは言えますが、いざ単体映画としてみたときに、これでいいのかと。
最大瞬間風速が最強だっただけに、風が去れば何にも感じないという…。
ストレンジのような80~90年代の作っと楽しみながらホラーテイストな作風はよかったですね。
「これがいい!」ではなく、「こんなんでいい」という今後の大作映画のいい手本になってくれればと。
最悪なのは「ソー ラブ&サンダー」ですね。
マジでタイカ・ワイティティは監督しないでほしい。
「ブラックパンサー/ワカンダフォーエバー」も哀悼の意を込めすぎで、お母ちゃんのエピソード要らんだろ、その分尺削れたろとも思いました。
そう、このブラパンもバットマンもですけど、2022年は長尺映画がホント増えました。
その最たるものが「アバター/ウェイ・オブ・ウォーター」で3時間16分。
ブラパンも2時間40分で、バットマンも3時間。
インド映画のRRRはまぁしょうがないとして、ほんと多すぎです。
ちょっと前までは2時間30分が長尺の最たるものだったと思うんですけど、このままだと3時間が主流になりゃしねえか心配です。
まぁ昔もありましたけど、1年単位でそんなにないよねっていう。
実際2023年公開作品では「バビロン」や「フェイブルマン」といったアカデミー賞候補作品が3時間だなんて話ですし、こういう傾向になったのはマーベル映画とネットフリックスの成功が原因らしいですよ。
今や大作は長尺、アカデミー賞候補作品を筆頭とする巨匠たちの作品も長尺という時代らしいです。
こういうのも、僕が満足度を下げたくなる原因なんですけどね。
2時間あれば映画の中の物語って語れるでしょと。
小規模作品に関して
じゃあアカデミー賞はじめとする小規模作品はどうだったのかと。
今回ベストに「リコリス・ピザ」と「ベルファスト」の2つのアカデミー賞作品を入れました。
どちらも現代ではなく60~70年代が舞台の話であり、監督はどちらも数多くの作品を作ったお方。
映画を作るのが巧いのは当たり前なんですが、それにしても巧いと感じたんですね。
「ベルファスト」は争いによって日常が脅かされる現実を訴えながらも、少年視点で描かれるかわいらしく愛らしい日常のギャップが楽しく、「リコリスピザ」はカウンターカルチャーが下火になっていった70年代初めの虚無的な空気感などお構いなし、アメリカングラフィティよろしくなにおいで、何者かになりたいと願う10歳差の男女が、若気の至りならではのおバカな駆け引きと、その一線を越えて素直になっていく美しさを、PTAが最高の演出で彩る傑作でした。
この二つはとにかく「ニコニコ」しながら見られたことが大きいですし、俺を「ニコニコ」させたのは何なのかをたどっていくと、結局監督の映画の見せ方だったりするのなかなと。
俺ケネスブラナー大嫌いなんですけど、ベルファストだけはケネスの顔がチラつかなかったからなぁww
さて今年度は「Codaあいのうた」が作品賞に選ばれました。
すごくいい映画でオリジナルよりもキャラを無駄なく使ってるんですが、置きに行ってる感じがして。
後はもう結末がオリジナルと一緒なので、先が分かってるってのもあって満足度は下がっちゃいましたね。
というか最後に歌う歌がオリジナルの方がリアルだなぁと。
ジョニミッチェルの唄はいいですけど、なぜポップスを歌って音楽学校に受かるのか…。
他にも「ドリームプラン」はきつかったし、「ウエストサイドストーリー」もスピルバーグらしい演出が際立ってたけど、ミュージカルという点においてはロバート・ワイズの方が圧倒的に優れてるしなぁと。
じゃあA24作品はどうだったかと。
正直俺A24作品てこれまで当たりが実はなくて。
「グリーンナイト」はロウリー作品だから覚悟してたけど眠くて仕方なかったし、「MEN 同じ顔の男たち」もあまりにも説明不足な感じがしましたね。
解釈をゆだねる系の作品はどうも相性が良くなくて、そこを見いだせたらもっと映画を楽しめるんですけどね。
来年はA24最大のヒット作「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」が公開されますが、期待してるとはいえ僕の中で「A24かぁ…」ってなってますw
邦画に関して
では日本の映画はどうだったのか。
基本洋画派なので、邦画の小規模作品手ほとんど行かないですし、結構嫌いな監督が多いことや、日本映画こそ「こうであるべき」って視点が強くなってしまって年々面白さを見いだせなくなってます。
だからどうしても話題作ばかり見に行ってしまうんですが、その中でも今回ベストに入れた「さかなのこ」と「ケイコ 目を澄ませて」は群を抜いて素晴らしかったです。
中堅からベテラン監督の域に達しようとしてる沖田修一と、まだ新人監督なキャリアの三宅唱。
この二人が作った映画に共通するのは「見に来たお客さんを信用してること」ですかね。
どうしても説明になりがちな映画ってのは、恐らく映画に慣れてない人向けに作ってるんだけど、それが違和感なくみられる映画もあれば逆にノイズになってしまう映画もあるので、全部が全部説明調はNGってことにはならないんですよ。
でもやっぱり説明だったりそれを意味するセリフや演出を避けて映画を見せるって、やっぱりお客さんの想像力を信じてるってことだと思うんですよ。
そういう点で「さかなのこ」と「ケイコ~」はドストライクだったなぁと。
きっとそういう映画が他にもたくさんあるんだろうけど、やっぱり後まわしにしてしまうんですよね…。
これらとは違う形で素晴らしかったのが「メタモルフォーゼの縁側」。
意外にも日テレ製作の映画だったんですが、全然宣伝してなかったですねw
ルックこそTVサイズのもので、映像としての映画っぽさは全く感じなかったんですけど、少女と老婆というかけ離れた世代が、一つの趣味でつながっていくという設定が、自分の置かれた状況(Twitterなどで仲良くさせてもらってるフォロワーとの関係性)と非常にリンクしていて、自分の人生に深くかかわる物語だったと実感したんですよね。
大作系でいうと、「キングダム2」や「ヘルドッグス」などが概ね楽しめた作品でしたが、「バスカヴィル家の犬」をはじめとしたTV局製作作品、「鋼の錬金術師」のようなコスプレ感満載の実写化映画は相変わらずの出来栄え。
ハガレンは前編は擁護できますが、後編がもうダイジェストでしかなく非常に残念でしたね。
小規模で言うと今年は城定秀夫イヤーともいうべき1年でした。
「女子高生に殺されたい」と「愛なのに」、「夜、鳥たちが啼く」の3作は観賞したものの、「ビリーバーズ」は見逃してしまいました。
評判いいみたいなので、年末年始にでも配信で見てみようと思います。
他にも「川っぺりムコリッタ」でのオフビート感と死者との向き合い方のマッチング度の高さだったり、どこをどう切り取っても面白さが見当たらないんだけど妙に「人に見てもらいたい」度の高かった「この子は邪悪」、吉田恵輔監督の毒っ気があまりにも強く拒否反応を示してしまった「神は見返りを求める」などは、今年印象に残った作品たちです。
で、今年の第一位にしました「シン・ウルトラマン」。
僕自身ブログでも「最も古い記憶への帰還」だとか「人生の円環作用」みたいなかっこつけフレーズでイキッて絶賛しましたw
結局最初で書いた通り、色々な映画見て出来上がった「これぞ映画」なんて視点は、こういう「作品への思い入れ」が強い映画には通用しないし敵わないわけです。
恐らくウルトラマンに全く思い入れのない状態でこの映画を見たらボロクソ言ってたでしょう。
今年はこのほかに「ゴーストバスターズ」や「スラムダンク」なんかも「思い入れ」感覚でしか見てない作品で、普段指標にしているような見方なんてせずに没入してました。
最後に
この総括、結局何が言いたいのかというと、今年の映画は残念ながら不作と感じた年だったけど、思い入れの強い原作やコンテンツに救われたし、そういう映画に対して自分の映画論はガン無視できちゃうんだな、俺の映画の見方は矛盾だらけだな、ってのが色濃く出た1年でした。
なんも考えずにダラダラ書いてたら愚痴ばかりが増えてしまいましたが、一応これでも今年の映画をそれなりに楽しみましたし、今年「なんだかなぁ」と思っていた分、来年の新作映画ラインナップがすごいので、今年の倍以上に楽しみたいと思ってます。
興行的にもコロナ禍で遠ざかっていたお客さんたちが、「トップガン」を皮切りに、「ONE PIECE Film RED」、「すずめの戸締まり」、「THE FIRST SLAM DUNK」というヒットコンテンツの評判につられて足を運んでくれたのは、映画ファンとして非常にうれしかったですね。
逆に個人的にはNetflix映画が一定の面白さを得られなかった作品ばかりだったので解約した年でした。
やはりクリエイターファースト過ぎるとダメなんだなと。
使ったお金を回収するためにより良くする策をとる劇場映画と違い、月額料金という何もしなくても入ってくる潤沢な予算を監督にあげて好きなように作らせるネトフリは、要は誰の(というと語弊があるかもだけど)ジャッジもないまま配信してしまうわけですし、仮に評価や再生回数が低くても月額料金としてお金を回収できてしまうわけで、そりゃネトフリと劇場映画とどっちが面白いの?、ケツに火がついてる方がいいもの作れるよなぁと。
とはいえ良質な配信映画もあるわけですから、全てがこれに当てはまらないですけどね。
というわけで、今年も読んでいただきありがとうございました。
相変わらず読みづらいブログですが、今後ともご贔屓に。
あ、いつもコメントくださる方へ
返信が滞ってしまい大変申し訳ありません。
ここ数ヶ月時間が取れませんでした。
タイミングをみてお返事を書こうと思いますので、お許しください。
というわけで以上!あざっした!